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【5分で分かる中学社会】時差 中1地理 世界の中の日本② 

 前回は日本の位置について学びました。
 今回は中1の地理の中でも屈指の難易度を誇る時差(じさ)の内容について考えていきましょう。

 時差も社会科嫌いを生みやすい単元の一つなので丁寧に解説していけたらと思います。今回はかなり長くなりますが、どうぞ最後までお付き合いください。


1:時差とは

 そもそも、時差とは何でしょうか?これはA地点とB地点の「時間の差」のことを言います。漢字の意味のままですね。

 例えば、日本とイギリスの時差について考えてみます。日本とイギリスの時差は9時間あります。
 仮に日本が朝10時のとき、イギリスはその9時間前、つまり午前1時です。真夜中ですね。ですから、日本で朝の10時にイギリスの友達に電話をかけると「いま寝てたんだよ!!!」と怒られるかもしれません。
 このようにA地点とB地点の時間の差を時差と呼びます。

 では、なぜ時差が発生するのでしょうか。それは地球が丸いからです。地球は球体ですので、球体のすべての面に太陽の光が当たっているわけではありません。

 日本が昼間で太陽の光が当たっているときに、日本の真裏の地域(例えばブラジルなど)に太陽の光は当たらないのです。つまり、日本がお昼のときに日本の真裏の地域は夜というわけです。

昼と夜のイメージ

 実は、本当に厳密にいえば日本の中でも時差というものは生じています。例えば、全国各地で日の出のタイミングは異なっていますね。(お正月の初日の出のテレビ中継などを思い出してみてください)

 でも、その厳密さをいちいち守っていたらとても面倒なことになります。例えば、北海道と沖縄県の間の時差を厳密に守っていたら、日本全国で統一した時間を使うことができなくなります。これは困りますね。

 そこで各国はその国の基準となる時間をそれぞれ決めています。これを標準時(ひょうじゅんじ)と言います。

 すると次に、この標準時をどの位置で決定するかという問題が生じます。北海道の時間を全国共通にするか、それとも沖縄県の時間を全国共通にするかという問題が生じるのです。

 そこで各国では、標準時を決める経線を定めています。この経線を標準時子午線(ひょうじゅんじしごせん)と呼びます。(「経線」を忘れてしまった人はこの記事で確認しましょう。)

 日本の場合は、兵庫県明石市(あかしし)を通る東経135度を日本の標準時子午線と定めています。これは時差を考えるうえでとても大切なので東経135度という数字は必ず覚えましょう。

 ちなみにロシア連邦やアメリカ合衆国など国土が巨大な国は複数の標準時子午線があります。ロシアにはなんと6本の標準時子午線があるそうです。国土が巨大過ぎて1つの標準時だけではうまくいかないのですね。

東経135度と日付変更線


 また、時差に関係する経線として経度180度の線にそって日付変更線が引かれています。(日付変更線はこの記事で一度確認しましたね。)その名の通り日付を変更する線なのですが、この線を飛行機などで西から東へ通過するとき(Aの矢印)には日付を1日遅らせます。逆に、日付変更線を東から西へ通過するとき(Bの矢印)には日付を1日進めます。

 日付を遅らせるとは、例えば今日が15日なら日付を14日にするということです。逆に日付を進めるとは、今日が15日なら日付を16日にするということです。

 他にも、ヨーロッパなどでは夏の時間だけ標準時を1時間だけ早めるサマータイムという制度を採用している場合があります。これは明るい時間を長く使えるように工夫し、仕事の時間を長くとろうとするものです。

2:時差の計算

 では次に、苦手な人も多い時差の計算について考えてみましょう。ここでつまずく人が多いので、なるべく分かりやすい説明を心がけたいと思います。

 さて、突然ですが1日は24時間ですね。これはみなさん知っています。そして地球は自転していますね。24時間かけて1回転しています。1回転するということは、角度でいうと360度回ったということです。(円は360度です。)
 つまり地球は24時かけて360度回転しているということです。ここまでは大丈夫でしょうか。

 24時間かけて360度回転するのであれば、1時間でどれくらい回転するのでしょうか?これは割り算をすればよいですね。360を24で割りましょう。すると360÷24=15になります。つまり1時間では15度回転しているということです。
 ・24時間→360度回る。
 ・1時間→15度回る。(360÷24=15)

 よって、ある場所から東や西に15度ずれると太陽の位置も1時間分ずれるということになります。もっと簡単に言えば、経度が15度違うと1時間の時差が生じるということです。

 もし、理屈がよく理解できなければ結論だけ先に覚えてもOKです。「経度が15度違うと1時間の時差が生じる」、これはぜひ覚えてほしいことです。

 例えば、日本の標準時子午線である東経135度から東へ15度進んだ東経150度の位置を考えると、この地点は日本と1時間の時差が生じています。

 また、東経135度から西へ15度進んだ東経120度の位置を考えると、この地点も日本と1時間の時差が生じています。経度が15度違うと1時間の時差が生じるのです。

 問題は日本より時間が進んでいるか?遅れているか?ということです。時間は日付変更線(経度180度)を基準として考えると、進んでいるか、遅れているかが分かりやすくなります。(下のイメージ図を参照してください。)
 まず東経と西経では東経の方が時間が進んでいます。そして、東経同士では180度に近い方がより時間が進んでいます。

どちらの地点が時計の針が進んでいるか考えてみよう。

 先ほどの例でいえば、東経135度と東経150度では、東経150度の方が日付変更線(180度)に近いので時間が進んでいることになります。
 仮に日本(東経135度)が午前9時なら東経150度の位置は午前10時です。時計の針を進めればよいのです。

 一方、東経135度と東経120度では東経135度の方が日付変更線(180度)に近いので時間が進んでいることになります。
 仮に日本(東経135度)が午前9時なら東経120度の位置は午前8時です。時計の針を戻せばよいのですね。

 ここで、最初に確認した日本とイギリスの時差について考えてみましょう。日本の標準時子午線は東経135度でした。一方、イギリスの標準時子午線は本初子午線なので0度です。

 まず最初に日本とイギリスの経度がどれくらい離れているか考えます。イギリスは0度、日本は東経135度なので計算すると135ー0=135となり、経度は135度離れていることが分かりますね。

 経度が135度離れるとどれくらい時差が生じるのでしょうか。先ほども確認しましたが、「経度が15度違うと1時間の時差が生じる」わけですから、これも割り算をすれば求められますね。
 ・経度が15度離れる→1時間の時差
 ・経度が135度離れる→???の時差

 割り算をすると135÷15=9となります。よって9時間の時差があることが分かります。

 さて、次の問題は日本とイギリス、どちらの方が時間が進んでいるか?ということです。これは日付変更線(経度180度)にどれだけ近いかを確認するのでしたね。

 日本の東経135度に対して、イギリスは0度です。ということは日付変更線に日本の方が近いということが分かります。よって、日本の方が時間が進んでいるということが分かります。

日本とイギリスの場所を確認してみましょう。

 ですから、日本が午前10時のとき、イギリスは9時間前の午前1時になるのです。日本よりも9時間、時計の針を戻さなければなりません。

 ちなみに日本とイギリスの時差が9時間というのはとても重要なので、これは暗記してしまっても良いと思います。

3:時差の練習問題

 時差の考え方について大まかには理解できたでしょうか。ここで練習問題にチャレンジしてみましょう。

①エジプトのカイロは東経30度に位置している。日本との時差を求めよ。

②イギリスが1月1日の午前2時のとき、日本は何月何日の何時か。

③イギリスのロンドンとロシアのモスクワには3時間の時差がある。ロンドンが午後1時のとき、モスクワは何時か。

④日本の東京が1月1日の午前1時のとき、アメリカ合衆国のフィラデルフィア(西経75度)は何月何日の何時か。

⑤ホノルル(西経150度)を現地時間の1月1日午後11時に出発した飛行機が8時間かけて東京に到着した。東京は何月何日の何時か。

答え
①まずは日本とカイロの距離を求めてみましょう。日本の標準時子午線は東経135度でしたね。カイロは東経30度です。ですから距離は135-30=105で経度が105度離れていることが分かります。

 さて、「経度が15度違うと1時間の時差が生じる」わけですから、次は経度が105度離れているとどれくらい時差が生じるか考えればよいですね。これは割り算をすればよいので105÷15=7で7時間の時差が生じることが分かります。

②日本とイギリスの時差が9時間あることを暗記した人はすぐ解けたかもしれません。日本の方が時計の針を進めればよいのでイギリスの9時間後である1月1日午前11時が正解になります。ちゃんと計算する場合は次のようになります。

 日本は東経135度、イギリスは0度が標準時子午線です。経度の差は135-0=135で135度離れています。「経度が15度違うと1時間の時差が生じる」ので135度を15で割ると135÷15=9で9時間の時差があります。日本の方が日付変更線(経度180度)に近いのでイギリスの時間よりも時計の針を9時間進めればよいですね。
 よって、1月1日午前11時となります。

③次はロンドンとモスクワの時差について考える問題ですね。ロシアにあるモスクワはイギリスにあるロンドンよりも東にありますね。(地図で確認してみましょう。)

 つまり、モスクワはロンドンより日付変更線に近いということです。ですから、モスクワはイギリスよりも時計の針を進める位置にあります。ロンドンが午後1時で3時間の時差があるので、モスクワは時計の針を3時間進めればよいので、モスクワは午後4時です。

④まずは東京とフィラデルフィアの経度がどれくらい離れているか考えてみましょう。東経135度と西経75度の距離はどれくらい離れているでしょうか。

 ここで良くある間違いは135-75=60と計算してしまうことです。地図で確認すると分かるのですが、東経と西経の間の距離を求める場合は経度を足さなくてはなりませんね。(図で確認しましょう。)

東京とフィラデルフィアの経度について考えてみましょう。

 これはイギリスを中心とした地図を考えてみると経度を足す理由が分かると思います。イギリスから東へ135度行った場所が東京、イギリスから西へ75度行った場所がフィラデルフィアなので、東京とフィラデルフィアの距離を求めるにはそれぞれの距離を足す必要があるのです。

 よって計算としては135+75=210となり、経度は210度離れていることになります。
 「経度が15度違うと1時間の時差が生じる」わけですから、210÷15=14で14時間の時差が生じますね。

 さて、東京は東経135度で、フィラデルフィアは西経75度です。東経と西経では東経の方が日付変更線(経度180度)に近いと考えるのでしたね。よって東京の方が時計の針が進んでいることになります。今、東京が1月1日の午前1時ですから、この14時間前がフィラデルフィアということになります。よってフィラデルフィアは12月31日午前11時です。

⑤飛行機が入っているので難しく感じるかもしれませんが、まずは飛行機のことを考えずに計算を進めていきましょう。飛行機は最後に計算すればよいのです。

 最初はホノルルと東京の経度がどれくらい離れているか求めてみましょう。ホノルルは西経150度、東京は東経135度ですから、経度は150+135=285で285度離れていることになります。(150ー135はダメです。東経と西経の距離を求めるのですから、足し算をしてください。

 さて、「経度が15度違うと1時間の時差が生じる」わけですから、285÷15=19で東京とホノルルには19時間の時差があることが分かります。そして東京は東経、ホノルルは西経に位置していますから、東京の方が日付変更線に近いですね。

 つまり、東京の方が時計の針を進める位置にあるということです。ホノルルが1月1日午後11時のとき、東京はそこから19時間時計の針を進める必要があります。ですから、この時点で東京は1月2日午後6時です。最後に飛行機が8時間かかったということですから、これに8時間を足せばよいのです。すると東京は1月3日午前2時になります。


4:まとめ

 ここまでの長文を読んでいただきありがとうございました。時差の考え方は難しいのでなかなかすぐにはマスターできないかもしれません。じっくりと何度も復習してみてください。
最後にまとめを載せておきます。

・各国の基準となる時間を標準時と呼ぶ。
 →標準時を決める経線を標準時子午線とよぶ。
 →日本の標準時子午線は兵庫県明石市を通る東経135度

経度が15度違うと1時間の時差が生じる。
・日本とイギリスの時差は9時間

次回は気候と雨温図について学びましょう。
練習問題はこちら


最後まで読んでいただきありがとうございました。
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