自衛隊を憲法に書き込む憲法改正はどうして問題があるのか?~埼玉弁護士会自衛隊明記憲法改正反対決議から読み解く自衛隊明記憲法改正案の問題点
こんにちは。
アレテーを求めて~
今日もトコトコ( ・ω・)
弁護士の岡本卓大です。
高市早苗総理が憲法改正に前のめりになっている現在の政治情勢。
緊急事態条項の創設の危険性については、別記事で詳しく論じました。

国会では「緊急事態条項」や「合区解消」が先行して議論されていますが、その先にある本丸こそが、今回解説する「自衛隊明記案」です。今なぜ、この問題に改めて向き合うべきなのか。埼玉弁護士会が2018年10月2日に臨時総会で決議した『自衛隊を憲法に明記する憲法改正に反対する総会決議』を紐解きながら、その真の危険性を分かりやすくお伝えします。
自衛隊を憲法に明記する憲法改正に反対する総会決議
この総会決議は、実は、当時、埼玉弁護士会憲法改正問題対策本部事務局長だった私が原案を起案し、埼玉弁護士会の多くの弁護士と議論を重ねて総会で決議されたものです。
AIのGeminiくんに数えてもらったところ、埼玉弁護士会の上記総会決議の文字数は、約2500文字(スペース等含めると約2700文字)もあるそうです。
内閣総理大臣や国会議員、霞が関の官僚たちが読むことを想定して書いたものなので、言葉や論理構成も難しく、なかなか一般の方に読んでもらうのは大変ではないかと思います。
そこで、上記、総会決議のポイントを、AIのGeminiくんにまとめてもらおうと思います( ・ω・)
【Geminiくんの解説】
法律の専門用語が多くて少し難しく見えますが、この埼玉弁護士会の決議が言いたいことを一言でいうと、 「自衛隊を憲法に書き加えるのは、単なる『名前の追加』ではなく、日本の平和主義や民主主義のルールを根本から壊してしまう危険があるため反対する」 ということです。
一般の方向けに、ポイントを3つの「なぜ?」に分けてわかりやすく解説します。
1. なぜ「名前を書くだけ」なのにダメなの?
💡 理由:憲法9条の「戦争をしない・戦力を持たない」という約束が、事実上消えてしまうから。
法律の世界には「後から作ったルールの方が強い」という大原則があります。 もし憲法に新しく「自衛隊を持ちます」と書き加えると、昔からある「戦力は持ちません(9条2項)」というルールよりも、新しい自衛隊のルールが優先されてしまいます。 その結果、これまで日本が守ってきた「海外で大がかりな戦争はしない」というブレーキが全く利かなくなってしまう、と弁護士会は心配しています。
2. なぜ「立憲主義(りっけんしゅぎ)に反する」と言うの?
💡 理由:憲法は「国(権力者)の暴走を止めるためのルール」だから。
いちばん大切なポイントです。憲法とは、国民が「総理大臣や政府が勝手なことをしないように縛るための法律」です。 それなのに、縛られている側である「時の政府(権力者)」が、自分の都合の良いようにルールを変更し、さらに「自衛隊」という強力な実力組織を自分の指揮下に置いて権力を強くしようとしています。 これは「ルールを縛る側と縛られる側」の立場が逆転しており、立憲主義の根本に反しているという指摘です。
3. なぜ「国民の基本的人権」まで危なくなるの?
💡 理由:「自衛隊のため」という理由で、国民の自由が制限される恐れがあるから。
自衛隊が憲法に正式に認められた国家機関になると、「自衛隊の活動を守ること」が国の一番の目的になりかねません。そうなると、たとえば以下のようなことが起きるのではないかと懸念されています。
【表現の自由・知る権利の制限】 「自衛隊の軍事機密を守るため」として、メディアの報道や国民の「知る権利」が厳しく制限される恐れ。
【社会保障費の削減と増税】 防衛費(軍事費)を際限なく増やすために、私たちの年金や医療などの社会保障費が削られたり、さらなる増税が押し付けられたりする懸念。
⚖️ まとめ(何が一番の問題なのか?)
さらに決議の最後では、「南スーダンやイラク派遣のとき、政府は自衛隊の都合の悪いデータを隠していた(日報隠蔽問題)」という過去の事件を挙げています。
❌ 政府が正しい情報を国民に隠したまま
❌ 不完全な国民投票のルールのまま
⭕ 「憲法を変えるかどうか選んでください」と国民に迫る
これは、あまりにも不誠実で危険なことです。
憲法改正の国民投票が行われると決まった後に調べようと思っても、その時にはネットやテレビが資金力のある改憲勢力に支配され、私たちが「正しい判断をするための情報」すら得られなくなっている可能性があります。もし、国家が都合の悪い情報を隠せる「スパイ防止法」が成立してしまえば、その危険はますます現実のものになります。
「知らないうちに、考えるための材料すら奪われていた」――そんな事態になってからでは遅すぎます。権力がメディアや情報をコントロールし、国民の目と耳を塞ぐ前に、私たちは今から声を上げ、学び続けなければなりません。
だからこそ、人権と法律を守るプロである弁護士会として、この憲法改正案には強く反対する、と締めくくっています。
【解説終わり】
さて、とはいえ、自衛隊は現実に存在しています。
自衛隊は憲法違反になってしまうから、自衛隊を認める憲法改正をすべきではないのか?と思う方もおられると思います。
でも、日本を守るための「専守防衛」の自衛隊は憲法9条に違反しません。
その理屈を知りたい人は、次の記事を読んでみてください( ・ω・)
【宇宙一わかりやすい僕らの憲法のお話( ・ω・)】9 平和主義、その本当の意義~「周りが危ないから」という空気に流される前に、感情論抜きでスッキリわかる9条の仕組み~
いやいや中国や北朝鮮が周りにいて、安全保障環境が変わっているから、自衛隊はもっと防衛のための軍事行動をできるようにするべきだ。そのように思われている方もおられるかも知れません。
本当にその認識は正しいのか、気になる方は、次の記事を読んでみてください( ・ω・)
お花畑ではない。私がリアルな国防のために「憲法9条」を守る理由。
いやいや、目の前に中国の脅威が現実に迫っている。台湾有事が起ったら日本も無関係じゃいられない。防衛力強化をしておかないと中国に日本も侵略されるかも知れない。そんな妄言を信じてしまっている人は、ぜひ、次の記事をお読みください( ・ω・)
「台湾有事は本当に起こるのか?」を冷徹な「コスト」と「現実」から考える
そもそも日本国憲法は、アメリカに押し付けられたものなんだ!だから自主憲法の制定が必要なんだ!そんな風に思い込んでいる人は、ぜひ、次の記事をお読みください( ・ω・)
「押し付け憲法論」の誤解を解く。日本国憲法に宿る“日本人発案”の系譜
憲法って、言われても難しいからわかんな~い、自分には関係ないんでしょ~?という方は、ここから読んでみてください。埼玉弁護士会作成のボイス動画も観られます( ・ω・)
【平和を求めるすべての日本人へ】「憲法が消えたら人生詰んだ件!」と「自衛隊明記憲法改正反対決議」
私達は、この国の主権者です。内閣総理大臣を始めとする政治家達は、憲法を守って国民の人権を侵害するようなことをしてはいけません。
先ほどGeminiくんの解説にもあった通り、権力側にはメディアや情報をコントロールする力があります。特に、国が都合の悪い情報を隠せるようになる「スパイ防止法」が組み合わさると、その危険性は一気に跳ね上がります。
「スパイ防止法」って本当に必要?憲法学者に学ぶ、私たちの自由と安全のバランス
日頃から、意識して憲法を学んでいきましょう。
あなた自身を守るために( ・ω・)
最後まで、読んで下さり、ありがとうございました。



