観戦記 第28節 北海道コンサドーレ札幌 VS RB大宮アルディージャ
概要
2025/8/30
札幌VS大宮 1-0
得点:札幌: 45+2' 高嶺
@大和ハウス プレミストドーム
*現地観戦*
大宮フォーメーション

いつもと変わらず4-4-2配置で、黄色明けの小島がシルバとボランチを組む。この二人のスタメンで入るのも大分お久しぶり。
そしてベンチに、こちらも久しぶりに関口が帰ってきた!
カプ、健勇、ラッソ、藤井ら攻撃陣も、ベンチからチャンスを伺う。
札幌印象 守備

スタメンは前節ヴァンフォーレ甲府戦と同じ3-4-2-1。甲府に勝ったメンバーは変えてこなかった。
3バックの真ん中にニキが入り、高嶺が中盤の底で攻撃のタクトを振るう。
スタメンもあるかなと思ってたサイドアタッカーの近藤はベンチからで、スーパーサブの役割を担う。
また、前節欠場の青木とバカヨコがベンチに帰ってきた。
札幌の基本守備はオーソドックスにプレスとブロックの混合。
後ろから繋いでくる大宮の2CBと1SBに対して、3トップがプレスをかける。前節もそうだったけど、左STの長谷川のプレス圧が強く、茂木に入った時には猛然と潰しに行っていた。
札幌としても、マリオとスパチョークで、大宮の右に誘導するようプレスをかけて、長谷川でとどめを刺しにいく感じだったっぽい。長谷川で取れなくても、苦し紛れのロングボールを茂木に蹴らせればOK的な。
ブロック守備は5-4-1。
後半はミドルブロック優先に舵を切ってきた (後述)んだけど、このブロックが強固で、大宮は最後まで破砕するまでいけなかった。
札幌印象 攻撃
前節甲府相手にサイド攻撃を再現性高く幾度も披露してみせた札幌。
大宮相手にどうしてくるかなーと思っていたけど、この試合でも徹底してサイド、特に左サイド(大宮の右)を突いてきた。
攻め方としては大きく分けて2種類。どちらも可変しての、2バックぎみの4バック。
① ボランチ2枚で左サイド攻略Ver

一つは甲府戦でやっていたような、左CBの西野をボランチの位置まで上げてSB化させて、左肩上がりの4-2-4 (2-4-4)を作る感じ。
回数は多くなかったが、右で攻める時も高尾を上げる同じやり方な感じ。
中央から始める際は、基本陣形3-4-2-1で後ろ3枚+ボランチ2枚で回して、左に寄ると上図の形に移行、左に人数を増やす感じ。
②ボランチ1枚で、4-1-5可変Ver

そしてもう一つは、ボランチの高嶺を西野とニキの間に落として、左右のCBをSB化させる方法。
更にボランチの荒野がアンカー化して、両WBが高い位置で張る感じ。陣形的には4-1-2-3 (2はWB)だが、実際はWBも高く上がり、最前線の5レーンを全部埋める4-1-5になる。
うん、この②って、まさにミシャ式組み立て方やね。
現地でやってきたの見て、「おー、これが噂の!」って身を乗り出した。
いや、でも、浦和や札幌とずっとカテゴリーが違かったんで、実際のミシャサッカーは見たことないんで、ディティールについてはわからないんだけどね。
※岩政時代にやってたかどうかも知らない
ただ、高嶺落としの4-1-5は教科書通りのミシャ式だ!進研ゼミでやったところだ!って感じ。
札幌社長が、柴田監督に交代時に、何度もミシャサッカーに言及していたから、柴田さんも頭には入れてるんだろうなーとは思ってたんだけどね。
もう少し補足すると、①②ともに、サイドを押し上げて、高い位置でWBとSTがレーンと高さが被らないように中と外、そして前と後ろで頻繁にポジションチェンジを行っていて、サイドで大宮のマークの迷いを生み出していた。
更にとにかく左サイドの高い位置でWBとSTとで大宮に2対2の数的同数、そして時にSB化したCBも加えて 3対2の数的優位を作りまくるやり方を何度も再現させていた。
試合展開 前半
いい形で試合に入ったのは大宮。
3分の泉クロスからの豊川、直後の津久井、4分のサンデーと、惜しいシーンを立て続けに構築。
大宮の幅を使った攻撃に、札幌の守備が追いつけていない隙きを突く。
守備も前からのプレスと中盤での潰しが効いており、札幌は中々前に運べない。マリオへの縦パスも狙われていて、大宮にインターセプトされてしまい、前線にボールが入らない。
札幌の両端のCBが上がり目で、更に裏抜け勝負に勝てると読んでいたのか、サンデーへの裏抜けロングボールも今日は多めであった。
サンデーが競った後のセカンドボール回収もできていて (ナイスサンデー♪)、前半序盤は押せ押せの展開の大宮。サイドからの崩しを中心にチャンスメイクしまくり、中央で何本もシュートが撃てていた!
……が、シュートが枠に飛ばないッ!!
開始直後の立て続けのシュートも、シルバのミドルも、豊川のフリーのシュート(芝が悪くイレギュラーしてたっぽい)も枠の上をシュートが過ぎていってしまって、GKを脅かすシュートにならない。
枠内に行ったのは、綺麗なルーレットからのサンデーのシュートがGKの正面だったのぐらいの印象、、、。
試合後テツさんも、枠に飛ばなければ決定機じゃあないと嘆いていたくらい。
ともあれ大宮は立ち上がりのいい時間帯のチャンスを、みすみす手放してしまった形に。
すると押されまくっていた札幌も徐々にペースを握っていく。
序盤は②の高嶺落としの4-1-5でビルドアップを試みていたが、大宮の事前に準備していたであろう、4バック可変の札幌に対するプレス(4-4-1-1)との噛み合わせもあり、中々前に運べなかった札幌。
大宮のプレスのやり方を見て、札幌はビルドアップ方法を修正する。
前半20分ぐらいから、上記①②を併用する (①多用)ようにし、大宮のプレスを混乱させくるようになった。
4-1-5可変で落ちていった高嶺のマークを、どうやってボランチからFWへ受け渡すのか?
2ボランチになった時は誰がボランチ(特に高嶺)に行くのか?
開いたCBを誰が見るのか?
押し上げられたWBとSTは誰が見るのか?
プレスのスイッチを誰がどこで押すのか?
大宮としては、2つの可変を代わる代わる繰り出してくる札幌相手に、相当マークの決め事に混乱をきたしたんじゃあないかなと思う。
とにかくプレスがはまらなくなってしまった。
*追記:DAZNで見返したらそこまで代わる代わるじゃなかった…。基本①の2ボランチで回すやり方にシフトした感じだった。スミマセン
そして大宮が対応しきれずに、マークのズレを利用してビルドアップした札幌の次の狙いどころは、徹底して左サイド(大宮の右)。
やり方の一つはロングボール。高嶺を中心に、底からロングボールを使って左サイド裏にボールを配給して起点を作る。
もう一つはビルドアップで押し込む方法。
①②両方法で左CBの西野を一列上げることで、その前のパクを押し上げさせ、サイドの高い位置でパク&長谷川with西野で、SB茂木とSH津久井の2枚の大宮に対し、数的同数、ないしは数的優位を作りまくる。
そのためどんどん右SBの茂木が押し下げられていく。
そうなると今度は、その前のスペースをCBや流れてきたアンカーに使われたり、SH津久井との距離が広がったりと悪循環に陥り、まさに前節に甲府がやられていたのと同じやられ方をしてしまう。
茂木はもう少しロングボールが入った時の、相手との距離を近づけた方が良かったのではとは思うけど、サイドの守備において、パクと長谷川の2人を相手しなくてはいけないケースが多く、ちょっと孤立し過ぎてしまっていた。
プレビューで札幌のサイド攻撃に対し、SBが孤立して対応するのは避けたい!って言っていた危惧がまんまと当たってしまった形に、、、。
※右サイドをやられまくったのは、茂木個人の問題というかは、チームとしての守り方の問題
そんなこんなで前半戦の中盤以降は、サイド攻撃で札幌が押し続ける展開に。
立て続けにサイド攻撃から中央にボールを送り込まれたり、カットインされたりで、危ないシーンの連続に。
そして41分に、このパターンで左(大宮の右)からカットインされたとこを、足を引っ掛けてしまいペナ際からのFK。右足のスパチョークのシュートと、リバウンドからのシュートは辛くもゴールを外れる(ナイスポスト!)。
しかしその直後、高嶺の突破を止められず、似たような位置でファールをしてしまい、再度FKを与えてしまう。これを高嶺が自ら蹴ったところ、速度のあるストレートな軌道ででゴールネットを揺らした。
札幌が先制し、1-0で前半は終了。
序盤はペースを握って札幌ゴールを脅かし続けた大宮だったが、シュートがことごとく枠内に飛ばずに、チャンスクリエイトを自らふいにしてしまった形に。
札幌はうまい具合にビルドアップを修正して、前半の中盤以降ペースを握って、左から押し込みまくった。
大宮としてはもう少し踏ん張れたらハーフタイムで修正がかけられたんだろうけど、耐えきれずに失点をしてしまったのが悔やまれる。
試合展開 後半
前半の中盤以降やられまくっていた右サイドの修正は必須。
茂木がやられちゃってた形だったけど、前述の通りチームの守り方の問題だったため、茂木の交代ではなく、茂木をフォローするために、SH津久井を藤井に交代。
これは自分もハーフタイム中に考えていたことだったんで、予想通りの修正であった。まぁ、そうだよねー。
だけどこの交代はあまり意味をなさなかった。
…といっても、別に藤井が悪かったわけでもなく、右サイドの圧に後半もやられ続けたわけでもない。
じゃあ何でって感じだけど、それは札幌が一点取ってまたやり方を変えてきたから。
前半やっていた②の高嶺落とし4-1-5を、札幌は後半全くと言っていいほどやってこず、ボールを握ることもこだわらなくなった。
その代わり、後半の札幌は5-4-1ミドルブロックを組んでのカウンター狙いにシフト。
そのため大宮は、相手がやってこないことに対して対策をするという格好になってしまう。
大宮の意図は、柴田監督にうまくすかされてしまった!
おまけにブロックを組まれてサイドにスペースがない中、津久井ほどの突破力がない藤井に代わったことで、サイド攻撃力も下がってしまうという副作用も。
最終的に泉と津久井が下がった後は、札幌の5-4-1ブロックを脅かすサイド攻撃は、ほとんど見ることができなかった。
とにかく後半から柴田監督の打った一手は、大宮の守備対策の無効化と、サイド攻撃の弱体化という、見事二枚抜きに成功した!
ということで、後半は札幌が大宮にボールを持たせる展開に。
しかし大宮がボールを握るも、札幌の5-4-1ブロックにことごとく弾かれてしまう。特に札幌陣地に入ったとこぐらいで、ことごとく網に引っかかってしまい、いい形のシュートにまでいけない。
特に後半は中盤での高嶺による潰しが効いていて、シルバやカプリーニがボールを受けた瞬間にうまい具合に視界の外から接近して、ボールを刈っていた。
FKにロングフィードにドリブル突破に刈り取りに加え、何より可変戦術のキーマンとして、高嶺は間違いなく今日のMVPであった。
一方の札幌は、攻めあぐねる大宮を他所目に、カウンターから一気に大宮陣地に攻め込んで決定機を何度も作り出す。ただ大宮の守備も笠原の好セーブもあり、追加点は許さない。笠原とヘンリー&吏音は中央で本当頑張ってた。
交代で流れを掴みたい大宮は、ラッソ、カプ、健勇と、前線を次々変えていく。
ビハインドの展開であったが、甲府戦やロアッソ熊本戦でやってた4-1-2-3可変はやらず、今日は4-4-2 (健勇、ラッソの2トップ)で押し込もうとする。
しかし今日は交代選手を入れても、引いて守る札幌の5-4-1ブロックを切り裂けず、シュートまで行けない。
残り時間僅かになっても、そこまで健勇とラッソを狙ったパワープレーもせず、後ろから繋いでは中盤でひっかかるの繰り返しになってしまい、結果、無得点のままタイムアップ。
札幌のゲームコントロールの前に、1-0の敗戦、、、。ぐぬぬ。
シュート数(札幌15 VS 大宮18)と、ゴール期待値(1.17 VS 1.19)は同等なものの、枠内シュートは札幌が上回り、GKを脅かした決定機も札幌の方が多かった試合であった。
雑感
札幌の、というか柴田監督のゲームコントロールにやられてしまった試合。
序盤の大宮のプレスに苦労していたのを見て、即座にビルドアップを修正して大宮のプレスを混乱させ、徹底した左サイドの押し込みから先取点をゲット。
大宮が右を修正しても時すでに遅し、5-4-1ブロックとカウンターに舵を切り、大宮の修正を無効化するのにくわえ、津久井を下がらせる事で大宮のサイド攻撃力も弱体化させた。
その5-4-1ブロックも硬かった。
カウンターから追加点を取れてれば100点満点であったが、それでも今日は柴田監督が試合全体をコーディネートして、ピッチでは高嶺が監督の指令を遂行しきってみせた印象の試合。
大宮としては4-5-1、4-2-4可変に対しては、どれだけ事前準備していたのかなぁ?前半のやられっぷりを見る感じ、ちょっと想定外でバタバタし過ぎたような感が、、、。
何にせよミシャの残した遺産(?)をうまく活用して、ゲームコントロールしきってみせて、札幌社長もご満悦だったんじゃあないかな。
一方で見方を変えれば、大宮としてはFK一発でやられた試合でもあった。
試合後コメントでは選手達が、ヴァンフォーレ甲府戦(マンシャのセットプレー一発にでやられた)と似た試合展開だったって言ってたけど、個人的には先制されてブロック組まれて、適宜カウンターで脅かされたジェフ千葉戦の方が似た展開だった印象。
甲府戦はブロック組まれて引きこもられたけど、今日と違って決定機は作りまくってたし、、、。
点に繋がったFKも、札幌の左サイドからやられまくって押し込まれ続けた結果取られた物だったから、やられるべくしてやられちゃった感じの失点ではあるかなー。それでも流れの中から追加点を取られなかったのは評価すべき点なんだけどね。
札幌の可変に対しても、修正が遅れてしまった。プレビューでも書いたけど、4-1-5の札幌のサイド攻撃と前線5枚に対しては、5-4-1ブロックの方が対応できてたと思うんだよね。
下口が左SBに入ってるので、スムーズに3バック可変はできると思うんで、もう少し臨機応変にはできなかったものなのかな?
ただそうしたらそうしたで、また札幌が後出しジャンケンで別のやり方してきたかもなんで、この辺りは結果論でもある。
後出しでいい手を出してくるであろう采配の引き出しを、今日の柴田監督は見せていたしね。
試合展開的には、序盤の押せ押せの時間にゴールが取れなかったのがやはり悔やまれる。これも結果論ではあるが、一本でも決まっていればなー。
千葉戦にしろ甲府戦にしろ、今日にしろ、引きこもられてブロック組まれると、中々にこじ開けるのはやっぱり難しいよね。これは別に大宮だけに限らずなんだけど。
だのでやはり序盤に先取点が取れてれば、、、。
ともあれ、ここで一週空いて、次戦からは上位勢との対戦が続く事に。
ラスト10試合、6ポイントマッチばかりだが、自力で上に行く位置にいる利点を活かし、食らいついていってほしいですね!!
おまけ

今回は無難に飛行機とバスで札幌入り。
巨大建造物はワクワクしますのぉ。

中はとても広ーい。
傾斜もあって視認性も良く、また屋内で涼しく、非常に観戦しやすい環境。

入場者は1.2万人と、NACK5では大入りレベルだけど、箱がでかいため、空席の方が目立ってしまってたのは残念。
*写真は試合前のなんで、試合中はもっと入ってた

大宮サポも多かった。1000人超え?
おまけ2

翌日は別の試合を見に、噂の新スタ・エスコンフィールドへ。


ピッチから客席の高さの差がそこまでなく、非常に見やすい!
巨大なスクリーンや、大きな窓も美しい素晴らしいスタジアム!
試合カードは札幌VS仙台。互いにプレーオフ入り以上を狙うチーム同士の対決。
お互いインフィールドに4人、アウトフィールドに3人を扇状に並べる、1-1-4-3布陣。最近はどこのチームもやってる、流行りの守り方。
守備はもっぱらゾーンディフェンスで、自分の守備ゾーンにボールが入ってきたら、各々対処する感じ。ただPT (1-1-4-3の2番目の1のとこ。Pitcherの略)は、相手攻撃陣に対し、マンマークで一対一を仕掛け、真っ向勝負に行っていた!
試合は互いに得点を挙げられず、スコアレスで延長戦へ。同点終了かと思われた中、仙台の中島が貴重な一発を決めて、0-1で終了。
仙台がアウェイで貴重な勝ちを手にした!
