【第510回】 Marketing Cloud Next : データグラフの特定レコードを取得
Marketing Cloud Next Growth & Advanced Editions の Summer ’26 新機能リリース では、フローの「リソースマネージャー」や「リソース選択フィールド」において、データグラフなどのソースデータを、あらかじめ 「並び替え(ソート)」 や 「検索条件(フィルタリング)」 によって絞り込んだ上で利用できるようになりました。
これにより、データグラフなどの複数データを持つソースから、「フローで利用したい特定の 1 レコード」 を取り出して活用できるようになります。
例えば、
「最新の購入商品」
「最終ログイン履歴」
「最も高額な注文情報」
など、配列データの中から『代表となる 1 件』を選択して扱えるようになるため、フローにおけるパーソナライズや条件分岐の柔軟性が向上します。
重要
この仕組みは、以下のフロータイプでのみ有効です。
セグメントトリガーフロー
アクティベーショントリガーフロー
これまでの課題
例えば、「決定」要素でデータグラフを利用した場合を考えてみます。
これまでの仕組みでは、データグラフの関連属性は 配列(複数件) として扱われていました。
そのため、たとえ「Sales Order Product Engagement」に複数の商品購入履歴が存在していたとしても、判定できるのは、
「複数件の中に、条件に一致するデータが 1 件以上あるか」
というレベルに限られていました。
つまり、
「最新の購入履歴だけを見たい」
「最も新しい注文レコードを基準に分岐したい」
「一番高額な注文だけを対象にしたい」
といった、『特定の 1 レコード』を対象にした詳細な条件判定 ができませんでした。データグラフを直接選択した場合は、以下のような形になります。


そこで、今回の新機能では、
「複数レコードの中から、フローで利用する 代表 1 レコード を取り出す」
ことが可能になったわけです。
実は、この考え方自体は、コンテンツビルダー側ではすでに先行して導入されていました。
例えば、コンテンツの「式」の作成時や、毎度の差し込み項目設定時に、
並び替え(ソート)
検索条件(フィルタリング)
を設定したことがあると思います。
それと同じ仕組みが、いよいよフロー側にも導入された形になります。
設定手順
1. リソースマネージャーを開き、「新しいリソース」をクリックします。

2. リソース種別として、新しく「Collection Filter Criteria」が追加されています。なお、Salesforce のヘルプでは、これを 「Selected Record」 という名称で紹介しています。

3. ここでは、データソースとして「データグラフの関連属性」を選択できます。直接属性が今回の話と関係がないのは言うまでもありません。

4. 今回は「最近購入した商品」を(API 名:latestPurchasedProductName としました)取得したいため、Sales Order Product Engagement を選択します。「全体リソース」を選択して完了します。

5. DMO を選択すると、画面下部に、
上段:並び替え(ソート)・・・設定は必須
下段:検索条件(フィルタリング)・・・設定は任意
を設定できるエリアが表示されます。

6. ここでの注意点は以下の通りです。
「並び替え(ソート)」の注意点
データソースと全く同じ DMO の項目しか選択ができません。
他の DMO の項目も選択できる UI にはなっていますが、実際にはエラーになります。
「検索条件」の注意点
データソースを選択する際に経由したすべての DMO の項目が利用できます。但し、経由できていない DMO の項目はエラーとなります。
この点を踏まえて設定してください。
7. さて、今回は単純に、「レコード作成日」を降順 で設定します。
つまり、「一番新しい購入履歴を “代表レコード” として取得する」という構成です。

8. これで「Collection Filter Criteria」リソースとして、データグラフのデータを元に作成された「latestPurchasedProductName」が作成されました。

9. このリソースを、今回は「決定」要素で利用してみます。この他にも、「割り当て」要素で利用するなどが考えられます。

10. 「latestPurchasedProductName」で取得されている代表的な 1 レコードの中から「Product」項目を選択します。

11. その後、「最近購入した商品」と一致する商品名を指定します。

12. これで、「最新購入商品が ○○ の場合のみ分岐する」という判定が可能になります。

いかがでしたでしょうか。
この機能は、いわゆる「痒い所に手が届く」タイプの機能だと思います。
即効性のある派手な機能ではありませんが、
「こんな条件判定ってできないの?」
「最新レコードだけを使いたい」
「複数件の中から 1 件だけ選びたい」
と思った時に、「そういえば、リソースマネージャーにそんな仕組みがあったな 🤔」と思い出せることが重要です。
逆に言えば、「Collection Filter Criteria(Selected Record)」という機能自体を知らないままでは、一生使うことがない機能 とも言えるでしょう。
特に、データグラフを活用した高度なパーソナライズや条件分岐を行いたい場合には、今後かなり重要な仕組みになってくると思います。
今回は以上です。
