茨城大学人文社会科学部 ― 元アドミッションコーディネータの視点で「大学が本当に求めている学生像」を読み解く ―
1. 学部概要
30秒でまとめると…
地域をフィールドに、社会の課題を実践的に学ぶ。専門分野を組み合わせ、自分だけの強みを育てる文系学部
学べる分野
茨城大学人文社会科学部では、法律、経済・経営、地域政策、心理学、歴史学、文学、メディア、国際関係など幅広い分野を学べます。
一つの専門だけでなく、複数の分野を組み合わせて学ぶことができるため、自分の興味や将来の目標に合わせた学びを設計できます。
地域社会の課題を題材にしながら、知識と実践力を身につけられることが大きな特徴です。
注目の特徴
最大の特徴は、地域を「教室」と考える実践的な教育です。
自治体や企業、地域団体と連携したフィールドワークや課題解決型学習(PBL)が充実しており、実際の社会課題に触れながら学びます。
また、主専攻に加えて関連分野も学べるカリキュラムにより、幅広い視点を身につけ、自分だけの専門性を育てられる環境が整っています。
身につく力
課題を発見し、解決策を考える力
法律・経済・文化を多面的に理解する力
地域や社会と協働するコミュニケーション力
データや情報を分析し、論理的に考える力
自分の考えを分かりやすく伝えるプレゼンテーション力
これらは、公務員や一般企業はもちろん、地域金融機関、マスコミ、観光、教育など幅広い業界で求められる力です。
「知識を学ぶ」だけでなく、「社会で活かす力」を養える点が、この学部の大きな魅力です。
元「中の人」のチェックポイント
「法律や経済を学びたい」「地域づくりに興味がある」「心理学やメディアにも惹かれる」――そんな複数の興味を持つ人に向いているのが茨城大学人文社会科学部。
地域を舞台にした実践的な学びを通して、知識だけでなく課題解決力やコミュニケーション力も身につけられる。
アドミッション・ポリシーでも、自ら課題を見つけ、多様な人と協働しながら社会に貢献する意欲が重視されている。
将来の進路を一つに決め切れていない高校生でも、大学で学びながら自分の強みを見つけられる環境が整っている。
2. この学部に向いている人
この学部に向いている人の概要
茨城大学人文社会科学部は、一つの専門を深く学ぶだけでなく、複数の分野を組み合わせながら地域や社会の課題に向き合う学部です。
「まだ将来の職業は決まっていないけれど、社会の役に立つ仕事がしたい」という人にとって、多様な学びの中で自分の強みを見つけられる環境が整っています。
「地域をもっと面白くしたい」と思える人
地域には少子高齢化や人口減少、観光振興、地域産業の活性化など、多くの課題があります。
この学部では、こうした課題を実際の現場で学び、解決策を考える機会が豊富です。
地域の人々と協力しながら学ぶことにやりがいを感じる人に向いています。
例えばこんな人
地域活性化や地方創生に興味がある
ボランティアや地域イベントに参加した経験がある
「社会の役に立つ仕事がしたい」と考えている
将来は公務員や地域金融機関、地域企業、NPOなどで活躍したい人にもぴったりです。
「地域を良くしたい」という気持ちが、大学での学びを大きな力に変えてくれるでしょう。
「興味が一つじゃない」ことを強みにできる人
法律も経済も心理学も気になる──そんな人こそ、この学部に向いています。
主専攻に加えて関連分野も学べるため、複数の知識を組み合わせ、自分だけの専門性を育てることができます。
例えばこんな人
法律と経済の両方に興味がある
心理学やメディアにも関心がある
将来の進路を大学で考えたい
現代社会では、一つの専門だけでは対応できない課題が増えています。
幅広い知識を持つ人材は、企業や自治体でも高く評価されるでしょう。
「教室の外でも学びたい」人
茨城大学人文社会科学部では、フィールドワークや課題解決型学習(PBL)が数多く行われています。
実際の地域や企業を訪れ、自分で調べ、考え、提案する経験を積めるため、体験を通して学びたい人に最適です。
例えばこんな人
フィールドワークに興味がある
グループ活動や発表が好き
行動しながら学ぶ方が得意
社会に出れば、知識だけでなく「実際に行動できる力」が求められます。
大学時代から現場経験を積めることは、大きな強みになります。
「人と話すこと」が未来につながる人
人文社会科学部では、地域住民や自治体職員、企業の担当者など、さまざまな人と関わりながら学びます。
相手の話を聞き、自分の考えを伝え、協力して課題を解決する力を育てたい人に向いています。
例えばこんな人
人と話すことが好き
相手の立場を考えて行動できる
グループで協力することが苦にならない
公務員や営業職、企画職、教育関係など、多くの仕事でコミュニケーション力は重要です。
大学生活そのものが、その力を伸ばす機会になります。
「社会の仕組みを知りたい」人
ニュースで取り上げられる社会問題や経済の動きに興味がある人は、この学部の学びを楽しめます。
法律、経済、文化、歴史など多様な視点から社会を理解し、自分なりの考えを持つ力を養います。
例えばこんな人
ニュースや時事問題に興味がある
「なぜそうなるのか」を考えるのが好き
社会科が好きだった
社会を理解する力は、どの職業でも役立つ基礎力です。
変化の激しい時代だからこそ、多面的に物事を考えられる人材が求められています。
逆に向いていないかもしれない人
次のような考え方の人は、別の学部を検討した方がいいかもしれません。
「答えが一つじゃないと落ち着かない」人
この学部では、社会課題に「正解」はありません。法律や経済、文化などさまざまな視点から考え、自分なりの答えを導く学びが中心です。
明確な正解だけを求める人は、戸惑う場面があるかもしれません。
例えばこんな人
正解が決まっている勉強だけが好き
自分で考える課題が苦手
ディスカッションがあまり好きではない
もちろん入学時から得意である必要はありません。
大学で経験を重ねることで、自分で考え、他者と意見を交わす力は十分に伸ばしていけます。
「一つの専門だけを徹底的に学びたい」人
法律だけ、経済だけ、歴史だけを大学4年間ひたすら学びたい人は、専門学部の方が合っている場合があります。
茨城大学人文社会科学部は、分野を横断しながら学ぶことを重視しています。
例えばこんな人
一つの学問だけを極めたい
他分野にはあまり興味がない
幅広く学ぶことに魅力を感じない
一方で、「専門性に加えて幅広い視野も持ちたい」と考える人には、この学び方が大きな強みになります。
社会では複数の知識を組み合わせて活躍する場面が数多くあります。
元「中の人」のチェックポイント
茨城大学人文社会科学部は、「地域や社会に関心を持ち、自ら考え、行動できる人」を求めている。
高校時代に進路が一つに決まっていなくても心配せずに、さまざまな分野を学びながら、自分だけの専門性を育てられるのがこの学部の魅力。
あなたが持っている興味の幅広さは、ここでは大きな強みになる。
3. 学びの特徴
アドミッションポリシー
茨城大学人文社会科学部では、次のような人を求めています。
地域や社会の出来事に興味を持ち、自ら学ぼうとする人
物事を多角的に考え、自分の意見を伝えられる人
他者と協力しながら課題解決に取り組める人
高校までの基礎学力を身につけ、大学でさらに成長したい人
地域や社会に貢献する意欲を持っている人
例えば、生徒会活動や部活動で仲間と協力した経験、地域イベントへの参加、ニュースを見て「なぜだろう」と考えた経験も、この学部での学びにつながります。
特別な実績よりも、「社会に関心を持ち、自分から一歩踏み出そうとする姿勢」が大切です。
つまり、この学部が目指しているのは、知識を身につけるだけではなく、地域や社会の課題を自ら見つけ、多様な人と協働しながら解決策を考えられる人材の育成です。
カリキュラムポリシー
茨城大学人文社会科学部では、基礎から専門まで段階的に学べるカリキュラムが整えられています。
入学後は幅広い教養と人文・社会科学の基礎を学び、その後、自分の専門分野を深めながら関連分野も学修します。
講義だけでなく、演習やフィールドワーク、グループワークも多く取り入れられているため、知識を実際の社会で活用する力も身につきます。
高校時代に「専門がまだ決まっていない」「大学の勉強についていけるか不安」という人でも、基礎から着実に学べる仕組みがあるので安心して学びをスタートできます。
ディプロマポリシー
卒業までに身につける力として、次のような能力が示されています。
人文・社会科学の専門知識を活用する力
社会課題を分析し、解決策を考える力
相手と協力しながら行動する力
論理的に考え、自分の意見を発信する力
地域や国際社会で主体的に活躍する姿勢
これらは公務員や一般企業だけでなく、金融、教育、マスコミ、観光、地域づくりなど、幅広い仕事で求められる力です。
社会の変化に対応しながら、多様な立場の人と協働できる人材を育てることが、この学部の目標です。
カリキュラムの特徴
1年次
人文社会科学の基礎や教養科目を学び、幅広い視点を身につけます。2年次以降
自分の専門分野(メジャー)を中心に学びながら、関連する分野(サブメジャー)も履修し、多角的な視点を養います。演習や少人数教育も増え、自ら調べ、議論する機会が多くなります。3・4年次
ゼミナールや卒業研究を通して専門性を深め、自分のテーマについて研究を進めます。専門を組み合わせられるため、将来の進路に合わせた学びを設計できることも大きな特徴です。
メジャー制ってなに?
メジャー制とは、自分だけの『学びの組み合わせ』をつくる仕組みです。
メインとなる専門(メジャー)を決めたうえで、興味のある別分野(サブメジャー)も学べます。
例えば、
「法律×経済」
「歴史×メディア」
「心理×地域づくり」
など、自分だけの時間割をつくれることが大きな魅力です。
実際、多くの高校生は、
「法律も面白そう」
「公務員にも興味がある」
「心理学も気になる」
と複数の関心を持っています。
茨城大学のメジャー制は、そのような迷いや幅広い興味をマイナスではなく「強み」として伸ばせる制度です。
将来の夢がまだ決まっていない人でも、大学で学びながら自分の強みを見つけやすい制度といえるでしょう。
PBL・実習
茨城大学人文社会科学部では、地域や企業、自治体と連携した課題解決型学習(PBL)やフィールドワークが充実しています。
例えば、地域の観光振興や商店街の活性化などをテーマに、現地調査や住民への聞き取りを行い、改善策を提案する授業もあります。
高校でいう文化祭や探究学習を、より本格的に地域全体を舞台に行うイメージです。知識だけでなく、「行動する力」も身につきます。
特色ある授業
この学部の特色は、専門分野を組み合わせながら学べることと、地域をフィールドに実践的に学べることです。
法律や経済だけでなく、心理学、歴史、メディア、地域政策なども組み合わせて履修でき、自分だけの専門性を築けます。
また、演習やプロジェクト型授業では、自治体や企業と連携し、実際の社会課題について調査・分析・提案まで行います。
知識を「覚える」のではなく、「使う」ことを重視した授業が多く、企画力やコミュニケーション力、プレゼンテーション力も自然と身につきます。
卒業後も、社会の課題を発見し解決できる人材として、多様な業界で活躍できる力につながります。
元「中の人」のチェックポイント
茨城大学人文社会科学部は、「大学で知識を学ぶ場所」というよりも、「地域や社会を教材にして学ぶ場所」と考えるとイメージしやすい。
メジャーとサブメジャーを組み合わせる柔軟なカリキュラムに加え、PBLやフィールドワークでは、教室を飛び出して地域の課題解決に取り組む。
アドミッションポリシーでは、最初から高い専門知識を持っていることではなく、社会への関心と「自分で考え、行動してみよう」という姿勢が重視されている。
高校時代の探究活動や部活動で培った経験も十分に生かせるので、「実践的な文系」を学びたい人には、自信を持ってオススメしたい。
4. 研究
主な研究分野① 地域政策・地方創生研究
茨城県をはじめとする地域社会をフィールドに、人口減少や地域活性化などの課題について研究します。
自治体や企業と連携し、現場で調査を行いながら解決策を考える実践的な研究が特徴です。
研究例
地方創生と地域活性化
観光まちづくり
商店街・中心市街地の活性化
地域公共交通のあり方
多文化共生社会の実現
地域を「研究室」として学び、社会で役立つ課題解決力を育てます。
主な研究分野② 法律・行政・公共政策研究
法律や行政制度を学ぶだけでなく、現代社会の課題に法律をどのように活かすかを研究します。
地方自治や行政運営、社会保障など、私たちの暮らしに直結するテーマを扱うことが多い分野です。
研究例
地方自治制度
行政改革
憲法・人権問題
社会保障制度
消費者保護と法制度
社会のルールを理解し、より良い社会制度を考える力を養います。
主な研究分野③ 経済・経営・地域産業研究
地域経済や企業活動を分析し、持続可能な地域づくりや企業経営について研究します。
データ分析を活用しながら、地域企業や中小企業の発展について考える研究も盛んです。
研究例
地域経済の活性化
中小企業経営
地域金融
SDGsと企業活動
データを活用した経済分析
経済を数字だけでなく、「地域で暮らす人」の視点から考えられるようになります。
主な研究分野④ 心理・人間科学研究
人の心や行動、人間関係について科学的に研究します。
子どもから高齢者まで幅広い世代を対象とし、日常生活や教育、福祉など身近なテーマも多く扱います。
研究例
発達心理学
社会心理学
学習や記憶の仕組み
コミュニケーション心理
心理支援と福祉
「人を理解する力」は、教育や福祉、企業など幅広い仕事で役立ちます。
主な研究分野⑤ 歴史・文化・メディア研究
歴史や文学、考古学、メディア文化などを研究し、人や社会、文化の変化を多角的に考察します。
地域に残る歴史資料や文化財を活用した研究も茨城大学ならではの魅力です。
研究例
日本史・世界史
考古学・文化財研究
日本文学・外国文学
メディア文化・映像表現
国際文化交流
過去を学ぶことで、未来の社会や文化を考える視点が身につきます。
卒業研究テーマ
茨城大学人文社会科学部では、各学科の卒業研究題目が公開されています。
実際のテーマを見ると、身近な社会問題から歴史・文化まで幅広いテーマに取り組んでいることが分かります。
卒業研究テーマの例
地方創生と地域ブランドの可能性
空き家問題と地域コミュニティ
若者の政治参加とSNS
地域観光と文化資源の活用
日本企業の経営戦略
キャッシュレス決済と地域経済
発達心理学から考える子どもの支援
江戸時代の地域社会と歴史資料
映画・アニメなどのメディア文化研究
多文化共生社会における外国人支援
社会で起きている出来事を、自分の興味に合わせて研究テーマにできることが、この学部の大きな魅力です。
茨城大学人文社会科学部だからできる研究
茨城大学人文社会科学部では、地域と連携したPBLやフィールドワークを通して、実際の社会課題を研究につなげられます。
また、メジャーとサブメジャーを組み合わせる学びにより、「法律×地域政策」「経済×観光」「心理×福祉」など、分野を横断した研究ができることも大きな特色です。
机上の学問だけではなく、「地域で学び、地域で研究する」環境が整っています。
元「中の人」のチェックポイント
人文社会科学部の研究は私たちの暮らしと密接につながっていて、商店街の活性化、観光、SNS、心理、歴史、地域づくりなど、「なぜだろう?」と思ったことを深く調べることが研究の第一歩となる。
茨城大学では、その疑問を地域でのフィールドワークやPBL、ゼミ活動を通して実際の課題解決へと発展させていく。
高校時代の探究学習で面白いと感じた経験がある人なら、その興味をさらに深められる環境が待っている。
5. 学生生活
男女比
2025年度の学生数は男性621人(40.1%)、女性926人(59.9%)です。
文系学部は全国的にも女子学生がやや多い傾向がありますが、茨城大学人文社会科学部も同様に女性が約6割を占めています。
男女比に大きな偏りはなく、多様な価値観に触れながら学べる環境です。
出身地
2025年度入学生の出身高校所在地は、
①茨城県183人(約48.0%)
②栃木県35人(約9.2%)
③福島県25人(約6.6%)
④千葉県13人(約3.4%)
⑤北海道12人(約3.1%)
となっています。
地元茨城県出身者が約半数を占める一方、北関東を中心に全国各地からも学生が集まる「地元型+広域型」の学部といえます。
留学制度
茨城大学では交換留学や短期海外研修、語学研修など、多様な海外留学プログラムを用意しています。
協定校への交換留学では、留学先で取得した単位を卒業単位として認定できる制度もあり、4年間で卒業を目指しながら海外経験を積むことが可能です。
人文社会科学部では、国際関係や異文化理解を学ぶ授業も充実しており、海外での学びを専門分野と結び付けやすいことが特徴です。
地域社会を学ぶ視点と国際的な視野の両方を身につけたい学生に適した環境です。
提携大学
茨城大学はアジア、ヨーロッパ、北米、オセアニアなど世界各地の大学と学生交流協定を結んでいます。
交換留学や短期留学、語学研修、共同教育プログラムなどに参加でき、現地で専門分野を学びながら異文化交流を経験できます。
人文社会科学部で学ぶ法律・経済・文化・地域政策を海外の視点から考えられることも魅力です。
留学支援
大学では留学説明会や語学学習支援、留学相談、奨学金制度などを整備し、初めて海外へ挑戦する学生も安心して準備できる環境があります。
また、留学生との交流イベントや国際交流活動も盛んで、海外へ行く前から異文化コミュニケーションを経験できます。
英語力だけでなく、「異なる価値観を理解する力」を育てられる点も魅力です。
地域連携
茨城大学人文社会科学部では、地域そのものを学びの場とする教育が充実しています。
自治体や企業、NPOなどと連携したPBL(課題解決型学習)やフィールドワークでは、地域活性化、観光振興、商店街支援、多文化共生などをテーマに、現地調査や聞き取り、政策提案まで行います。
教室で学んだ法律や経済、心理学などの知識を実際の社会で活用する経験を積めるため、課題発見力やコミュニケーション力、企画力、プレゼンテーション力など、社会で求められる実践力を身につけられます。
元「中の人」のチェックポイント
茨城大学人文社会科学部は、茨城県出身者が多い一方で県外からの学生も多く、多様な仲間と学べる環境といえる。
さらに、地域連携や海外留学など、教室の外で成長できる機会もたくさんある。
地域社会を舞台に経験を積みながら、自分の可能性を広げたい人には、とても魅力的な4年間になるはず。
6. 入試方法
選抜方式
茨城大学人文社会科学部では、学校推薦型選抜と一般選抜(前期日程・後期日程)を実施しています。
また、総合型選抜は実施していません。
学校推薦型選抜
調査書・推薦書・志望理由書に加え、小論文と面接を通して、論理的思考力や学習意欲、地域や社会への関心などを総合的に評価します。一般選抜(前期・後期)
大学入学共通テストで幅広い基礎学力を確認したうえで、前期・後期ともに個別学力検査により思考力や記述力を評価します。知識だけでなく、「考えを論理的に表現する力」を重視する入試となっています。
難易度
河合塾Kei-Netによると、人文社会科学部の一般選抜は共通テスト得点率がおおむね66~70%前後、偏差値は50.0~55.0程度が目安です(学科・方式により異なります)。
地方国立大学の人文・社会系学部としては標準~やや高めの難易度で、宇都宮大学や埼玉大学などを志望する受験生とも比較されることが多いレベルです。
共通テストの比重が比較的高いため、まずは基礎学力をしっかり固めることが合格への近道になります。
各教科の重要度と得点源
数学
重要度:★★★★☆(4/5)
得点源:★★★☆☆(3/5)
共通テスト:〇 個別学力検査:学科・方式により利用
共通テストでは数学が課されるため、基礎力は欠かせません。
一方、文系受験生の得点差がつきやすい教科でもあるため、苦手を放置しないことが重要です。
基本問題を確実に解けるようにしておけば、安定した得点につながります。
英語
重要度:★★★★★(5/5)
得点源:★★★★★(5/5)
共通テスト:〇 個別学力検査:〇
英語は共通テスト・個別試験ともに重要な教科です。
長文読解や論理的な内容を理解する力が求められるため、語彙・文法だけでなく読解力を鍛えることが大切です。
安定して高得点を取れれば、大きなアドバンテージになります。
国語
重要度:★★★★★(5/5)
得点源:★★★★★(5/5)
共通テスト:〇 個別学力検査:〇
人文社会科学部では、文章を正確に読み取り、自分の考えを論理的にまとめる力が重視されます。
現代文はもちろん、古文・漢文も共通テストでは重要です。記述力や読解力は大学入学後のレポートやゼミでも役立つため、受験勉強の段階から意識して磨きましょう。
理科
重要度:★★☆☆☆(2/5)
得点源:★★★☆☆(3/5)
共通テスト:〇 個別学力検査:×
理科は共通テストのみで利用します。
高得点を狙うよりも、基礎事項を確実に理解して7~8割を安定して取ることが重要です。
他教科とのバランスを考えながら効率よく学習を進めましょう。
社会
重要度:★★★★★(5/5)
得点源:★★★★★(5/5)
共通テスト:〇 個別学力検査:学科・方式により利用
法律や経済、地域政策などを学ぶ学部であるため、社会科との相性は非常に高いです。
地理・歴史・公民で培った知識は大学での学びにも直結します。
共通テストでは安定した高得点を目指したい教科です。
情報
重要度:★★★☆☆(3/5)
得点源:★★★☆☆(3/5)
共通テスト:〇 個別学力検査:×
2027年度入試では「情報Ⅰ」が共通テストで利用されます。
配点は他教科ほど大きくない場合もありますが、受験生全体の得点差がまだ読みづらい教科です。
基本事項を早めに固め、取りこぼしを防ぐことが大切です。
元「中の人」のチェックポイント
茨城大学人文社会科学部は、学校推薦型選抜では小論文と面接による「考える力・伝える力」、一般選抜では共通テストでの総合力を重視している。
難易度は地方国立大学の中では標準~やや高めだが、特別に難問を解く力よりも、基礎を確実に積み重ねることが合格への近道となる。
特に共通テストは英語・国語・社会が合否を左右しやすいため、この3教科を軸に得点力を高めつつ、数学や情報で大きく失点しない学習計画を立てて勉強を進めたい。
推薦を目指す人は、探究活動や地域活動の経験を整理し、自分の考えを言葉で説明できるよう準備しておくと大きな強みになる。
7. 進路
進級と留年の状況
茨城大学人文社会科学部は、医学部や理工系学部のように実験・実習科目が多く必修となるカリキュラムではないため、計画的に履修すれば留年しやすい学部ではありません。
一方で、ゼミや演習、卒業研究は必修となるため、出席やレポート提出、卒業論文への継続的な取り組みが欠かせません。
特に1・2年次で基礎科目の単位を計画的に修得しておくことが、その後の専門科目や卒業研究をスムーズに進めるポイントになります。
大学院進学
2025年3月卒業生353人のうち、大学院進学者は15人(約4.2%)でした。
大半の学生は学部卒業後に就職を選択しています。
大学院へ進学する学生は、人文科学や社会科学、地域政策、法学、経済学などの専門分野をさらに深く研究し、研究職や高度専門職、公務員などを目指します。
専門性を高めたい人には大学院進学という選択肢もありますが、学部全体としては就職を前提とした学びが中心です。
主な就職先
2025年3月卒業生では、就職者306人(約86.7%)と高い就職率を誇ります。
業種別では、情報通信業(76人)、金融・保険業(33人)、公務(国家・地方41人)、卸売・小売業(26人)、教育・学習支援業(10人)などへの就職が目立ちます。
職業別では、事務職(117人)、販売職(98人)、情報処理・通信技術者(49人)が多く、地域社会から全国企業まで幅広い進路を実現しています。
法律・経済・地域政策を学ぶカリキュラムに加え、メジャー・サブメジャー制度やPBLで培う課題解決力、コミュニケーション力が評価され、公務員、金融機関、IT企業、一般企業の総合職など、幅広い職種へ進んでいることがこの学部の強みです。
進路先の都道府県
卒業後の進路は、茨城県を中心とした北関東に加え、東京都をはじめとする首都圏への就職が多いことが特徴です。
地元自治体や地域企業へ就職する学生が一定数いる一方で、首都圏の大手企業や金融機関、IT企業へ進む学生も少なくありません。
地方国立大学でありながら、「地元就職」と「首都圏就職」の両方を目指しやすい立地と実績を持つ学部といえるでしょう。
元「中の人」のチェックポイント
茨城大学人文社会科学部は、大学院進学型というより就職型の学部。
約9割近い学生が卒業後すぐに社会へ羽ばたいており、公務員、金融、IT、メーカー、サービス業など進路は非常に幅広くなっている。
その背景には、一つの専門だけでなく複数分野を組み合わせて学べるカリキュラムと、地域連携PBLなどを通して実践力を身につけられる教育が大きい。
受験では「どの仕事に就くか」を今決める必要はなく、大学で学びながら自分の適性を見つけ、多様な進路を選べることこそ、この学部の大きな魅力。
8. 学費・生活費
学費
国立大学共通の標準額で、入学料282,000円、授業料は年間535,800円です。
4年間の授業料は2,143,200円となり、入学料を合わせると約242万円です。
このほか、保険料や後援会費、TOEIC IP受験料などの諸経費が必要になります。
追加費用
学費以外には、教科書代(年間3~6万円程度)、パソコン購入費(10~15万円程度)、教材費、実習・フィールドワークに伴う交通費などがかかります。
人文社会科学部では高額な実験器具代は不要ですが、地域調査やゼミ活動で学外へ出る機会もあるため、交通費や資料代を見込んでおくと安心です。
日本学生支援機構の奨学金
茨城大学では、日本学生支援機構(JASSO)の給付奨学金・貸与奨学金を取り扱っています。
家計基準や学業基準を満たせば利用でき、高等教育の修学支援新制度の対象となる学生は授業料免除とあわせて支援を受けることも可能です。
大学独自の奨学金・支援制度
茨城大学では、高等教育の修学支援新制度の対象外となる学生にも対応できるよう、大学独自の学費免除・徴収猶予制度を設けています。
また、家計急変や災害による経済的困難への支援制度も整備されており、安心して学業を継続できる環境づくりが進められています。
民間奨学財団の奨学金募集も大学を通じて案内されます。
授業料免除制度
授業料免除制度があります。
高等教育の修学支援新制度による授業料減免に加え、大学独自の免除制度や徴収猶予制度も利用できます。
家計急変時や災害時の特別支援制度もあり、条件を満たせば併せて支援を受けられます。
アパート相場
水戸キャンパス周辺(水戸市文京・袴塚・渡里地区など)のワンルーム・1Kの家賃相場は月額3万5千~5万円程度です。
大学周辺は学生向け物件が多く、家具・家電付きやインターネット無料の物件も見つかります。
水戸駅周辺より家賃を抑えやすく、自転車で通学できる範囲に住む学生が多いのも特徴です。
卒業までの費用シミュレーション
【実家暮らし】
学費:約242万円
教科書・教材・PC等:約40万円
通学・昼食など:約80万円
合計:約360万円
【一人暮らし】
学費:約242万円
教科書・教材・PC等:約40万円
家賃(4万円×48か月):約192万円
生活費(食費・光熱費等:約8万円×48か月):約384万円
合計:約860万円
アルバイトや奨学金、授業料免除制度を活用することで、実際の自己負担額を抑えて進学している学生も多くいます。
元「中の人」から保護者の方へ
国立大学は私立大学文系と比べると4年間の学費を大きく抑えられることが魅力です。
さらに茨城大学では、日本学生支援機構の給付・貸与奨学金に加え、高等教育の修学支援新制度や大学独自の授業料免除・徴収猶予制度も整っています。
経済的な事情だけで進学を諦める必要はありません。
まずは利用できる支援制度を確認し、総費用を具体的に試算してみることをおすすめします。
特に人文社会科学部は卒業後の就職率が高く、公務員や金融機関、一般企業など幅広い進路につながる学部です。
進学は「支出」だけでなく、お子さまの将来への「投資」という視点でも考えていただければと思います。
9. 入学後のサポート
リメディアル教育
茨城大学人文社会科学部では、学部独自の大規模なリメディアル教育は実施していません。
ただ、1年次は教養教育と基礎科目を中心としたカリキュラムが組まれており、大学で必要となる文章読解力やレポート作成、情報活用能力を段階的に身につけられます。
また、初年次教育を通して大学での学び方そのものを学べるため、「大学の授業についていけるか不安」という人でも安心してスタートできます。
学修支援
少人数による演習(ゼミナール)が早い段階から取り入れられており、教員との距離が近いことが特徴です。
履修相談や学習相談を受けやすく、自分の興味や進路に応じたアドバイスを受けながら学べます。
演習では、調査・発表・議論を繰り返すことで、論理的思考力やプレゼンテーション力、コミュニケーション力も自然と身につきます。
取得できる資格
資格取得を目的とした学部ではありませんが、教員免許状(中学校・高等学校教諭一種免許状:社会・公民・地理歴史など)の取得を目指すことができます。
また、学びの内容によっては認定心理士の資格取得に必要な科目を履修することも可能です。
専門知識を資格という形で生かしたい学生にも対応しています。
資格取得サポート
教職課程では履修指導や教育実習のサポートが行われており、教員を目指す学生を継続的に支援しています。
また、公務員試験や各種資格試験については、キャリアセンターによる講座やガイダンス、外部講座の案内なども充実しています。
資格取得だけでなく、計画的に学習を進める力や継続して努力する力も養われます。
キャリア・就職支援
大学のキャリアセンターでは、就職ガイダンス、インターンシップ支援、ES(エントリーシート)添削、模擬面接、業界研究セミナーなどを実施しています。
公務員志望者向けの情報提供も充実しており、人文社会科学部の学生が多く進む公務員、金融機関、一般企業への就職を幅広くサポートしています。
ICT・図書館サポート
学内では無線LANや学習支援システム(LMS)が整備され、授業資料や課題提出をオンラインで行えます。
附属図書館には人文・社会科学分野の専門書や電子ジャーナル、データベースが充実しており、ゼミや卒業研究でも活用できます。
ICT環境を日常的に使うことで、社会で求められる情報活用力も身につきます。
学生相談・生活支援
学生支援センターでは、履修や学生生活に関する相談のほか、心理相談、健康相談、経済支援に関する相談などを受け付けています。
一人暮らしや人間関係、進路への不安なども専門スタッフに相談できるため、困ったことを一人で抱え込まずに大学生活を送ることができます。
学生寮
茨城大学には学生寮が整備されており、自宅から通学が難しい学生が利用できます。
民間アパートより住居費を抑えられることに加え、新入生でも友人をつくりやすく、生活リズムを整えやすいことが魅力です。
初めての一人暮らしに不安がある人にとって、有力な選択肢の一つとなっています。
元「中の人」のチェックポイント
茨城大学人文社会科学部では、初年次教育から少人数ゼミ、履修相談、キャリアセンター、学生相談窓口まで、学生生活を支える仕組みが整っている。「大学の勉強についていけるだろうか」「一人暮らしは大丈夫だろうか」と困ったときに相談できる環境があることも、大学選びでは大切なポイント。
大学生活を充実させるためには、「困ったら相談する」ことも一つの力。
こうしたサポートを積極的に活用することで、学業だけでなく将来の進路や学生生活にも自信を持って取り組めるはず。
10. この学部を一言で表すと?
地域を学び、社会を動かす実践型文系
茨城大学人文社会科学部は、法律・経済・心理・歴史・メディア・地域政策など幅広い分野を学びながら、自分だけの専門性を育てられる学部です。
メジャーとサブメジャーを組み合わせる柔軟なカリキュラムや、地域を舞台にしたPBL・フィールドワークを通して、知識だけでなく「社会で活かせる力」を身につけられます。
公務員や金融、一般企業、IT業界など、多様な進路につながる実践的な学びが魅力です。
この学部に向いている人
次のような人は、茨城大学人文社会科学部の学びを存分に楽しめるでしょう。
地域や社会に興味がある人
地方創生や地域課題に関心を持ち、社会の役に立ちたい人に向いています。興味が一つに決まっていない人
法律・経済・心理・歴史などを組み合わせ、自分だけの専門性を育てられます。人と協力して何かを成し遂げたい人
PBLやフィールドワークを通して、地域の人や企業、自治体と一緒に学びます。考えることや話し合うことが好きな人
演習やゼミでは、自分の意見をまとめ、相手に伝える力を磨く機会が豊富です。将来の選択肢を広げたい人
公務員、金融、IT、教育、一般企業など、幅広い進路を目指せます。
「将来はまだ決まっていないけれど、社会で役立つ力を身につけたい」という高校生にとって、自分の可能性を大きく広げられる学部です。
元「中の人」から伝えたいこと
茨城大学人文社会科学部のアドミッションポリシーから伝わってくるのは、「社会に関心を持ち、自ら考え、行動できる人を育てたい」というメッセージです。
高校時代から法律や経済を詳しく知っている必要はありません。
それよりも、ニュースを見て疑問を持つこと、地域活動や探究学習で課題を考えること、人と協力して物事に取り組む経験を大切にしてください。
大学では、メジャーとサブメジャーを組み合わせながら専門性を高め、PBLやフィールドワークを通して実践力を身につけます。
その先には、公務員として地域を支える道、金融機関や一般企業で社会を支える道、ITや情報分野で新しい価値を生み出す道など、多様な進路が広がっています。
「答えを覚える人」ではなく、「課題を見つけ、解決策を考えられる人」。
そんな人材を目指したいなら、この学部はきっと大きな成長の場になるでしょう。
この学部を一言で表すと?
地域を学び、社会を動かす実践型文系
高校3年生の時点で、将来の職業を一つに決める必要はありません。
茨城大学人文社会科学部には、幅広い学びの中から自分だけの専門性を見つけ、地域や社会で実践しながら成長できる環境があります。
法律、経済、心理、歴史、メディアなど、多様な学問を組み合わせた経験は、将来の大きな強みになります。
社会の課題に向き合い、人と協力しながら新しい価値を生み出したい人にとって、この4年間はきっと人生を大きく広げる時間になるはずです。自分の可能性を信じて、ぜひ挑戦してみてください。
11. 参考リンク集
【国立】茨城大学
人文社会科学部
紹介 (2026.8.1)
対策
地域未来共創学環
紹介
対策
教育学部
紹介
対策
理学部
紹介
対策
工学部
紹介
対策
農学部
紹介
対策
【人文科学】
鹿児島大学法文学部 (2027.7.7)
群馬県立女子大学文学部 (2026.7.9)
茨城大学人文社会科学部 (2026.8.1)
名古屋市立大学人文社会学部 (2026.8.3)
静岡大学人文社会科学部 (2026.8.10)
埼玉大学教養学部 (2026.8.14)
