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【ウチノハハ伝説 #12】舞台の「最前列」を引き寄せた母の執念。推しを前にフリーズした乙女な記憶。

こんにちは☆
4歳の娘を育てている、もちこです。
今日は、うちの母の話をひとつ。
うちの母は、ちょっと変わっています。

実はうちの母、かなりの「声フェチ」。
今日は、そんな母がある俳優さんにガチ恋した、凄まじい「推し活」の記録を綴ります。

時代はFAX。個人情報より「愛」を優先

当時、その俳優さんはまだ「知る人ぞ知る」存在でした。
周りがポカンとする中、母だけは「あのイケボがわからないなんて!」と悶々としていたそうです。

そんなある日、知り合いがその俳優さんの事務所社長と繋がっていることが発覚。

「住所と名前を書いて、事務所にFAXして!」
という助言を真に受けた母。

今ならセキュリティ的に震える案件ですが、母は迷わず送信。すると後日、名前入りのサイン色紙と写真集が届いたのです。
ここから母の暴走……もとい、快進撃が始まります。

事務所突撃と、奇跡の「1列目」

舞台が決まればチケットを即ゲット。それだけでは飽き足らず、なんと住所を頼りに事務所へ直接差し入れとプレゼントを届けに行きました。(※今なら完全アウトですが、当時はギリギリセーフ……だったようです?)

そして迎えた公演当日。
本来3列目のはずが、舞台設営の都合で「一番前」に繰り上げ。

目の前に「推し」がいる。

しかし母、あまりの近さに目を合わせられず、なぜか隣の出演者をじっと見つめるという謎の乙女モードを発揮。

さらに終演後、コネクションをフル活用して舞台裏へ。

汗だく・裸足で現れた憧れの人を前に、フリーズした母が絞り出した言葉は……

「とりあえず握手お願いしますっ!」

そこはハグじゃないんかい!と突っ込みたくなりますが、母なりの精一杯の礼儀だったのでしょう。

「御歳暮」という名の定期便、そして息子の冷静な一言

その日以来、なぜか母は毎年事務所に「御歳暮」を送るようになりました。もはや親戚か取引先の距離感です。

極め付けは、私の弟の結婚式。
「あの俳優さんにビデオレターお願いできそうなんだけど、どうかな?」とノリノリで相談する母に、弟が放った一言。
「それは母さんが喜ぶだけでしょ」

……正論すぎて、母の暴走もここでようやくストップしました。

今の母なら、ハグもいける。

そんな母も、今ではこう言います。

「あの頃の私なら握手が精一杯。でも今なら、迷わずハグいけるわ」

いや、行かなくていい。
でも、きっと母はこれからも新しい恋をして、全力で人生を謳歌するのでしょう。

それが、わが家の「ちょっと変わった」お母さんなのです。

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