見出し画像

アスリートの方々、私は筋トレを推奨します。

臨床のリアルと迷い

アスリートにとっての筋トレ。
筋トレするかしないか、した方がいいのかしない方がいいのか。
よく議論になります。
やる方の意見としては、単純に扱う重さなどが上がればパフォーマンスも上がるという意見。
やらない方の意見としては、やると体が重くなったり自然な動きの邪魔をするなど。

様々な意見があるとは思いますが、私は筋トレを推奨します。
その根拠となる報告を紹介します。

知見の整理と道標

今回紹介するのは、国内外のトップレベルで活躍するアスリート777名を対象に、レジスタンストレーニング(RT)がスポーツ特異的パフォーマンスに与える影響を分析したメタアナリシスです。

データを整理すると、以下のようになります。

  • 基礎的なRTの効果
    全体として、RTはスポーツ特異的パフォーマンスに対して大きくかつ有意な効果をもたらすことが示された。

  • 競技レベルによる伸びしろ
    国内レベルの選手はRTの効果を大きく受けたが、国際レベルのトップ選手では、有意な向上が見られにくかった。

  • 効果が顕著に表れるタスク
    ランニングなどの全身運動よりも、キック速度や投球速度といった特定の筋群に焦点を当てた局所的なタスクに対して、より大きな効果が確認された。

  • 負荷設定の柔軟性
    高負荷と低負荷のRT間で、パフォーマンス向上度合いに有意な差はなかった。

臨床への落とし込みと深掘り

この結果から、王道の筋トレで土台(エンジン)をしっかりと作り上げ、そこに競技特異的な要素を埋めていくというアプローチの可能性が考えられます。

結果が示す通り、RT自体はパフォーマンス向上に有効の可能性があります。
特に国内レベルの選手にとって、基礎的な最大筋力やパワーを底上げすることは、間違いなく競技力向上の起爆剤となりそうです。

その大きなエンジンを作った上で、投球やキックといった局所的なタスクに適応させるかという仕上げの作業が不可欠です。

これらはもちろん短期間で考えるものではありません。
数年単位で考える必要もあると思います。
筋出力を高める時期には、王道のウェイトトレーニングで徹底的に基礎を叩き込みます。
出力が上がった段階で、その力を実際のプレーにおける運動連鎖へと組み込むための特異的なアプローチへと移行する要素を取り入れていきましょう。

基礎と応用の二つの要素の橋渡しを手伝うことが我々の役割の一つです。

そして、これらが私が「アスリートは筋トレをすべきである」という根拠です。

締め

基礎的な出力が足りているか確認をしましょう。
足りてなければ、王道のレジスタンストレーニングに立ち返っていきましょう。

基礎となる体をしっかり作り上げながら、スポーツ特異的な動作へ応用していくことでワンランク上に上がる、上げられるかもしれません。

参考文献

Makaruk, Hubert, et al. "The Effects of Resistance Training on Sport-Specific Performance of Elite Athletes: A Systematic Review with Meta-Analysis." Journal of Human Kinetics 91 (2024): 135-155. doi: 10.5114/jhk/185877.

エリートアスリートのスポーツ特異的パフォーマンスに対するレジスタンストレーニングの効果:メタアナリシスを用いたシステマティックレビュー

ではでは。
#整形外科 #理学療法士 #リハビリテーション

ご覧いただきありがとうございました。

ー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●

投稿はこちらのXで随時報告しております。ぜひフォローをお願いします!

クリエイターページはこちらから!

関連の文献もご覧ください!


いいなと思ったら応援しよう!

PT Type B 皆さまのご支援は、AIへの課金、書籍やPCの購入など、日々の業務や良質な記事をお届けするための活動資金として大切に使わせていただきます。今後とも応援いただけると嬉しいです!