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【すごい博物館187】成田市三里塚御料牧場記念館:日本の畜産のパイオニアだった歴史を今に伝える!

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■成田市三里塚御料牧場記念館とは

2026年6月に訪問

成田国際空港(通称:成田空港)のA滑走路から西側に1.5kmほど離れた場所に、かつてこの地域にあった、皇室のための農畜産物を生産していた施設「宮内庁下総御料牧場」の記憶を伝えている公園や記念館があります。

記念館の展示写真より

現在の成田空港で、A滑走路や第一ターミナル、そして航空会社の整備場があるエリアには、かつて「宮内庁下総御料牧場」があったのだそうですが、空港建設に伴い土地が提供され、御料牧場は昭和44年(1969年)に栃木県に移転したのだということです。

航空科学博物館の展望台から撮影

この写真の手前側の部分が、かつての御料牧場の敷地内だったということになるようです。

日本の畜産振興に取り組んだ牧場がこの三里塚の地にあったことを後世に伝えるため、千葉県成田市は公園を整備するとともに、昭和56年(1981年)に「成田市三里塚御料牧場記念館」を開館したのだということです。

公園内のマロニエ並木をまっすぐ進むと記念館がありましたが、この建物は御料牧場にかつてあった事務所をまねて復元したものだそうです。

横長の長方形をした館内では、中央部や周辺壁面を使って、御料牧場の誕生経緯や生産物、そして畜産の研究成果などが、7つのコーナーに分けて紹介されていました。

御料牧場の概要

明治初期に三里塚に牧場が作られたのは、青草に富み、樹林地に恵まれ、交通の便もよかったためだということで、かつての航空写真や鉄道の路線図などが示されていました。

牧場があったころの立体地形図もあり、厩舎などの位置がボタンを押すと示されるようになっていました。

御料牧場の歴史

房総半島では馬形の埴輪が多く出土していることから、古墳時代から馬が飼育されていたらしいことや、奈良・平安時代から江戸時代までも、馬・牛の放牧が行われていたという記録が残っていることなど、歴史的にみても三里塚が牧場として理想的な場所であったことが解説されていました。

明治8年(1875年)に、明治政府の内務卿だった大久保利通さんの関与により、羊を育てる「下総牧羊場」と、牛馬の改良を行う「取香種畜場」が開設され、合併した後、明治18年(1895年)に宮内省に移管となり、「下総御料牧場」という名称になったという経緯が示されていました。

牧畜と農耕

牧畜や農耕の事業によって多彩な食品が生産されていたことや、ここが日本における獣医学発祥の地であったことなどが、当時の器具などとともに紹介されていました。

この牧場では、昭和初期からサラブレッド競走馬の飼育・調教にも力を入れるようになり、東京優駿大競争(現在のダービー)で6頭の優勝馬を輩出するほどの功績も残していたそうです。

研究技術の発展

外国人の技師を雇い、西洋型の農機具類を導入して、大規模で効率的な栽培を行っていたそうで、実物の器具がずらりと並べられていました。

皇室と御料牧場

明治天皇をはじめ、皇室の方々もたびたびこの牧場を訪れていたそうで、昭和26年(1951年)の皇太子殿下(現在の上皇さま)による視察や、昭和28年(1953年)の昭和天皇・皇后両陛下による行幸啓の模様が写真で紹介されていました。

中央部分には、明治42年(1909年)に製作され、天皇・皇后両陛下が行幸啓の際に供奉車として使用されていたものだそうで、宮内庁の取り計らいで展示が実現したとの解説が付けられていました(牧場訪問の際に使用したかどうかは分かりませんでした)。

三里塚を訪れた文人たち

三里塚の豊かな自然や牧場風景に魅せられ、多くの画家や文人たちが訪れて作品を残しているとのことで、詩人であり彫刻家でもある高村光太郎さんの「春駒」という詩も紹介されていました。

お召し機用特別調度品

牧場とは直接関係はありませんが、昭和の天皇・皇后両陛下が、昭和46年(1971年)の訪欧や、昭和50年(1975年)の訪米の際に、日本航空のお召し機になった「DC-8-55」に取り付けられた、座席やベッドの実物が展示されていました。

現在のファーストクラスのシートでも及ばない、大型ベッドがドーンと設置されていたことに驚かされました。

屋外

記念館の前には、御料牧場の第五代場長を務め、畜産獣医学の発展に功績を残したという、新山荘輔博士の像がありました。

昭和初期にイギリスから輸入され、多くの優秀な競走馬を生み出した、2匹のサラブレッド種牡馬(オスの種馬)の碑も建立されていました。

公園内には藁ぶきの建物がありましたが、こちらはかつての「貴賓館」で、各国ゲストを招待した際の園遊会場や、皇族の宿舎として使われていたのだそうです(記念館の事務室に声をかけると見学できるようでした)。

■まとめ

道端の看板で存在に気づき、飛び込みで寄ってみたのですが、困難の末に開港したことで知られる成田空港には、皇室御用達の牧場を移転させるという大きな事業も絡んでいたことを初めて知り、スタッフの丁寧な解説もあり、誠に学びの多い訪問となりました。

なお、この記事は展示の解説やホームページ等を参照して記載しました。

<良かった点・いまひとつだった点>

〇スタッフの方が詳しく丁寧な解説をしてくださった
〇航空写真や大型模型で空港との位置関係がよくわかった
△動画資料があればもう少し過去の状況が分かるかと感じた
△構成や動線で流れが行ったり来たりと感じる部分があった

■インフォメーション

詳細はホームページで確認を


開館日・時間
 火~日曜日(月曜日は休館、祝日の場合は翌日、8月は前日開館)
 09:00 - 16:30
料金
 無料
アクセス
 駐車場あり
 ジェイアールバス関東の三里塚停留所 徒歩約3分
住所
 286-0116 成田市三里塚御料1番地の34

以上です、ご覧いただきありがとうございました。

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