静岡大学人文社会科学部 ― 元アドミッションコーディネータの視点で「大学が本当に求めている学生像」を読み解く ―
1. 学部概要
30秒でまとめると…
地域と社会を学び、未来を動かす力を育てる文系学部
学べる分野
静岡大学人文社会科学部では、法学・経済学・経営学・社会学・歴史学・文化学・言語学など、人間や社会に関わる幅広い分野を学びます。
法律や経済の仕組みを理解するだけでなく、地域課題や国際社会、多文化共生、企業活動など、現代社会が抱えるさまざまな課題を多角的な視点から考え、解決策を探る力を身につけます。
注目の特徴
静岡大学人文社会科学部の最大の特徴は、静岡県という「社会の現場」を教材にした実践的な学びです。
自治体や企業、地域団体と連携したフィールドワークや地域調査、政策提案などを通して、教室で学んだ知識を実社会で活用します。
人口減少、防災、観光、多文化共生、地域産業など、静岡県ならではの課題に触れながら、社会で役立つ実践力を養えることが大きな魅力です。
身につく力
社会の課題を分析・発見する力
法律・経済・経営などの専門知識
情報を整理し、論理的に考える力
調査・発表・議論を通したコミュニケーション力
地域や企業と協働し、課題を解決する力
これらの力は、公務員や金融機関、メーカー、サービス業、マスコミ、地域企業など幅広い分野で評価されています。
「人と社会をつなぐ力」は、どのような仕事でも活躍できる大きな武器になります。
元「中の人」のチェックポイント
人文社会科学部は「文系科目を学ぶ学部」だろうか。
実際は、「社会をより良くする方法を考える学部」だ。
法律や経済を学ぶだけでなく、静岡県という地域を舞台に実践的な経験を積めることが大きな魅力。
知識を覚えるだけで終わらず、地域や企業、行政と関わりながら課題解決に挑戦できるため、社会に出てから必要となる実践力を身につけたい人にオススメしたい。
2. この学部に向いている人
この学部に向いている人の概要
静岡大学人文社会科学部は、「人」や「社会」に興味を持ち、地域や世界が抱える課題を解決したい人に向いている学部です。
法律や経済を学ぶだけではなく、実際の地域や企業、行政と関わりながら実践的に学ぶため、知識を社会で生かしたい人ほど成長できる環境があります。
地域をもっと元気にしたい人
人口減少や観光、防災、地域活性化など、地域が抱える課題に興味がある人に向いています。
例えばこんな人
地域イベントやボランティア活動に参加したことがある
地元をもっと住みやすくしたいと思う
自治体やまちづくりに興味がある
静岡大学では、地域を教材として学び、実際に課題解決へ取り組む機会があります。
将来は自治体職員や地域企業、NPOなどで活躍したい人にとって、大きな力になるでしょう。
社会の仕組みを知るのが好きな人
法律や経済、政治、企業活動など、「社会はどう動いているのだろう」と考えることが好きな人に向いています。
例えばこんな人
ニュースを見ることが好き
社会問題について考えることが多い
「なぜ?」と疑問を持つことが多い
人文社会科学部では、社会の出来事を一つの視点だけでなく、多角的に分析する力を養います。
その力は、公務員や企業など幅広い職業で役立ちます。
人と話し、協力して取り組むのが好きな人
一人で勉強するだけではなく、人と協力しながら学ぶことを楽しめる人に向いています。
例えばこんな人
グループ活動が好き
人の話を聞くことが得意
学校行事や部活動でリーダーを経験した
フィールドワークや政策提案では、多くの人と意見を交わしながら課題解決を目指します。
コミュニケーション力は社会人になってからも大きな武器になります。
公務員や地域企業で働きたい人
地域社会を支える仕事や、人と関わる仕事を目指す人にもおすすめです。
例えばこんな人
公務員に興味がある
地元企業で働きたい
地域に貢献できる仕事がしたい
法律や経済、経営など幅広い知識を身につけられるため、公務員だけでなく金融、メーカー、商社など、多様な進路へつながります。
将来の夢を大学で見つけたい人
高校生の段階で進路が決まっていなくても心配ありません。
幅広い分野を学びながら、自分の興味を見つけられる学部です。
例えばこんな人
文系だけれど進路に迷っている
いろいろな分野を学びたい
大学で将来を考えたい
入学後に専門性を深めながら、自分に合った進路を見つけられることも、人文社会科学部の魅力の一つです。
逆に向いていないかもしれない人
次のような考え方の人は、別の学部を検討した方がいいかもしれません。
答えが一つしかない勉強をしたい人
人文社会科学部では、「唯一の正解」がない課題について考える場面が多くあります。
例えばこんな人
暗記中心の勉強が好き
決まった答えを出すことが得意
議論や発表が苦手
社会問題にはさまざまな考え方があります。
自分とは異なる意見を受け入れながら考える姿勢が大切になります。
最初は苦手でも、大学生活の中で少しずつ身につけていけば十分成長できます。
人と関わることを極力避けたい人
授業ではグループワークやフィールドワーク、インタビューなど、人と関わる学びが多くあります。
例えばこんな人
一人だけで学びたい
人前で話すことを避けたい
他者との協力が苦手
最初から得意である必要はありません。
大学では少人数授業も多く、少しずつコミュニケーション力を伸ばせます。
社会に出れば必要になる力だからこそ、大学で経験を積む価値があります。
元「中の人」のチェックポイント
静岡大学人文社会科学部では、「社会をもっと良くしたい」という気持ちが大切。
ニュースや地域の出来事に興味を持ち、人と協力しながら課題を解決したいという意欲があれば十分。
その好奇心が4年間で専門知識と実践力へと変わり、将来の大きな武器に。
3. 学びの特徴
アドミッションポリシー
静岡大学人文社会科学部では、次のような学生を求めています。
人や社会の出来事に興味を持ち、自ら学ぼうとする人
法律・経済・文化・地域社会について幅広く学びたい人
物事を論理的に考え、自分の考えを伝えられる人
地域や世界の課題を多面的に考え、解決に挑戦したい人
多様な価値観を尊重し、他者と協力できる人
例えば、
「ニュースを見て社会の仕組みが気になる」
「地域のイベントや探究活動が楽しかった」
「歴史や経済を学ぶ理由を知りたい」
と感じた経験があれば、その興味が大学での学びにつながります。
知識を覚えるだけではなく、人や社会と関わりながら課題を発見し、解決できる力を育てることが、この学部の目指す学びです。
カリキュラムポリシー
1年次は教養教育と専門分野の基礎を学び、人文科学・社会科学の幅広い知識を身につけます。
その後、法律・経済・経営・社会学・文化・言語など、自分の興味に合わせて専門性を深めていきます。
少人数演習やゼミ、フィールドワークを通して「考える」「調べる」「伝える」を繰り返し学ぶため、大学の学びに不安がある人でも段階的に力を伸ばせるカリキュラムになっています。
ディプロマポリシー
卒業時には、次のような力を身につけることを目標としています。
法律・経済・文化などの専門知識
社会課題を分析する力
情報を集め、論理的に考える力
他者と協働し、課題を解決する力
自分の考えを分かりやすく伝える力
これらの力は、公務員、金融機関、メーカー、サービス業、マスコミなど、どのような職業でも必要とされる社会人基礎力です。
「社会で活躍できる文系人材」を育てることが、人文社会科学部の大きな目標です。
カリキュラムの特徴
1年次
人文科学・社会科学の基礎を幅広く学び、自分の興味や将来の進路を考えながら専門分野を選んでいくカリキュラムになっています。
早い段階から一つの分野に限定されるのではなく、法律・経済・経営・社会学・歴史・文化・言語などを学び比べられるため、「まだ将来の夢が決まっていない」という高校生でも安心です。2年次
各分野の専門性を深め、演習や調査活動も増えていきます。3年次
ゼミナールやフィールドワークを中心に、自分の興味のあるテーマを深く学びます。4年次
卒業研究・卒業論文に取り組みます。
人文社会科学科には、法律・経済・社会・言語文化など多彩な教育プログラムがあり、自分の関心に合わせて「幅広く学んでから専門性を高める」ことが特徴です。
PBL・実習
静岡大学人文社会科学部では、「教室で学んだ知識を地域で試す」ことを重視したPBL(課題解決型学習)が数多く行われています。
例えば、自治体や企業、商店街、NPOなどと協力し、人口減少や観光、防災、地域活性化、多文化共生といった課題について現地調査やインタビューを実施し、改善策を提案します。
高校の「総合的な探究の時間」をさらに本格的にしたイメージで、答えのない課題に仲間と挑戦する経験を積めることが大きな特徴です。
知識だけでなく、企画力やプレゼンテーション力、コミュニケーション力も自然と身につきます。
静岡大学ならではの地域連携プログラム
実際に学べる地域連携プログラムの例を見ていきましょう。
① 地域課題解決プロジェクト
静岡県内の自治体と連携し、
人口減少
少子高齢化
空き家問題
地域交通
防災
などをテーマに調査・分析を行います。
学生が実際に地域へ出向き、
住民への聞き取り
アンケート調査
データ分析
を行い、行政へ提案することもあります。
② 商店街・企業との共同プロジェクト
企業や商店街と協力し、
新しいイベント企画
観光PR
商品開発
マーケティング調査
などに取り組みます。
例えば
「若者が商店街へ来るには?」
というテーマなら、
学生自身が調査し
↓
課題を分析し
↓
改善案を提案します。
経営学・経済学を実践で学べる授業です。
③ 防災・危機管理プロジェクト
静岡県は南海トラフ地震への備えが全国でも進んでいます。
そのため
地域防災
避難計画
防災教育
災害時の情報発信
などを行政と連携して学ぶ機会があります。
法律・行政・地域政策を現場で学べるのは静岡大学ならではです。
④ 多文化共生プロジェクト
静岡県には多くの外国人住民が暮らしています。
そこで
日本語教育支援
外国人住民へのアンケート
地域イベントへの参加
多文化共生政策
などを学ぶ授業があります。
「国際交流=海外」
ではなく
日本国内の国際化
を学べることも特徴です。
⑤ フィールドワーク型ゼミ
3・4年次のゼミでは
学生自身が
テーマを決め
↓
現地調査
↓
分析
↓
卒業論文
という流れになります。
例えば
観光政策
地域ブランド
中小企業
地域福祉
歴史文化
など、
実際の地域を研究対象にできます。
特色ある授業
静岡大学人文社会科学部では、「地域そのものを教室にする」実践的な授業が数多く用意されています。
自治体や企業、商店街、NPOなどと連携し、人口減少や観光、防災、多文化共生など、静岡県が抱える課題をテーマにフィールドワークやプロジェクト学習へ取り組みます。
学生自身が現地調査やアンケート、インタビューを行い、集めたデータを分析して改善策を提案するため、授業で学んだ法律・経済・社会学・経営学などの知識を実社会で活用できます。
知識を「覚える」だけでなく、「社会で生かす」経験を積めることが静岡大学人文社会科学部の最大の魅力であり、公務員や企業、地域づくりに携わる仕事でも大きな強みになります。
元「中の人」のチェックポイント
静岡大学人文社会科学部の魅力は、「文系なのに選択肢を狭めない」こと。
法学部なら法律、経済学部なら経済と、入学時点で専門が決まる大学も多くあるが、静岡大学人文社会科学部は、入学後に幅広い分野を学び、自分の適性や興味を確認しながら専門性を深められるカリキュラムになっている。
これは、今まだやりたいことを決めきれていない高校生にとって大きな安心材料といえる。
「法律にも興味があるけれど、地域づくりや経済も気になる」「公務員を目指しているけれど、民間企業にも興味がある」という人でも、大学で学びながら進路を具体化できる。
「将来の選択肢を広げながら、自分だけの専門性を育てられる。」
これこそが、静岡大学人文社会科学部の教育プログラムの最大の魅力だといえる。
4. 研究
主な研究分野① 法律・行政・公共政策の研究
法律や行政制度を学び、社会が抱える課題をどのような制度や政策で解決できるかを研究します。
静岡県の地域課題も研究対象となり、理論と実践を結び付けながら学べることが特徴です。
研究例
地方自治と地域政策
行政法・憲法・民法の研究
防災・危機管理政策
少子高齢化への政策提案
社会のルールを学び、より良い地域や社会をつくるための研究です。
主な研究分野② 経済・経営・地域産業の研究
企業活動や地域経済、消費者行動などを分析し、地域産業の発展や企業経営について研究します。
静岡県には製造業や観光業が集積しているため、地域企業との連携研究も盛んです。
研究例
地域経済の活性化
中小企業の経営戦略
観光マーケティング
地域ブランドづくり
地域経済を支え、新しいビジネスを生み出す力を育てる研究です。
主な研究分野③ 社会学・地域づくりの研究
人口減少や多文化共生、福祉、地域コミュニティなど、人々の暮らしに関わる課題を調査・分析します。
フィールドワークやインタビューを重視することも特徴です。
研究例
地域コミュニティの活性化
多文化共生社会
若者の地域定着
地域福祉と住民参加
人と地域をつなぎ、暮らしやすい社会を考える研究です。
主な研究分野④ 歴史・文化・言語の研究
日本や世界の歴史、文化、言語を学び、現代社会とのつながりを考えます。
資料調査や文献研究だけでなく、地域文化を対象にしたフィールドワークも行われています。
研究例
日本史・世界史
地域文化・文化財
日本語学・言語学
異文化理解・比較文化
歴史や文化を知ることで、現代社会をより深く理解する研究です。
主な研究分野⑤ 地域課題解決・PBLの研究
静岡大学人文社会科学部ならではの特徴が、地域をフィールドにした実践的な研究です。
自治体や企業、NPOなどと協力し、社会課題の解決を目指します。
研究例
商店街活性化プロジェクト
観光振興の提案
防災・減災に関する調査
地域企業との共同研究
「学ぶ」だけではなく、「社会で実践する」ことを重視した研究です。
卒業研究テーマ
静岡大学人文社会科学部では卒業論文の一覧は公表されていませんが、各ゼミでは地域社会や現代社会をテーマに多彩な研究が行われています。
テーマ例
地方創生と地域経済の活性化
南海トラフ地震に備えた地域防災政策
外国人住民との多文化共生
地域観光と地域ブランド戦略
中小企業の経営課題
商店街活性化と若者の参加
日本語教育と異文化コミュニケーション
地域文化・歴史資源の保存と活用
学生自身が興味のあるテーマを設定し、文献調査だけでなく、アンケートやインタビュー、フィールドワークを通して卒業論文を完成させます。
静岡大学人文社会科学部だからできる研究
静岡大学人文社会科学部では、静岡県という「日本の縮図」ともいえる地域を研究フィールドとして活用できます。
人口減少、防災、多文化共生、地域産業、観光など、多様な地域課題を自治体や企業と連携しながら研究できることが大きな魅力です。
教室だけでは得られない実践的な研究経験は、社会に出てからも大きな財産になります。
防災研究(人文社会科学部だからできる研究)
静岡県は南海トラフ巨大地震への備えが全国でも最も重要な地域の一つです。
そのため静岡大学人文社会科学部では、「地震を予測する研究」ではなく、災害に強い地域や社会をどうつくるかをテーマに研究が行われています。
① 地域防災・地域コミュニティの研究
災害が発生したとき、本当に重要なのは地域住民同士の助け合いです。
研究例
自主防災組織の役割
地域コミュニティの防災力
高齢化地域の避難支援
防災訓練の効果
災害に強い「人のつながり」を研究する分野です。
② 行政・防災政策の研究
行政はどのように災害へ備えればよいのかを研究します。
研究例
自治体の防災計画
避難所運営
災害時の行政対応
復興計画の立案
法律や行政学を生かし、「命を守る制度づくり」を考えます。
③ 災害復興・まちづくりの研究
災害後の「復興」も重要な研究テーマです。
研究例
被災地の復興まちづくり
商店街の再生
地域産業の復興
災害に強い都市計画
「元に戻す」だけではなく、「以前より住みやすい地域をつくる」ことを目指します。
④ 防災教育・防災意識の研究
災害は知識だけでは防げません。
そのため
学校防災
防災教育教材
防災訓練
防災リーダー育成
なども研究されています。
静岡大学防災総合センターでは、防災教育や地域人材育成にも力を入れています。
⑤ 多様な人々を守る防災研究
近年は「誰一人取り残さない防災」も重要なテーマです。
例えば
高齢者
子ども
障害者
外国人住民
女性
など、それぞれの立場に応じた避難支援や災害対応を研究しています。
ジェンダーや多様性の視点を取り入れた自治体の防災政策や地域連携も進められています。
元「中の人」のチェックポイント
「研究」というと難しく感じるかもしれないが、人文社会科学部の研究は、私たちの暮らしと密接につながっている。
「商店街を元気にするには?」
「外国人も暮らしやすい地域とは?」
「災害に強いまちはどう作る?」
といった身近な疑問が研究テーマになる。
高校時代にニュースや地域の出来事へ関心を持つことが、大学での研究の第一歩。
自分の興味を社会課題の解決へと発展させられることが、この学部の研究の面白さといえる。
5. 学生生活
男女比
大学ポートレート(2025年度)によると、人文社会科学部の学生数は男性885人(56.4%)、女性683人(43.6%)です。
文系学部としては男性の割合がやや高めですが、男女ともに多く在籍しており、さまざまな価値観に触れながら学べる環境です。
全国の人文・社会科学系学部と比べても、大きな偏りのないバランスの取れた構成となっています。
出身地
大学ポートレートでは、出身県別人数は公表されていませんが、入学生は静岡県出身者を中心に、愛知県・神奈川県・山梨県・長野県など中部・東海地域からの進学者が多い傾向と思われます。
一方で、全国から学生が集まる国立大学でもあり、地元志向と県外志向の両方をあわせ持つ学部といえます。
留学制度
静岡大学では、協定校への交換留学や短期海外研修、語学研修など、多様な留学制度を利用できます。
人文社会科学部では、語学や異文化理解、国際社会への理解を深める学生も多く、学んだ専門分野を海外で実践できることが魅力です。
さらに、人文社会科学部では国際関係や言語文化を学ぶ学生を中心に、海外の大学で専門科目を履修する交換留学や海外フィールドワークに参加する学生もいます。
異文化の中で学ぶ経験は、国際的な視野やコミュニケーション力を大きく伸ばす機会となっています。
提携大学
静岡大学はアジア、ヨーロッパ、北米、オセアニアなど世界各地の大学と学術交流協定を結んでいます。
交換留学や短期留学、語学研修、共同研究などが実施されており、人文社会科学部の学生も、自分の専門分野や語学力に応じて海外で学ぶ機会があります。
法律や経済、文化を異なる国の視点から学べることも魅力です。
留学支援
留学を希望する学生には、国際交流センターによる相談、語学学習支援、留学説明会、奨学金情報の提供など、出発前から帰国後までサポートが用意されています。
また、キャンパス内では留学生との交流イベントも開催されており、日本にいながら国際交流を体験できる環境が整っています。
地域連携
人文社会科学部では、自治体や企業、NPO、地域住民と協力しながら学ぶPBLやフィールドワークが充実しています。
人口減少、防災、観光振興、多文化共生、地域経済など、静岡県が抱える課題をテーマに現地調査やアンケート、インタビューを実施し、改善策を提案します。
授業で学んだ法律や経済、社会学の知識を実際の地域で活用することで、課題発見力、分析力、コミュニケーション力、プレゼンテーション力など、社会で求められる実践力を身につけることができます。
元「中の人」のチェックポイント
人文社会科学部は「座学中心の文系学部」というイメージを持たれがちだが、静岡大学では地域や企業、自治体と関わる機会が非常に多い。
フィールドワークやPBLを通して、学生のうちから社会人と協働する経験を積めることは大きな強み。
また、留学制度や国際交流も充実しているため、「地域」と「世界」の両方の視点を持って成長できる。
大学生活の4年間で、知識だけでなく社会で通用する実践力も身につけられる環境が整っている。
6. 入試方法
選抜方式
2027年度入学者選抜では、人文社会科学部は学校推薦型選抜と一般選抜(前期日程)を実施します。
2026年度まで実施されていた一般選抜後期日程(社会学科)は2027年度から廃止されました。
学校推薦型選抜
大学入学共通テストを課す選抜で、調査書・推薦書・志望書に加え、共通テスト、面接、小論文(面接時の参考資料)によって総合的に評価されます。
学科ごとに評定平均などの出願要件が設定されています。一般選抜(前期日程)
大学入学共通テストと個別学力検査を組み合わせて選抜します。
個別学力検査では学科ごとに小論文や教科試験などが課され、知識だけでなく、論理的思考力や文章表現力、課題を多面的に考える力が重視されています。
難易度
河合塾Kei-Netによる2027年度入試予想では、人文社会科学部のボーダー偏差値は52.5~55.0程度で、共通テスト得点率も比較的高い水準です。
地方国立大学の人文・社会系学部の中ではやや難関に位置し、信州大学や新潟大学、三重大学などと比較されることが多いレベルです。
特に前期日程は募集人数が多い一方で志願者も多く、共通テストで安定した得点を確保することが合格への第一歩になります。
各教科の重要度と得点源
数学 ★★★★☆(4/5)
共通テスト:利用あり
個別学力検査:学科・方式により異なる
文系学部ですが、経済学やデータ分析では数学的思考が重要です。
共通テストでは確実に得点したい教科であり、苦手でも基本問題を落とさないことが重要です。
英語 ★★★★★(5/5)
共通テスト:利用あり
個別学力検査:学科・方式により利用
英語はすべての学科で重要な教科です。
長文読解や語彙力はもちろん、国際的な視点を持つための基礎としても重視されています。共通テストでは高得点を目指したい得点源です。
国語 ★★★★★(5/5)
共通テスト:利用あり
個別学力検査:小論文・文章読解に直結
法律や社会学、歴史、文化などを学ぶ上では、文章を正確に読み、自分の考えを論理的に表現する力が不可欠です。
現代文を中心に、読解力を磨いておきましょう。
理科 ★★☆☆☆(2/5)
共通テスト:利用あり
個別学力検査:利用なし(一般的)
理科は共通テストで必要になりますが、文系学部では配点の中心ではありません。
基礎事項を確実に理解し、安定して得点できるよう準備することが大切です。
社会 ★★★★★(5/5)
共通テスト:利用あり
個別学力検査:学科・方式により利用
法律・経済・政治・歴史などを学ぶ基礎となる教科です。
知識だけでなく、出来事の背景や因果関係を理解する学習を心掛けると、大学での学びにもつながります。
情報 ★★★☆☆(3/5)
共通テスト:利用あり(情報Ⅰ)
個別学力検査:利用なし
情報Ⅰは共通テストの対象です。
配点は高くありませんが、データの読み取りや情報活用の基礎は大学でのレポート作成や統計分析にも役立ちます。
基本事項を確実に身につけておきましょう。
元「中の人」のチェックポイント
静岡大学人文社会科学部は、「文系だから数学は不要」という学部ではない。
共通テストでは英語・国語・社会を軸に、数学や情報も含めてバランスよく得点することが重要。
また、個別試験では知識量だけではなく、自分の考えを論理的にまとめる力が問われる。
日頃からニュースや社会問題に関心を持ち、「なぜそうなるのか」を考える習慣をつけておくと、小論文や面接でも大きな強みになる。
後期日程が廃止されたため、前期日程一本での受験戦略を早めに立てることがこれまで以上に重要だ。
7. 進路
進級と留年の状況
静岡大学人文社会科学部は、実験や実習が多い理系学部と比べると、極端に留年しやすいカリキュラムではありません。
一方で、少人数ゼミや演習、卒業論文は卒業に欠かせないため、単位を計画的に取得することが重要です。
特に必修科目や専門演習は履修順序が決まっている場合もあるため、1・2年次から履修計画を意識しましょう。
授業への出席やレポート提出を継続することが、4年間での卒業への近道です。
大学院進学
大学ポートレートによると、2025年度卒業生は394人で、そのうち大学院進学者は14人(約3.6%)でした。
一方、正規雇用での就職者は342人となっており、人文社会科学部は就職を選ぶ学生が多い学部です。
大学院では、法律学・経済学・経営学・社会学・歴史学・言語文化などの専門研究をさらに深めます。
研究職や大学教員を目指す人だけでなく、公務員や企業でより高度な専門性を生かしたい学生が進学するケースもあります。
主な就職先
大学ポートレートによると、2025年度は正規就職者342人(卒業生の約87%)となっています。
産業別では情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業、製造業、公務への就職が目立ちます。
特に地方公務員61人、国家公務員31人と、公務員への就職実績が非常に高いことが特徴です。
情報通信業では40人、金融・保険業では54人が就職しており、地域企業から全国企業まで幅広い進路を実現しています。
静岡大学全体の進路状況でも、人文社会科学部は企業就職231人、公務員101人、就職決定率92.3%となっており、民間企業と公務員の双方に強い学部です。
法律・経済・経営・社会学など幅広い専門知識に加え、地域連携やPBLで培った課題解決力やコミュニケーション力が評価され、公務員、金融機関、メーカー、情報通信、商社、サービス業など、多様な分野で卒業生が活躍しています。
進路先の都道府県
静岡大学の進路状況では、人文社会科学部の就職先は静岡県内が130人と最も多く、地域への定着率が高いことが特徴です。
一方で、東京・神奈川・愛知など首都圏・中京圏への就職も多く、全国規模で活躍する卒業生も少なくありません。
静岡県内では自治体や金融機関、製造業などへの就職が目立ち、県外では大手企業や国家公務員など幅広い進路があります。
「地元で働きたい人」と「都市部で挑戦したい人」のどちらにも対応できる進路の広さが、この学部の魅力です。
元「中の人」のチェックポイント
静岡大学人文社会科学部は、大学院進学型というより「就職型」の学部。
しかし、単に就職率が高いだけではなく、法律・経済・社会・文化を学び、地域連携やPBLを通して実践力を身につけるため、公務員、金融機関、情報通信、メーカーなど幅広い分野で活躍できる。
特に「地域課題を解決する力」や「論理的に考え、人と協働する力」は、どの職業でも求められる力でもある。
将来の職業をまだ決めていない人でも、4年間で自分の強みを見つけ、社会へ羽ばたける環境が整っている。
8. 学費・生活費
学費
静岡大学は国立大学のため、学費は全国共通です。
入学料282,000円(入学時のみ)、授業料535,800円(年額)となっています。4年間の授業料は約214万円、入学料を含めた学納金は約242万5千円です。
このほか、教科書代や教材費などが必要になります。
追加費用
人文社会科学部では実験実習費は比較的少ないものの、教科書代、ゼミ資料代、パソコン購入費、資格試験受験料、フィールドワークや学外調査の交通費などが必要になることがあります。
4年間では10~30万円程度を目安に考えておくと安心です。ノートパソコンはレポート作成やオンライン授業でも活用するため、入学前に準備しておく学生が多くなっています。
日本学生支援機構の奨学金
静岡大学では、日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金・貸与型奨学金の両方を取り扱っています。
高等教育の修学支援新制度の対象校でもあり、家計基準などを満たす学生は授業料減免と給付型奨学金を併せて利用できます。
大学独自の奨学金・支援制度
静岡大学には、経済的支援を目的とした大学独自の奨学金制度や、民間・地方公共団体の奨学金を紹介する制度があります。
また、家計急変時には緊急支援制度も利用できます。
海外留学を希望する学生向けには、交換留学や海外研修を支援する奨学金制度も整備されており、人文社会科学部の学生も積極的に活用しています。
授業料免除制度
高等教育の修学支援新制度の対象者は、授業料・入学料の全額または一部免除を受けられます。
また、制度対象外でも家計急変など特別な事情がある場合は、大学独自の授業料免除制度へ申請できます。JASSO給付型奨学金との併用も可能です。
アパート相場
人文社会科学部が学ぶ静岡キャンパス(静岡市駿河区)周辺では、学生向けアパートの家賃は月額4万5千~6万円程度が目安です。
大学周辺には学生向け物件が多く、自転車通学圏内の物件も豊富です。
生活環境が整っており、アルバイト先も比較的見つけやすい地域です。
卒業までの費用シミュレーション
【実家暮らし】
学納金:約242万円
教材・PC等:約20万円
通学・昼食など:約120万円
合計:約380万円前後
【一人暮らし】
学納金:約242万円
教材・PC等:約20万円
家賃(約5.2万円×48か月):約250万円
食費・光熱費・生活費:約350万円
合計:約860万円前後
※生活費は生活スタイルによって大きく変動しますが、家賃を含めると一人暮らしでは800~900万円程度を見込んでおくと安心です。
元「中の人」から保護者の方へ
静岡大学は国立大学のため、私立大学と比べると学費負担を抑えやすいことが大きな魅力です。
さらに、高等教育の修学支援新制度やJASSO奨学金、大学独自の支援制度などを活用すれば、経済的な不安を軽減しながら学びを続けることができます。
人文社会科学部は卒業後の就職率も高く、公務員や金融機関、情報通信、メーカーなど幅広い進路へ進んでいます。
学費だけではなく、「4年間でどのような力を身につけ、将来につなげられるか」という視点で進学を考えることも大切です。
支援制度を上手に活用しながら、安心して学生生活を送れる環境が整っています。
9. 入学後のサポート
リメディアル教育
静岡大学人文社会科学部では、理系学部のような体系的なリメディアル教育は実施していませんが、1年次は全学教育科目と専門基礎科目を中心に、大学での学び方を段階的に身につけられるカリキュラムとなっています。
レポートの書き方や文献の調べ方、情報収集・発表方法なども学ぶため、高校までの学習との違いに不安がある人でも安心して大学生活をスタートできます。
学修支援
少人数ゼミや演習科目が早い段階から取り入れられており、教員との距離が近いことが特徴です。
履修相談や学修相談もしやすく、学生一人ひとりの学びをサポートする体制が整っています。
グループワークやディスカッションを通して、論理的思考力やプレゼンテーション力、コミュニケーション力を自然と身につけられます。
取得できる資格
人文社会科学部では資格取得を目的とした学部ではありませんが、高等学校教諭一種免許状(地理歴史・公民・商業など※履修プログラムによる)や中学校教諭一種免許状(社会)などの教員免許取得を目指すことができます。
また、学びを生かして行政書士や宅地建物取引士、社会保険労務士、日商簿記検定、FP技能検定などの資格取得を目指す学生も多くいます。
資格取得サポート
教職課程では教職センターを中心に履修指導や教育実習支援が行われています。
また、公務員や各種資格試験については、キャリアサポートセンターによる講座やガイダンス、学外講座の案内なども充実しています。
資格取得だけでなく、目標に向かって計画的に学習を進める力も養われます。
キャリア・就職支援
キャリアサポートセンターでは、1年次から利用できるキャリアガイダンス、インターンシップ支援、履歴書・エントリーシート添削、模擬面接、業界研究セミナーなどを実施しています。
公務員志望者向けの情報提供も充実しており、人文社会科学部の高い就職実績を支える大きな要因となっています。
ICT・図書館サポート
学内ではWi-Fi環境や学習支援システム(LMS)が整備され、レポート提出や授業資料の配布もオンラインで行われます。
附属図書館には法律・経済・社会・歴史・文化など豊富な専門書や電子ジャーナル、データベースが整備されており、ゼミや卒業研究を支える学習環境が充実しています。
学生相談・生活支援
学生支援センターでは、学業や進路だけでなく、学生生活や人間関係、心身の健康に関する相談も受け付けています。
保健センターやカウンセラーとも連携しており、一人で悩みを抱え込まず相談できる環境が整っています。
経済的な相談や障害学生支援など、多様な学生を支える制度も利用できます。
学生寮
静岡大学には学生寮が設置されており、自宅から通学が難しい学生が利用できます。
民間アパートより費用を抑えられることに加え、全国から集まった学生との交流を通して視野を広げられることも魅力です。
特に入学直後は生活リズムを整えやすく、安心して大学生活を始められる環境となっています。
その他学生サポート体制
静岡大学では、国際交流センターによる留学支援や外国語学習支援、地域連携センターによる地域活動支援なども充実しています。
ボランティア活動や地域プロジェクトへの参加機会も多く、人文社会科学部の学びを実践につなげられる環境が整っています。
元「中の人」のチェックポイント
静岡大学人文社会科学部には、少人数ゼミや履修相談、キャリア支援、学生相談など、多くのサポート体制がある。
特に教員との距離が近いゼミ教育は、この学部の大きな魅力。
困ったときは一人で抱え込まず、大学の支援制度を積極的に活用しよう。
大学は「勉強する場所」であると同時に、「社会へ羽ばたくための準備をする場所」でもある。
充実したサポートを上手に活用することで、4年間をより実りある学生生活にすることができる。
10. この学部を一言で表すと?
地域から世界へ、社会を動かす人を育てる学部
静岡大学人文社会科学部は、法律・経済・経営・社会学・言語文化など幅広い人文社会科学を学びながら、地域課題や国際課題に実践的に取り組む学部です。
講義だけでなく、PBLやフィールドワーク、自治体・企業との共同プロジェクトを通して、知識を「社会で使える力」に変えていきます。
論理的思考力や課題解決力、コミュニケーション力を磨き、公務員や金融機関、一般企業、大学院進学など、多様な進路へつながる学びが大きな魅力です。
この学部に向いている人
次のような人は、静岡大学人文社会科学部で充実した4年間を過ごせるでしょう。
社会の仕組みやニュースに興味がある人
法律・経済・政治・地域課題を深く学び、自分の考えを持てるようになります。
人と関わりながら学ぶことが好きな人
PBLやフィールドワーク、地域連携活動を通して、実践的な学びを経験できます。
将来の進路を大学で見つけたい人
法律・経済・経営・社会学など幅広い分野に触れながら、自分の興味を深められます。
公務員や地域に貢献する仕事を目指したい人
高い公務員就職実績があり、地域社会と関わる実践的な学びが将来につながります。
企業でも幅広く活躍したい人
論理的思考力、情報分析力、コミュニケーション力を身につけ、多様な業界で活躍できます。
「文系だから知識を覚えるだけ」ではなく、社会と関わりながら学びたい人にぴったりの学部です。
自分の興味を行動に変えたい高校生には、特におすすめできます。
元「中の人」から伝えたいこと
静岡大学人文社会科学部のアドミッションポリシーには、「社会への関心を持ち、自ら課題を発見し、多様な人と協働しながら解決に取り組める人」を求める姿勢が表れています。
そのため、高校時代は知識量だけでなく、「なぜそうなるのか」を考える習慣を身につけておくことが大切です。
ニュースや新聞に触れたり、地域活動やボランティアに参加したり、探究学習で課題解決に取り組んだ経験は、大学での学びにそのままつながります。
大学では法律・経済・社会・文化を専門的に学びながら、地域や企業とのPBL、フィールドワークを通して実践力を磨きます。
卒業後は公務員、金融機関、メーカー、情報通信、商社、サービス業など幅広い分野で活躍できるだけでなく、大学院へ進学して専門性をさらに高める道も開かれています。
「社会をより良くしたい」という思いを持つ人にとって、大きく成長できる4年間になるでしょう。
この学部を一言で表すと?
地域から世界へ、社会を動かす人を育てる学部
人文社会科学部で身につくのは、法律や経済などの専門知識だけではありません。
地域課題を発見し、多様な人と協力しながら解決策を考え、自分の言葉で発信する力が養われます。
静岡という地域を舞台に実践を重ねながら、その経験は全国、そして世界へと広がっていきます。
「将来やりたいことはまだ決まっていない。でも社会の役に立つ仕事がしたい。」
そんな高校生にこそ、ぜひ挑戦してほしい学部です。4年間で大きく成長し、自分らしい未来を切り拓いてください。
11. 参考リンク集
静岡大学の他の学部が気になる方は、こちらからご覧ください。
人文社会科学部 (2026.8.10)
教育学部
理学部 (2027.7.24)
工学部 (2026.7.27)
農学部 (2026.7.31)
グローバル共創科学部 (2026.7.19)
情報学部 (2026.7.19)
【人文科学】
鹿児島大学法文学部 (2027.7.7)
群馬県立女子大学文学部 (2026.7.9)
茨城大学人文社会科学部 (2026.8.1)
名古屋市立大学人文社会学部 (2026.8.3)
静岡大学人文社会科学部 (2026.8.10)
埼玉大学教養学部 (2026.8.14)
