成人の読解力は習得が困難なスキルか?

 成人の読書がすすめられていますが、訓練してスキル習得していない成人は、読書をしても読解できないのでは?


アンドラゴジー

成人は読解力不足という調査結果

 成人日本人の1/3は、通常の日本語読解力がありません。

 アメリカでも同様です。

アメリカ教育省の全米教育統計センター(NCES)によると、アメリカの成人の21%(約4,300万人)が読み書きが満足にできない「非識字」や、読むことはできても文章の意味や内容が理解出来ない「機能的非識字」のカテゴリーに分類されるという。

https://karapaia.com/archives/52308811.html

読解力に遺伝が関与か?

速読を左右するのはなんなのか

この研究は、2000年にオハイオ州立大学が実施したものです。まず、135人の遺伝子が同じの双子の一卵性双生児と、179人の遺伝子が違う双子の二卵性双生児を対象に、読書スキルがどこまで遺伝子に左右されるのかということを調べました。

その結果、読書理解力や聴き取り理解力は遺伝的要因と環境的要因の両方に影響されることが示されました。興味深いのは「読書スピードは4分の3(75%)が遺伝子で決まる」という点です。遺伝で読書スピードが速い人がいたとすると、その人はすでに遺伝で決まってしまっている

https://agora-web.jp/archives/240330001411.html

そもそも西洋学問において文献をクリティックする(読む)とはどういうことか

 「機能的非識字」の人は訓練してもできるようになるのか?

クリティックとは

 テキストが正しいのか、自分が正しく解釈できているのかを検証するということ。訓練しスキル化すべき素養でした。

本書が掲げる「クリティック」は、ふつう「批評」や「批判」という日本語に訳されます。しかし、それらの語では十分に表されない意味が「クリティック」には含まれていることを日本の知的世界は気づかずにきました。その状況を憂える碩学が、これまでの仕事を総括するとともに、将来の知の土台を提供するべく、本書を書き上げました。

「クリティック」とは「物事を判断する場合に何か前提的な吟味を行う」という考え方です。その系譜をたどる道程はホメーロスから開始されます。そこからヘーロドトスとトゥーキュディデースを経てソークラテース、プラトーンに至る古代ギリシャの流れは、キケローやウァッローの古代ローマを経由する形で、一四世紀イタリアのペトラルカ、ヴァッラに至って「人文主義」として開花しました。この流れの根幹にある態度――それは、あるテクストを読み、解釈する前に、それは「正しいテクスト」なのか、そして自分がしているのは「正しい解釈」なのかを問う、というものです。こうした知的態度は古代ギリシャ以来のものであり、のちの者たちはその古代ギリシャ以来の態度に基づいて古代ギリシャのテクストを読み、解釈してきました。そして、それこそがヨーロッパの知的伝統を形作ってきた営みにほかなりません。

クリティック再建のために (講談社選書メチエ) Kindle版 木庭顕

論文クリティークとは

事例 看護学の論文クリティーク

「論文クリティーク」 に注目し.「批判」という言葉の意味について論ずることである.まず,研究論文の評価あるいは論文クリティークについて,看護研究の教科書に記述されている内容を概観する.そして,研究論文の構成要素ごとに評価基準をチェックリストのように用いてその価値を判断することが,論文クリティークなのだろうかという問題提起をする.その上で「批判」の辞書意味を明らかにし,看護学において「批判」という言葉はどのように用いられているか,さらに教育学と哲学における「批判」の概念について述べる.「批判」の意味に関して本稿では,批判とは単に対象の欠点を指摘したり,長所と短所を区別してその是非を判断したりすることではなく,あらゆる側面から対象全体を理解するように努め,そこからよりよいものを選び抜く営みであると主張したい.

https://cir.nii.ac.jp/crid/1050564287546484480

そもそも翻訳書は正しいテキストなのか

学的文章は読みにくい

2015年の論文は19世紀の論文より読むのが困難である−そしてその理由は単語だけのせいではない、Philip Ballがいう

スウェーデンの研究チームが現代の科学テキストは一世紀前より人を寄せ付けないことを示唆する。まったくだ。例えばNatureを無作為に取り出すと、要約に以下のような文章を発見するだろう:

ここに我々はマウスではDND1が、主にmRNAの3’非翻訳領域にあるUU(A/U)トリヌクレオチド配列に結合し、そして直接CCR4-NOTデアデニラーゼ複合体を動員することで標的mRNAsを不安定化することを示す

しかしカロリンスカ研究所神経科学者William Hedley Thompsonとその同僚が彼らの解析で取り組んだのはこの種の専門用語だらけの文だけの問題ではない。122の主要雑誌に1881年から2015年までに発表された70万以上の英語の要約を点数化した。彼らの研究はリプリントサーバーbioRxivに3月28日に発表されたが、増えているのは専門用語だけではないことを示唆する。

著者らによると「一般科学専門用語」つまり技術用語ではないが科学論文の標準的語彙としてよく使われる多音節の単語が増えている。頑健な‘robust’, 有意な‘significant’, さらに‘furthermore’および背景にある‘underlying’といった日々使うが特に科学文献に多い単語を含む。これらの単語そのものが曖昧なわけではないがそれらが多くなると文章を読むのに精神的負荷が大きくなる。

Thompsonらは読みやすさの標準指標、単語当たりの音節数や一文当たりの単語数、一論文当たりの予め定義された標準用語以外の単語の数などを使って文章を調べた。これらの指標では傾向は極めて明確で、1881年以降読みやすさは著しく減少している。
(略)
ではどうやったら科学論文の読みやすさを改善できるのか?まず最初に魔法のように上手に書けるようにはならないことを認識すべきである。論文案を最初に書くのは研究チームの若いメンバーであることが多く、良い文のモデルを知らず既存の雑誌を見習って書く。そして彼らはジャーゴンに溢れて複雑なものが科学論文だと思う。それが原因の一つであろう。ではどこに良い文のモデルがある?必ずしも科学者とは限らない良いライターがどこにでもいる。洗練された読者が洗練された書き手を作る。学生達にNatureではなくDarwinやDawkins やDickensを薦めてみたら?

https://uneyama.hatenadiary.jp/entry/20170331/p14
It's not just you: science papers are getting harder to read
https://www.nature.com/articles/nature.2017.21751
It's not just you: science papers are getting harder to read - Nature
Papers from 2015 are a tougher read than some from the ninete
www.nature.com

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