迷いながら、ここで育てている|1歳を過ぎて、多言語育児のリアルが見えてきた〜海外・多言語子育ての記録|家族の部屋
妊娠期間を入れると、
息子と四六時中一緒に過ごす生活が、もう2年になろうとしています。
あっという間だったような気もするし、
一日一日を思い返せば、ずいぶん長い時間を一緒に生きてきたような気もする。
そのどちらの感覚も本当で、
時間の流れの不思議さに、少し戸惑う今日この頃です。
「今の、何語だった?」
パパとママの話す言葉が違う。
夫婦間で使う言語と、幼稚園で使われる言語も違う。
息子が何か言葉を発しても、それがどの言語なのか。
そもそも意味を持った言葉なのか。
夫婦で「今の、何語だった?」と確認し合えるようになるまでは、
聞こえているのか、理解しているのか、確信が持てないまま。
結局できることは、ただ一方的に話しかけることだけでした。
私だけが話す言葉、という重さ。
ダナンで暮らしてみて、気づいたことがあります。
日本人コミュニティが、思っていたより見つからない。
大都市とは違って、ここにいる人たちは、
少しオルタナティブな生き方を選んでいる人が多い。
日本人学校も、フランス語学校も、文部科学省のプログラムもない。
英語を話せる家庭が集まっていて、
ホームスクーリングをあえて選んでいる家庭も少なくない。
フランス人コミュニティも、事情は同じです。
そうなると、息子にとって日本語は、
外に出ても誰にも通じない言葉になる。
家の中で、私だけが話す言葉。
それだけが日本語との接点になる。
言葉を学ぶ意味も、意義も、責任も、
すべて私にのしかかってくる感覚があります。
言葉が話せても、アンパンマンがわからない問題。
多言語育児で見落としがちなのが、
言葉の習得より、もっと手前にある問題です。
同世代の子どもたちが、あのアニメ、あのキャラクター、あの音楽で話している時に、
言葉が話せても、文化的な文脈を知らなければ、会話に入っていけない。
アンパンマンを知らなければ、ドラえもんを見たことがなければ、
日本語が話せても、同い年の子どもたちの輪に入れない瞬間がくる。
日本人コミュニティがあれば、それは自然に育まれていくのかもしれない。
でもダナンでは、親が意識的に環境を作らない限り、
その文化的な土台は生まれてこない。
だから、毎日続けている。空振りでも。
絵本を読む。童謡を歌う。
アンパンマンをかけて、一緒に見る。
言葉だけじゃなくて、同世代の子が知っているものを、
できるだけ家の中に持ち込む。
空振りかもしれない日でも、続けます。
手応えが見えない日でも、続けます。
それが今、私にできる唯一のことだから。
私がまなラボを続ける理由も、ここにある。
息子にとって日本語が、
いつか行ってみたい国の言葉に、
話してみたい言葉に、なってほしい。
それが私の原点です。
日本の社会を、もっと明るくしたい。
日本が、息子にとって「知らない国」じゃなくて、
「あそこに帰りたい場所」になってほしい。
日本の家族との、唯一のつながりの場所でもあるから。
だから今も書き続けているし、
だから今もまた、仕事に戻っています。
焦らず、比べず、今日を積み重ねる。
言葉の発達は、マルチリンガル環境だからこそ、
一般的なペースよりゆっくりかもしれない。
それでもいいと、今は思えています。
正解かどうかは分からないまま、
今日もこの小さな手と一緒に一日を終える。
焦らず、比べず、今日を置き去りにしないために。
小さな手に、今日もたくさん教えられながら。
迷いながら、それでも前に進んでいく。
― 小さな手が教えてくれる、大きな世界。
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お読みいただきありがとうございます。
「何者かにならなくていい。全部の自分のままでいい。」
そう信じながら、等身大のまま書いています。
諦める前に、もう一回だけ試してほしい。
そのための実験を、私自身が続けています。
どこかの誰かのエールになれたら、嬉しいです。
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フォローして、続きも一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。
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【この記事を書いた人】まなラボ
音楽フェスのステージを降りた瞬間に、フランス人の夫と出会いました。
自転車旅行の途中で家族になって、今はダナンで、3人で暮らしています。
国際結婚も、多文化の子育ても、うまくいく日ばかりじゃない。
産後には、家族がバラバラになりかけた時期もありました。
それでも、ぶつかって、話して、笑って。
何もない日常の中にある、小さな幸せを、ひとつずつ数えながら生きています。
完璧な妻でも、母でもないけれど。
この家族でよかったと、毎日思えるように。
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