ガレー船をつくる【第7話】 オールの動きの電動化
【まずは1本のオールを動かしてみた】
いよいよというか、ようやくというか、今回からオールの動きの電動化を進めることにする。
当初は、タミヤの「手こぎボート工作セット」の機構をそのまま使うつもりでいた。本連載の第2話にも書いたように、このセットを見つけたことが「ローマの軍船」(大)をつくるきっかけのひとつとなったからだ。
ただ、冷静になって考えてみると、このキットのギミックは「ローマの軍船」(大)に使うにはいくらなんでも大きすぎるし、片側13本のオールを連動させるためにどう改造すればいいのかも見当がつかない。

方針を転換して、なにか別のギミックを考えよう。
ヒントは、ジェノバのガラタ海洋博物館(Galata Museo del Mare)にあるガレー船にあった。
この博物館というか、ジェノバに行ったことはないのだが、ヴェネツィアの海洋史博物館(Museo Storico Navale)の訪問後に、撮ってきた展示物についてあれこれ調べていると、なぜか、このガレー船が何度もヒットした。復元模型ということだが原寸大だし、実際にオールを漕ぐことができる体験コーナーもあり、なかなかの人気スポットになっているようだ。観光ブログなどに写真をアップしている人も多い。
投稿された画像を見ると、体験者の安全のためなのか、オールの端に金属製の輪っかのようなものがあって、オールの根本がそれに沿って動くようになっている。一種のセーフガードになっているようだ。
これでギミックを思いついた。
この仕組みを応用すれば、小さなオールの動きをうまく制御できそうだ。
調べてみると、この仕組みを平行リンク機構と呼ぶらしい。「原動節」と呼ばれるリンクの動きが「中間節」を介して「従動節」に伝わり、同じ動きを再現できるらしい。
さらに複数の輪っかを並べ、蒸気機関車の転輪のように連結すれば、複数のオールを一斉に動かせるだろう。

ただ、「ローマの軍船」(大)は、オールが片側に13本もある。同時に動かすのに苦労しそうだが、まぁ、なるようになれだ(それで思い出したのだが、その昔、横浜トリエンナーレの準備担当者たちの合言葉は「トリエンナーレ、なんとかなーれ」だったらしい。本当に大変だったようだ)。
さっそく、キットのオールを1本だけ動かしてみることにした。
動力には、いつものタミヤの「ミニモーター低速ギヤボックス(4速)」を使う。モーターの出力シャフトを、円盤に直接つないでしまうと、リンク機構と干渉してしまう。そこで2重の円盤にすることで解決した。
動かしてみると、オールの回転運動がぎくしゃくしてしまう。とてもじゃないが、誇り高きローマの軍船のオールさばきには見えない。
オールの根本を5mmほどカットして0.3mmのピアノ線に置き換えたら、とりあえずはそれらしく動くようになったが、もうちょっと手を入れる必要がありそうだ。
次回は、リンク機構を使って、3本程度のオールを同時に動かしてみたい。
【第8話】オールの回転ギミックの再検討 につづく
【第6話】フェラッカ(小型ガレー船)の艤装 にもどる
【第1話】きっかけはイタリア・ルネサンス にもどる
