損しない!人事担当者が知るべき助成金活用のヒント
こんにちは、日本綜合社会保険労務士法人の山田です。
人事担当者の皆さん、「助成金」と聞くと、「難しそう」「手続きが煩雑そう……」と感じていませんか?
ですが助成金の中には、従業員のキャリアアップや働きやすい環境づくりを支援する助成金がたくさんあるので、ぜひとも活用したいところです。
そこで今回は、特に活用しやすい助成金に焦点を当てて、その要点と活用方法をお伝えします。
知っているか知らないかで、企業の負担が大きく変わることもありますので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
キャリアアップ助成金とは?

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを支援する目的で設けられています。
非正規雇用労働者とは主にパート・アルバイト、有期契約社員等のこと。正社員化や賃上げ、訓練などを実施した事業主に対して助成金が支給されます。
特に人事担当者として知っておくべきポイントは以下の通りです。下記に加え、細かい要件はありますが、あくまでポイントとして抑えてください。
正社員化コース
パート・アルバイトを、正社員に転換した場合に支給されます。
障害者正社員化コース
障害のあるパート・アルバイトを正社員化した場合に支給されます。
賃金規定等改定コース
パート・アルバイトの基本給の賃金規定等を改定し、3%以上増額した場合に支給されます。
賃金規定等共通化コース
正社員とアルバイトの賃金規定を共通化した場合に支給されます。
短時間労働者労働時間延長支援コース
パート・アルバイトに、週の所定労働時間を5時間以上延長し、新たに社会保険に加入させた場合に支給されます(時給アップは不要)。
【受給要件のポイント】
助成金を申請するためには、事前にキャリアアップ計画を作成し、労働局への提出が必要です。
また、正社員化コースの場合は、転換前6か月、転換後6か月の賃金や、正社員化後の賃金が一定額以上増えている必要があります。
手続きが煩雑に思えますが、計画的に進めれば十分に活用できます!
なお、すべての助成金に言えることでもありますが、正社員に引き上げてから本助成金は申請できません。事前の計画に沿って上記の取り組みを行うことが、助成金をスムーズに受給する鍵となります。
労働者のモチベーション向上と企業の生産性向上を同時に目指せる、非常にメリットの大きい助成金で、パート・アルバイト従業員が多い企業ほどチャンスがあります。
▼厚生労働省「キャリアアップ助成金」
両立支援等助成金とは?

子育てや介護と仕事の両立を支援するための両立支援等助成金も、人事担当者にとって非常に重要な制度です。
女性従業員が多い病院や医療系企業、保育園や介護施設では特に活用できる場面が多いでしょう。主なコースは以下の通りです。
出生時両立支援コース(子育てパパ支援)
男性従業員が育児休業を取得しやすい職場環境づくりに取り組み、実際に取得した場合に支給されます。
育児休業等支援コース
育児休業の取得・職場復帰をスムーズにするための制度を導入し、実際に育児休業を取得させ、職場復帰させた場合に支給されます。
介護離職防止支援コース
介護のための休暇制度や、短時間勤務制度を整備し、実際に利用者が発生した場合に支給されます。
▼厚生労働省「両立支援等助成金のご案内」
助成金申請の現実的な実務対応
助成金を活用したいと思っていても、申請手続きの複雑さや日々の業務に追われ、なかなか手が回らない企業も多いのではないでしょうか。
そこで現実的な実務対応として、以下を参考にしてみてください。

①助成金専門の社会保険労務士に相談する
助成金は要件が細かく、申請書類も多岐にわたります。
専門家である社会保険労務士に相談することで、自社が利用できる助成金の洗い出しから、計画作成、申請手続きまで一貫してサポートしてもらえます。
②就業規則や雇用契約書の見直し
助成金の受給要件として、就業規則への規定整備が求められることがほとんどです。
これを機に、法改正にも対応した最新の就業規則にアップデートすることをおすすめします。
③計画的なキャリアアッププランの策定
正社員化や賃上げは突発的に行うものではありません。将来的な事業計画と連動させて、誰を、いつ、どのようにキャリアアップさせるか、事前に計画を立てておきましょう。
助成金は、企業の未来への投資です。従業員が安心して長く働ける環境を作ることは、結果として企業の生産性向上や優秀な人材の定着に繋がります。
助成金の活用で労務管理体制の整備を

今回は、人事担当者の方が特に使いやすいキャリアアップ助成金と両立支援等助成金について解説しました。
助成金は、企業の労務管理体制を整える良いきっかけになります。
まずは「自社のパート社員で正社員になりたい人はいるかな?」「もっと働きたいと言っている人はいないかな?」「育休予定者はいないかな?」と、社内を見渡すことから始めてみてはいかがでしょうか。
それぞれの助成金の詳細については、過去記事でも詳しく触れていますので、是非ご参考になさってください。

