【ウチノハハ伝説 #20】昭和の思い出話|五右衛門風呂と今も謎な「入れなかった泉」の話
こんにちは☆
4歳の娘を育てている、もちこです。
今回は、うちの母の昭和の暮らしと、少し不思議な「水」にまつわるお話です。
下から薪で沸かす「五右衛門風呂」
母が小さい頃、家には「五右衛門風呂」があったそうです。
……五右衛門風呂。
私は時代劇でしか見たことがありませんが、あの大きな釜のようなお風呂のことですよね。
母の話では、お風呂の前は土間になっていて、祖父が下から薪をくべてお湯を沸かしていたのだとか。
お風呂の釜自体が熱くなるので、中には「すのこ」のような板を浮かべて、その上に器用に足を乗せて沈めながら入っていたそうです。
今のボタンひとつで、しかも自動で適温のお湯が出る生活からすると、信じられない手間暇です。
でも、薪で沸かしたお湯は、きっと体の芯からポカポカと温まったのでしょうね。
昭和のセキュリティと自由すぎる日常
そんな母の子ども時代は、人との距離が今よりもずっと近かったようです。
祖父が自営業だったこともあり、母はいつも近所の子どもたちと街中を遊び回っていました。
大人はみんな顔見知りで、どこへ行っても誰かが声をかけてくれる。
そんな安心感があった時代。
夏休みになると、母は友人と二人で、勝手によその会社の屋上に忍び込んでお昼ごはんを食べていたそうです。
その友人の家が飲食店だったため、お店の余りもので作った「特製弁当」を持参。
「あそこの屋上は景色がいいから」という理由だけで、二人でピクニック気分を楽しんでいたのだとか。
今の時代なら大問題になりそうですが、古き良き昭和の、なんとも大らかなエピソードです。
どうしても入れなかった場所
そんな自由奔放な母でしたが、小学生の頃、どうしても入れない場所がひとつだけありました。
それは、近所にあった小さな「泉」。
他の子たちはそこへ飛び込んだり、泳いだりして元気に遊んでいたそうですが、母はどうしてもその水に入ることができませんでした。
川も、海も、プールも大好きで平気なのに、その泉だけはなぜか入れなかったそうです。
「怖い」とは違って、その理由は自分でも分からないまま。
ただ、そこには何度も行ったそうです。
入れないけど見るだけで良かったみたいです。
大人になってから、ふと思い出してその場所を訪ねてみた母。
そこに広がっていたのは、驚くほど小さな泉でした。
水は少し濁り、倒木や枯葉が浮いている、子どもの頃に感じていた「底知れない神秘的な場所」とは違う景色。
それでも母は今でも言います。
「なんであそこだけは、足を踏み入れることができなかったのかしらねぇ」と。
……きっと、子どもにしか分からない「何か」がそこにはあったのかもしれませんね👻
母おすすめの「お守り」スポット
そんな不思議な体験をしてきた母が、今「ここは本当に清らかで素晴らしい」と絶賛している場所があります。
それが、明治神宮の奥にある
「清正井(きよまさのいど)」です。
母が訪れた際、学生さんくらいの男の子が、長い間じっと静かに井戸に手を合わせていたそうです。
そのあまりに真剣な後ろ姿を見て、母はなぜか胸が熱くなり、涙が出そうになったと言います。
「空気が透き通っていて、心が洗われる感じがするのよ」
母はあれからずっと、その井戸の写真をスマホの待ち受けにしています。
「これが一番の“お守り”なの」と笑う母を見ていると、泉に入れなかったあの頃の少女のような感性は、今も変わっていないのかもしれないな、と感じます。
皆さんも、もし明治神宮へ行く機会があれば、ぜひ立ち寄ってみてください。
井戸の澄んだ水に触れるとき、何か特別な感覚を味わえるかもしれません。
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