血糖値コントロールの鍵はインスリンだけじゃない!“グルカゴンの働きと暴走”の正体
どうもナカハラです。
精密栄養学で学んだこと、実践したことを元に、皆さんに役立つ健康情報をお届けしています!
ヨーロッパ行きが迫ってきて、それまでに片付けておきたい仕事も溜まっていて、結構バタバタしている状況です。
心身ともにちょっと追い詰められていますね笑
健康情報を発信している僕自身があまり良い状態じゃないというのも、なんとも言えませんが…!
やはり気持ちが焦ると良くない。
僕は分かりやすくて、疲れが溜まるとすぐ頭痛になるんです。
昨日もちょっと頭痛が出ていましたが、夜頃には回復してやる気も戻ってきました。
気をつけながらやっていこうと思います!
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インスリンだけじゃない!グルカゴンという重要なホルモン

本日のテーマは「血糖値コントロール」、特にグルカゴンというホルモンについて。
血糖値のホルモンで有名なのはインスリンですが、グルカゴンはまだあまり聞いたことがない方も多いでしょう。
最近、血糖値コントロールは世の中的にもかなり注目され始めている印象があります。
糖質制限やケトン体の話もよく出てきますが、実際に取り組んでいる人はまだそれほど多くないかもしれません。
でも徐々にスタンダードになってくると思うので、本日はインスリン以外の話も詳しくしていきましょう!
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まずはインスリンの復習から
インスリンは「上がったら下げる」ホルモン。
膵臓から分泌される
血液中の糖分を細胞に取り込ませる作用
血糖値を下げることを促進
基本的な働きとしては、血液上の糖分が細胞に取り込まれることで血糖値が下がる、それを促すホルモンですね。
糖尿病の本当の恐ろしさ
糖尿病は血液中のブドウ糖(グルコース)が増えすぎることで起こる病気。
ブドウ糖は炭水化物や糖分を摂取して代謝・分解された最終形態と考えてください。
これが増えすぎると全身の血管が損傷してしまいます。
具体的には:
AGE(終末糖化産物)の蓄積
ミトコンドリアからの活性酸素発生
血管の炎症と損傷
様々な合併症(足切断、がんなど)
以前お肌の回でもお話ししたAGEも関係していて、パンを放置するとカチカチになるあの現象が体内でも起きてしまう。
肌や血管が固くなると傷つきやすくなり、ブドウ糖が過剰だとエネルギー代謝も過剰になって、ミトコンドリアが活性酸素を生み出します。
活性酸素は炎症の原因になりますから、血管損傷につながる。
その結果、様々な合併症が生まれ、足切断やがんといった恐ろしい病気につながってしまうのです。
グルカゴンはインスリンの正反対

さて、ここでやっと本日の主役グルカゴンの登場です!
グルカゴンは簡単に言うとインスリンの逆、拮抗ホルモンです。
血糖値が「下がったら上げる」役割。
ご飯を食べると血糖値がガンと上がって、インスリンが効き始めて下げます。
人によっては食後に下がり過ぎる“反応性低血糖”が起こることもあります。
そのときにグルカゴンが働き、基準域まで血糖値を戻してくれます(通常の食後はグルカゴンは抑えられるのが基本)。
なお、「血糖値スパイク」は“食後の急上昇”のこと。
上がって→下がり過ぎ→また上がる、といった大きな揺れ全体は「血糖値変動(グリセミック・バリアビリティ)」と呼びます。
基本的に血糖値はフラットに保たれている方が体にも心にも負担が少ないので、グルカゴンはその下がりすぎた時に上げるという重要な役割を担っています。
インスリンが出ている時はグルカゴンが下がって、グルカゴンが出ている時はインスリンが下がるという拮抗状態と思ってもらえればOK。
グルカゴンの具体的な働き
グルカゴンも膵臓で生成されています。
血糖値が下がりすぎた時に分泌されて、主な作用は:
肝臓のグリコーゲンをブドウ糖に分解
血液中への糖分放出
血糖値の適切な維持
グリコーゲンはブドウ糖を貯めておく形で肝臓に貯蔵されているもの。
グルカゴンがそれを「血液の糖が足りないから分解してね」と指示して、グリコーゲンからブドウ糖が出てきて血液中に放出され、血糖値が適切に保たれるという仕組みです。
飢餓状態での驚くべき働き
グルカゴンにはもう一つ興味深い働きがあります。
グリコーゲンは時間が経つとなくなってしまう。
飢餓状態が続くと(半日〜1日程度で)、グルカゴンは次の手段に移ります:
糖新生の開始
筋肉などのタンパク質を分解
体内で新しくブドウ糖を作る
血糖値の最優先維持
ケトン体への移行
筋肉を壊しすぎないための対策
脂質や脂肪を分解してエネルギー源に
グルカゴンが脂肪分解もアシスト
よく「食事制限すると筋肉が分解されるから良くない」と言われますが、糖を作るのが最優先なので仕方がない部分もあるんですね。
つまり、糖が足りない時のあらゆる対処をアシストするのがグルカゴンというわけです。
現代社会でのグルカゴン暴走が問題

人は低血糖になるとフラついたり、めまいがしたり倒れたりするので、それを防いでくれるグルカゴンは本来ありがたい存在。
ところが不思議なことに、現代社会ではグルカゴンが過剰になりやすいんです。
イメージ的には飢餓状態で活躍するホルモンなのに、なぜ飽食の時代に?
これが「グルカゴンの暴走」と呼ばれる現象で、糖尿病の発症や進行に関与しています。
インスリン抵抗性が引き起こす悪循環
現代社会の食生活に問題があります:
常に糖質や炭水化物を摂取
頻繁な食事(血糖値スパイクが連続)
ほとんどの人にとっては食べ過ぎ状態
※こまめな食事が良い人もいますが、多くの場合は血糖値の乱高下を招いているのが現状です。
常にインスリンが分泌され、血糖値スパイクが頻繁に起きていると、だんだんインスリンが効きづらい状況(インスリン抵抗性)が生まれてきます。
肥満や運動不足が原因でインスリンの働きが悪くなると、こんな問題が起きます:
本来:インスリンが上がる → グルカゴンが下がる(拮抗関係)
問題:インスリンが効かない → グルカゴンが下がらない
結果:食後でもグルカゴンが高いまま
つまり、グルカゴンが抑制されずに食後でもグルカゴンが高いという状況が生まれるのです。
実際は食事をして糖質が体に入ってきて血糖値は上がっているのに、グルカゴンが出ることによって肝臓が余計にさらに糖を作るという状況になります。
これが高血糖状態を生み出す原因。
ストレスもグルカゴンを刺激
さらにストレスホルモンもグルカゴンを刺激します:
コルチゾール:慢性的なストレス
アドレナリン:急激なストレス反応
戦闘状態やストレス状態では体が活発に動くサインとして血糖値を上げる作用があり、これがグルカゴンの分泌を促すんです。
飢餓でもないのに体がエネルギー不足と勘違いして「エネルギーを作りましょう」「血糖値を上げましょう」となってしまう。
そうして慢性的な高血糖状態になると、インスリン抵抗性が起きて糖を細胞に取り込めなくなってくる。
だから体が飢餓状態と認識して、またグルカゴンが分泌されるという悪循環。
これが現代社会でのグルカゴンの暴走というお話です。
グルカゴンを適切にコントロールする方法

やはり適切なコントロールが必要ですよね。
血糖値のコントロール、つまりスパイクを避けることが重要です。
GLP-1ホルモンの活用
グルカゴンを抑える方法として、GLP-1というホルモンが重要。
これは血糖値やグルカゴンを抑えるホルモンと考えてください。
小腸から分泌されるホルモンで、食事をすることによって小腸から分泌されます。
GLP-1が出ると膵臓に「インスリンを出しましょうね」と促し血糖値を下げ、インスリンが促されるとグルカゴンは拮抗状態で抑えられる。
効果的な食事内容
GLP-1の分泌を促進する食材:
玄米
豆類
野菜類
さつまいも
これらの水溶性食物繊維を含む食事で、GLP-1は活発に分泌されます。
腸内細菌が食物繊維を発酵させる際に短鎖脂肪酸が生成され、この短鎖脂肪酸がGLP-1の分泌を促進するのです。
短鎖脂肪酸は腸内環境を整えたり抗炎症作用もありますが、血糖値コントロールにおいても重要な役割を果たしているんですね。
生活習慣の改善が基本
結局のところ、生活習慣病なので基本は:
食事内容:水溶性食物繊維を意識
運動習慣:血糖値スパイクを防ぐ
ストレス管理:コルチゾール・アドレナリンを抑制
これでホルモンバランスを整えて血糖値を安定させることが重要。
血糖値を安定させたいなら、かなり浸透してきたと思いますがフリースタイルリブレという24時間グルコースをモニタリングするデバイスがおすすめ。
実際に自分がどういう風に血糖値が動いているのかがわかるので、すごく面白いと思います!
人によって全然違うんですよね。
遺伝的な原因や食事内容、運動習慣などで変わるので、実際に観測していただいて自分自身でスパイクが起きにくい状況を作るのが一番良いでしょう。
従来の健康診断では見えない真実

もし糖尿病になってしまった場合や進行している人は、インスリン注射や薬が必要になってくるんですが、そこになりたくないですよね。
皆さんが受けている会社の健康診断や自治体から送られてくる無料の健康診断では、空腹時の血糖値しか測定していません。
だいたい8時間程度の空腹状態で検査を受けるように言われますが(中には約束を守らずに食べちゃったという人もいると思いますが笑)、それでも上がっている場合は既に糖尿病にかなり近づいている状態です。
空腹時はだいたい皆さん下がっているので、それでも上がっているということは相当やばい状態ですね…。
空腹時血糖値が正常でも、食後血糖値スパイクが起きている段階があるのですが、これはグルコースモニターでないとわからないのが現状。
血液検査を朝昼晩しょっちゅうするわけにはいきませんからね笑
やはり24時間モニタリングで見ていただいて、適切な血糖値コントロールを心がけることが体だけでなく心にもすごく重要なんです。
まとめ
血糖値コントロールや糖質制限について「ストイックだな」と僕はよく言われるんですが、もっと一般的にスタンダードになってくる項目だと思います。
グルカゴンの働きを理解することで、なぜ血糖値のフラット化が重要なのか、なぜ現代人に糖尿病が多いのかが見えてきたのではないでしょうか。
ぜひいろいろと意識して取り組んでみてください!
8月も後半に入ってきていますが、引き続き暑いので体調管理に気をつけてやっていきましょう。
それでは、今日も健康で!
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参考文献・エビデンス一覧
グルカゴンと血糖値制御 Unger, R. H., & Cherrington, A. D. (2012). Glucagonocentric restructuring of diabetes: a pathophysiologic and therapeutic makeover. Journal of Clinical Investigation, 122(1), 4-12.
Holst, J. J., et al. (2017). The physiology of glucagon-like peptide 1. Physiological Reviews, 97(2), 409-444.
インスリン抵抗性とグルカゴン Dunning, B. E., & Gerich, J. E. (2007). The role of alpha-cell dysregulation in fasting and postprandial hyperglycemia in type 2 diabetes. Diabetes Care, 30(3), 752-760.
短鎖脂肪酸とGLP-1 Psichas, A., et al. (2015). The short chain fatty acid propionate stimulates GLP-1 and PYY secretion via free fatty acid receptor 2 in rodents. International Journal of Obesity, 39(3), 424-429.
持続血糖モニタリング Beck, R. W., et al. (2017). Continuous glucose monitoring versus usual care in patients with type 2 diabetes receiving multiple daily insulin injections. Annals of Internal Medicine, 167(6), 365-374.
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