【美術展2025#70】岡山・瀬戸内 夏の旅行記 2日目@直島
前回の記事が「今日の注目記事」に選ばれました。
ありがとうございました。

2日目:8月14日(木)
06:00起床。
昨日は夜チェックインしたので気づかなかったけれどもこのホテルロケーションが素晴らしすぎた。

朝食付きプランで宿泊しているのでレストランへ。

とても美味しく美しい朝食だった。

一つ一つ丁寧に作られていておもてなし感がすごい。
朝から気分よく1日がスタート。
今日は直島に渡る。
2013年に訪れて以来の12年ぶり2回目。
前回は高松から行ったのだが昔すぎて詳細はほとんど覚えていない。
出港まで時間があったので港を歩く。
・宇野港エリア


駅もデコられている。

これは、違うやつ、かな…?

大型フェリーの定員はなんと500名。


今年は瀬戸内国際芸術祭開催年ということもあるためか、ほぼ満席状態で出港。

20分ほどで直島宮浦港到着。

港で自転車を借りて移動する。
長い下り坂が気持ちいいなあ。
・家プロジェクト「南寺」
「南寺」は、ジェームズ・タレルの作品のサイズにあわせ、安藤忠雄が設計を担当した新築の建物です。元来この近辺には5つの社寺と城址が集まっており、直島の歴史的、文化的な中心地になっています。「南寺」は、かつてここに実在していたお寺が人々の精神的な拠り所であったという記憶をとどめようとしています。
まずは朝イチで「南寺」へ。
この時期は事前の時間指定予約をしておかないと入れない。
ちなみに内藤礼の「きんざ」は7月下旬時点ですでに8月分は満員御礼となっていて予約が取れなかった。

「暗闇」タイプのジェームズ・タレル作品。
感覚が揺さぶられる。
が外のセミの鳴き声が気になって聴覚がそっちに持っていかれてしまい100%入り込めなかったような気もする。
それはそれである意味人間の感覚って面白いなあと思ってしまった。
次はベネッセハウス方面へ向かう。
陽が高くなり気温もぐんぐん上昇する中の真夏の自転車移動はなかなかキツい。


《南瓜》から自転車で地中美術館方面へ行くには裏山の峠道を迂回しなければならないのだがこの道のりがなかなかハードだった。
炎天下の上り坂は死ぬかと思った、マジで。

そういえば12年前はこの道のりを民宿のオヤジのポルシェで送ってもらったのを思い出した。

2013
・地中美術館
地中美術館は「自然と人間との関係を考える場所」として、2004年に設立されました。瀬戸内の美しい景観を損なわないよう建物の大半が地下に埋設され、館内には、クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が安藤忠雄設計の建物に恒久設置されています。地下でありながら自然光が降り注ぎ、一日を通して、また四季を通して作品や空間の表情が刻々と変わります。アーティストと建築家とが互いに構想をぶつけ合いながらつくり上げたこの美術館は、建物全体が巨大なサイトスペシフィック・ワークといえるでしょう。

地中美術館も事前の時間指定予約必須だった。
予約をせずに来てしまった人たちを何組も目にしたが、知らなかったとはいえここまで来ての「入れません」はなかなかキツいものがあるに違いない。
が、まあこの美術館の特性と時期的な混雑を考えると仕方のないオペレーションか。

地中美術館は展示室内写真不可。

12年ぶりのモネ、タレル、ウォルター・デ・マリア。
作品それぞれが素晴らしいのもあるのだが、この美術館のロケーションや作品への敬意が最高に素晴らしい。
それぞれ展示空間も含めての作品になっており、ここに来なければ味わえない貴重な体験。
人数制限をしているおかげで混雑は気にならずにどっぷりと世界観に浸れた。
そして美術館そのものも美しい作品のひとつ。
安藤忠雄建築でなければこうはならなかったろうと思うと、直島における安藤忠雄の存在はやはり偉大すぎる。
・李禹煥美術館
現在ヨーロッパを中心に活動している国際的評価の高いアーティスト・李禹煥と建築家・安藤忠雄のコラボレーションによる美術館です。
半地下構造となる安藤忠雄設計の建物のなかには、李禹煥の70年代から現在に到るまでの絵画・彫刻が展示されており、安藤忠雄の建築と響きあい、空間に静謐さとダイナミズムを感じさせます。
海と山に囲まれた谷間に、ひっそりと位置するこの美術館は、自然と建物と作品とが呼応しながら、モノにあふれる社会の中で、我々の原点を見つめ、静かに思索する時間を与えてくれます。
地中美術館から李禹煥美術館へ。

ここも贅沢な空間。
こんな建築物はここにしかない。

ここも展示室内は写真不可だが、ここに来なければ味わうことができない体験型インスタレーションのようなものなので写真は撮れない方がよいのかもしれない。
海側には《無限門》がそびえ立つ。

写真では伝えられないこの巨大さよ。

2013年に来た時はまだ無かった。

こんな素晴らしいロケーションで贅沢に空間を使った恒久的な個人美術館を建ててもらえるなんて美術家としての最高の栄誉に違いない。
・ヴァレーギャラリー
境界や聖域とされる谷間に沿うように建てられたヴァレーギャラリーは、祠をイメージした小さな建物です。二重の壁による内部空間は内省的である一方、半屋外に開かれることで、光や風など自然エネルギーの動きも直接的に感じ取れます。安藤建築と、周囲の自然や地域の歴史を映し出す作品が響き合い、自然の豊かさや共生、根源的な祈りの心や再生などについて意識を促します。
2022年開館の小ぶりなギャラリー。
李禹煥美術館から程近い場所にあり、草間彌生と小沢剛の作品が展示されている祠のような建物。

1966/2022
ギャラリー内部。
といってもギャラリーそのものも立体作品のようなものだ。


2006/2022
豊島で不法投棄された産業廃棄物を焼却処理したあとに最終的に生じるスラグを素材とした仏像。
豊島へは明日行く予定だ。
・杉本博司ギャラリー 時の回廊
杉本博司ギャラリーは、杉本の直島における長年にわたる取組みが、作家の究極の作品とも言える小田原の《江之浦測候所》の生まれるきっかけとなった経緯から、創作活動のひとつの原点とも言える直島と江之浦を繋げる形で構想されました。江之浦測候所が建築と作庭などが中心となっているのに対し、本ギャラリーは、杉本博司の代表的な写真作品やデザイン、彫刻作品などを継続的かつ本格的に鑑賞できる世界的にも他に例をみない展示施設です。「時の回廊」とは、建築空間や自然環境を回遊し体感することを促す安藤建築の特徴や、杉本博司が追求し続ける時間に対する問い、そして彼らの長年にわたる直島との関係性などを反映し、鑑賞者に自然の変化や壮大な時間の流れを体感、歴史や生きることについて思索を巡らせてもらうことを意図するものです。
こちらも2022年に開館した杉本博司の単独ギャラリー。
ギャラリーとは言うもののちょっとした美術館ほどの規模はある。
杉本博司氏の活動時期ごとの代表的なシリーズを辿り、作家活動全体を俯瞰するような展示内容だ。
ちなみにここも事前の時間指定予約必須。

入ると右手奥にはゴームリー作品が立っているが、そこへはベネッセハウス宿泊者しか入ることができない。
残念、いつか泊まってやるぜ。

2004
初期作品から展示されているが時系列で並んでいるわけではない。

国宝《松林図屏風》の本歌取り作品。
こちらは皇居外苑のクロマツを早朝未明に撮影したとのこと。
暗い室内で下からの淡い光がぼんやりと図像を浮かび上がらせる。

家プロジェクト《護王神社》の精巧な模型。

チケットには館内ラウンジの茶と茶菓子も含まれる。
しばし一息。

壁面にも作品が。

2018
窓の外には硝子の茶室「聞鳥庵」。
読み方は「モンドリアン」!

ジャコメッティ彫刻を写した作品。

2016
ちなみにこれのポスターがミュージアムショップで売っている。
これを買いにきた。
ここでしか買えない上に杉本博司ポスターは数量限定印刷で基本再販しないのでポスターなのになかなかなプレミアがつくという代物。
(8,800円もするが)今回絶対買おうと決めていた品だった。


・ベネッセハウスミュージアム
ベネッセハウス ミュージアムは、「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、美術館とホテルが一体となった施設として1992年に開館しました。瀬戸内海を望む高台に建ち、大きな開口部から島の自然を内部へと導き入れる構造の建物は、安藤忠雄の設計によるものです。 絵画、彫刻、写真、インスタレーションなどの収蔵作品の展示に加え、アーティストたちがその場所のために制作したサイトスペシフィック・ワークが恒久展示されています。アーティストたちは自ら場所を選び、作品を制作しています。作品は展示スペースにとどまらず、館内のいたるところに設置され、施設をとりまく海岸線や林の中にも点在しています。直島の自然に向き合った、または建築に触発された作品など、美術館の内外に点在するサイトスぺシフィック・ワークと合わせて、自然とアートと建築が融合する稀有な場をつくりだしています。
1992年に直島で一番初めに建てられた美術館。

美術館に関係する人々を撮った安齊重男の写真が並ぶ。

安藤忠雄の構想ドローイングも展示されている。


1998
こちらは我が家の安藤忠雄。

椅子も安藤忠雄のものが置かれている。

前回のnoteで触れた磯崎新のモンローチェア同様、こちらも元ネタはマッキントッシュの「ヒルハウス」。
1980〜90年代当時にこのような壮大な計画を実現させ、それが今や地域全体を含めた世界的アートサイトにまで発展した、その最初の場。
広報・運営・管理・維持、諸々含めて相当な努力と資金と情熱を必要としたことだろう。
所蔵展示されている作品群も併せて、美術館設立当初の関係者たちの熱量がひしひしと伝わってくる素晴らしい場所だった。

1984

1980-97
ここをジェームズ・タレルの作品にしてほしい↓

ベネッセハウスミュージアムに置かれている名作椅子↓
・直島新美術館
2025年春、本村地区近くの高台に、新たに直島新美術館が開館しました。
当館は、ベネッセアートサイト直島における安藤忠雄設計のアート施設として10番目になります。地下2階、地上1階の3層からなる美術館では、日本も含めたアジア地域のアーティストの代表作やコミッション・ワークを中心に展示・収集します。
また、企画展示の開催や、トーク、ワークショップといったパブリックプログラムなど展示以外の美術館活動にも取り組み、より多様な視点や表現、時代や社会に対する多義的なメッセージを発信するとともに、繰り返し人々が訪れ、島内外の多種多様な人々が出会う交流・連携の場としても機能させていきます。
直島新美術館が島の数々のアート施設をつなげ、美術館群として捉えることで、より一層自然や集落と一体化したアート体験を創出するとともに、アートと建築、自然、そしてコミュニティの調和・融合のさらなる発展形を目指します。
今年建てられたばかりのサイト内最新の美術館。
直島は恒久展示の作品が多いが、ここは通常の美術館のように展示替えを前提としているようだ。
初めて「直島」の名を冠し、「新」美術館として最先端の現代アートを(中でもアジア地域を中心に)展開していくとのこと。
ベネッセハウスミュージアムに並ぶ当時最先端だった作品群が、収蔵から数十年経ってオールドマスターとも言えるような存在になった今、改めてここから未来へ進むのだという決意を感じた。


GALLERY 1




2016/2025
いかにも安藤忠雄な階段を下る。

GALLERY 2

ソ・ドホ 2025

さらに下の階へ。
GALLERY 3

2023-25
昨年京都で見た作品。
私はその時のnoteでこの作品について「なんとか国内に留めておいてほしい、それこそ近い将来国宝になってもおかしくない」と記したが、まさか福武財団が購入することになるとは思わなかった。
展示室内で流れていた映像でも同じような話がされていた。

昨年時点から大幅に手が加えられているということだがパッと見ではわからない。
映像の解説を聞いてフムフムナルホドと思う。
一つだけ。
福武財団の購入に際し、左上に福武總一郎氏が加筆されている。
このエピソードが面白いのでぜひ映像をご覧いただきたい。

美術館の最深部には広大な空間が広がる。
GALLERY 4

2006
2015年に横浜美術館で行われた大規模個展で見た作品だ。
この作品もここにあるのか。感動。

17:00
ようやく長い1日が終わった。
だが私はもうひと頑張りして宇野港まで帰らなければならない。
直島宮浦港へ戻り自転車を返却して宇野港行きのフェリーに乗る。
帰りのフェリーもほぼ満席だった。
お盆のこの時期、瀬戸内国際芸術祭も開催中の直島には多くの人が来ていたが、時間指定や巧みなオペレーション、そして大勢のボランティアスタッフのおかげでほとんど混雑を感じることなく作品鑑賞をすることができた。
素晴らしい運営に改めて感謝したい。
ということで18:00、ホテル帰着。

私の寝床は一番安いセパレートルームという大部屋を小分けにしたいわゆるドミトリータイプ。

ちなみに今までで一番衝撃的だったドミトリー↓

ネズミが大量発生したので宿のスタッフ総出で退治中。
しかもなんと私のバックパックの中で赤ちゃん産みやがった!ヒエ~~
それに比べてここは天国。
フリードリンクコーナーも充実している。


昨日に引き続き「たまの湯」で、夕飯&ビール→サウナ→温泉のスペシャルコンボをキメる。
サイコーすぎて死ぬ。
2日目終了。
明日は豊島へ。
楽しみだ。
3日目へ続く↓
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