【第509回】 Marketing Cloud Next : CRM レコードクエリ(条件検索)フロー
Marketing Cloud Next Growth & Advanced Editions の Summer ’26 新機能リリース で、従来の「セグメントトリガーフロー」の入り口が、新たに 「オーディエンスフロー(Audience Flow)」 という名称へ変更されました。

この「オーディエンスフロー」では、フロー作成時にユースケースに応じて、従来の「セグメントフロー(Segment)」に加え、
レコードクエリフロー(Record)
リストフロー(List)
キャンペーンフロー(Campaign)
といった、さまざまなデータソースを「開始」要素から選択できるようになっています。

これにより、オーディエンス起点のフローが「オーディエンスフロー」というカテゴリへ統合され、フローの作成・管理がよりシンプルで分かりやすいものになりました。
キャンペーンメンバー向けに送信を行う「キャンペーンフロー」については、これまでもキャンペーンフローからキャンペーンメンバーをセグメントして送信することは可能でしたが、今回のアップデートにより、より直感的かつワンクリックで利用できるようになっています。

リストフローについては、以下の記事で解説しています。
それでは、今回の記事では、この中でも特に注目したい 「レコードクエリフロー(Record)」 について解説していきます。
レコードクエリフローとは
Summer '26 の新機能リリースで新たに登場したレコードクエリフロー は、「開始」要素上で CRM レコードに対して直接条件を設定し、配信実行直前に CRM レコードから 該当オーディエンスをリアルタイムに取得して送信する、新しいフロータイプです。

このレコードクエリフローでは、従来のセグメントベース配信のように「統合個人(Unified Individual)」を起点として送信するのではなく、CRM 側で保持している最新のレコードをデータソースとして、スケジュール配信を行うことが可能になります。
検索条件は、AND や OR の他、カスタムロジックも利用できる ので、例えば、「(1 AND 2 AND 3) OR 4」のような複雑な検索条件も設定可能です。
注意:検索条件はフロー開始直前に初めて評価されるため、送信数と取得対象者を事前に確認することはできません。そのため、フローを有効にする前に、最初は「待機」要素のみを設定し、ドライランを実行して実際の送信数を確認することをお勧めします。
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最新の CRM レコードを即時に利用可能
このレコードクエリフロー最大の特徴は、Data 360 への同期を待つ必要がない点 が挙げられます。
例えば、わずか 1 分前に作成された取引先責任者レコードに対しても、そのまま即時に配信を実行 できます。この時に利用されるメールアドレスは、取引先責任者の「標準メール項目」です。
この仕組みは「Data 360 に取り込まれ、統合個人(Unified Individual)化されたデータを基点として送信する」という、従来の Marketing Cloud Next の概念を大きく変える、非常にインパクトのある送信方式 と言えます。
データグラフの扱い
ここで皆さんが気になるのが、コンテンツやフローで使われる「データグラフはどう扱われるのか」という点だと思います。
このレコードクエリフローでは、メールコンテンツ内にデータグラフ由来の「差し込み項目」が含まれていても、その値は参照されません。
正確には、データグラフの値は取得されず、設定済みの「デフォルト値」が表示される動作 となります。これは仮に、そのオーディエンスがデータグラフに参照可能な値を持っていたとしても「デフォルト値」になります。



一方で、フロー上の「決定」要素では、データグラフの値を利用した条件評価が可能 です。


つまり、
コンテンツ差し込みではデータグラフは利用されない
ただし、フロー条件分岐ではデータグラフは利用される
という少し不思議な挙動になります。
パーソナライズには「コンテンツ変数」を使う
但し、どうしてもコンテンツをパーソナライズさせたい場合は「コンテンツ変数」によるパーソナライズを利用してください。
Summer '26 でリリースされたこの新機能により、フローからメールメッセージ上に直接変数を渡すことが可能になります。

クイックリソースから「トリガーされたレコード」の属性が利用可能です。

なお参考までに、Flow Profile の「属性」リソース とは、データグラフの Individual の値になります。これをフローで利用したい項目は、予めデータグラフの設定で利用可能な状態にしてください。

以下の通り、「コンテンツ変数」の機能により名前が差し込まれます。

いかがでしたでしょうか。
従来の Marketing List Email 機能では、リストビュー経由で抽出した顧客を Marketing Cloud Next のセグメントへ同期して利用していましたが、Data Cloud や Marketing Cloud Next 環境への依存が大きい印象がありました。

一方、このレコードクエリを使うことで、CRM レコードをダイレクトに検索できるため、より柔軟なオーディエンス作成が可能になります。
今回は以上です。
