コンサルに年間700万払う意味があるか。経済的に分解してみた。|仕事の部屋
「海外進出の支援会社に年間700万かかるって言われたんですが、高くないですか?」
こういう相談を、よく受けます。
結論から言うと、高いかどうかは比較対象によって全然変わります。
何と比べるかで、答えが変わってくる話です。
700万円は、人材一人分のコストと同じ。
支援会社への年間費用700万円。
社会保険料や諸経費を含めると、
年収450〜500万円の人材を一人雇うコストとほぼ同じ金額です。
だから「高い」と感じる方が多い。
でも少し立ち止まって考えてみると、
その700万円と比較すべき相手は何なのか、というところに行き着きます。

自社で海外人材を一人育てる場合のコスト。
自社で海外事業担当を一人採用・育成する場合を試算してみます。
採用コスト
求人広告・エージェント費用・面接や選考にかかる時間コストを含めると、
採用だけで50〜100万円かかるケースが多い。
そもそも最初から機能する人材を採用できるかどうかも、問題です。
育成コスト
海外ビジネスの実務経験がある人材はそもそも少ない。
経験者を採用しようとすると年収が上がる。
未経験から育てるなら、一人前になるまで2〜3年はかかる。
その間の給与と育成コストを合計すると、数百万円の投資になります。
リスクコスト
正社員として雇った場合、パフォーマンスが出なくても簡単には辞めてもらえない。
海外事業がうまくいかなかった時、固定費として残り続ける。
ROIの問題
利益率が10%の事業なら、700万円の人件費を回収するには
7,000万円の売上増加が必要になる計算です。
このROIが回収できる見込みがあるなら、自社採用の方が合っています。

コンサルを使う場合のメリット。
対してコンサル会社を使う場合。
最初から業務としてコミットできる状態で入ってきてくれる。
市場調査・販路開拓・現地パートナー選定・商談支援など、
専門機能をすぐに使える。
うまくいかなければ契約を終了できる。固定費にならない。
特に「何から始めていいかわからない」「海外でどう戦えばいいかわからない」
という段階では、自社で試行錯誤するコストの方が
高くついてしまうケースをよく見てきました。
ただし、使い方を間違えると意味がない。
コンサル会社を使うなら、使い方が大事です。
何をやりたいのかは、やっぱり自分でしっかり決める必要があります。
会社の魂は、会社や経営者にしかない。
その部分を「海外がわからないから」とコンサルに任せきりにしてしまうと、
中身のない事業になってしまうケースをよく見てきました。
最初のフェーズで「何をやりたいか」「どこに向かうか」を明確にして、
やり方を学ぶ。パターンが見えてきたら、実装は自社でやっていく。
コンサルを永遠に使い続けるのではなく、
自走できる状態を作るためのツールとして使う。
そのために700万払うなら、十分回収できるケースが多いように思っています。
公的機関の支援とコンサルの使い分け。
JETROなどの公的機関は、ファーストステップの伴走としてとても頼りになります。
貿易の基礎、現地情報の収集、初めての展示会参加などは、
積極的に活用するのが効率的です。
ただ公的機関の支援は、事業を企画する機能は企業側に委ねているケースが多い。
「何をどう売るか」「どの市場でどう勝つか」という戦略部分は、
自分たちで考える必要があります。
そこに壁を感じているなら、コンサルを使う意味があります。
判断の基準をまとめると。
コンサルを使う方が向いていそうな時
海外ビジネスの経験が社内になくて土台づくりに時間がかかる。
何から始めればいいかわからない。
初めの2〜3年で市場を理解したい。
固定費を増やしたくない。
自社採用を検討してみるといい時
ある程度やり方がわかってきて実装フェーズに入っている。
長期で海外事業を育てる覚悟と予算がある。
採用できる人材のネットワークがある。
大事なのは「高い・安い」の感覚論ではなく、ROIで考えること。
それだけで判断が変わってくることが多いように感じています。
コンサル側の本音を、少しだけ。
私自身のことで言うと、
20年以上かけて積み上げてきた経験・知見・ネットワークがあります。
日本だけでなく、ベトナムを中心に東南アジア、
欧米のクライアントや案件にも関わってきました。
正直なことを言うと、
700万円の年収を1社からもらって1社に張り付けられるより、
半分でもいいから複数の面白い案件に関わり続けたい。
私と同じように感じているコンサルは、実はけっこう多いように思います。
20年・30年の経験と知見とネットワークを、
月額サブスクのような形で使えて、
フェーズや課題に応じて必要な時だけ使える。
会社側にとってこれがどれだけコストパフォーマンスがいいか、
少し伝わるといいなと思いながら書いています。
決してコンサルを使ってほしいということではなくて、
この記事が判断軸のヒントになれば嬉しいです。
※現在、子育て中のため、個別ので案件はお受けしていません。
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【この記事を書いた人】まなラボの紹介
ベトナム在住10年・ダナン在住。4言語(日英仏西)、5カ国居住、約40カ国経験。
音大中退後、学位も貯金もゼロからパスポート一枚で海外へ。
物流・金融・コンサルとキャリアを積み、2016年にベトナムでコンサル会社を立ち上げ・売却。
ジェトロや中小企業基盤機構、公的機関の現地アドバイザーや、日系企業2,000社超の相談・支援に関与。
証券外務員/米国MBA保有。
ベトナムで息子を出産したことをきっかけに、日本経済の将来を人任せにするのをやめようと決めた。
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今、外貨を稼げる人と会社を増やすことを、自分のテーマにしています。
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