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中間選考2作品通過。その時、私は

 木曜日に、創作大賞中間選考の発表があった。その時、私は娘の療育に足を運んでいた。

 その日は、娘1人vs先生10人。本当は、他にも娘のお友達が来るはずだったけど、急遽欠席になったらしい。

 友達がいないと癇癪を起こす娘も、今日はたくさんの先生に囲まれて穏やかだ。

 ふと、携帯に目を向けるとみねのもみぢばさんから私に向けてツイートが届く。

 うんうん、中間選考……って。んんん?今日???

 恐る恐る、Xのタイムラインを眺めると悲喜交々の投稿が溢れているのを目にする。

 今日、水曜日だよね?中間選考って、木曜日か金曜日に発表があるもの……って思ってるのは、私の勝手な思い込み。

 水曜日に、中間選考の発表があるとは。でも、私が通ったって本当?

 指の震えが止まらない。確認せずにはいられないのに、発表の記事を見るのが怖い自分もいる。その作品は、私の自信作だろうか。それとも「えっ?この作品なの?」と意外に思うものだろうか。

 そもそも、療育の時は娘のために奮闘してくださる先生たちに申し訳ないので、なるべく携帯を見ないようにしている。

 一体、どの作品が通ったのだろうか。

 投稿をすると、つみれさんから「あの作品はきっと通ると思っていました」と返信が。

 あの作品……。もしかして、つみれさんに感想を書いてもらった作品だろうか。

 その後も、ミーミーさんから

ミーミーさん、中間選考突破おめでとうございます✨

とコメントがあり、無性に「どの作品が通ったんだろう?」と気になり始める。

 すると、ももまろさんから複数通っていると連絡が……

 えっ、複数?夢じゃなくて??

 その後、ももまろさんが通過した作品を紹介してくださり、私は目を丸くした。

 なんと、2つとも通過したのが小説だったのだ。

 昨年、「小説はわからないけど、エッセイは頑張れば通りそうです」と何人かの方から言われた。

 だから、私はエッセイの方が向いているのかなと思ったりもして。早いうちから、コンスタントにエッセイの投稿もしていた。創作大賞は、応募期間以外の作品でもタグをつけると応募できるからだ。

 中間選考の発表前には、お仕事で取引をしている編集者の方からnoteのエッセイを褒められた件についてイキりながら書いていた。

こんな記事を書いておいて言うのもアレですが、エッセイ部門はたくさん応募したけど全落ちです。(発表見てから、この記事を読んで恥ずかしくなってきたのはここだけの話にしてください)

 なんと、通過したのが2作品とも小説(一つはエンタメ原作部門とは言え)だったので驚いた。1つは自信作で、もう1つは意外な作品だった。

 まず一作目が、ミステリー小説部門の「すべては、嘘から始まった」。

 ミステリー小説部門に応募した作品が通ったと知り、私は「えっ」と素っ頓狂な声を漏らした。

 画面をスクロールする指が、激しく震え始める。

 この小説、実は夢に見た「映像」がきっかけで書こうと決めた作品だった。創作大賞を始めた頃は、書くつもり……どころか、ストーリーすら考えてもいなかった。夢をあの時、見なければ私はきっとこの作品を世に送り出していない。

 そんな話を昨日、女子会で親友のS子に話をした。S子は、高校の頃に「友達になりたい」とずっと私が思っていて、友達になった子。

 ああ、あの子と友達になりたいなぁ。

 けれども、声をかけることはできなかった。ただ、私がずっと彼女に念を送りながらガン見していると、S子から

「あんた、私のこと絶対好きやろ」

と言われて仲良くなった。それからずっと腐れ縁である。

女子会してました

 すると高校からの友人S子は

「でも、夢で見たものを文章で形にできるって凄いことだよ」

と言ってくれた。素直に嬉しかった。

 たしか「あなたの懸賞金を決めてください」を書き終えた頃、ある程度「やりきった感」があったので、あとはエッセイとビジネス系の記事を出すくらいだろうか……と思っていた。

 その一方で、小説も挑戦してみたい。けれども、挑戦するのが怖かった。

 理由は、昨年度に小説部門でたくさん応募したのに全落ちしたからだ。

 当時、大本命だったのが「それは、パクリではありません」。みんなから絶賛され、たくさん読まれた。

 落選した時は「あのそれパクが落ちるなんて信じられない」とたくさんの方から言われた。その声は、純粋にとても嬉しかった。

 落選したのは辛かったし、頭も真っ白になったけど、同時に他の作品も私は読んでいたので、薄々悟っていた。ダメかもしれないな、と。

 小説のことはわからないけど、一応私もライターとして「プロの端くれ」である。

お仕事の記事です。

 自分のレベルが今どこなのか。他の作品を読みながら、冷静に立ち位置を分析していた。

 中間選考に通った作品を眺めて。そして大賞作を見て、その凄さに打ちのめされた。

 才能とか天性のものだとか。親からの遺伝とか。環境に恵まれていたからとか。そんな言葉で片付けたくなかった。きっとその裏には、作家さんたちのもの凄い努力があるはずだから。

 来年はどうしようか。そうnoteにかいたら、たくさんの人たちがコメントで励ましてくれた。

この記事のコメント欄、いったい何度往復しただろう。とにかく素敵なので、みんなに見てほしいんだ。

 コメントをくださった方々のなかには、自分がそれどころじゃなかったはずの方もいるはず。

 でも、自分の想いを後にして、私のために懸命にコメントをくれたのだ。

 noteは、なんてあたたかい場所なのだろうと思った。嬉しくて涙が出た。何度も読み直して、その言葉を反芻する。

 ここでもう一度、挑戦しようと決めた。

 そうやって、過去の壁を乗り越えていこう。確かに大賞作はどの作品も素晴らしい。とくに打ちのめされたのが、大阪城は五センチのヱリさんだ。

 むさぼるように夢中になって、すぐに2回読み直した。本も買って何度も読んだ。素晴らしすぎて言葉が出ないのは、今もそうだ。でも、いつかきちんと、感想として言葉にしたい。

 受賞作を「超える」ではなくて。自分なりにできることはなんだろうか。そこを探していくんだ。

 そう誓った。でも、すぐにはできなかった。

 自分の心が落ち着いてから、改めて受賞作品、中間選考通過作を辿って、自分の作品との違いはなんだろうかと分析した。

 コンテストは、確かに審査する人の好みもある。運もあるかもしれない。けど、そのせいだけではないはず。すべての要素が絡み合った時が、そのタイミングなのかもしれない。

 だから、ちゃんと自分の目で確認して分析し、次に繋げたいと思った。自分に何が足りないのか、と。

 結局、分析しても答えは出ないままだ。でも、朧げだけど「なんとなく、こんな感じの傾向が求められてるのかも」みたいなものを自分なりに掴んでいく。

 私は創作大賞までに

・注目記事に選出される
・他の公募で選ばれる(イメージはnote運営のもの)
・知名度を上げる
・本を読む

を達成するのだと、昨年の10月ごろにnoteへ記した。

 人に目標を見せることで、自分をとことん追い込んだ。(良い子は真似しないでね……予想以上にきついので)

 「あなたの懸賞金を決めてください」を書き終えた頃に、私は夢を見た。

 同窓会で、酒を交わす男と女。そこで男は、ある女に呼び出しを受け、そこから抜け出そうとする。

 男は回想する。昔のことを。葬儀場で、うずくまる男子は、その男の若い頃の姿。彼女が何者かに殺されて、男子は失意の底にいる。そんな男子に声をかける女子は、髪が黒くて影のある雰囲気をしている。

 夢に出てきた場面は、断片的でセリフは少ない。けれども、妙に印象的だった。なぜ、私はあんなに不思議な夢を見たのか。これは神様が「小説を書け」とお告げしているのか。

 ストーリーは未定。でも、形にしようと決めた。書く時は、私の奥底に眠っている闇のような塊を掬い、引き伸ばしていく作業がひたすら続く。

 書くのがとても苦しい話だった。けれども、人生で1番丁寧に書いた小説だった。

 この作品に限っていえば、noteや出版社の受けは狙っていなかった。ただ、私の「引き出したくなかった引き出し」をひたすら出しては、丁寧に紡ごうと思った。それを出すことで、一歩前に進める気がしたのだ。

 画面の向こうにいる人と一緒に「二人三脚」のように歩むことを意識しながら、少しずつ。少しずつ、紡いでいく。

 まさか、通るとは。青天の霹靂だった。

 二作目は、エンタメ原作部門の「あなたの懸賞金を決めてください」。

 正直言えば、今回応募した作品の中でも一番の自信作。書き終えた後も、今まで書いた作品とは違う満足感があった。書いた時間はそう長くないけど、ある意味でもっとも時間がかかった作品でもある。

 理由は、昨年の創作大賞のときに「もし、時間があれば逃亡劇も書こうかな。ミステリー部門で」と思ってたから。

 結局応募せず、その後に他のtalesの漫画原作部門の企画案として応募。当時書いた企画は、女性が主人公で話はもっと拗らせ系で、全然違うけど。

咲子は監督から食事に誘われ、「もしかして」という期待を胸に、ふらふらとついていく。ところが、そこで監督から体を押し倒され、ショックのあまりその衝動からネクタイで絞め殺してしまう。

恐怖を感じて警察に自首した咲子だが、警察より「今の世の中はエンターテイメントが不足しており、人々が娯楽を失い、犯罪が増えている。あなたが過去に出演していたドラマを拝見して、ある可能性を感じた。

懸賞金をかけて、今から逃走するゲームに参加しないか。時効まで逃げ切れば、懸賞金は全額あなたに支給する。懸賞金は、あなたが自由に決めてほしい。ただし、懸賞金が高額になるほどゲームは難しくなるだろう」と……。

咲子のゲームが、今始まる。

最初に出した企画案は、主人公が女でした。
今読み直すと、昼ドラ感がすごい

詳しくはこの記事で書いてます。

 企画は通らず、そのまま寝かしていた。創作大賞で、逃亡劇を書きたいとはずっと前から思っていた。でも、ただ人が逃げるだけで面白いだろうか。ありきたりではないか。悶々としていて、ずっと形にできずにいた。

 今回の創作大賞で最初に書いた小説「誰が僕を殺したのか」という作品を書き終えた後に、ふとこの企画を思い出して

「スピンオフに、あの企画を組み合わせたら自分史上で一番の作品ができるかも」

と閃いた。

 書き終えた後、自分が思い描いていた以上に書けた。私の中では、すでに感無量だった。思い残すこともなかった。

 けれども、いざ発表にタイトルが書かれているのを見ると、胸がドキドキして止まらなかった。

 先日受賞したGoogle✖️AIコンテストの時は、「ああ、選ばれたんだ」とホッとした。


 今回は違う。

 興奮が止まらないし、本当に自分ごとなのだろうかと、信じられなかった。この日に向けて頑張ってきたはずなのに、いざとなると動悸が止まらず、冷静ではいられなかった。

 オロオロと狼狽えていると、療育の先生から

「どうしたんですか」

と声をかけられた。

「中間選考……通ったみたいです」

 そう伝えると、先生たちは目をぱちくりとさせながら「ええええ」と声を上げた。

「中間選考って、なんですか?」
「note創作大賞です」
「noteってなんですか?」
「色んな人が文章とか、絵とか投稿してるサービスです」

 noteの住民じゃなければ、まぁ反応はこんな感じですよね。

 「へえええ」

 先生たちは、不思議そうな面立ちで「おめでとうございます」と囁き合いながら、私に向けて拍手をし始めた。

 どの先生も、noteを知らない。創作大賞も知らない。

 けれども、とりあえず「なんか、めでたいことなんだろうな」と察したのだろう。

 夫には、LINEで連絡した。

夫とのLINE

 すぐに電話がかかってきたが、創作大賞に関しては「すごいな」で終わり、あとは終始娘の病院についてだった。でも、その声は少し震えていた。

 その後、夫より「今日はお祝いだから王将でテイクアウトしようか」と提案があった。

 そういえば、昨年は「鳥貴族」で家族とお疲れさん会をしたっけ。

ヘタレ会は女子会の名前です

 夫が家に帰ってきた。テレビを見て号泣している。

 どうやらYouTubeのTBSチャンネルで、世界陸上の村竹ラシッドの悔し涙を浮かべるシーンが感動するらしく、何度も再生しては同じ場所で

「ええシーンや……」

と感動して泣いている。

 村竹ラシッドのセリフ「何が足りなかったんだろうな……」と肩を震わせる姿は、昨年の今頃の私とあまりにもそっくりだった。

 夫は、何度も村竹ラシッドの走るシーンを再生する。結果は知ってるはずなのに

「いけ!いけ!いけー!」

って叫んで応援している。

 夫はきっと、結果よりも「ひたむきさ」に応援し、感動しているのだ。

 夫はその日、私よりもラシッドを見ている。なんでやねん。いや、本当は夫も喜んでいる。その証拠に夫の肩がケラケラと笑ってる。

 きっと彼も「すごいな」以上の言葉が出てこなくて。ただただ、ラシッドの姿を見て泣いているのかもしれない。中間選考の通過率、0.7%くらいらしいと伝えても「ええ……まじかよ……すごいな……」と言葉を失っていたくらいだから。

 人は、誰かのひたむきにエールを送る。夫は私が一生懸命だったから、応援してくれたのだ。

 その部分、今後もおざなりにしてはならないと、私は夫の背に向けてそっと誓った。

【完】



 中間選考2作品突破しました。

 嬉しくて胸がいっぱいな気持ちを、ここで書くべきか悩みました。

 けれども、みんなで歩んできた日々だったから、冷静に今を振り返ってきちんと残しておこうと決めました。

 そして、地に足をつけることも。謙虚さを忘れず、驕らないこと。その誓いを記しておこうと思います。

 発表当日は、興奮状態で寝れませんでした。夜に酒を飲んでお腹を壊したので、何度もトイレに足を運んだのもあるけど。そんな中、全裸の夫が廊下でふらふら歩いていたのを確認。

「何してるの?なんで全裸なの」

と声をかけると

「暑いし汗かくと、服が汚れるから勿体無いやん!!」

と逆ギレされました。どうやら、彼なりの節約術らしいです。

 そんな彼を見て、私の「正気」が少しばかり戻りました。

 改めて、応援してくださった方々、本当にありがとうございます。

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