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続・小さな「変化」-「O/N」≓政策金利ターゲットは情報の宝庫

 小さな「変化」|損切丸 の続編

 米雇用統計を含めアメリカの重要指標が出揃った所でおさらいしてみよう

5月ISM製造業PMI 54.0 予想 50.3 前月 52.7
*雇用 48.6 予想 46.7 前月 46.4
*仕入価格 82.1 予想 87.9 前月 84.6
*新規受注 56.8 予想 51.1 前月 54.1

5月ISM非製造業PMI 54.5 予想 53.6 前月 53.6
*雇用 47.9 予想 49.2 前月 48.0
*価格 71.3 予想 67.4 前月 70.7
*新規受注 57.3 予想 57.7 前月 53.5
5月ADP非農業部門雇用者数(Non-Farm Payrolls、NFP)
+12.2万人  予想 +11.2万人  前月 +10.5万人 ← +10.9万人 

5月米雇用統計 4.3% 予想 4.2% 前月 4.3%
NFP +17.2万人 予想 +7.7万人 前月 +17.9万人 ← +11.5万人
時間当たり賃金(前年比) +3.4% 予想 +3.6% 前月 +3.6%

 「損切丸」はどちらかというと弱めの指標を警戒していたが、非農業部門雇用者数(Non-Farm Payrolls、NFP)を始め極めて強い内容。利下げ強要の米大統領には酷だがマーケットは利下げどころか年内利上げ再開止む無しに傾いている。早ければ9/16に+0.25%利上げ ↓

 こうなると俄然面白いのが政策金利ターゲットになっているO/N=今日~翌日の1営業日の金利@3.65→@3.61%を小さな「変化」と評したが、ひょっとするとスラック(緩み)がもっと顕在化するかもしれない金利上昇で株や不動産が下げ足を速めれば 高過ぎて売れない? - 分かれ道は結構紙一重|損切丸 「お金」は当然余ってくる

 「O/N」≓ 政策金利ターゲットは情報の宝庫

 たかが1日物と侮るなかれ。銀行で資金繰りを担当していた身からすると「O/N」はまさに崖っぷちの闘い。何千億円、何十兆円を扱っている大銀行でも最後の資金尻を埋められなければデフォルト=倒産・破綻。資金繰り担当者はその重圧を背負って日々闘っている。だから*ここでの「変化」は重要な情報を含むことが多い。これは企業も個人も一緒

 * トルコリラ急落、調達金利1,000%の衝撃|損切丸 は極端な例だが、金融危機の号砲は短期金利の急騰で鳴らされる事が多い。実際ヨーロッパ通貨危機(1992)ではスペインペセタの「O/N」@5,000%アイルランドプントが@20,000%まで急騰、何と3日で元金は消えてしまう凄まじさ。それでも資金繰りが付かなければ調達してその金利を払うしか無い

 そういう意味ではこんなインフレ真っ只中で主要通貨ドルの「O/N」が低下するのはそれはそれで気味が悪い。いくら「円キャリートレード」で1,000兆円単位のドルを創り出しても肝心のドル建資産の価格が上がらなければ儲からない。かつての "花形" ビットコイン(BTC)もGold(金先物、GC)も下落基調だし、これで肝心要のS&PやNYダウ、ナスダックも値崩れすれば「お金」は行き先を失う

 だからといってこの局面、利下げするわけにはいかない。いやむしろスラックを解消するという観点からはQT(Quantitative Tightening、量的引締)が合理的。だが株価や不動産が下落する中で急激に金融を引き締めれば下落を加速させてしまう。問題はこれを回避する術がないこと。かつては財政出動で経済を危機から救ってきたが、これだけ借金が嵩んではもう無理

 日本も他人事ではない。これで「FRBが利下げすれば利上げしなくて済む」というような甘えは通じなくなり「円安」が加速いくつかのメガ銀行から+0.50%以上の大幅利上げの "具申" が出て来たが、こうなると@1.5%程度の政策金利では止められないかもしれない。完全に もう間に合わない - マーケットは "熱狂" まであと一歩|損切丸

 3兆円程度の小粒な補正予算では焼け石に水だが市場への「円」の供給量を増やしてしまう財政出動はすればするほど「円安」が加速。そもそも既に借金≓国債発行過多で余力も無いスラックの解消は至上命題であり低過ぎる金利水準訂正と共に待ったなし最悪の展開になりつつある

 「損切丸」ではずっと主張してきたが、せめてあと半年早かったらな、と返す返す思う。だがぼやいてばかりでは事態は前に進まない。ここからは時間との勝負。対応が遅れるほど危機に近づいてしまう

 今後はかつての専門だった「ON」と共に金利動向をつぶさに見つめマーケットを注視していきたい。当局は今こそかつての金融危機で培われた叡智を発揮すべき時。日米共にもう政治に阿っている暇は無い

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