見出し画像

フロリアン・ヴィルツ (Florian Wirtz) | バイエル・レバークーゼン


フロリアン・ヴィルツ

Florian Richard Wirtz
現所属:バイエル・レバークーゼン
生年月日:2003年 5月3日(22歳)
出身:プルハイム, ノルトライン=ヴェストファーレン州, ドイツ
身長:177cm 利き足:右足
2024/25シーズン:31試合 10ゴール12アシスト




フロリアン・ヴィルツのプレースタイル

2024/25シーズンドイツ・ブンデスリーガでプレーした選手が選ぶリーグ年間最優秀選手賞の受賞者は、フロリアン・ヴィルツだった。このことに疑問符を投げかける人物など存在しないだろう。ヴィルツが放つ鮮烈な輝きは、彼がリーグ最高の選手であることを証明するには、十分に過ぎるものだ。目の前の敵を欺く一瞬の閃き、独特な間合いのドリブル、味方の足元にピタリと届く精密なスルーパスは、相手ディフェンスラインにとって脅威でしかない。

なかでもヴィルツ最大の魅力は、狭いスペースでみせる一連の複雑な動作のなかで、まったくのミスなくプレーできる正確なボールタッチ「試合を楽しむ」というメンタリティーにある。クラブのインタビューで、ヴィルツは以下のように語っている。「私はその状況にあわせて最適なアイディアを思いつくことができるので、だいたいは瞬間的にプレーしています。(中略)私の絶対的な強みの1つは、ときどき次に何が起こるかを予見することができる点ですーあとは打開に集中できる、だから私は状況を予測することで自分のアドバンテージを生みだせているのです。

ヴィルツは相手ディフェンダーの前でボールを受けると、ターンやフェイントを織り交ぜながら躱し、裏のスペースにスルーパスを供給する。味方の選手は彼に合わせてプレーするだけで、ゴールに直結するチャンスを得られるのだ。また試合に対して全力で取り組むのがヴィルツのスタイル。走行距離やデュエルでの勝率に、彼の真価が表れている。試合をただ楽しんでいる様に映るヴィルツのプレーは、観衆を魅了してやまない。


1. FCケルンユース最高と謳われた「逸材」

2007年、当時3歳だったヴィルツは、ケルン行政管区に位置する地元プルハイムのサッカークラブであり、現在は父・ハンスが会長を務めるグリュン=ヴァイス・ブロウヴァイラーのユースチームでキャリアをスタートさせた。4年後の2011年、当時7歳のときに、事実上の1. FCケルンのユースアカデミーである「ラインエネルギースポーツパーク」に移籍したヴィルツは、そこで8年半に渡って、成長を遂げていく。

実績のあるクラブのユースのなかでも屈指の逸材として期待された彼は、世代別のドイツ代表にも呼ばれるなど、早くも将来を渇望された。2018/19シーズンには、U-17ブンデスリーガ決勝ユスファ・ムココなど擁するボルシア・ドルトムントと対戦。同試合に勝利したFCケルンで、ヴィルツは背番号10を着用してプレーした。しかしクラブでの将来を期待されたヴィルツは、2020年1月、近隣のライバルであるレヴァークーゼンへの移籍を決断する。


レヴァークーゼンで歩み始めた、新たなキャリア

ヴェルクセルフ(welkself)に加入したヴィルツは、2020年5月19日、ヴィルツはSVヴェルダー・ブレーメンとの戦で、ブンデスリーガデビューを果たした。カイ・ハヴァーツのクラブ記録を更新する17歳15日での出場を飾ったヴィルツは、その約1ヶ月後の6月6日、のちに欧州王者となるFCバイエルン・ミュンヘンを相手にプロ選手としての初ゴールを記録した。ヴィルツに期待が集まり始めるなかで、大きな転機となる出来事が訪れる。2020年夏、レヴァークーゼンのトップ下の主力だったハヴァ―ツが、チェルシーFCへの移籍を決断したのだ。

2020/21シーズン、ハヴァーツの退団を契機にトップ下の定位置を確保したヴィルツは、レヴァークーゼンの主力へと成長した。細かいタッチから華麗なループシュートを決めたTSG 1899 ホッフェンハイム戦や強烈なシュートを決めてみせたドルトムント戦など、リーグ戦で5ゴール5アシストを記録して存在感を発揮。2021年夏にはシュテファン・クンツ監督率いる21歳以下のドイツ代表に「飛び級」で選出され、準決勝オランダ代表戦で2ゴールを挙げるなど、U-21ユーロ優勝に大きく貢献した。


ヴィルツ、飛躍前夜に訪れた悲劇

2021/22シーズンも、ヴィルツはブンデスリーガとヨーロッパリーグで圧巻のプレーを披露した。2021年9月11日に行われた第4節ドルトムント戦では、敗れたものの同試合で挙げた1ゴール1アシストに彼の持つ才能の大きさが如実に表れていた。続く第5節のVfBシュトゥットガルト戦でも1ゴール1アシストを記録するなど、出場したリーグ戦24試合で7ゴール10アシストの活躍を披露したヴィルツに悲劇が訪れる。

2022年3月13日の第26節、古巣であるFCケルンとの試合で相手選手と接触したヴィルツは、膝の前十字靭帯断裂の重傷を負ってしまう。およそ10ヶ月におよぶ長期間のリハビリを経て、2023年1月23日、第16節ボルシア・メンヘングラードバッハ戦でリーグ戦復帰を果たした。2022/23シーズンのブンデスリーガでは、17試合に出場して1ゴール6アシストを記録。徐々にコンディションを取り戻すなかで迎えた2023/24シーズン、ヴィルツは圧巻のプレーを披露し、飛躍を遂げることとなる。


「ブンデスリーガ最高の選手」となったヴィルツ

2023/24シーズン、2年目を迎えたシャビ・アロンソ監督率いるレヴァークーゼンが、ブンデスリーガを28勝6分の無敗で優勝し、DFBポカールとの「2冠」を成し遂げた。ジモン・ロルフェスSDの完璧な補強、功労者ヨナタン・ターや左右のウイングバックの活躍など、多くのトピックがあったクラブのなかで、チームの絶対的な中心選手は弱冠20歳の若者だった。

ヴィルツは、開幕戦となったRBライプツィヒ戦で美しいループシュートからシーズン初ゴールを挙げるなどチームを牽引。なかでも伝説的な活躍を披露したのが、2023年10月30日に行われた第9節SCフライブルク戦。36分、ペナルティエリアの右外から単独でドリブルを仕掛けると、相手MFのニクラス・へフラーを完全に手玉に取り、目の前に立つ相手選手7人を通り抜ける精度の高いシュートをゴールに突き刺したのだ。

優勝がかかった第29節ブレーメン戦での活躍も圧巻だった。68分、ボックスの外で反転し、強烈なミドルシュートからチーム3点目を決めると、83分はカウンターから得点、試合終了間際の90分には、得意とするハーフスペースからボックス内に持ち込んでのシュートで自身初となるハットトリックを決め、クラブ史上初のリーグ優勝に花を添えた。彼が2023/24シーズンのリーグ最優秀選手に選ばれたことに驚いたファンは1人としていなかっただろう。


ドイツの至宝、フロリアン・ヴィルツ

ヴィルツが恐ろしいのは、2024/25シーズンのブンデスリーガでさらなる進化を遂げたことだった。自国開催となったユーロ2024で大会初ゴールを挙げるなど、サッカードイツ代表のベスト8進出に貢献したヴィルツは、2024/25シーズンのブンデスリーガの第1節ボルシア・メンヘングラードバッハ戦で2ゴールを記録。その後もツーシャドーの一角として巧みなボールコントロールとスルーパスを武器に試合を支配し、低調なチームのなかで突出したプレーを披露し続けた。

とくに活躍をみせたのが、第15節SCフライブルク戦。名手ノア・アトゥボル相手にPKを止められてしまったものの、1ゴール3アシストの活躍で、5-1の大勝に貢献した。また第22節バイエルン戦でのプレーぶりは見事というほかなかった。ボールタッチはもちろん、ピエロ・インカピエアレハンドロ・グリマルドと見事な連携をみせ、相手を圧倒した。ヴィルツは、無冠に終わったレヴァークーゼンのなかで圧倒的な存在感を示したのだ。

2024/25シーズン終了後、ヴィルツは取材に対し、「コンフォートゾーンを出たい」と発言した。彼のいう「コンフォートゾーン」がレヴァークーゼンというクラブのことを指しているのか、あるいはドイツという彼の母国のことを指しているのかはわからないが、ヴィルツとリヴァプールFCとの契約合意が間近とも噂されている。来シーズン、ヴィルツがどのような活躍をみせ、さらに人々を魅了してくれるのか、楽しみでならない。


FOKUS Bundesliga!!! サイトマップ


読了していただき、ありがとうございます!
そのほか
バイエル・レバークーゼンに関するおすすめ記事はこちら


いいなと思ったら応援しよう!