3年n組学級新聞「Rの真実」
三條さんが創作された架空のクラス3年n組のどうかしているすてきな物語にlionも出演させていただいたので、そのスピンオフを書いてみました。
3年n組学級新聞「Rの真実」
ある週末の放課後――
「さて、だいぶメモがたまってきましたね」
学級新聞の作成作業は、まず、丸まった模造紙を伸ばす作業から始まる。
高さの同じ机を4つ並べる。まずは、鉛筆でおおよその位置を決め、ざっくりとした下書きを書く。太いマッキーを使うのは一番最後。
以前いた学校では、「タイトルや挿絵を描いてくれる人」、「メインの学校行事の記事を書いてくれる人」、「クラスメイトにインタビューした内容を書いてくれる人」がいてくれたので、自分は「ネタがなくて困ったときに書けばいい人」だった。
しかし、乃音小学校浦路分校では、新聞係は自分しかいない。結局、誰かの何かを考察して好きなことを好きなように書いている。
このクラスのいいところは基本何を書いても全部受け入れてくれるところだ。
書き手としては、書いた内容を誰もが無条件で受け入れてくれるというのは、とても安心できる。
みんな揃って「なんのはなしですか」と言っているのは、ちょっと気になるところだけど。
「いっつも一人で書いているんですか」と転校生のりんかさん。
「はい、今は新聞係は一人なんで」
「一人でやっていて大変じゃないですか?さみしかったりしません?」
「そうですね、なのでみんながいなくなってから古舘伊知郎風の実況をするようにしてます」
「古舘伊知郎風の実況?」
「はい。例えば、こんな感じで。
さあ、西日が差し込む放課後の教室は、まるで町一番の祭りが終わった後のような静けさだ。ひとりたたずむその姿はさながら飢えたライオンといったところでしょうか。そして今、なにやら薄いピンク色の細長い物体をビニール袋から取り出してまいります。いったいこれはなんなのでしょうか!そう、模造紙です。大きさにして1メートルはあるでしょうか、人の視線を止めるには十分な大きさの長方形の物体を、今ゆっくりと机の上に広げてまいります。おおっと、これはどうしたことか!?紙はまた丸まってしまうぞ!!地球上のすべての物体が持つ形状記憶現象を甘く見てはいけない。そして今、万物が持つ自然法則に逆らって、まるでティッシュに文字を書くかの如く、その節々を入念に伸ばしていきます。あたかも、中東のモスクの目の前で、メッカに向かって礼拝をしている熱心な信仰者のようだ。
そして、これからその熱量はぐんぐんと上昇してまいります。中東の夏は暑い!一体メモを並べて何をしようとしているんだ。さながら、ひとりババ抜きといったところでしょうか。授業中に居眠りをして、十分に機能を回復した脳細胞を活性化させることで、脳幹から全身に伝わる熱量は、暴走機関車トーマスのようだ!そして、左手も熱い!それは触れている机が西日が当たり続けて熱くなっているからだ!特に、金属の部分には注意しないとヤケドしてしまうぞ!」
りんかさんが引いているような気がしたので、このくらいにして、書いたメモを並べていく。
R 今日中にきれいにしようと落ち葉に立ち向かう
「よしこれで完ぺきだ」と発言
集めた落ち葉が散らばっていってしまう
フラグ 運命に試されている
R 床をピカピカにする
満足げ
ゆにさんがバケツにつまづく
雑巾がけをやりなおす
R 本田すのうさんにティッシュを渡す
保存用のポケモンセンター限定のティッシュと間違える
うなだれる
R クラスの水槽の手入れをする
飼っているザリガニに唇をはさまれる
あばばばば
R ドッジボールをうまくキャッチする
「これで、完ぺき…」
投げたボールと別のボールが2個同時に当たる
あばばばば
「不憫ですね……」
「確かに……」
「でも、学級新聞にただ「不憫だ」と書くのは少し味気ないよなあ。これだけ不憫な目に合うのは、ある意味引き寄せる力を持っているというか、運命というか……3日連続で残念賞なんて、普通の人間にできることじゃないですよ。
よっぽど人を惹きつける何かを持っているか、あるいは、Rが暗黒の使徒・ダークネスグランドクロスブラックサンダールシフェルかのどちらかなんじゃないかなあ。
後者はまずあり得ないから、やっぱりRは、人を惹きつける何かを持っているのかもしれない」
「確かに、わたしこの学校に来たばかりですけど、アルロンさんが不憫だってみんながいってる意味、もうよく分かりましたもん」
「それってある意味すごいことだよね。だから、本当にスポットライトが当たるべきなのは、彼が立てている「フラグ」のほうなのかもしれない。」
「フラグ?」
「そう、Rが『よし、完璧だ!』と言うんですけど、この言葉を発した直後、Rの努力は高確率で無に帰すんです。これはどういうことか?それまでにRが美化係として、人知れずめちゃくちゃ努力して、学校を綺麗にしてるからこそ、Rにしか立てられない運命のフラグなのかもしれない。だから学級新聞ではそっちにスポットライトを当ててみたら面白いんじゃないかな。よし、次の記事のタイトルは『Rの真実!不憫男子の立てるフラグの正体!』。これでいきましょう」
「でも、来週は運動会ですね。その練習もあるかも、しれないし……」
「あ、じゃあ来週の記事は、普通にそっちのこと書くしかないか……そしたら、Rの真実はお蔵入りかなぁ」
あばばばば
遠くから、Rの声が聞こえてきたような気がした。
(了)
なぜか、lionがアルロンさん(Rさん)を観察し、メモを取っている描写が多かったので……書いてしまいました(笑)
古舘キャラの元ネタはこちら
モノカキングダム過剰考察を書こうと思っていた(書いていた途中だった)のですが、あまりにもみなさんのスピンオフに登場させていただいたので、流れに乗った方が得だと思い、書いてしまいました(笑)
それによって、過剰考察シリーズは2月中に終わりませんでした。
青空ちくわさんごめんなさい(笑)
次回は、こちらの過剰考察で過剰考察シリーズは完結です。お楽しみに(?)
そんなわけで、たまにはこういうのもやっちゃうノリで、「今日一日を最高の一日に」
