迷いながら、ここで育てている|ダナンの日系幼稚園に8ヶ月通わせて、わかった本当のこと〜海外・多言語子育ての記録|家族の部屋
体験入園を経て、入園を決めました。
月額3万円前後。9割がベトナム人の子どもたち。
日仏ハーフの息子を、1歳になる前から預けた8ヶ月間。
転園した今だから見える、あの園の本当の価値を残しておきたいと思います。
▼ 幼稚園を見つけた経緯・費用・見学の話はこちら 地方都市ダナンで、1歳から幼稚園に通わせた理由
▼ 体験入園3日間のリアルはこちら 体験入園3日間のリアル:1歳児を初めて預けた日
8ヶ月で息子に起きた変化:言語。
幼稚園に通い始めてから、息子の中で言語が分かれ始めました。
「あ、今、日本語を話そうとしているな」
「あ、今、ベトナム語で何か言っている」
「フランス語はフランス語で、意味はわかってるんだ」
そういうのが、少しずつ見えるようになった。
4つの言語が混在する環境。
最初は心配しかなかったけれど、
子どもは子どもなりに、それぞれの言語を場面や相手で使い分けようとしている。
それが見えた時は、素直にすごいなと思いました。
8ヶ月で息子に起きた変化:行動と自主性。
集団生活の中で、自主性が明らかに育ちました。
親の姿を見ながら真似して、ほうきとちりとりを持って掃除してみたり。
排便したら、オムツを触りながら「したよ」と教えてくれたり。
おもちゃで遊ぶ。塗り絵をする。
椅子に自分で座って絵本を見る。自分でつかみ食べをする。
こういうことが、幼稚園に通い始めてからスムーズにできるようになっていきました。
そして、これは親側の変化でもあるのですが、
心と時間に余裕ができた分、ご機嫌で子どもに接する時間が増えた。
そのせいか、息子のご機嫌もぐっと上がりました。
ただ正直に言うと、1日フルで預けるとやっぱり疲れるみたいで、
17時に迎えに行って、18時に帰宅したらそのまま就寝。
朝まで起きてこない、ということもありました。
8ヶ月で息子に起きた変化:社会性。
集団生活力は、確実につきました。
物をシェアする。ダメと言ったことはやめる。待つ。新しいものに関心を持つ。
もともと人見知りしない子でしたが、
先生たちがとても大切にしてくれたおかげか、輪をかけて人懐っこい子になりました。
幼稚園に着いたら、私のことを振り返らずに目をキラキラさせて先生のところへ行く。
迎えに行ったら、満面の笑みでこちらに来てくれる。
転園した今も、送迎時に機嫌を斜めにすることがある。
以前の幼稚園が、よほど心地よい環境だったんだと思います。
正直に書く:大変だったこと。
良いことばかり書いてきましたが、正直に言うと大変だったこともあります。
体調面です。
特に雨季の寒い時期になると、周囲の子はみんな風邪をひいている。
12ヶ月になるまで1度しか熱を出したことがなかった息子も、
幼稚園に通い出して1〜2ヶ月は、風邪をひいては治り、を繰り返しました。
熱が出た場合はメッセージで状況を教えてくれて、解熱剤を投与していいかの確認が来る。
それで熱が下がれば、そのまま預かり続けてくれます。
裏を返せば、体調の悪い子も園にいるということ。
集団生活で免疫をつけていく、という考え方。
頭では理解していても、最初の1〜2ヶ月はちょっと辛かったです。
写真の扱いについて。
園では定期的に写真撮影があるのですが、
親の許可なく園のFacebookや広告に使用されることがありました。
ローカルの感覚では当たり前のことかもしれませんが、
伝えたらすぐにやめてくれました。
気に入らないことや気になったことを共有すると、
一生懸命取り入れようとしてくれる。
「ローカルだから仕方ない」ではなく、「言えば変えてくれる」。
これは大きな違いだと思います。
粉ミルクと牛乳の話。
指定がなければ牛乳を支給してくれますが、
まだ普通の牛乳をあげたことがない月齢の場合、粉ミルクは持参が必要です。
また、ベトナムでは普通の牛乳にも砂糖が入っていることが多い。
他の幼稚園の見学では、乳幼児にも砂糖がたっぷり入った牛乳を支給しているところもありました。
何を口にしているかは、親が確認するしかありません。
日本との違い:柔軟さが、桁違い。
入園してから数ヶ月後の12月、日本に1ヶ月ほど一時帰国しました。
「1ヶ月休園したいんですが」とチャットしたら、「OK」。
特別な申請も書類も不要。チャットだけで完了。
予定より1週間早く戻ってきて「1週間だけ入れたい」と相談したら、「もちろん!」と即答。
しかも1週間分だけの請求にしてくれる対応まで、こちらが聞かなくても自然とやってくれました。
外国人カップルにとって、年に1〜2度の長期一時帰国は避けられない。
この柔軟さは、本当に助かりました。
日本に一時帰国した時、預けるというハードルの高さに驚いた。
ダナンでは、チャットひとつで翌日から預けられる。
この差は、大きい。
親側の変化:夫婦の生活が、一変した。
息子を預けるようになって、夫婦の生活は大きく変わりました。
夫は転職して、オフィスへのフルタイム出社を再開。
私も仕事に復帰して、スタートアップの立ち上げをやりました。
産後の体を立て直すべく取り組み、MBAの取得までできました。
7時から17時。この10時間があったから、できたこと。
心と時間に余裕ができた分、子育てにも笑顔が増えた。
産後うつで悩んでいたマイナスのスタートラインから、
自分の「ベター」を目指せるようになりました。
そして、転園の日が来た。
この幼稚園との別れは、突然やってきました。
急な引っ越し。新しい家からはバイクで40分かかる。
泣く泣くの転園でした。
事情を伝えただけで、最終月は融通を効かせた請求にしてくれて、
最終日も柔軟に対応してくれました。
最後の3日間は、先生やスタッフが毎日息子に会いに来てくれたりして。
最終日、園長先生に抱っこされたまま離れるのが嫌で、ぎゅーっと抱きついていて。
先生たちにバイバイする時も、何度も何度も投げキッスをしていました。
とても、懐いていたんだと思います。
転園が決まって、次の幼稚園を3つ見学に行きました。
でも、コミュニケーションの質も、対応のスタンダードも、全然違いました。
次の受け入れ先は「月曜日から」と約束していたのに、日曜日に急な連絡。
「水曜日からしか受け入れられない。月曜から入れたいなら入園費を全額払ってもらう必要がある」
お金の交渉が先に来た。
そんな状況でも、かいせいさんは最後まで助けてくれました。
退園手続きをした後なのに、月曜と火曜だけ預かってほしいと日曜の午後にメッセージを送ったら。
返信は、即答でした。
「もちろん預かれます。嬉しいです!」
最後の最後まで、この幼稚園には頭が上がりませんでした。
小さな手に、今日もたくさん教えられながら。
迷いながら、それでも前に進んでいく。
― 小さな手が教えてくれる、大きな世界。
📚 このシリーズの他の記事
▼ 世界の見え方が変わった瞬間〜海外・多言語子育ての記録 読む
▼ 1歳を過ぎて、多言語育児のリアルが見えてきた 読む
▼ ダナンに来た理由と、海外子育てのお金のリアル 読む
▼ ベトナムでナニーを雇うということ【前編】 読む
▼ ナニーを雇わなかった理由【後編】 読む
▼ 地方都市ダナンで、1歳から幼稚園に通わせた理由 読む
▼ ダナン日系ローカル幼稚園、実際に見学してわかったこと 読む
▼ 体験入園3日間のリアル:1歳児を初めて預けた日 読む
▼ 海外で子どもを産むと、行政も教育も全部自分で設計することになる。【手続き編】 読む
▼ 海外で子どもを産むと、行政も教育も全部自分で設計することになる。【生活設計編】 読む
===========
お読みいただきありがとうございます。
「何者かにならなくていい。全部の自分のままでいい。」
そう信じながら、等身大のまま書いています。
諦める前に、もう一回だけ試してほしい。
そのための実験を、私自身が続けています。
どこかの誰かのエールになれたら、嬉しいです。
スキやコメント、とても励みになります。
フォローして、続きも一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。
===========
【この記事を書いた人】まなラボ
音楽フェスのステージを降りた瞬間に、フランス人の夫と出会いました。
自転車旅行の途中で家族になって、今はダナンで、3人で暮らしています。
国際結婚も、多文化の子育ても、うまくいく日ばかりじゃない。
産後には、家族がバラバラになりかけた時期もありました。
それでも、ぶつかって、話して、笑って。
何もない日常の中にある、小さな幸せを、ひとつずつ数えながら生きています。
完璧な妻でも、母でもないけれど。
この家族でよかったと、毎日思えるように。
📎 おまけ:かいせいダナン幼稚園のリアルデータ
ここからは、実際に通わせていた時に園から共有されていた資料をもとに、入園検討中の方が一番知りたいであろう情報をまとめます。最後に入園時に園からいただいた資料もつけておきますね。
① 週間スケジュール(12〜24ヶ月 ナーサリークラス)
毎日、登園から降園まで細かくプログラムが組まれています。曜日によって内容が変わるのが特徴でした。
月曜日の例
7:00 登園・朝食 → 8:00 朝の体操 → 8:20 リツヨウ瞑想 → 8:30 認知発達 → 9:00 おやつ・牛乳 → 9:15 かいせい式体育 → 9:45 ラーニングコーナー → 10:15 昼食 → 11:00 絵本の読み聞かせ → 11:15 お昼寝 → 14:00 音楽&ムーブメント → 14:15 午後のおやつ → 15:00 モンテッソーリ → 15:30 スキルトレーニング → 16:00 武道 → 16:30 降園
② 献立(ナーサリークラス/12〜36ヶ月)
1週間の献立が事前に共有されます。ある月曜日の例はこんな感じ。
月曜日 朝食:かぼちゃと牛肉チーズのお粥 / ダラットミルク 昼食:エビのオレンジソース / ケールと豚ひき肉のスープ / アメリカンぶどう おやつ:星型パスタと野菜のシチュー / ダラットミルク
③ 費用の内訳(2025年時点の参考情報)
※為替は2026年4月。あくまでも目安、参考ですがこんな感じでした。
入園時の初期費用
項目 金額(VND) 日本円目安
入園料 1,500,000 約9,000円(キャンペーンで無料でした)
施設費 2,000,000 約12,000円(キャンペーンで無料でした)
制服一式 1,000,000 約6,000円
合計 4,500,000 約27,000円
※制服の購入は任意。たまたまキャンペーンで、設備費などは免除で入園しました。
毎月の費用(ナーサリークラス)
項目金額(VND)日本円目安
保育料3,450,000約20,700円
給食費(デイボーディング)400,000約2,400円
その他費用450,000約2,700円
食事代60,000/日約360円/日
アプリ利用料30,000/月約180円/月
月額合計(目安)約5,650,000
※夕食は別途30,000VND/日(約180円)
※土曜日の預かりは200,000VND/日(約1,200円、食事込み)
※上記は2025年時点の参考価格です。最新の情報は園に直接お問い合わせください。
※上記の為替は、2026年時点の情報です。



実際の食事はアプリで毎日写真がアップされます。
📚 合わせて読みたい記事
▼ 【迷いながら、ここで育てている|前回】体験入園3日間のリアル:1歳児を初めて預けた日 Vol.8 読む
▼ 【家族の部屋】ダナンで1歳児を育てるリアルな1日 読む
▼ 【家族の部屋】自転車旅行中に、妊娠に気づいた 読む
▼ 【私自身の部屋】産後鬱だと気づいたのは、5月のことだった 読む
▼ 【私自身の部屋】自分に戻るために、仕事を始めた 読む
▼ 【私自身の部屋】ダナンで家族3人、月30万円で暮らしながら資産を増やしている話 読む
▼ 【まなラボとは】産後鬱で離婚寸前だった私が、ダナンの朝に決めたこと 読む
いいなと思ったら応援しよう!
もし気が向いたら、チップでそっと応援してもらえたらうれしいです。
いただいたチップは、書く時間と心の余白に使わせていただきます。