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W杯サッカー日本代表の裏側に学ぶ。リハビリに多次元的な視点が必要な理由


臨床のリアルと迷い

私は普段から論文に目を通し、目の前の方へなるべく科学的根拠のあるリハビリやトレーニングを提供できるよう努めています。

では、提供するメニューが科学的であれば、必ずしも身体の動きは良くなっていくのでしょうか?

我々セラピストや指導者は、つい物理的な介入や局所的なアプローチに目を奪われがちです。
しかし、目の前にいる対象者は、

  • 日々の疲労を抱え

  • 食事の質や栄養状態に悩み

  • 指導者との関係性にモチベーションを大きく左右される

一人の人間です。

日本中が熱狂したサッカーW杯。
あの日本代表チームには、選手や監督・コーチ陣以外にも、実に多様で数多くのスタッフが携わっています。
その理由や、チームにもたらすメリットは何でしょうか?

今回は、その答えとも言える「多次元的な視点」の重要性を示した論文をご紹介し、日々の臨床や指導にどう活かせるのかを紐解いていきます。

知見の整理と道標

今回紹介するのは、中国の多様な競技レベル・スポーツ種目に属する880名のアスリートを対象に、パフォーマンスに影響を与える要因を分析した研究です。

結果は以下のとおりです。

スポーツパフォーマンスと有意な正の関連を示した要素の中で、最も強力な予測因子となったのは「コーチングの質」でした。

次いで、「自己効力感」、「トレーニング強度」、「アスリートのウェルビーイング」、「栄養」と続きました。

さらに、この研究において重要なポイントは、コーチングの質やウェルビーイング、トレーニング強度、そして栄養が、単独でパフォーマンスを向上させるのではなく、「自己効力感」を媒介して影響を与えている点です。
質の高い指導や適切な栄養管理があって初めて、対象者の自己効力感が高まり、それが結果へと繋がっていくという流れです。

さらに、個人の「文化的価値観」は、これらの相関関係を調節していることも明らかになっています。
同じ指導であっても、受け手のバックグラウンドによってその効果は変容するということですね。

臨床への落とし込みと深掘り

今回の論文が示している通り、身体の動きやパフォーマンスは、トレーニングやリハビリという単一の要素だけで決まるわけではありません。
栄養状態、日々の疲労やウェルビーイング、そして「自分はもっと良くなる」と思える自己効力感。
これらが複雑に絡み合い、結果として表れます。

冒頭で触れたサッカー日本代表チームに多くのスタッフが関わっているのは、まさにこの「多次元的な要素」を各分野のプロフェッショナルが管理し、最大化するためです。
しかし、多くの方には専属のチームはついていません。
身体の不調やパフォーマンスの壁にぶつかったとき、自分一人で「動き」「栄養」「心理面」のすべてを客観的に評価し、修正していくのは非常に困難です。
専門家として、ただ関節や筋肉の動きを見るだけでなく、日々のライフスタイルまで包括的にサポートする「多次元的な視点」を持つことが求められています。

締め

我々専門家に求められているのは、正しい知識や科学的根拠によるトレーニングだけではないかもしれません。

動き、栄養、メンタルなどを総合的にサポートしていくことが重要です。

ご相談・サポートの詳細はこちら

現在、私はこうした多角的な視点から、一人ひとりの身体をトータルサポートする個別相談を受け付けています。

「トレーニングをしているのに身体が変わらない」
「長引く不調から抜け出したい」

そう感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
一人の人間として、多角的な視点から全力でバックアップいたします。

参考文献

Yang, Panna, et al. "Factors influencing sports performance: A multi-dimensional analysis of coaching quality, athlete well-being, training intensity, and nutrition with self-efficacy mediation and cultural values moderation." Heliyon 10 (2024): e36646. doi: 10.1016/j.heliyon.2024.e36646.

スポーツパフォーマンスに影響を与える要因:自己効力感の媒介と文化的価値観の調節を伴う、コーチングの質、アスリートのウェルビーイング、トレーニング強度、および栄養の多次元的分析

ではでは。
#整形外科 #理学療法士 #リハビリテーション

ご覧いただきありがとうございました。

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