静岡大学工学部 ― 元アドミッションコーディネータの視点で「大学が本当に求めている学生像」を読み解く ―
1. 学部概要
30秒でまとめると…
未来のものづくりを支える技術と実践力を、浜松から世界へ発信する工学部。
学べる分野
静岡大学工学部では、機械工学、電気電子工学、電子物質科学、化学バイオ工学、数理システム工学などを学びます。
AIやIoT、ロボット、半導体、光技術、エネルギー、化学材料など、現代社会を支える幅広い技術分野が対象です。
基礎理論を学ぶだけでなく、実験や設計、プログラミングを通して、「ものづくり」を実践的に学べることが大きな特徴です。
注目の特徴
最大の特徴は、日本有数のものづくり都市である浜松市にキャンパスがあることです。
スズキ、ヤマハ、浜松ホトニクスなど世界的企業との共同研究やインターンシップが盛んに行われています。
また、光(フォトニクス)や電子・情報分野は全国トップクラスの研究実績を誇り、企業と連携した最先端の研究環境で学べます。
身につく力
課題を発見し、解決する力
設計・実験・製作を行う実践力
プログラミング・データ活用力
チームで協働するコミュニケーション力
世界で活躍するための技術者としての視野
これらの力は、自動車、電機、半導体、情報通信、化学メーカーなど幅広い業界で高く評価されています。
大学院へ進学して研究開発職を目指す学生も多く、専門性を生かしたキャリアにつながります。
元「中の人」のチェックポイント
静岡大学工学部では、「工学を学ぶ」だけではなく、「工学を社会で生かす」経験ができることが魅力。
AIやロボット、半導体など最先端分野を学びながら、浜松というものづくりの街で企業と連携した実践的な教育を受けられる。
そして、卒業時には設計力や課題解決力といった、企業が求める力が自然と身についているはず。
「将来は技術で社会に貢献したい」という高校生には、非常に魅力的な学びの環境といえる。
2. この学部に向いている人
この学部に向いている人の概要
工学部は、「ものを作ること」が好きな人だけが向いている学部ではありません。
社会の課題を技術で解決したい人、新しい仕組みを考えることが好きな人、AIやロボットなど未来の技術に興味がある人にとって、大きく成長できる環境があります。
「どうすればもっと良くなる?」を考えるのが好きな人
普段から
「もっと便利にできないかな」
「この仕組みはどうなっているのだろう」
と考える人は、工学部での学びを楽しめます。
例えば…
家電や自動車の仕組みに興味がある
新しいアプリやAI技術が気になる
壊れたものを分解したり修理したりするのが好き
工学は「課題を見つけ、より良い方法を考える学問」です。
その発想力は、将来の研究者や技術者だけでなく、製品開発やシステム開発など幅広い仕事で大きな武器になります。
「数学・理科」を未来の技術につなげたい人
高校で学ぶ数学や物理、化学は、大学では実際の技術開発へとつながっていきます。
例えば…
数学が比較的得意
物理や化学の仕組みを理解するのが好き
計算だけでなく「なぜそうなるか」を考えるのが好き
工学部では公式を覚えるだけではなく、それを社会で役立つ技術へ応用します。
基礎科目を楽しめる人ほど、大学で専門分野への理解が深まり、研究や開発の仕事にもつながっていきます。
「作るだけ」で終わらず社会に役立てたい人
工学は、自分のアイデアを形にし、人々の暮らしを豊かにする学問です。
例えば…
ロボットや自動運転に興味がある
環境問題やエネルギー問題を技術で解決したい
人の役に立つ製品を開発したい
静岡大学工学部では、企業との共同研究や地域連携も盛んです。
自分の学びが社会とつながる実感を持ちながら成長できることが、この学部の大きな魅力です。
チームで挑戦することを楽しめる人
現代のものづくりは、一人で完結することはほとんどありません。
さまざまな専門分野の人と協力して課題を解決します。
例えば…
グループ活動が苦ではない
相手の意見を聞きながら考えられる
学園祭や部活動で協力することが好き
大学でも実験や研究、卒業研究ではチームで取り組む場面があります。
コミュニケーション力は、企業で働く技術者にも欠かせない力です。
世界を舞台に活躍する技術者を目指したい人
日本のものづくりは世界とつながっています。
英語や国際感覚も、技術者に求められる時代です。
例えば…
海外でも働いてみたい
英語を使う仕事に興味がある
世界最先端の技術に触れてみたい
静岡大学工学部では、海外大学との交流や国際共同研究も進められています。
将来、世界の企業や研究機関で活躍したい人にとっても魅力的な環境です。
逆に向いていないかもしれない人
次のような考え方の人は、別の学部を検討した方がいいかもしれません。
「答えが決まった勉強だけしたい」人
工学では、自分で考え、試行錯誤する場面が数多くあります。
例えば…
正解だけ覚えれば十分だと思う
実験やレポートが苦手
新しいことに挑戦するのは避けたい
工学は「答えを覚える学問」ではなく、「答えを創る学問」です。
失敗を繰り返しながら改善していく過程を楽しめる人ほど、大きく成長できます。
「機械だけ触れればいい」と考えている人
工学部では、機械だけではなく数学、情報、英語、コミュニケーションなど幅広い力が必要になります。
例えば…
人と話すのが極端に苦手
数学や理科はできれば避けたい
パソコンやプログラミングには興味がない
現在の技術者は、多様な知識を組み合わせて新しい価値を生み出します。
「機械が好き」という気持ちは大切ですが、それ以上に学び続ける姿勢が求められます。
元「中の人」のチェックポイント
工学部に必要なのは、特別な才能ではなく、
「どうしてだろう」
「もっと良くできないかな」
と考える好奇心こそが最大の素質といえる。
静岡大学工学部には、その好奇心を社会で役立つ技術へ育てる環境がある。
未来のものづくりに挑戦したい人は、ぜひ自信を持って志望してほしい。
3. 学びの特徴
アドミッションポリシー
静岡大学工学部では、次のような学生を求めています。
数学・理科の基礎学力を身につけている人
ものづくりや科学技術に興味がある人
自ら考え、主体的に学ぶ意欲がある人
課題を見つけ、粘り強く解決しようとする人
将来、技術で社会に貢献したい人
例えば、
「自転車や家電の仕組みが気になる」
「AIやロボットのニュースを見るのが好き」
「学校の探究活動で改善案を考えるのが楽しかった」
という人は、工学部での学びを楽しめるでしょう。
つまり静岡大学工学部は、「知識を覚える人」ではなく、「知識を使って社会をより良くする人」を育てることを目指しています。
カリキュラムポリシー
工学部では、基礎から専門へ段階的に学べるカリキュラムが組まれています。
1・2年次は数学や物理、情報など工学の基礎を固め、学年が進むにつれて専門科目や実験、研究へと発展していきます。
専門知識だけでなく、設計力やコミュニケーション力、課題解決力も重視しているため、「工学は難しそう」と感じている人でも、一歩ずつ着実に成長できる環境が整っています。
ディプロマポリシー
卒業までに身につける力として、次のような能力が重視されています。
工学の専門知識を活用する力
課題を発見し解決する力
実験・設計・ものづくりを実践する力
チームで協力して成果を出す力
社会や国際社会で活躍できる技術者としての姿勢
企業では、「知識がある人」よりも、「知識を使って課題を解決できる人」が求められます。
静岡大学工学部は、そのような実践力を備えたエンジニアを育てることを目標としています。
カリキュラムの特徴
1年次
数学・物理・化学・情報など工学の共通基礎を学びます。
2年次
ここから専門性が深まり、学科ごとの専門科目や実験が本格化します。
3年次
設計演習や実験、企業との連携授業など実践的な学びが増えます。
4年次
卒業研究に取り組みます。
研究室では最先端の研究テーマに挑戦し、自ら課題を設定し解決する経験を積むことができます。
PBL・実習
工学部では、実験や設計演習、企業と連携した実践型授業が充実しています。
例えば、「与えられた課題をチームで考え、設計・製作・発表まで行う」授業は、高校の文化祭で作品を制作する活動を、より専門的にしたイメージです。
知識を学ぶだけでなく、「実際に作って試す」経験を数多く積めることが特徴です。
特色ある授業
静岡大学工学部では、浜松という世界有数のものづくり都市の強みを生かし、企業と連携した教育が充実しています。
光(フォトニクス)、半導体、AI、ロボット、IoT、自動運転など、最先端分野を扱う授業も多く、企業の技術者や研究者と接する機会もあります。
また、実験・設計・プログラミング・プレゼンテーションを組み合わせた授業を通して、「考える」「作る」「伝える」を繰り返し学びます。
卒業後に研究開発や設計、生産技術など幅広い分野で活躍できる実践力が身につくことが、この学部ならではの魅力です。
元「中の人」のチェックポイント
工学部は、「機械を作る場所」ではなく、「社会の課題を技術で解決する方法を学ぶ場所」。
静岡大学工学部では、基礎から専門へ無理なく学べるカリキュラムに加え、企業と連携した実践的な授業や研究が数多く用意されている。
アドミッションポリシーでは、特別な技術ではなく「学び続ける意欲」と「ものづくりへの興味」が重視されている。
高校時代に数学や理科の基礎を大切にし、「なぜこうなるのだろう」と考える習慣を身につけておけば、大学での学びは大きく広がる。
「未来の技術を自分の手で生み出したい」という気持ちがある人には、自信を持ってオススメできる。
4. 研究
主な研究分野① 次世代モビリティ・機械工学 ― 未来の乗り物をつくる
機械工学分野では、自動車やロボット、航空宇宙機器など、人々の暮らしを支える機械の設計・開発を研究しています。
浜松というものづくり都市の強みを生かし、企業との共同研究も活発です。
研究例
自動車の軽量化・高効率化
ロボット・自動制御システム
航空宇宙機器の設計
流体・熱エネルギーの活用
未来のものづくりを支える「設計力」と「実践力」を身につけられる研究分野です。
主な研究分野② 光・電子・半導体 ― 世界をリードする光技術
静岡大学工学部を代表する研究分野の一つです。
浜松ホトニクスをはじめとする地域企業とも連携し、光や電子デバイスを活用した最先端技術を研究しています。
研究例
レーザー・光計測技術
半導体デバイス
光通信・光センサー
医療・産業への光技術応用
「光のまち・浜松」ならではの環境で、世界水準の研究に挑戦できます。
主な研究分野③ AI・情報・数理システム ― 社会を支える知能技術
AIやデータ解析、制御工学などを活用し、より便利で安全な社会を実現する技術を研究しています。
工学と情報科学を融合した分野として、近年特に注目されています。
研究例
人工知能(AI)
IoT・スマートシステム
データサイエンス
自動運転・画像認識
情報技術を活用し、未来の社会インフラを支える研究が進められています。
主な研究分野④ 化学・バイオ・材料工学 ― 新しい素材と環境技術を生み出す
化学や生命科学を基盤に、新素材や環境技術、医療分野への応用を目指した研究を行っています。
持続可能な社会の実現にも大きく貢献する分野です。
研究例
機能性高分子材料
バイオマテリアル
環境浄化技術
エネルギー・電池材料
化学の力で、人にも地球にも優しい未来をつくる研究が行われています。
主な研究分野⑤ エネルギー・環境システム ― 持続可能な社会を支える
脱炭素社会の実現に向けて、省エネルギー技術や再生可能エネルギー、環境負荷の少ないシステム開発を研究しています。
工学が社会課題の解決に直結する代表的な分野です。
研究例
再生可能エネルギー
水素エネルギー
省エネルギー技術
環境シミュレーション
環境と産業を両立する技術を開発し、未来の社会づくりに貢献しています。
卒業研究テーマ
卒業研究テーマは年度や研究室によって異なりますが、静岡大学工学部では次のようなテーマに取り組んでいるとみられます。
機械工学:自動運転技術、ロボット制御、流体解析
光・電子工学:レーザー応用、光センサー、半導体デバイス
情報・数理システム:AIによる画像認識、IoTシステム、データ解析
化学・バイオ工学:新素材開発、バイオマテリアル、環境浄化技術
エネルギー工学:燃料電池、再生可能エネルギー、省エネルギーシステム
4年次には研究室へ所属し、企業との共同研究や最先端設備を活用しながら、自ら課題を設定して卒業研究に取り組みます。
静岡大学工学部だからできる研究
静岡大学工学部では、日本有数のものづくり都市・浜松に立地する強みを生かし、世界的企業との共同研究や実践的な研究活動に参加できます。
特に光・電子・半導体分野は全国トップクラスの研究環境を誇り、企業と大学が連携した最先端技術の開発に学生のうちから関われることが大きな魅力です。
元「中の人」のチェックポイント
工学部で研究しているテーマは、AI、自動運転、ロボット、半導体、再生可能エネルギーなど、ニュースで目にする最先端技術そのもの。
静岡大学工学部では、それらを「学ぶ」だけではなく、「自分で創り出す側」に挑戦できる。
高校生にとって研究は遠い世界に感じるかもしれないが、今「ものづくりが好き」「未来の技術に興味がある」という気持ちがあれば、それが大学での研究につながり、社会を支える技術者への第一歩になるはず。
5. 学生生活
男女比
大学ポートレート(2025年度)によると、工学部の学生は男性2,091人(88.7%)、女性266人(11.3%)です。
全国的に工学系は男子学生の割合が高い傾向がありますが、静岡大学工学部も同様の構成となっています。
一方で、近年は女子学生も徐々に増えており、多様な視点を生かした学びや研究が進められています。
出身地
2025年度入学者は、
①愛知県187人(約34.1%)
②静岡県127人(約23.1%)
③岐阜県27人(約4.9%)
④東京都16人(約2.9%)
④三重県16人(約2.9%)
が上位5都県です。
東海地方からの入学者が多い一方、首都圏や全国各地からも学生が集まる「東海中心・県外型」の工学部といえます。
留学制度
静岡大学では、海外協定校への交換留学や短期語学研修、海外インターンシップなど、多様な留学制度を利用できます。
工学部では、研究室単位で海外大学との共同研究や国際学会への参加機会もあり、専門分野を学びながら国際的な視野を広げられます。
特に大学院進学後は、海外研究機関との共同研究や海外での研究発表に参加する学生も少なくありません。
世界で活躍するエンジニアや研究者を目指す学生にとって、実践的な国際経験を積みやすい環境です。
提携大学
静岡大学はアジア、ヨーロッパ、北米、オセアニアなど多くの大学と学術交流協定を結んでいます。
交換留学や短期研修、共同研究、研究室間交流などが行われており、工学部の学生も専門分野を学びながら海外で研究活動に参加する機会があります。
語学だけでなく、異なる研究文化に触れられることも大きな魅力です。
留学支援
国際交流センターでは、留学相談、語学学習支援、奨学金情報の提供、海外渡航手続きのサポートなどを実施しています。
また、工学部では英語による研究発表や論文作成の機会もあり、専門知識と英語力を同時に伸ばせる環境が整っています。
海外志向の学生を継続的に支える体制が充実しています。
地域連携
静岡大学工学部では、浜松市を中心とした「ものづくり」のネットワークを生かし、企業や自治体と連携した教育・研究が盛んです。
授業や卒業研究では、自動車、輸送機器、光技術、電子機器など地域産業と関わるテーマに取り組む機会があります。
企業と共同で課題を解決する経験を通して、専門知識だけでなく、課題発見力やコミュニケーション力、実践的な設計力を身につけられることが大きな特徴です。
元「中の人」のチェックポイント
静岡大学工学部は基礎から段階的に学べるカリキュラムが整い、企業と連携した実践的な学びがたくさん。
全国トップクラスのものづくり環境で、自分のアイデアを形にする経験を積めることは、他大学にはない大きな魅力。
「工学部は男子ばかり」「勉強が難しそう」と不安に感じるかもしれないが、興味や好奇心があるなら、ぜひ一歩踏み出してほしい。
6. 入試方法
選抜方式
静岡大学工学部では、総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜(前期・後期)を実施しています。
総合型選抜:基礎学力試験と面接(口頭試問を含む)により、数学・理科などの基礎学力に加え、工学への興味や論理的思考力、学ぶ意欲を総合的に評価します。
学校推薦型選抜:大学入学共通テストに加え、面接を実施します。学科によっては口頭試問を含み、基礎学力だけでなく、主体性や適性、工学への意欲も重視されます。
一般選抜(前期・後期):大学入学共通テストと個別学力検査で選抜します。数学・理科を中心とした学力が重視され、後期日程は募集人数が少なく競争率が高くなる傾向があります。
難易度
河合塾Kei-Netによると、工学部のボーダーラインは共通テスト得点率60~72%、偏差値47.5~55.0です。
地方国立大学工学部としては標準的な難易度ですが、後期日程は募集人数が少ないため実質的な競争は厳しくなります。
数学・理科を得意科目にできるかが合格への大きなポイントです。
各教科の重要度と得点源
数学
重要度:★★★★★
得点源:★★★★★
共通テスト:〇
個別学力検査:〇
工学部で最も重要な教科です。
個別試験でも中心科目となるため、公式暗記だけでなく、記述力や応用力まで身につける必要があります。
数学を得点源にできる受験生ほど合格に近づきます。
英語
重要度:★★★★☆
得点源:★★★★☆
共通テスト:〇
個別学力検査:〇
英語は共通テスト・個別試験の両方で重要です。
大学入学後も英語論文や研究発表で必要になるため、長文読解や語彙力を中心に、高校段階から着実に力を伸ばしておきましょう。
国語
重要度:★★★☆☆
得点源:★★☆☆☆
共通テスト:〇
個別学力検査:×
国語は共通テストのみですが、配点の一部として合否に影響します。
現代文を中心に安定して得点できるようにし、大きな失点を防ぐことが大切です。
理科
重要度:★★★★★
得点源:★★★★★
共通テスト:〇
個別学力検査:〇
数学と並ぶ最重要科目です。
物理や化学は大学での専門科目にも直結するため、公式の理解だけでなく、現象を説明できるレベルまで学習を深めることが重要です。
社会
重要度:★★☆☆☆
得点源:★★☆☆☆
共通テスト:〇
個別学力検査:×
共通テストのみの利用です。
数学・理科ほど配点比重は高くありませんが、安定した得点を確保することで総合点を底上げできます。
情報
重要度:★★★☆☆
得点源:★★★☆☆
共通テスト:〇
個別学力検査:×
新課程では共通テスト「情報」が課されます。
工学部ではプログラミングや情報活用につながる基礎科目となるため、基本的な知識やデータ活用の考え方を確実に身につけておきましょう。
元「中の人」のチェックポイント
静岡大学工学部は、数学・理科の基礎学力を重視するオーソドックスな国立大学工学部といえる。
そのため、共通テスト対策を早めに始めながら、個別試験で差がつく数学・理科の応用力を伸ばすことが合格への近道に。
一般選抜でも後期日程は難化しやすいため、前期日程で合格を目指す学習計画がオススメ。
共通テストでは英語や情報も着実に得点し、「大きな穴を作らない」バランスの良い学力を意識すると、合格可能性は大きく高まる。
7. 進路
進級と留年の状況
静岡大学工学部は、全国の工学部と同様に実験・演習・レポートが多く、決して「楽に卒業できる学部」ではありません。
しかし、基礎から段階的に学べるカリキュラムが整っており、授業にしっかり出席し、課題やレポートを期限内に提出していれば、極端に留年しやすい学部ではありません。
特に1・2年次の数学や物理など基礎科目は専門科目の土台になるため、苦手をそのままにしないことが、順調に進級するためのポイントです。
大学院進学
大学ポートレート(2025年度)によると、卒業者519人のうち356人(約68.6%)が大学院へ進学しています。
これは工学部としても非常に高い進学率で、多くの学生が修士課程で専門性をさらに深めています。
大学院では、卒業研究をさらに発展させながら、最先端技術や企業との共同研究、国際学会での研究発表などにも挑戦できます。
研究開発職や設計職を目指す場合は、大学院進学が大きな強みになります。
主な就職先
大学ポートレート(2025年度)では、就職者は153人(約29.5%)です。
大学院進学者が多いため学部卒就職者は少なめですが、就職する学生の多くが技術系専門職へ進んでいます。
職種では、機械・電気・化学分野の製造技術者や情報処理・通信技術者が中心で、産業別では輸送用機械器具製造業、電子部品・半導体関連、機械器具製造業、情報通信業への就職が目立ちます。
これは、自動車・電機・半導体・ITといった日本の基幹産業で活躍できる人材を育成していることの表れです。
特に浜松地域のものづくり企業との連携が強く、設計・開発・研究職への就職に強みがあります。
また、国家公務員や地方公務員として技術職に進む卒業生もいます。
進路先の都道府県
就職先は静岡県、愛知県、東京都、神奈川県を中心に、東海・首都圏への進出が多い傾向です。
特に浜松市周辺の製造業や、中京圏・首都圏の大手メーカー、IT企業への就職実績が豊富です。
地元企業との結び付きが強い一方で、全国的に知名度の高いメーカーや情報通信企業へ就職する学生も多く、「地元就職にも全国就職にも強い工学部」といえるでしょう。
元「中の人」のチェックポイント
静岡大学工学部は、「就職型」と「大学院進学型」の両方の特徴を持っていますが、実際には大学院進学が主流。
研究開発職や設計職を目指す学生は修士課程まで進むケースが多く、より専門性を高めてから就職する。
一方、学部卒でも製造業やIT業界への就職実績は非常に良好といえる。
将来、「技術を使う人」ではなく、「技術を生み出す人」になりたいのであれば、大学院進学も視野に入れておこう。
8. 学費・生活費
学費
静岡大学は国立大学のため、学費は全国共通です。
入学料282,000円、授業料は年間535,800円(2026年度)で、4年間の授業料は約214万円、入学料を含めた学費総額は約242万円となります。
授業料改定が行われた場合は、在学中の金額が適用されます。
追加費用
工学部では、授業料以外にも教科書代や実験器具、製図用品、パソコンなどが必要になります。
1年次はノートパソコンの購入費を含めて15~25万円程度を見込んでおくと安心です。
2年次以降も教科書や実験材料費などで年間数万円程度かかります。卒業研究では学会参加や研究活動に伴う費用が必要になる場合もあります。
日本学生支援機構の奨学金
静岡大学では、日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金・貸与型奨学金(第一種・第二種)を取り扱っています。
家計基準や学業基準を満たせば利用でき、多くの学生が学費や生活費の支援として活用しています。
大学独自の奨学金・支援制度
静岡大学では、授業料免除制度に加え、静岡大学未来創成基金などを活用した修学支援や、家計急変時の緊急支援制度があります。
また、海外留学を支援する奨学金や民間財団の奨学金も多数紹介されており、学生一人ひとりの状況に応じた支援を受けられる体制が整っています。
授業料免除制度
国の高等教育の修学支援新制度の対象校であり、条件を満たせば授業料・入学料の全額または一部免除を受けられます。
給付型奨学金と併用できるため、経済的負担を大きく軽減できる場合があります。
また、家計急変時には大学独自の授業料免除制度も利用できます。
アパート相場
工学部がある浜松キャンパス周辺では、学生向けアパートの家賃相場は月4万~6万円程度です。
大学近くには学生向け物件が多く、自転車で通学できる範囲にも選択肢が豊富です。
生活費を含めると、一人暮らしでは月10万~13万円程度を見込む家庭が多くなっています。
卒業までの費用シミュレーション
【実家暮らし】
学費:約242万円
教材・パソコン等:約30万円
通学・昼食など:約80万円
合計:約350万円前後
【一人暮らし】
学費:約242万円
教材・パソコン等:約30万円
家賃:約240万円(5万円×48か月)
生活費(食費・光熱費など):約300万円
合計:約810万円前後
奨学金や授業料免除制度を利用することで、実際の負担額はさらに抑えられる可能性があります。
元「中の人」から保護者の方へ
工学部は実験や設備が充実しているため、「理系はお金がかかる」というイメージを持たれる保護者の方も少なくありません。
しかし、静岡大学は国立大学のため学費は全国共通で、私立理工系学部と比べると総費用を大きく抑えられます。
また、日本学生支援機構の奨学金や高等教育の修学支援新制度、大学独自の支援制度も充実しています。
さらに、卒業生の多くは大学院進学や大手メーカー・IT企業・公務員など安定した進路を実現しており、教育費を将来への投資として考えやすい学部です。
経済的な支援制度を上手に活用しながら、お子さまが安心して学べる環境を整えてあげてください。
9. 入学後のサポート
リメディアル教育
静岡大学工学部では、「リメディアル教育」という名称の大規模な補習教育はありません。
ただ、1年次には数学・物理・化学・情報などの基礎科目を体系的に学べるカリキュラムが組まれています。
また、少人数演習や基礎実験を通して高校までの知識を大学での学びにつなげられるため、「理系科目についていけるか不安」という学生も、段階的に専門分野へ進めるよう配慮されています。
学修支援
各学科では指導教員(アカデミックアドバイザー・担任教員)が履修や学修の相談に応じています。
また、少人数で行われる実験・演習や研究室活動では、教員との距離が近く、質問しやすい環境が整っています。
専門知識だけでなく、自ら課題を見つけて考える力や、チームで協力して研究を進める力も自然と身につきます。
取得できる資格
工学部では資格取得を主目的とする学部ではありませんが、高等学校教諭一種免許状(工業・情報・数学※学科による)や中学校教諭一種免許状(数学※学科による)などの教員免許取得を目指すことができます。
また、技術士第一次試験や情報処理技術者試験など、工学系資格への土台となる専門知識も身につきます。
資格取得サポート
教職課程では教職科目や教育実習を通して教員免許取得を支援しています。
また、キャリア支援センターでは資格試験や公務員試験に関する情報提供、ガイダンスなども実施されています。
工学部で学ぶ専門知識は、技術士や情報系資格など、卒業後の資格取得にも役立つ基礎となります。
キャリア・就職支援
静岡大学ではキャリアサポートセンターを中心に、自己分析講座、業界研究セミナー、インターンシップ支援、エントリーシート添削、模擬面接などを実施しています。
工学部では企業説明会や研究室推薦なども活用され、地元企業から全国のメーカー・IT企業まで幅広い進路を目指せる体制が整っています。
ICT・図書館サポート
学内には高速ネットワークや無線LANが整備され、学生は大学の情報システムを利用できます。
附属図書館では電子ジャーナルや専門書、学術データベースも利用でき、卒業研究やレポート作成を強力に支援しています。
工学部の学習に欠かせない情報環境が充実しています。
学生相談・生活支援
学生支援センターでは、学修相談だけでなく、学生生活や進路、人間関係、経済面など幅広い相談に対応しています。
保健センターでは健康相談やメンタルヘルス支援も実施されており、一人で悩みを抱え込まず相談できる体制が整っています。
奨学金や家計急変時の支援制度も利用できます。
学生寮
静岡大学には学生寮があり、遠方から進学する学生も利用できます。
家賃を抑えながら生活できることに加え、全国各地から集まる学生との交流を深められることも大きな魅力です。
初めての一人暮らしに不安がある高校生にとって、安心して大学生活をスタートできる選択肢の一つです。
その他学生サポート体制
静岡大学では、国際交流プログラムやボランティア活動、地域連携プロジェクトなど、授業以外でも成長できる機会が数多く用意されています。
工学部でも企業との共同プロジェクトや研究発表会に参加する機会があり、専門知識だけでなく、プレゼンテーション力やコミュニケーション力を実践的に身につけることができます。
元「中の人」のチェックポイント
大学生活は、ことがたくさんあります。しかし、
静岡大学工学部には、履修相談や少人数教育、キャリア支援、学生相談、経済的支援まで、多くのサポート体制が整っている。
大切なのは、困ったら一人で抱え込まないこと。
「授業についていけるかな」
「友達ができるかな」
「就職できるかな」
と、不安を感じたときにこそ、大学の支援制度を積極的に活用できる学生ほど、学業も学生生活も充実しやすい傾向がある。
ぜひ遠慮せずにサポートを利用し、自分らしい4年間を築いてほしい。
10. この学部を一言で表すと?
世界につながる「ものづくり」を浜松で学ぶ工学部
静岡大学工学部は、日本有数のものづくり都市・浜松を舞台に、機械、電気電子、情報、化学・バイオ、数理システムなど幅広い工学分野を学べる学部です。
AIやロボット、半導体、光技術など最先端技術を基礎から実践まで体系的に学び、企業との共同研究や地域連携を通して「社会で役立つ技術」を身につけられます。
大学院進学率も高く、研究開発職から設計職、ITエンジニアまで、多様な進路を実現できる環境が整っています。
この学部に向いている人
次のような人は、静岡大学工学部で充実した4年間を過ごせるでしょう。
「なぜ?」を考えることが好きな人
身近な機械や仕組みに興味を持ち、自分で考えることを楽しめる人。数学・理科を未来の技術に生かしたい人
高校で学ぶ基礎を、AIやロボット、エネルギーなど最先端技術へつなげたい人。ものづくりを通して社会に貢献したい人
便利で安全な社会を、自分の技術で支えたいという思いを持つ人。仲間と協力しながら成長したい人
実験や研究、プロジェクトを通してチームで課題解決に取り組める人。世界で活躍するエンジニアを目指したい人
海外にも目を向け、世界基準の技術者として成長したい人。
工学の知識は入学後に身につけられます。何より大切なのは、「もっと良くしたい」という好奇心と挑戦する気持ちです。
元「中の人」から伝えたいこと
静岡大学工学部のアドミッションポリシーから伝わってくるのは、「知識の量」よりも、「学び続ける姿勢」を大切にしているということです。
高校生活では、数学や物理、化学などの基礎をしっかり身につけることはもちろん、「なぜそうなるのか」を自分で考える習慣を意識してください。
探究活動や文化祭、部活動で仲間と協力して一つのものを作り上げた経験も、工学部での学びにつながります。
大学では、企業と連携した実践的な教育や最先端の研究を経験し、多くの学生が大学院へ進学して研究開発職や設計職へ進みます。
もちろん、学部卒でも製造業やIT業界、公務員など幅広い進路が開かれています。
「社会を支える技術を自分の手で生み出したい」という思いを持つ人にとって、静岡大学工学部は大きく成長できる環境です。
この学部を一言で表すと?
世界につながる「ものづくり」を浜松で学ぶ工学部
工学は、未来をつくる学問です。
静岡大学工学部には、知識を「社会で役立つ技術」へ変える環境があります。
あなたの好奇心と挑戦する気持ちが、世界で活躍するエンジニアへの第一歩になります。ぜひ、自信を持って挑戦してください。
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