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本当の強さを求めて/格闘技の伝説たちから受け継ぐ哲学

中井祐樹先生と辿る、格闘技の系譜

―カール・ゴッチから現代MMAへ、“本当の強さ”を受け継ぐ問い―

僕が「近現代の格闘技の歴史」について本格的に考えるようになったきっかけは、今まさに直接ご指導いただいている中井祐樹先生との会話にあります。

ある日、関節技の指導中に、首を極めるような技を見せていただいたことがありました。柔術ではルール上禁止されているその技について僕が「これは何の技ですか?」と尋ねたとき、先生は静かにこう答えました。

「これはプロレスの技です。カール・ゴッチの技です。」

僕はそれまで、プロレスを深く学んだことがありませんでした。「強さとは何か」という問いを考えるときも、どこか“実戦的かどうか”という視点に偏っていた気がします。
しかしこの瞬間から、僕の中で「格闘技とは何か?」「戦いとは何か?」という問いが、まったく新しい角度から立ち上がってきたのです。

中井先生が以前こう語ってくださったことがあります。

「プロレスを知らずして、格闘技は半分も理解できない」

この言葉は、僕にとって大きな衝撃でした。

プロレスと格闘技、その交差点にあるもの

僕たちはしばしば「プロレスは演出で、MMAはリアル」と単純に区別してしまいがちですが、それは決して本質を捉えた見方ではありません。
プロレスには、「見せること」を通じて“戦い”という行為の根源を問い直す深い思想があります。

その核心を語るのに欠かせないのが、1950年代から1980年代にかけて活躍した“プロレスの神様カール・ゴッチ
見せかけの派手な技やパフォーマンスではなく、徹底的に「本当に使える技術」「本当に強い身体」を追求した人物です。
その思想の中核にあったのが、キャッチ・アズ・キャッチ・キャン・レスリングという関節技と抑え込みの体系であり、それは後のMMAや柔術にも多大な影響を与えることになります。

彼は語りました。

「技術は筋肉ではなく、精神と習慣が支えるものだ」

この思想を受け継ぎ、“演出を排したリアルな闘い”へと歩みを進めたのが、初代タイガーマスク・佐山聡でした。

1980年代半ば、佐山先生は「シューティング(のちの修斗)」を立ち上げます。そこには、ショーとしてのプロレスを否定するのではなく、その本質――すなわち「強さとは何か」という問いをさらに純化させたいという意志がありました。

さらに、その修斗の中で頭角を現した若き格闘家が、中井祐樹先生でした。

そして中井祐樹先生へ ― 技術と問いの継承者

中井先生は柔術家として世界の舞台で戦っただけでなく、修斗世界王者としても活躍された、日本総合格闘技のパイオニアです。
その技術には、高専柔道、柔術・レスリング・MMAはもちろん、プロレスから受け継がれた技術や思想が色濃く反映されています。

僕自身、現在その中井先生のもとで指導を受けています。そこには“教科書に載っていない”ような技術――柔術では使えないとされているような技――がいくつも登場します。
そしてその一つ一つに、「なぜこの技が生まれたのか」「どういう哲学があるのか」という問いが常に付いてくるのです。

いま僕が受け継いでいる“格闘技

今、僕が取り組んでいるのは、単なる技術の習得ではありません。
カール・ゴッチ、佐山聡、中井祐樹という3人の系譜が問うてきた、「本当の戦いとは何か」「強さとは何か」という問いそのものを、自分の中に受け継いでいくことだと思っています。

現代では、格闘技はUFCをはじめとする世界的なメジャースポーツとなり、かつて“異端”とされていた総合格闘技が、世界中の注目を集める舞台になりました。
その土台には、ショーとしてのプロレスから始まり、リアルを求めた挑戦者たちの思想と実践が確かにあったのです。

©️誰ツヨDOJOy
菊野克紀先生(UFC)

そしてその精神は、いま僕が所属しているパラエストラにも受け継がれています。
中井先生が築いたこの道場は、日本全国だけでなく、世界中に支部を持つネットワークに成長しています。
先日も、パラエストラ・ハワイの方々が日本に来られ、共に汗を流しました。まさに、格闘技という“共通言語”が国境を越えて人をつなげているのを感じた瞬間でした。

中井祐樹先生とパラエストラ・ハワイの皆さん
パラエストラ東京にて

結びに代えて:技だけでなく、“問い”を受け継ぐ

僕が学んでいるのは、ただの技術ではありません。
それは、戦いの本質を見つめる“まなざし”であり、“問いを受け継ぐ姿勢”そのものなのです。

武道・格闘技を社会に活かすという視点

以前、僕は中井祐樹先生を愛知県警に講師として招致するプロジェクトに携わった経験があります。

今後もこのようなプロジェクトを企画して行きたいと思います。

いまや、技術そのものはYouTubeなどを通じて学べる時代です。
しかし、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む現代だからこそ、「本当の強さとは何か」といった本質的な問いに向き合うには、現実の稽古や試合の中での学びが不可欠だと思います。

今回は、プロレスから修斗、そしてUFC等の総合格闘技(MMA)へとつながる流れについて、その時代の最前線で実際に闘ってきた方々、カール・ゴッチ、初代タイガーマスク(佐山聡)、そして中井祐樹先生を軸にお話ししました。

そしてまた別の機会には、UFC等の総合格闘技という過酷な実戦の場でトップファイターとして闘い抜き、なおかつ今は“武術”という本質的な問いに向き合っておられる菊野克紀先生について、その歩みと背景を掘り下げた記事を書ければと思っています。

菊野克紀先生

株式会社MI8では、防犯や護身術、安全教育に関する講演・セミナー・ワークショップなどのご依頼も受け付けています。
学校や地域団体、企業・自治体での安全対策に関心がある方は、お気軽にご相談ください。

槌 大介(つち だいすけ)

株式会社MI8 代表取締役
名古屋市出身。
元逮捕術準指導員
元警察格闘技クラブチーム(格闘部)副代表
現在は「武道・格闘技を社会に役立てる」ことをテーマに活動中。
• パラエストラ東京/誰ツヨDOJOy 所属
• こどもヒーロー空手教室 指導員
• 赤坂中ノ町・新四町会・広報部・副部長

主な武道歴・段位
• 伝統派空手(三段・黒帯)
• 柔道(三段・講道館)
• 柔術茶帯(IBJJF)
• 杖道(二段・全日本剣道連盟)
• 武神館(黒帯初段)

戦績
• JBJJF 全日本マスター柔術選手権 2022
 紫帯 無差別級 優勝
他MMA等

今後の予定
• 2025年7月 敬天愛人練部大会 出場予定

https://ktaj.net

株式会社MI8
https://mi8.tokyo

赤坂中ノ町・新四町会
https://www.akasaka-naka4.com

©️株式会社MI8
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