組織・社会は「システム」。現場のソートをいかに経営層、そして外の社会に届けるか? ~システミックデザインの実践者、BIOTOPE山田和雅氏に聞く~
「ソート(未来の構想、思い、ビジョン)」をつくり、共感を生み、社会実装を行う一連の流れとして、IISEが定義する「ソートリーダーシップ活動」。その重要性を多角的に考察し、成功のヒントを見出して新たな知見を浮上させるために、各専門家にインタビューしていきます。今回のお相手は、『戦略デザイナーが伝えたい システムのデザイン』の著者で、戦略デザインファーム BIOTOPE Managing Partner / Strategic Designer / Systemic Designerの山田和雅氏。システム思考の理論とデザイン思考の実践的な手法を組み合わせる「システミックデザイン」をベースとした「理念づくり」「戦略づくり」を中心に、多くの企業や社会の課題解決を支援・推進されています。今回はそうした取り組みの要諦と、ソートリーダーシップ活動へのヒントなどについて、詳しく聞きました。
「理念」を出発点としたインドネシアでの成功体験から、システミックデザインの世界へ
――システミックデザインに取り組み始めたきっかけについて教えてください。
山田 私は新卒で三井物産に入社し、インフラ事業に従事する中で買収したインドネシアの発電所に派遣され、企業価値向上(バリューアップ)を担当しました。そこではまず「経営理念の変革」から始めることにしました。

「みなさんが本当にやりたいことは何ですか」と現地のメンバーに問いかけ、「私たちは発電事業のオペレーションではみなさんに到底敵わない。目指すべき将来像をプロのみなさんから学びたい」という姿勢で膝を突き合わせて話をすると、次第に本音や不満が出てきました。その結果、現地のメンバーが自ら「世界ナンバーワンの発電所になる」という「理念」を生み出したのです。私たちはそれをブレークダウンした施策を進め、組織と現地のメンバーが自律的に活躍し、私が出向していたわずか2年だけでも大きな成果を出すことができました。
この「理念」から変革を始めたアプローチは、私の原体験となりました。理念とその実現戦略をいかにデザインするか。さらなるヒントを得るため、2021年にイリノイ工科大学のデザインスクールへ留学しました。そこで、「これからのデザインは“ヒト”だけを見ていてはダメ。システムに目を向けなさい」と言われたことを契機に、システムという視点で社会をデザインしていく「システミックデザイン」を学びました。これをもっと現場で使い、システムをより良い方向へ変革する経験がしたい。そう考え、BIOTOPEへ転職しました。
ちなみに、日本で「システムデザイン」というとIT設計の話と混同されやすいのですが、ここでいう「システム」とは、様々な要素が集まり関係しあうもの、人間の社会や組織、あるいは生態系といったものを指しています。逆に言えば、社会、組織などを生きた生態系のシステムとして捉えよう、ということでもあります。そのような広義の「システム」をデザインするという意味を込めて、私は意識的に「システミックデザイン」と呼んでいます。
組織・社会をシステムで捉え、4つのステークホルダーに語りかける
――システミックデザインとは何か、もう少し詳しく教えてください。
山田 発電所の改革では新しい「理念」をつくり、発電所オペレーションの改善など「組織内」では成果を出せましたが、できなかったこともありました。私自身の発想が、発電所の中だけの世界に閉じていたのです。発電所が社会に与えるインパクトは本来、とても大きいものです。発電事業がその国・社会で持つ意味を捉え直し、EVや製造業等も含めた何らかのコア事業を核にしたエコシステムへと広げて、社会全体をリデザインするところまではできなかった。
システミックデザインの実践においては、まさにこういう思考が必要です。複雑な問題を前に、理念を軸として組織・社会を「システム」として捉え、社会全体をリデザインしていくためのアプローチ。それがシステミックデザインです。
――山田さんはシステミックデザインをベースとした「理念づくり」と「戦略づくり」、2つのアプローチを提唱されています。トップダウンではなく、現場から企業の「理念/意図」をつくる「理念づくり」。社外だけでなく、社内から経営層を含めて「理念/意図」に対する理解を得て、企業の戦略に落とし込むための「戦略づくり」。これらは具体的にどのようなアプローチなのでしょうか。
山田 システミックデザインにおいて、企業の価値創造戦略の核心には「理念」を据えています。これは「意図」、「Why(なぜやるのか)」といった言葉でも表現できます。あるいは、「ソート」とも言えます。その外側に「世界観」(How、どうやってやるのか)が入り、さらにその外に「アクション」(What、何をやるのか)が入る。この同心円がまずは中心を担います。
次に、これら「理念/意図・世界観・アクション」の実現に向けて、4つのステークホルダーに働きかけていきます。この働きかけが「戦略」です。
以下の図ではステークホルダーを4つの象限に分けています。1つ目は「顧客/世間/未来」。2つ目は一緒に価値提案をつくる「パートナー」。3つ目は「従業員」。4つ目が「株主/投資家」です。重要なのは、ステークホルダーごとに用いる「言語(ここでは、KPI(重要業績評価指標))」が違う点です。

(資料ご提供:山田和雅氏)
企業が新しい価値を創造するには、あるいは「理念/意図」を社会実装するには、ステークホルダーの「四方良し」を目指していく必要があります。そのために、働きかける戦略を相手の「言語(KPI)」に合わせて変えていきます。
例えば、「顧客/世間/未来」に対してはコミュニケーション戦略、「パートナー」に対してはサプライチェーンマネジメント戦略、「従業員」に対しては人事戦略、「株主/投資家」に対しては、財務戦略など、それぞれ全く違う戦略を取って働きかけなければ、ものごとは動きません。

その実現に向けては4つのステークホルダーに対しそれぞれ違う戦略を採る必要がある
(資料ご提供:山田和雅氏)
これらの戦略を、4つのステークホルダーそれぞれに通じる言語(KPI)で語りかけます。「四方」は目的や価値観が大きく異なるため、共通言語も違ってきます。例えば、顧客や世間に対して自らの「理念/意図」を届けるための戦略が、コミュニケーション戦略やマーケティング戦略で、その際の言語(KPI)は、マーケティング費用であったり、売上であったりします。
しかし、従業員にそれらの数字で説明しても、理解を得るのが難しい場合も考えられます。従業員に対しては、その「理念/意図」を社会実装することで、「組織風土」や「エンゲージメント」がどうよくなるかを示す必要があります。

自らの「理念/意図」を説明する上では、相手に合わせることが重要となる
(資料ご提供:山田和雅氏)
【理念づくり】意志の力を信じ、「組織人人格」を脱ぎ捨て、「個人人格」を回復させる
――ここまでのお話からも感じられるように、IISEが定義する「ソートリーダーシップ活動」と、システミックデザインは重なるところの非常に多い考え方と思います。山田様はどのように捉えていますか。
山田 基本的に、システミックデザインとソートリーダーシップは同じものだと思っています。以前からnote記事も拝見してまして、ソートリーダーシップ活動の考え方には共感していましたし、IISEは私たちと違う表現で同じことを語っているとずっと感じてきました。

その上であえて両者の違いを挙げるとすれば、アプローチの重心の置き方に違いがあるように思います。
ソートリーダーシップ活動はソートをつくり、社会に発信して変革をリードしていくというイメージがあります。未来のあるべき姿(To-Be)からバックキャストしていくアプローチと捉えています。
我々はTo-Beを描く前のAs-Is(現状)の把握、つまりそこに既に存在している「理念/意図」の理解に特に注力しています。今のAs-Isには必ず何らかの合理性、すなわち当時の最適解が備わっていると考えるからです。なぜ今こうなっているのか、そこを理解しないと、人はなかなか変われない。ここに重心を置いているのが当社の特徴と言えるかもしれません。
――「理念づくり」と「戦略づくり」を成功させるためには、何が必要でしょうか。
山田 まず、企業が「理念づくり」を成功させる秘訣は、「組織人人格における個人人格の回復」にあると考えています。
例えば、創業時には大きなイノベーションを起こしていた会社なのに、今の組織では起こせなくなっているとします。企業には必ず、今ある既存の理念があります。その理念は歴代の従業員が、組織人人格としての判断を積み上げてきた結果を反映したものであり、必ず何らかの合理性があります。しかし、イノベーションが起きなくなっているなら、何かがおかしいか、何かが足りていない。

そこでBIOTOPEは「意志の力を信じる」というアプローチを取ります。誰でも家に帰れば組織を離れ、1人の人間に戻るでしょう。いち従業員としての「組織人人格」を脱ぎ捨て、1人の人間として大切にしている価値観で生きているはずです。「個人人格の回復」とは、組織のメンバーであることを一旦忘れ、1人の人間として何を大事にしているか。それを考え、持ち寄ることです。
「1人の人間として、何を大事にしていますか」と組織のメンバーに丹念に問いかけます。答えを集約していくと、共通するキーワードが浮かび上がってくるものです。例えば「(企業が根差した)地域が好きだ」「(地域の)衰退は見たくない」「暮らしを支えたい」「海と山を守りたい」とか。その場合、この組織のメンバーが「個人人格」として持つ共通の価値観は「郷土愛」だといえます。
一方でその組織のビジネスを振り返ってみると、それなりに実績を出してはいます。でも「本当に『郷土愛』を体現できているのか?」という大きな問いが生まれます。組織のビジネスと、組織のメンバーが持つ価値観が、乖離してはいないだろうか。こうした問いが、組織変革へと向かう大きな起点になります。
個人の力を信じ、個人として語ってもらう。その総意を、組織全体の1つの文脈(ナラティブ)にまとめる。「この組織のメンバーは組織人である前に、個人としてこういう価値観を持っている。だからこの組織は今後、こういう物語をつくっていけるはずだ」という形で、変革の戦略を示すストーリーができます。私は通常、A4で2枚程度にナラティブをまとめています。
BIOTOPEでは必ず「理念/意図」を表すキャッチフレーズを作りますが、その裏側には、いま述べたようなストーリー構造の探索があります。当社のミッションは「意志ある道をつくり、希望の物語を巡らせる。」です。今述べたプロセスは、その2つの節のちょうど真ん中の繋ぎ目に位置しています。
――個人の価値観の総和は、どんな場合でも浮かび上がるものでしょうか。
山田 組織も人も、生き物です。歴史を紡いできたので、必ず一定の傾向があります。創業以来、大切にされてきたことには必ず正当性があり、それをみんなが信じているから、その企業、その組織に集まっているわけです。
従業員の1人ひとりに「あなたの最高の仕事体験と、その時に大事にしていた価値観を教えてください」と聞いてみてください。一聴するとみなバラバラなことを言っているように聞こえても、そこには共通する価値観のようなものが見つかるものです。
組織の価値観を見いだす取り組みは、雲をつかむような挑戦になります。そこで重要になってくるのが、「見立て」です。目に見えないものを、どう「見立て」るかが重要になります。
【戦略づくり】「市場性」「事業性」「社会性」の3つの軸をもとに語る
――「戦略づくり」の考え方についてはいかがでしょうか。
山田 4つのステークホルダーで説明したように、相手に分かる言語で語らないと、自らの「理念/意図」は伝わりません。このスキルは、ソートリーダーシップ活動においても大きな武器になるでしょう。

現場から生まれた「ソート(理念/意図)」を経営層に伝え、実行に移すための投資を決断してもらう際には、具体的な数字で語ります。○○億円の投資に対して、いつ、どれぐらいのリターンがあるのか。追加でAとBに投資すれば、事業はさらに安定し、大きなリターンが期待できるなど、ソートの骨格を数字で語れば、経営者も判断しやすくなります。
経営者と話す時には、「セオリーオブチェンジビジネスキャンバス」と呼ぶ1枚のフレームを用意した上で、「市場性」「事業性」「社会性」の3つの軸をもとに語ることを勧めています。

(画像ご提供:山田和雅氏)
「市場性」(上図赤)では、まず潜在市場規模(収益機会の総額)を推定し、市場成長率や競争環境を分析します。「この事業には市場性があり、レッドオーシャンでもない」といった内容を伝えます。「事業性」(上図緑)では、VRIO分析などを通じて得た自社の持続可能な競争優位性やビジネスモデルなどを示します。自社の中期経営計画の方針に合っているかどうかも重要です。パートナー、リソース、顧客価値試案、関係性、チャネル、顧客、コスト構造、収益構造などの言葉を使って語りかけます。
ここまでで利益目線から経営者が聞きたい話は揃っているのですが、理念の実現のためには3つ目の「社会性」(上図黄)が重要です。社会にどのようなインパクトがあるのかを語り、その事業が単なる利益目的のビジネスではなく、社会課題の解決につながる大きな意義があることを伝えていくのです。
――経営陣に対してその話をした際に、「想定している事業規模が小さい」という指摘を受けることはありませんか。その場合は、どう考えればよいのでしょうか。
山田 その組織の中で今、何が求められているかを理解する必要があります。例えば、カメラを作っていた会社が医療事業に変わるというような、会社全体の大きな変革をするためにドメイン戦略としての新規事業を求めているのか、あるいは、小さな芽からインキュベーションして新たな個別事業を育てようとしているのか。そうした文脈との整合性を考えることが重要です。もし前者であれば、確かに規模感が違うので、もっと大きなプランを持って来ないといけないかもしれません。
しかし、こうした議論もまた、数字にすることがあってこそです。社会課題解決型事業だからといって、数字で語り切ることから逃げてはいけません。数字にして初めて議論ができるわけです。「もっと大きな数字を目指せ」と言われたら、「ではもっと投資すれば大きくできます」といった会話ができます。そうした経営陣のフィードバックを歓迎すべきです。
▼BIOTOPEが経営の意思決定を支援する際に用いる「理念と戦略統合型キャンバス」の詳細は、以下記事の後半にて詳しく解説されています
個社を超えて社会を動かす。「アーキタイプ」をアップデートせよ
――先ほど「社会性」というお話もありました。企業や自治体と広く連携し、共創を生み出し、社会実装や市場創造につなげていくためには、何が必要でしょうか。
山田 ソートリーダーが新たなソートを打ち出してから、それをプロダクトや個社レベルから社会システムのレベルへ大きく拡げる際に、考えなければならないのが「アーキタイプ」というコンセプトです。

物理的な仕組み、制度的な仕組み、社会的な仕組みを統合した広義なインフラを、システミックデザインでは「アーキタイプ」と呼んでいます。この「アーキタイプ」をアップデートしなければ、既存のエコシステムは変わらない。ソートを社会実装することはできないように思います。
あるべき「アーキタイプ」は関係するあらゆるステークホルダー、例えば政府、企業、住民(利用者)を巻き込み、みんなでつくっていくものです。個社はその「アーキタイプ」の中で、それぞれの強みを生かして事業を進めていきます。
どんな社会システムでも、それを支えてきたインフラがあります。例えば、自動車という内燃機関のシステムなら、ガソリンスタンドという給油の仕組みがあり、道路があり、サービスステーションがあり、保険のような仕組みもあります。これら全体がインフラとして存在しているから、内燃機関を使用できているわけです。この物理的なもの、制度的なもの、社会的なもの、すべてが絡み合っている、広義な意味でのインフラがアーキタイプです。
例えば、これをEVに変えていこうとする場合には、このアーキタイプをアップデートしなければなりません。
アーキタイプには、企業や自治体、住民、ユーザーなど、多くのステークホルダーが参加していますから、それをアップデートするには、相応のオーケストレーションが必要です。その役割を担う人こそ、ソートリーダーだと考えています。まず、意図をアップデートし、ソートとして共有しながら、多様な利害関係者の意見を聞き入れ、共通の上位概念(理念)で合意形成を図って1つのビジョンを作り、統合的なアーキタイプを実現していくわけです。ソートリーダーがソートを軸にファシリテーションしない限り、この仕組みはなかなか機能しないと思います。

ソートリーダーに見いだせると山田氏は説く。
アーキタイプに関する詳細は山田氏による新著『戦略デザイナーが伝えたい、システムのデザイン』(クロスメディア・パブリッシング、2025年12月)も参照のこと
(資料ご提供:山田和雅氏)
これは公共と民間の二元論ではありません。双方が必要としているものを双方で考え、経済性と社会性をマッシュアップし、公共と民間、そのどちらにも傾かないものにしていきます。
――アーキタイプのアップデートを目指している、具体的な取り組みは何かありますか。
山田 私自身はいま官民共創で進める、障害者福祉の就労に関連する社会課題解決型事業の開発で、「ケアノベーションマネージメント」という新たなソートの社会実装に取り組んでいます。官民共創で進めるプロジェクトに参加しています。いわゆる従来型「福祉」の概念を超えて、「ケア(福祉)」と「イノベーション(経済性)」を統合した「ケアノベーション」という新たな概念へとアップデートし、未知のアーキタイプをつくり出そうとしています。その過程で様々な取り組みを試みていますが、生成AIを活用したカスタムLLM「ケアノベーションサポーター」ツールの開発もその1つ。これは「ケアノベーションマネージメント」の原理原則や実践ノウハウを学習したGPTsで、先日試作版を公開したばかりです。
ケアをイノベーションの起点にし、福祉と経済を調和させるというコンセプトの全体をBIPTOPE制作でまとめた『ケアノベーションマネジーメントブック』WEBブックも発表しました。私はプロジェクトメンバーの共創ファシリテーション、全体的なライティングに加え、「ケアノベーションマネージメント」が当たり前になった世界を描いた小説も書き下ろしています。
▼官民共創HUBの特設サイト「みんなのディーセント・ワーク」下部から、『ケアノベーションマネージメント』WEBブックと「ケアノベーションサポーター」GPTsにアクセスできます
――今後の展望について教えてください。
山田 システミックデザインは、ソートリーダーにとって主要なケイパビリティになるはずです。私自身はつい最近、2025年12月に『戦略デザイナーが伝えたい、システムのデザイン』(クロスメディア・パブリッシング)を上梓しました。現代社会の課題を根本から解決するための新しいアプローチとして、システミックデザインを実践的に解説しています。変革は行き当たりばったりではなく、本日述べたような「過去からAs-Isを理解し、個人人格を回復してTo-Beをつくり、それを相手の言語に合わせた戦略や、個社を超えた相手と対話するアーキタイプに落とし込んでいく」といった適切なプロセスを踏むことで、成功確率を高められます。本書ではこのプロセスについて、さらに詳しく説明しています。

私は今後も啓発活動を続けていきます。もしも日本に1000人のシステミックデザイナーが生まれたら、どんな変化が起きるでしょうか。私はそんな世界をぜひ見てみたいと思っています。
そして自分自身でも、新しい「意図」と「アーキタイプ」をつくっていこうとしています。先述したケアノベーションも、その1つ。みなさんと一緒に、この社会にもっともっと良い変化を起こしたいと願っています。

<取材を終えて>
「適切なプロセスを踏めば、成功確率を高められる」。不確実性の高い挑戦こそ“進め方”を意識することが大切だと改めて感じました。「理念(ソート)」は生み出せても、なかなか経営者を納得させることが難しい――現場にはそうした悩みを抱える方々も少なくないと思います。山田氏は、経営者が用いる言語=数字(戦略)を生み出すことによって、経営者からの理解を得ることの重要性、そしてそのノウハウを発信してこられました。社会的インパクトを含めて「数字」にすることで、初めて社内でのコミュニケーションが成立する。相手の言語で語ることの意義は非常に大きいものです。本記事で山田氏に紹介いただいたシートは、ぜひご活用いただけると幸いです。
また今回は「アーキタイプ」という言葉をもって、ソートリーダーシップ活動を進めていく上で描くべき地図・フレームを提案いただいたと感じました。そして山田氏に示していただいた、組織内外に寄り添いながら意見を統合し、共通するTo-Beとしての「ソート」へとファシリテートする、オーケストレーターとしてのリーダー像に強く共感しています。
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インタビュイー:BIOTOPE Managing Partner / Strategic Designer / Systemic Designer 山田 和雅 氏
三井物産にて社会インフラ事業に従事。発電所、スマートシティ等の海外大型インフラ事業の新規開発、M&A、PMI、事業会社に出向しての理念経営の実装・バリューアップなどを経験。その後、イリノイ工科大学デザインスクールにて「広義のデザイン」を活用したイノベーション手法、システミックデザイン等を修める。BIOTOPE参画後は、事業会社での実務経験とデザインスクールで学んだ理論を融合し、営利・非営利・公務問わず様々な組織の長期ビジョン策定、経営理念策定・浸透、戦略策定、ビジネス・サービスデザイン、理念ブランディング、社会課題解決型のシステミックデザインプロジェクトなどをリードする。著書に『戦略デザイナーが伝えたい、システムのデザイン』(クロスメディア・パブリッシング)。
企画・制作・編集:IISEソートリーダーシップHub(藤沢久美、寺田亜紀子、崎村奏子、福井衛)
