本能寺の変1852 その一因 一、光秀の年齢 そ第76話 240725 天正十年六月二日、明智光秀が織田信長を討った。その時、秀吉は備中高松で毛利と対峙、徳川家康は堺から京都へ向かっていた。甲斐の武田は消滅した。日本は戦国時代、世界は大航海時代。時は今。歴史の謎。その原因・動機を究明する。『光秀記』
その一因 一、光秀の年齢 そ第76話
2光秀の年齢 4光秀、最大の敵 6/6 240725
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*加筆修正 240725
そ第76話
光秀の最大の敵は、時間だった。
時は、容赦なく過ぎ去って行く。
人生の、残りの時間は、少ない。
光秀は、着実に、老人に近づいていた。
それとともに、肉体は、劣化して行く。
光秀にも、その時が近づいていた。
光秀は、頑強な体力の持ち主ではなかった。
六年前(天正四年)の大病のこともある。
光秀は、それ程、頑強な肉体の持ち主ではなかったのではなかろうか。
しかし、嫡男光慶は、若すぎた。
光秀は、晩婚だった。
三人の娘たちが、先に、生まれた。
嫡男光慶が生まれたは、そのずっと後である。
これもまた、運命。
光秀は、きわめて難しい問題に直面していた。
光秀は、高齢者。
光慶は、まだ、13歳。
後継者としては、力量不足。
信長は、当然、このことを知っている。
光秀の後継者に関して、信長が、何らかの形で介入することは、
十分に、有り得ることである。
現に、光秀の三人の娘たちの婚姻については、信長の命によるもの
だった。
信長は、子沢山。
ならば、・・・・・。
否、わからない。
秀吉は、後継問題に、すでに、先手を打っていた。
秀吉は、実子がなかった。
それを、逆手に取った。
信長の五男、秀勝(お次)を養子とした。
天正五年頃のことと云う。
実に、抜け目のない男である。
何事にも、先手必勝か。
それに対して、光秀は、・・・・・。
史料、なし。
故に、よくわからない。
ただ、結果として、「本能寺の変」が起きている。
このことから、手を打っていなかった、のではないか。
光秀には、嫡男光慶がいる。
また、その弟もいた (津田宗及「天王寺屋会記」) 。
だが、信長には、多くの娘たちがいる(実娘・養女)。
手は、有ったように思えるのだが、・・・・・。
光秀が、秀吉の深慮に、気づかぬはずはない。
しかし、信長の方にも、また、光秀の方にも、
その様な動きをした形跡が、全く、見当たらない。
光慶は、十三歳。
時期的に、まだ、「早い」ということか。
否、そう言うことはなかろう。
天正二年1574、細川忠興と光秀三女との婚約時、
忠興は、十二歳だった。
それとも、その時と同様に、信長の意向次第、すなわち、命令待ち、
ということなのか。
また、家康の嫡男、松平信康 (信長の娘婿) の一件もある。
信康は、天正七年1579、殺害された。
警戒していたのだろうか、・・・・・。
等々。
難しい問題である。
おそらく、何も、手を打っていなかった・・・・・。
光秀は、信長を信用していない。
信長が、光慶を引き立ててくれる保証など何もない。
むしろ、その逆である。
「役に立たぬ」、となれば、・・・・・。
明智の領地は、召し上げられる。
信長は、猜疑心が強い。
それ故、「今」がある。
光秀もまた、猜疑心が強い。
「同じ穴の狢」
同類である。
二年前の衝撃。
すなわち、佐久間信盛の粛清事件。
これによって、織田家重臣筆頭、佐久間氏は、没落した。
光秀は、間近で、これを見ていた。
家中に、「衝撃」が走った。
その時のことが、光秀の脳裏に焼き付いていた。
「走狗、烹(煮)らる」
用が済めば、棄てられる。
わずか、二年前の出来事。
没落の怖れ。
斯くなれば、明智は、再び、没落する。
その怖れがあった。
光秀は、明智の将来が不安だった。
「天下布武」
信長が、それに向かって走っている内は良い。
問題は、その後、である。
信長の「さらなる夢」。
果たして、自分は、それまで、生きているだろうか、・・・・・。
光秀には、自信が無かった。
明智は、存続の危機に瀕していた。
守るべき者。
親ならば、当然のこと。
「今のうちに」
光秀は、光慶を守ろうとした。
「手を打たねばならぬ」
光秀は、そのことに、頭を悩ませていたのである。
明智の命運は、中国出陣によって定まる。
「右」か、「左」か。
ここが、運命の分かれ道。
一手違えれば、そこは地獄。
光秀は、心を決めた。
光秀は、用心深い。
生き残る道は、ただ一つ。
秘して、語らず。
それを知るのは、己のみ。
そして、本能寺へ!!
⇒ 次へつづく
