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観戦記 PO1回戦 横浜FC VS RB大宮アルディージャ


概要

2026/5/30
横浜 VS 大宮 2-1
大宮得点: 58'カプリーニ
横浜得点: 45+4'ルキアン、59'オウンゴール
@ニッパツ三ツ沢球技場
*現地観戦*



大宮 やり方


Sub: 笠原、ガブリエウ、イヨハ、関口、石川、カウアン、松井、豊川、カプリーニ

前節FC岐阜戦でのレッドで出場停止の宮さんに代わり、戸田さんが代理で采配を振るうこの試合。その岐阜戦から4人の交代。

前節で脳震盪交代した尾崎がいた右CBには村上右SBには茂木が入る。横浜の強力なブラジリアンFWに対するために、対人が強いガブ様で来るかなと思ってたけど、村上が抜擢された。
右SHには高校生の小林が3試合目の出場で初スタメンとなり、最前線は日髙の1トップとなる。
前節に引き続き健勇がベンチ入りもしてなかったんだけど、怪我とかでないことを祈るばかり。。。

そしてベンチには怪我から復帰した2人の姿が。
まずは第6節藤枝MYFC戦を最後に、離脱していたイヨハ。貴重な左利きのCB/SBがベンチにいる事は頼もしい限り。
そして昨年のリーグ最終戦レノファ山口戦で膝(?)を痛めて、今年はここまでリハビリに努めていた豊川が半年ぶりの復帰!攻守共に最前線で何でもできる豊川の復活は、シンプルに嬉しい♪

横浜のハイプレスに対して、3-4-2-1ビルドにするのか、未可変の4-2-3-1ビルドにするかには注目してたんだけど、今日はSBが聖&茂木ということで、後者の4バックビルドを選択してきた。3-4-2-1ビルドだと横浜にミラーで噛み合わされちゃうのを嫌ったのかな?ただ横浜も大宮の4バックに対応する形でプレスを修正していた(後述)。
基本的には大きな可変はせず、4-2-3-1の2CBが開いて、両SBがその1列前にバランスを取って陣取る形。ただ、茂木と比較して聖の上がりはあまり許されていなかった印象を受けた。今日の得点シーンみたいに、もうちょい聖はクロスを上げさせる仕事に専念させてほしいんだけどなぁ。



横浜のやり方


基本陣形

前節ベガルタ仙台戦から、DMFの山田→宇田の1枚交代。山田はベンチにもいなかったため、コンディション不良とかだったのかな?

前線にはとにかく体が強く、ポストも裏抜けも何でもできるルキアン、同じく体が強くてボールキープができ、シュートを積極的に撃ってくるジョアン・パウロ(シュート数1位!)、そしてバランスをうまく取ったり落ちてボールを引き出すのが上手い横山の、強力な3人が並ぶ。

前線の攻撃を支えるDMF高江のパス、左SB新保のクロス、CB細井の強力ロングスローなどにも要注意。

*各選手の特徴や印象はプレビューで書いたので、詳細はそちらで。


ビルドアップ

横浜FCを率いるのは、昨年藤枝を率いていた須藤監督
そのため去年の藤枝と同じく、大きく可変して細かいパスで繋いでいくポゼッションスタイルが基盤のやり方。

今日も前節と同じように右CB岩武をSB化させた、右肩上がりがビルドアップの基本。
この時2CBが開いて、間にGK市川が入って後ろ3枚で回すようになる、昨年藤枝でGK北村がやっていたようなビルドアップ。あまり市川に足下があるイメージがなかった(←ごめんなさい)んだけど、今日は落ち着いてパス回したり、1枚飛ばしたミドルパスで大宮のプレスを回避したり、危なげなくビルド貢献していた。

ただこの4バックビルドのみならず、3-4-2-1のままのビルドも併用し、素晴らしいワンタッチパスでの崩しと併せて、大宮のプレスを煙に巻いていた。

しかし今日はショートパスでの繋ぎのみならず、早めにJパウロ or ルキアンに当てるロングボールも積極的に使っていた。
んで、この二人がボールを収めること収めること。相手CBを背負ってもボールを失わずに、ポストやレイオフで前線で起点を作りまくっていた。
レイオフでは絶妙な距離に別の選手が縦配置されていて、レイオフからのワンツーで大宮のDF陣は切り裂かれまくっていた。本当にFWを使ったレイオフは、チームの武器として緻密に設計されているんだろうなぁ。

またこの二人は足下で受けるだけでなく、クリアや裏抜けなどのアバウトなボールに対しても高い勝率でマイボールにしてくれてたのも、横浜の攻撃においては非常に大きかった。

とにかく今日の横浜は・・・
①GKも参加する後ろからの、ワンタッチを基本とした速いビルドアップ
②縦に速くパスを出して、ルキアンとJパウロにキープさせて一気に前進
・・・という大きな2本立てで攻撃をバランスよく組み立てており、大宮は大いに苦しめられる事に。


守備はハイプレスとミドルブロックの併用
試合前はもっと前からプレスに来るのかと思っていたんだけど、結構ミドルブロックに移行するラインが高く、大宮にある程度運ばれるとハイプレスを緩めてブロックで守るやり方だった。
自分の印象通り、試合後の須藤監督も、ハイプレスに行くところと、ブロックを組むところのメリハリをつけた的なコメントをしていた。

ハイプレス-1

試合序盤はこんな感じで、高江とJパウロの位置が本来と逆になるような形の5-2-1-2でハイプレスをしていた。高江は大宮のボランチの1枚をしっかりマークしていたんで、そのためのポジションチェンジだったのかな?


ハイプレス-2

ただ、大宮が4バックビルドをしていたためか、前半途中(多分)から窪田を落とさない4-4-2で大宮とミラーで噛み合わせてマンマーク気味にプレスに行くようになっていた。
*5-4-1を基本に大宮の4-2-3-1に合わせて、結果4-4-2のような形になる



試合展開 前半


ボールポゼッション1位の横浜VS 2位の大宮
という事で、どちらが主導権を握るかに注目していたこの試合。結果的には互いがボールを持つと、パスで繋いで相手のプレスをかわして前進し合う、野球の先行後攻がしっかり分かれてるみたいなポゼッションビルド合戦に。こう見えたのには、お互いが警戒していて、カウンターが発動しづらかったってのもあったかと。
とにかく、プレス剥がしの前進を互いが繰り出し合うのが見ていて非常に面白かった。

大宮は3分の繋ぎで泉のクロスまで持っていったシーンや、20分のグローバーの茂木への1人飛ばしパスでプレス回避、23分の右サイドのワンタッチの崩しから日髙が突破しての小林のシュート、29分の中山のワンタッチから左サイドを裏抜けたシーン等々、面白い崩しがあった。

一方の横浜も、8分の細かいワンタッチパス回しからクロスまで行ったシーンや、12分の数的有利を右サイドで作ってからのスルーパス、14分のサイドチェンジからのチャンス等々、こちらも素晴らしいビルドアップを何度も見せる。
特に8分のワンタッチでの高速パス回しでのプレス回避は、敵ながら本当に美しかった!

GKが参加する横浜のビルドアップは通常より1人多くなるため、必ずサイドで大宮のマークから外れる選手を作り出せる構造。横浜はこのビルドの長所を活かし、GKを経由させて逆サイドにボールを送り、大宮のプレス回避に何度も成功していた。
そのため大宮も途中から、GK市川が持つと躊躇して、プレスに中々いけなくなっていた。

と、ビルドアップによる攻撃を互いに出し合っていたのだが、先述の通り横浜にはビルドアップだけでないもう一つの武器が。
今日の大宮は前線に高さがなく、ロングボールは尽く横浜CBに跳ね返されて、中々前線で起点が作れなかったのに対し、横浜は縦に速いパスからのJパウロ&ルキアンのキープで前線で起点を作りまくる
試合が進むにつれ段々とこの差が出始めて、横浜のペースになっていった。

11分のJパウロとルキアンのレイオフワンツーでの前進や、18分の大宮のプレスに逃げたロングボールをきちんと収めてチャンスに繋げるルキアン、34分の大宮のビルドミスを基点にルキアンのレイオフからの宇田のミドル等、ブラジリアンコンビを基点にチャンスを多く構築


36分にはルキアンの裏抜けから始まり、連続シュートを浴びるも、村上とグローバーが気迫の守備で、辛くも失点を免れる。
更にATにもグローバーが抜かれたJパウロのシュートを、ゴールラインギリギリで村上がかき出す好守備を見せる。村上は今年、このような素晴らしいブロックを幾度となく見せてくれている。

しかし、そんな大宮守備陣の頑張りを打ち砕いたのがルキアンの一撃。
警戒していた細井の強力ロングスローが右サイドに流れ、Jパウロが受け取る。利き足の左足で上げたJパウロのアーリークロスに対し、中山のマークを引きずりながらも、その強烈なパワーでルキアンがヘッドで合わせて横浜が先制に成功。

強力な2人のブラジリアンを止められないままラストプレーでやられてしまい、前半は1-0のビハインドで終了。


ビルドアップ合戦となった前半戦だが、大宮の支配率は51%ということで、ポゼッション率はほぼ互角に。
大宮も何度かいい崩しを見せていが、全体を見れば横浜の方が効果的なビルドアップを見せていたかな。8分の崩しを筆頭に、ワンタッチパスの連続は本当に美しく、恐らく今シーズンの対戦相手の中で最もレベルの高いビルドアップだったかと。
敵味方関係なく、こういったプロの高いレベルのプレーは見ていて本当に楽しい。

また後ろからのビルドだけでなく、ルキアンとJパウロにも気持ちよくプレーをさせすぎてしまった。特にルキアンの強さはちょっと反則級だった。

ここまであまり書けてなかったけど、ルキアンらを使った中央攻撃のみならず、逆サイドをうまく着いたサイド攻撃なども多彩で、全体を見ても横浜が押しぎみだった前半に。

前半のシュート数は「横浜: 9 VS 大宮: 2」ゴール期待値は「横浜: 0.58 VS 大宮: 0.15」と、やはり攻撃の武器を多く持っていた横浜がデータ上でも上回った形に。

横浜のハイプレス&ミドルブロックの切り替えに手こずり、奪っても前に人数がいなくてカウンターにもほとんど繋げられず、大宮はシュートをほとんど撃てなかった感じ。



試合展開 後半


大宮は小林→カプの交代。

初スタメンの小林は、上手いボディフェイントで相手をかわしたり、相手のイエロー誘ったりと、ボールを持つとドリブラーらしい光るプレーを何度も見せてくれていた。空振ってしまったシュートはオフサイドだったけど、惜しかった…。

前半は日髙&山本でハイプレスに行くことが多かったけど、この交代で右のカプも積極的に行くことが多くなった…気がした。
また、ロングゴールキックも基本的にカプを狙って蹴るようにしていたけど、屈強な横浜のCB相手では、中々にカプも空中戦では勝ちきれず。確かに前線の4人の中では空中戦は強いカプにターゲットをやらせるのはそうなんだろうけど、やっぱり1枚は前線で高さのある選手がほしいところ。
今日の横浜の攻撃を見ちゃうと、どうしてもそう思ってしまう。

49分、聖の美しい軌道の高速FKに西尾がドンピシャヘッドで合わせるが、枠上に外れる。
51分には横浜のアバウトな裏抜けロングボールを、Jパウロが西尾に競り勝ってシュートまで持ってくもグローバーがキャッチ。
52分にはカプのサイドチェンジで聖が突破してクロスまで持ち込むも、シュートまで繋げられず。
55分、横浜自陣からのFKで簡単にルキアンに前線でキープされ、横山の絶妙スルーパスからJパウロが振り向きざまシュートを放つも、グローバーが好セーブ。
等々、両者チャンスを構築し合う後半序盤。



そんな中58分、DFもGKもクリアできないここぞというとこへの聖のピンポイントアーリークロスを、カプが合わせて大宮が同点に追いつく!
やや劣勢の中、反撃の狼煙をあげる事に!



これで同点に追いついた大宮が一気に流れを引き寄せる!!!………ってなるはずだったんだけど、その直後の59分、新保のクロスがニアに走ったJパウロを飛び越え、運悪く聖の足に当たり、オウンゴールですぐさま突き放されてしまう事に・・・。
横浜の守備に苦しむ中、同点に追いついて息上がったのも束の間に突き放されてしまった・・・。


劣勢の大宮は64分に中山・日髙→石川・豊川の交代。
半年ぶりの出場の豊川は、相も変わらない前線からの強烈なプレスを見せてくれていて、元気な姿が見られてまずは一安心。

30℃超えの暑い中で運動量も落ち始め、後ろからの繋ぎでは横浜の5-4-1ブロックを打ち破れずに、チャンスを作れない時間が続く。

78分に茂木・泉→関口・イヨハの交代。イヨハが左SBに入り、聖が1列前の左SHへ。今日も高精度を見せていた聖のクロス砲を、もっともっと撃っていきたいところ。

選手交代でギアを上げて押し込んでいきたいところだったけど、今日は歯車が噛み合わず。
パワープレーや放り込みはせずに、小島を上げ気味に後ろから引き続き繋ごうとするも、横浜のミドルプレス&ブロックに穴を開けられない。逆に、西尾のGKへのバックパスをJパウロに狙われたり、イヨハのとこも前を蓋されてボールを連続でロストしてしまうなど、ビルドアップも前半より不安定になってしまった印象。

ATのCKもそのままゴールラインを割ってチャンスに繋げられず、そのまま2-1で終了。26/27シーズンで昇格を争う横浜に対し、完全な力負けとなってしまった。


シュート数「横浜: 15 VS 大宮: 7」、ゴール期待値「横浜: 1.33 VS 大宮: 0.87」と、観戦した印象通りに横浜に軍配が上がった。シュート7本は恐らく今年最低数だったんじゃあないかな?

前半に引き続き後半も、ボール奪取できても人数が足りていなく、カウンターに繋げられなかった。これは大宮のプレスの問題だったのか、横浜の守備の仕組みだったのか。
ただ、平均ボール奪取位置が30.3 mと低かった事からもわかる通り、そもそも今日は横浜の巧みなビルドアップでプレスをすかされて、前でほとんど奪えなかったってのもある。

ポゼッション合戦となったこの試合だが、大宮のボール支配率は52%と、最終的にはほぼ互角となった。



雑感


完敗、そして力負け


弱点を突かれて負けたわけでも、こちらのミスや運の悪さで負けたわけでもなく、シンプルに横浜に攻守共に上回られた上での敗戦だったかな、と。

GKを加えたビルドアップの精度と前線のブラジリアンコンビの個の力の融合と、中央攻撃とサイド攻撃の好バランスという攻撃面。ハイプレスとミドルブロックの切り替え、大宮のカウンターを許さない守備設計、CBの対人・対空能力等々の守備面。
個々の能力と戦術の両面において横浜は本当にレベルが高く、今年対戦した相手の中では最も強いと感じた。だので今日はシンプルに力負けだったかなぁ。

特に小気味の良いワンタッチのパス回しと、Jパウロ&ルキアンの鬼キープは本当に素晴らしかった。ルキアンとか相手背負って受けたら、全く失う気配がなかったもんなー。
前線であれだけキープしてくれるFWが2人いれば、戦術の幅も大きく広がるってなものかと。今日何度も見せていたサイド攻撃も、何よりこの2人のキープからの展開が多かったしね。
やっぱり大宮も後ろからの繋ぎのみならず、ロングパスの逃げ道となる前線でキープができる選手は一人入れておきたいところ。リーグ戦序盤のような、ビルドアップとロングパスのハイブリで、攻撃の幅をもっと持たせてほしいっすね。

あとあまりここまで書けなかったけど、個人的に好きな選手である高江も中盤でいいパスを供給しまくっていて流石だなぁと思った次第。

ともあれこの百年構想リーグで、須藤監督がしっかり尻上がりにチームを仕上げてきた事がよくわかった、横浜の強さを諸所に感じ取れた試合でした。


大宮としては、今日の敗戦で見せつけられた横浜との差分を飲み込んで、昇格を争う26/27シーズンでしっかりリベンジを図ってもらいたいっすね。


で、裏で行われてたレノファ山口VS高知ユナイテッドの試合は山口が勝利したとの事で、最終戦の相手は高知に決定。ラストはしっかり勝ちきって、有終の美で百年構想リーグを締めくくってほしいですね★。



おまけ


久しぶりの近郊関東AWAYってなことで自転車で到着。
近いので行くのも楽ってなもんです。


三ツ沢は一昨年のYSCC以来。
何度も来たことあるけど、専用球場で見やすい設計。


試合は力負け・・・。
とにかくお疲れ様でした。


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