観戦記 第20節 RB大宮アルディージャ VS サガン鳥栖
概要
2025/6/21
大宮VS鳥栖0-0
@NACK5スタジアム
*現地観戦*
大宮フォーメーション

前節のV・ファーレン長崎戦と同じメンバー。
前節負傷交代だったガブリエウと石川も元気な姿を見せ、まずは大きな負傷でなかった事がわかって一安心。
鳥栖印象

前節の水戸ホーリーホック戦から3人交代で、ボランチと中央CBが変更 (西要素が減った☆)。特に中央CBを変えた理由は何だったんだろ?サンデーの裏抜け対応のためだったのかな?
ワントップに、代表活動絡みでスタメンから外れてたスリヴカが予想通り立ち、前回対戦時にはスタメンでなかった長澤が右WBに入る。そして、個人的前半戦ベストGKに選んだ泉森がゴールを守る。
基本陣形は3-4-2-1。3-4-2-1同士という事で、ある程度目の前のマンマーク相手がはっきりする試合に。
後ろから繋ごうとする大宮のゴールキックに対し、トップとシャドーの片方の2人で大宮の2CBにある程度プレスをかけてきた (もう一人のシャドーは上がり目の下口を見ていた)が、それ以降の選手はそこまで連動しておらず、ジェフ千葉戦や愛媛FC戦(の後半)ほどのハイプレスではなかった印象。
プレビューで書いた、鳥栖の3CBが大宮の前線3枚をどれだけ迎撃に来るかについてだけど、サンデーはともかく、健勇とカプリーニにボールが入ってもそこまで上がって迎撃には来てないなかったかな。
攻撃は基本後ろからパスで繋いでいく感じだけど、攻め方を前半と後半でちょっと変えてきた感じ(後述)。
前半 試合展開
前半ペースを握ったのは大宮。
小島と健勇を中心とした組み立てで、左サイドで起点を作り前進していく。前半ということでそこまで下口が上がる回数が多かったってわけじゃあないけど、左サイドでいいビルドアップをしていた。小島と石川が縦関係になることも多かった印象。
フィニッシュでは、石川のいい縦パスからのカプリーニや、小島のドリブル&パスからのカプリーニなど、惜しいシュートが何個もあったが、そこに立ちはだかったのが泉森。特に30分のカプリーニのシュートストップの反応速度は凄まじい物があり、今季の対戦チームの中でもベスト級のセーブだったかな、と。
サンデーの裏抜けも序盤は結構狙ってるなーといった印象を受けたが、鳥栖が警戒していたからか(そのためのCB森下?)、ラインがそこまで高くなかったからか、長崎戦のようにDFのラインを割って、起点を作り切ることができなかった。
鳥栖のビルドアップは基本的に後ろから繋いでいく感じ。3CBの最終ラインから2ボランチの距離が非常に近かったのが印象的。
それに対して大宮は5-2-3でハイプレスでハメに行く。特に相手ボランチに対し積極的に小島と石川が迎撃に行っており、ここを潰された鳥栖は前に運ぶのに中々苦労していた。
鳥栖の両WBが高い位置を取るので、大宮のWBもそれに合わせて下がってマークする感じ。
鳥栖はビルドアップに困った時はスリヴカではなく、高い位置を取った右WBの長澤目掛けてロングボールで逃げていたが、マークする泉が体格差がある中、体を当てて長澤にキープさせていなかった。こういった目立たない泉の守備もいいんだよねー。時に下口と泉は縦位置を交換してマークの引き渡しをし、結構相手右サイドを封鎖していた。
関口も相手WBに対して、10分の対応は素晴らしかったが、22分は新井の加速にやられてマークを外し、ピンチを招いてしまっていた。ただ前半全体的には、きっちり右サイドに蓋をしていた。
鳥栖の3トップの頂点に立つのはスリヴカ。元々ボランチで、周りを使うのがうまい選手。何回か鳥栖の試合見てるけど、ゼロトップ的に落ちて、シャドーをFW化させる動きが得意。今日は落ちてきてビルドアップに参加というか、少ないタッチでパスを散らして、シャドーやWBがボールを持った状態で前を向かすのに貢献。チャンスクリエイトのうまさはさすがだった。
今日は基本吏音がスリヴカを見ていたが、場面場面で下口などとマーク交換したりと、スリヴカの自由な動き回りに釣り出されすぎずに、ある程度は対応できていたと思う。
この試合、スリヴカより落ちてボールを受けていたのが左シャドーの西澤。
そしてこの西澤に対してはガブリエウが徹底マーク。落ちてボールを受けようとするところに、前進して迎撃しまくっていた。恐らく鳥栖の攻撃の止めどころとして、ガブ様にそこを潰す任務を与えられていたのかと。
なお、この西澤が落ちてガブ様がついていって空いたスペースに、スリヴカが入り込んでいく形を鳥栖は非常に狙っていたが、ちゃんとそこに吏音がくっついていっていて、この辺りの鳥栖の前線の組み立てに対する対策(リスク回避)も結構考えられていた印象。
ただ、この西澤とスリヴカの動きに前半終盤は苦戦(飲水タイムで小菊監督が修正してきたのかも?)。
ガブ様が敵陣半分くらいまで西澤を迎撃に行った41分のシーンは、オフサイドになったけど、鳥栖のこの一連の動きでサイドを崩されかけて危なかった。
あと45分もガブ様が上がったスペースをスリヴカに使われて、ワンタッチでサイドにはたかれて、クロスまで持っていかれた。
鳥栖的には、やはりこの西澤で作ったスペースをスリヴカが利用するってのが、相当狙い所だったのかなぁと思う。もう一つ狙っていたであろう右の長澤からの攻撃は、高い位置で中々起点は作れていなかったし。
とのことで前半終了。なんか鳥栖の攻撃ばかり書いちゃったけど、全体を見れば大宮が決定的なシーンも多く、ビルドアップ、CBとDMFからの速い縦パス等、やりたかった事はある程度できてたかなといった前半であった。
試合展開 後半
鳥栖は3-4-2-1のまま選手交代。
左の西澤に比べ、イマイチ目立てていなかった(ように見えた)シャドーの西川に変えて、前節、スタメンで惜しいシュートも放っていた山田が投入され、トップの位置に入る。スリヴカは一列下がって右シャドーの位置へ。
そして、後半立ち上がりはこの交代策と攻撃の修正が功を奏する。
鳥栖は明らかに右からの組み立てに照準を合わせてきた。
前半は控えていた右CB井上の上がりも容認し、右WB長澤もパス回しに参加し、高い位置で起点になりだす。右サイドに人数をかけて数的優位を作り、大宮の左サイドを脅かす。
そしてその右サイドの攻撃の中心にいたのがスリヴカだったかな、と。前半も周りをうまく使っていたスリヴカだったが、一列下がる事でボールをより受けやすくなり、ワンタッチではたいたり、スルーパスで裏突いたり、鳥栖の攻撃を活性化させていた。大宮が迎撃にこれないくらいの位置で、フリーで受けるのも非常にうまかった。
45分、47分と、後半立ち上がりに連続でスリヴカに仕事をさせてしまう。
47分のシーンのフリーで前向いたとこなんか、本当うまかったなー。下口がもっと体を寄せに行きたかったんだろうけど、全体的に最終ラインが揃ってなく、迎撃に行くのを躊躇したところをうまくやられてしまった…。
*その後は下口は結構迎撃に行けてた
また大宮のハイプレスに対しても、無理に後ろから繋ごうとせず、前半よりも早めにロングボールで逃げ道を確保していた印象。183 cmの山田が入り、また右サイドに長身選手が増えた(スリヴカ&長澤)ことで、ロングボールを増やしてた。そして鳥栖のこの狙い通り、大宮のハイプレスがはまらなくなり、ロングボールで結構前線で収められてしまう。
いわゆる相手を最終ライン際まで引き込んでからの、ロングボールでひっくり返し作戦。
とにかく後半立ち上がりは圧倒的な鳥栖ペースで試合が進んだ。
ただ結果的にはこの時間帯に失点しなかった事は良かったかな、と。
そんなこんなで鳥栖ペースの展開をひっくり返さんと、大宮は一気に前線3枚交代。前線を丸々一気に総取っ替えは初めてかな?(去年もなかった気がする)
1トップにラッソ、2シャドーに豊川と津久井の前線に。後半立ち上がりは、チーム的にうまく行ってなかったので、長崎戦みたいに4バックで津久井SHにするのかなぁと思ったけど、3-4-2-1は継続。津久井はやっぱり、WBというか2列目で考えてるみたいね。
長崎戦では防戦一方で中々ボールを持てなかった津久井だが、この試合では前線でボールを受けてそのフィジカルを活かし、ゴリゴリドリブルを見せていた。イイネ!
前線の運動量が上がったためか、この交代で鳥栖の勢いをある程度押し返すことに成功。
そして80分。大宮のスローイングで相手の足が一瞬止まっていたところ、一人足を止めていなかった津久井がサイドを駆け上がりボールを受ける。コーナー付近で相手2人に囲まれながらも、針の穴を通す感じでラッソに折り返す。ペナ侵入したラッソに対し、相手の足が引っかかりPK獲得。これで先制点がぐっと近づく。
しかし豊川が蹴ったPKは、泉森が完全にコースを読んでいてストップ!
う~ん、コースもそこまで甘くなく、シュートスピードもあったんだけどなぁ、ぐぬぬ…。
そして直後のCKで事件発生。ガブリエウがマーク相手を引き倒してしまい、2枚目のイエローで退場処分に。PK失敗から、一気に流れが変わってしまう事に。
一人少ない大宮は村上を入れて、ラッソワントップの4-4-1に変更。
当然鳥栖は積極的に勝ち越しを狙ってくる。
ラッソ一人で相手最終ラインの制限などできない大宮に対し、右CBを積極的に上がらせて、2バック陣形で大宮陣地に襲いかかる。
ただゴール前までは簡単に前進されるが、中央は硬く守る大宮。鳥栖もこじ開けようとクロス等を送るが、大宮DFが頑張りを見せる。
押し込まれる大宮も、少ないカウンターチャンスで鳥栖陣地まで攻め込むがゴールを割れず、最終的には0-0でスコアレスドローで終了。
雑感
前半立ち上がりは大宮のペースで、決定機も数ある中、飲水タイムとハーフタイムで守備と攻撃を修正してきた鳥栖。
鳥栖がペースを握るも、一気に前線3枚交代で再び流れを呼び込んだ大宮。だが、PK失敗の悪い流れの中でDFの要が退場処分になってしまい、その後はまた鳥栖のペースへ。
監督采配で試合の流れが二転三転し、点は入らなかったが、見ている側からしたらとても面白い試合であった。PK失敗はまぁしゃあない。
ゴール期待値も大宮のほうが1.5倍ほど高かったけど、PKを抜けばほぼほぼ同等だったのかな。枠内シュート数は大宮の方が多かったけど、とにかく泉森の好守に前回対戦に引き続きやられてしまった形に・・・。
泉森、本当嫌い(褒め言葉)。
また長崎戦ではあまり見られなかった津久井のドリブル (というか突進)も見られて、そこは個人的に満足。津久井は前半戦ドリブル数リーグ3位だったけど、細かいタッチでのドリブルというか、フィジカルを活かした直進的な突破が得意そうっすね。チーム全体としてドリブルが少ない大宮にとっても、いいピースになってほしい。
使い方はシャドーって事で確定かな?
あと、この記事読み直したら、スリヴカの事ばっか書いてる事に気づいた。なんか好きなのかも。
ともかくこれで4戦連続の引き分け。勿論失った勝点も大きいが、順位上位陣を相手に負けが込んでるわけでなく、最低限の勝点を拾えてるのはそこまで悲観することじゃあないかな、と。
まだ半分終わって、首位の水戸(!)と勝ち点差4、2位のジェフ千葉と勝ち点差1だしね。
まだまだこれから!これから!
