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【小学校受験】模試の結果を見ながら当時を振り返る(前年10月編)

今回から新シリーズとして「模試の結果を見ながら当時を振り返る」シリーズを始めたいと思います。

このシリーズでは当時の模試の結果を見ながら、その時どういった状況で、何を感じ、どう動いたのか、といったこと振り返っていきます。

「この人は模試の結果を中心にどう感じ、どう考え、どう行動したのか」という観点で、みなさんにとって何かしらのヒントに繋げて頂ければ幸いです。


当時の状況

2024年10月。

世間がハロウィンだなんだと浮かれ、カボチャの置物に謎の市民権を与えている頃、我が家の家計はある種の深刻な漏水に見舞われていた。

きっかけは、娘を通わせていた幼稚園である。


「家から近いし、行事が多い方が娘も楽しいっしょ!」という、今思えばファミレスで日替わりランチを選ぶくらいの軽率なノリで入園を決めた幼稚園だったのだが、これが全ての計算違いの始まりだった。

初回の月謝請求を見た瞬間、私の目玉は物理的に数センチほど前方に飛び出した。比喩ではない。いや比喩だが、感覚としてはボクシング漫画のKOシーンくらい飛び出していた。


高い。あまりにも高い。
いくらか補助が出るとはいえ高すぎる。

一度そっと銀行アプリを閉じ、深呼吸をしてからもう一度開いてみたが、そこに印字された数字が減っているなどという奇跡は起きなかった。ただただ、無慈悲な現実がそこに鎮座しているだけだった。


しかし、そんな目と疑いたくなるような月謝を涼しい顔で支払うご家庭が、その幼稚園にはゴロゴロいた。

会社経営者、総合商社、そして地主。
Xの肩書きマウントバトルでは、予選免除で常にシード枠に鎮座しているような強者たちだ。

私の年収など、彼らの節税対策の一環として一瞬で溶けてしまいそうな、そんな圧倒的な格差がそこには存在していた。

彼らとの会話の定例トピックは、天気の話でも好きなYoutuberの話でもない。
小学校受験の話である。

やれ〇〇小学校には個人塾のあそこが良いだとか、やれ去年の卒業生は幼稚舎に何人入っただとか。
小学校受験を始めるご家庭がポロポロと出始めたこの時期、受験に関するあらゆる話題は、保護者たちの間で常に最高潮の盛り上がりを見せるホットトピックだったのだ。


そんな、耳を塞いでも隙間から情報がねじ込まれてくるような環境に置かれれば、どれだけ無頓着な親であっても、次第に意識の解像度が上がっていくのは避けられない。

常にその熱風に当てられ続けていた我が家も例には漏れず、気づけば小学校受験という未知の領域に対し興味を抱き始めていた。

だが、どうしても一歩が踏み出せなかった。


理由は明白、圧倒的な金への恐怖である。

当時の娘のスケジュールは、まさに「習い事の幕の内弁当や!」状態だった。

ピアノ、陸上クラブ、体操クラブ、バレエ。そこにトドメの幼児教室。

「娘が興味を持ったことは全部やらせてあげよう」という、親の鏡を装った無計画な教育方針の結果、気づけば5つの習い事が乱立していたのである。


クソ高い幼稚園の月謝に加え、これまたクソ高い5つの月謝。

我が家の銀行口座からは、もはや壊れた蛇口のように教育費という名の金がドバドバと流れ出している状況。

こんな状況で「よっしゃ!小学校受験も追加したろ!」なんて言えるのは、よほどの富豪か、算数ができない人間だけである。

そのため、小学校受験に興味はあるけど踏み出せない。
そんな状況だったと記憶している。


しかし、そんな膠着状態は、一枚の紙によって粉々に打ち砕かれることとなった。


ある日、通っていた幼児教室で「知能テスト」が実施された。

いわゆるIQテストというやつだ。
ある規則性に沿って図形が並んでおり、空欄に入るのはどれかを選ぶ、就活の時にSPIとかで出てきたアレである。

アレ。
出典:おたすけ地蔵


知能テストの受験は幼児教室の中でも希望者限定となっていたのだが、教室の先生が、ノルマなのか親心なのかは定かではないが、妙に強く勧めてくるので、押しに弱い私は「まあ、話のネタになるなら」と受験させることにした。

知能テストは通常授業が終わったあとに行われた。時間は40分にも満たない程度で、近くのカフェでコーヒーをすすっている間に、あっけなく終了した。



そしてその次の週には、幼児教室の帰りに先生から結果が手渡された。意外と早いもんだ。

知能テストの日から結果を貰うまでの間、IQについて色々調べたのだが、どうやらWikipediaによると、IQは平均だと100にらなる模様。

娘には少なくともそれくらい、あわよくばちょっと上くらいだと嬉しいな、思っていた所だったが、先生から受け取った紙に目を向けると、そこには衝撃の数字が記されていた。


IQ148。


IQ148である。
大事なことなので二回言ったが、これはあの『ジョジョの奇妙な冒険 第5部』において、あまりにも能力が高すぎて作者から「こいつが味方にいると話がすぐ終わっちゃう」と退場させられた悲運の天才、パンナコッタ・フーゴと同等のIQである。

先ほどドヤ顔で「IQテストは規則性のアレ」とかいったがそれ以外のテストもあった模様


この結果には「おいおい娘はもしかして神童か?!」と妻と二人して大はしゃぎだった。
僕に至ってはうちの親父なんかにもLINEしちゃう始末。
返ってきたのは「プレステにIQとかいうゲームあったな」という、IQ以前にコミュニケーション能力を疑うような返信だったが、そんなことはどうでもいい。

とにかく、人生で初めて娘が「定量的な評価」でブチ抜けた数字を叩き出した。それが死ぬほど嬉しかったのだ。


その後も「MENSA入れんじゃん!」だとか「セーラーマーキュリーはIQ300らしいから勝てないね!」だとか二人で盛り上がっていたところ、ふと妻がボソリとつぶやいた。


「これって、小学校受験に向いてるってことじゃない?」


YouTubeでちょうどギフテッドの光と影、みたいな動画の鑑賞を始め、すっかり娘を悲劇の天才主人公か何かに見立てていた私は、あまり深く考えることもなく返答した。


え、いいんじゃん?



こっちの言質さえとってしまえばそこからはもう妻のペースだ。

家族共有のカレンダーには、翌日から「伸芽会」「ジャック」「スイング」といった大手幼児教室の体験申し込みが、テトリスの棒ブロックのごとく次々と突っ込まれていった。

おそらく妻も僕同様、小学校受験を始めるきっかけのようなものを待っていたのだろう。

何はともあれ、我が家の小学校受験という長い旅路は、一枚の紙切れにより実にあっけなく幕を開けた。


その後、いくつかの教室の体験授業に家族3人で行き、授業の様子などを見ながら最終的に伸芽会にお世話になることとなった。


一番の決め手は伸芽会は授業見学をしなくていいことだった。

我が家は共働きである。
送り迎えだけならばなんとか調整がつくが、授業中もずっと後ろで親が目を光らせていなければならないスタイルの教室ではさすがに仕事が成り立たない。

そのため、授業見学が不要な伸芽会一択となった。

早速入塾料その他諸々を振り込み、本格的なお受験生活のスタートである。

繰り返しになるが、この時はすでに10月下旬。
普通なら「やばい!巻き返さなきゃ!」と焦る場面なのだが、当時の私はまだ、どこか他人事だった。

「まあ、先生に任せておけば、IQ148パワーでなんとかなるやろ」

そんな能天気な期待は、わずか2週間後、無慈悲な現実によって粉砕されることになる。


模試の結果(伸芽会 第12回年中総合模試)

本格的な教室通いが始まってから、わずか二週間後。

さっそく初めての模試があった。

娘はまだ何のためにテストを受けているのかも分かっていない、ふわふわした状態。

そんな状態で受けた模試の結果は以下の通りだった。

真ん中のシミはドトールのアイスコーヒーの結露によるものだ

総合で572人中219位。
女子の中では320人中140位。

ザ・平均だった。


いや、平均よりはちょっと上かもしれないが、さっきまでフーゴだの、セーラーマーキュリーだの、まめっちだの言っていたテンションからすれば、あまりにも普通の数字だ。

紙面下部の合格可能性判定に目を向けてみても、どの学校もギリギリ合格可能圏に入るか入らないかといったあたり。
とてもじゃないが、これらの学校を第一志望に据える家庭の成績ではない。

今すぐに手当が必要な状況なはずなのだが、この時も僕はまだ当事者意識をあまり感じられていなかった。

ただ目の前の紙に並ぶ偏差値という概念に、どこか異世界のルールを眺めているような感覚でいた。

幼児の学力を数値化するという非日常的な光景を前に、それが突きつける現実から、僕の脳は全力で逃避していたのだと思う。


当時の自分は今思い返しても酷い。

娘の人生がかかった土俵の上に立たされている自覚もなく、どこか遠い国の祭事でも眺めているような、あまりに無責任な観客気分でいたのだ。

早いうちから真剣に取り組まれているパパたちには頭が上がらない。
もし時間を操れるなら、当時の自分を一発ぶん殴って目を覚ましてやりたいくらいだ

ちなみに、この「おじゅパパ」というNoteを始めたのも、実はこの時の自分のような当事者意識を持てずにいるお受験パパを叩き起こしたかったからだった。


自分のような無責任な態度のせいで、家族を迷走させる父親を一人でも減らしたい。

自分の不甲斐なさを棚に上げ、同じようにぬるま湯に浸かっている全国のパパたちに目を覚ましてほしい。

そんな、おこがましい救世主気取りの情熱が、この活動を始めた当初の原動力だった。

今でこそすっかり、お受験をネタに記事を量産するネタ記事職人に成り下がってしまった感はあるが、始まりは確かにそんな高尚な使命感を抱いていた。

もし時間を操れるなら、noteを始めたときの僕はそれこそ今の僕を一発ぶん殴ってやりたい気持ちだろう

同じ表現を使いすぎたせいで、時空を超えた私同士が延々とクロスカウンターを食らわせ合う地獄絵図となってしまったが、気にしないでいただきたい。

そんな自分自身の拳に晒されながら、私は今日もしぶとく記事を書いている。

※ネタ記事の数々


その後のアクション

妻の会社の先輩から、伸芽会では偏差値60以上を2回連続で取ると選抜クラスである「エッセンシャルクラス」に入る権利が得られることを知っていた。

そのため、まずは模試で偏差値60以上を目指して学習を進めることとなった。

伸芽会に通われている方にとってはお馴染みの赤本をまずは3周することを目標に本格的なスタートを切った。

(つづく)


ちゃんと実践的な記事も書いてます


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