観戦記 第22節 RB大宮アルディージャ VS いわきFC
概要
2025/7/5
大宮VSいわき 1-2
得点:大宮: 18'津久井、いわき: 49’堂鼻 83'石渡
@NACK5スタジアム
*現地観戦*
大宮フォーメーション

前節の大分トリニータ戦に引き続きイヨハが左CBに入り、下口が右WBに移った。
中盤の強度確保のため、左WBを務めるかと思っていた津久井は、一列上げたシャドーで先発。左サイドのイヨハ-泉-津久井のラインは勿論初めての並び。狙い目だと思ういわきのサイドを、強力なドリブラーで切り裂けるか?
津久井とシャドーを組むのはカプリーニで、健勇はトップに入った。
ボランチには小島と石川。中盤の肉弾戦が予想される中、強度で負けないためにも石川の役割は非常に大きい。
いわき印象

いわきは前節のサガン鳥栖戦と同じ3-1-4-2が基本布陣で、怪我で離脱した遠藤に代わり堂鼻が右CBで先発。前節左WBをやっていた山下がシャドーに入り、左WBには鵜木が入ってきた。
ただいわきは可変しまくっていて、この3-1-4-2を使ってる時間は少なく、基本陣形と言うのが適切かどうか。
3-1-4-2は、攻撃時に、後方からビルドアップしている時だけ使っていたような陣形だった。しかもそのビルドアップもあまりしてこなかったので(後述)、3-1-4-2の時間は一番少なかったんじゃあないかな?
だので、噛み合わせ的にフリーになるアンカーを、大宮がどう潰しに行くかが重要ってプレビューでは書いたけど、試合のキーポイントにはならなかった感じでした。お粗末。

大宮陣地に押し込んでいった時は、石渡がシャドーに上がって、熊田がトップの3-4-3ぎみの3-4-2-1に変形して前線の圧を強める。とにかく熊田は体が強かった!

一方の守備は、やはり得意のマンツーマンで大宮を潰しにきた。
プレビューでも書いた通り、いわきのハイプレスのやり方をまず確かめたかったんだけど、鳥栖戦と同じやり方であった。
石渡が一列上がって3トップで大宮の3CBに同数で当たっていく、5-2-3 (3-4-3)ハイプレスを行っていた。
この5-2-3可変ハイプレスで、全ての局面で大宮の3-4-2-1とかみ合わせを作ることになり、得意のマンツーマン守備で1対1のデュエル勝負に持ち込んできた。
なお今日の試合、チーム戦術的に左CBのイヨハが常時SB化しているというわけではなかったので、いわきとしては前回対戦時のような4-4-2ハイプレスで行く必要性はなかった感じに。

そして大宮に自陣まで運ばれると今度は5-3-2のブロック守備に変形。
中盤の3枚をボールサイドに寄せて圧縮し、自慢の中盤のデュエルでボール奪取とセカンドボール回収を狙う。そしていざボールを奪った暁には、お手本通りのカウンターでサイドにはたいて、クロスでシュートまで持っていく感じ!
いわきの基本的な狙いは、前回対戦時から大きく変わっていなかった。
ということでいわきの可変まとめ
・(攻撃)後ろからのビルドアップ時: 3-1-4-2のアンカーで大宮のハイプレスを無効化!石渡が上がることで、3-4-2-1も併用!
・(攻撃)大宮陣地に押し込んだ時: 3-4-3でゴール前に人数かける!基本はサイドからのクロス!
・(守備)ハイプレス時: 5-2-3でミラーゲームを作って、マンマークでデュエル!ボール奪回!
・(守備)ローブロック時: 5-3-2の強固なブロック!中盤でサイド圧縮して、肉弾戦でボールを奪ってカウンターを狙うよ!セカンドボール争いも負けない!
とのことで、各場面場面でコロコロ変形するいわきの陣形だったけど、相当仕込まれてるのかその変移は非常にスムーズで、特に可変のキーマンである石渡の働きとポジショニングの貢献が非常に大きかった。
得点取ったからという点を抜いても、今日のMVP。いい選手ダナー。
試合展開 前半
前回対戦でいわきのマンツーマン守備に何もできなかった大宮。その試合の反省を活かして、テツさんがどんな戦いで来るのか注目しながらのキックオフ。
一番目についたのは、手数をかけて後ろから繋いでいかなかったとこ。
後ろからゆっくり繋いで中盤でいわきに潰されるのを避けるように、ゴールキックもロングキックを選択。いわきのハイプレスに真っ向勝負するのでなく、手数を減らして前線に早く預けるサッカー。
前掛かりになるいわきの中盤の圧縮を飛び越える、ロングカウンターが何より今日の狙いだったかな、と。
そしてそのやり方の中心にいたのがトップに入った健勇で、大宮はロングボールなどで、後方から早めに健勇にボールを入れていた。
今日の健勇は、強靭ないわきDFを背中に背負ってボールをキープするプレーというよりか、ワンタッチなどでボールをはたいて、WBやシャドーに前を向かせてボールを持たせるような、チャンスメイクをしまくっていた。
前節の大分トリニータ戦では、トップに健勇を入れた理由がよくわからなかったんだけど、今日の試合を見て、そうそう、こういう活かし方もあるんだよ!ってずっと思っていた。
いや、後出しじゃんけんな感じで嘘っぽく聞こえるかもだけど、ずっと健勇をゼロトップ的に使うオプションを用意しててほしかったんだよね。去年一年シャドーで周りを活かしてチャンスメイクするプレーをしまくっていたし、大宮には活かされる強力なシャドーとWBがいるんだしね。
勿論、前線でロングボール競って落としたり、体張ったポストプレー的な事もできるわけだし。
ともあれ今日の健勇は、トップの位置で、でんと居座ってフィニッシャーになるというより、左サイドを中心にあちこち顔を出してチャンスメイクをする役割だったのかと思われ。
左サイドで受けた縦パスをシンプルに左サイドにスルーで出したりして、何回もチャンスを作り出していた。泉や津久井、カプリーニら、健勇を追い越す動きも悪くなかった。
マンマークで守るいわきの場合、そのマンマーク相手をどこかで一枚抜ければチャンスに繋げられるので、前半の健勇の攻撃への貢献は本当によかった。
そして18分、笠原からのロングフィードを右サイドでその健勇がキープし、ボールを受け取ったカプリーニがペナ内に侵入。カプリーニが落ち着いて中へ折り返し、最後は津久井が落ち着いてゴール左へ流し込んだ。
笠原のキック力と健勇のキープが秀でたゴールだったけど、ラストパスの時カプリーニは中見えていたのかな?見えていたとしたら、目立たないけど中々のビッグプレーだったと思う。
ともかく苦手ないわき相手に、幸先よく先制ができた。
一方のいわきの攻撃。
いわきも後ろからビルドアップする感じではなく、ロングボール主体。GKも大宮と同じくロングボールを選択し、体が強い熊田などを使って大宮を押し込む。
強力なロングスローを放てる五十嵐がいるいわきは、その五十嵐がいる右から押し込み、意図的に高い位置でスローイングを得ようとしていた。そしてCK並の五十嵐のロングスローから、ゴールを脅かされ続ける大宮。
CKやフリーキックも多く与えてしまい、いわきの強力なセットプレーでヒヤヒヤする場面が多くなる。
勿論いわきのショートカウンターも健在。
サイド圧縮した中盤のマンマーク守備で大宮のボールホルダーへプレスに行き、奪取を狙う。ボールを奪ってからは縦に早くカウンターを発動させ、大宮のゴール前まで迫る。
35分のシーンなどは、いわきが狙っていたいい形でのショートカウンターであり、大宮としてはこれ以上こういった形を作らせたくないなと思った (フラグ)。
24分、ペナ内で吏音を振り切った谷村をイヨハが後ろから倒してしまって与えたPKのピンチは、笠原が横っ飛び一閃で失点阻止。厳しいコースだったっが、右手一本で弾き返した。
大宮のアクシデントは41分、ここまで中盤のデュエルに貢献していた石川が芝に足を取られた形で負傷交代 (ひねった系っぽいので、長引きそう…?)。代わりに和田さんを緊急投入。
この試合、後半押し込まれることになったんだけど(ネタバレ)、この石川がいなくなってしまった事も大きな要因だったかと。中盤のデュエル要因としての石川と比較し、和田さんはあまりそういったタイプではなく、また身長的にいわきとロングボールと競り合う事も難しく、今日のいわき相手にミスマッチになってしまっていた。
いや、和田さんが悪いというわけじゃあなく、いわきとの相性が悪かったってことなんだけどね。
ともあれ石川の退場は痛かった・・・。
とのことで前半終了。
いわきのやりたかったこととしては、ロングボールでの押し上げと、高い位置でのセットプレーと、中盤で潰してのショートカウンター。
大宮のやりたかったこととしては、早めに前線に送って、健勇を介して、シャドーとWBがフィニッシャーとなるロングカウンター。
お互いにやりたいことはそこそこできていた前半。大宮としてはPKストップもあり0点に抑えたけど、ややいわきペースだったかな。
大宮としても前回対戦のツテは踏まぬとばかり、縦に速い攻撃でいわきの土俵(中盤でのデュエル)に上がるまいとする意図も各所に見られた。
1点リードして折り返す後半、はたして大宮はどういわきに対処していくか・・・!?
試合展開 後半
いわきの土俵に上がっていった大宮!
・・・というのが後半の感想かなぁ。
前半あれだけ中盤を回避しようとして、ある程度はうまくいっていた部分もあった中、なんか自分達からいわきの土俵に上がっていったように見えてしまった。。。。
例えば前半はなかったゴールキックを後ろから繋いでいったり、サイド圧縮しているいわきの中盤の網に突っ込んでいって撃墜されたりと、前半の工夫とは見違えた感じになってしまっていた。
ハーフタイムでどんな指示があって、やり方を変えたかどうかはわからないけど、試合後の和田さんのコメントも、真っ向勝負を挑んでしまった的なニュアンスだった。
ただ、大宮がやり方を変えたこともあるだろうけど、いわきが大宮を土俵に上がらせた部分も大きいかな、と。何試合かいわきの試合を見てるけど、本当に自分達のサッカーに相手を引き込むのが上手いんだよね。
大宮の後ろから繋ぐゴールキックはともかく、前線からのプレスで中盤の網に大宮を誘い込んだってのは間違いなくあったかと思う。
後半開始からWBの鵜木に代えて加瀬を投入し、縦への推進力にテコ入れしてきたいわき。
ロングボールを前線で競ってセカンド回収という形は継続も、前半よりもサイド攻撃をより明確化し、高い位置で起点を作ってクロスを上げるという、得意の形を何度も作り上げる。大宮としてはDFというか、ボランチの位置での空中戦にことごとく負けてしまっていた。
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— いわきFC (@IwakiFcOfficial) July 5, 2025
2025明治安田J2リーグ 第22節
vs RB大宮アルディージャ
Goal 49'
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そしてまずは手始めとばかり、後半開始早々、得意のCKを堂鼻がニアでヘッドであわせて同点に追いつく。
その後も圧を強めるいわき。
大宮の後ろからの繋ぎはハイプレスと中盤の圧縮で潰され、クリアを含めた後ろからのロングボールも、FWが競っても回収する役が近くにいなく(間延びしていた?)、セカンドも回収できない。
相手のロングボールを、DFが弾き返して回収するってのは、いわきの本当に得意とするところ。
ともあれ大宮は後半開始後、全くといっていいほど前に進めなくなってしまった。
ということでいつもより少し早めの58分に前線3枚を総取っ替えで、ラッソ・豊川・藤井に。
本来だったら今日の攻撃のキーマンであって、競れる健勇を残して、2枚替えで様子を見たかったところだったんだろうけど、石川の負傷交代で交代回数を消費してしまっていたため、3枚替えせざるをえなかったのも響いてしまった。
近々のサガン鳥栖戦で3枚替えで前線の運動量を回復させ、鳥栖の勢いを押し戻せてたけど、今日は残念ながらいわきの圧を食い止める事はできず。
特に健勇が下がってからは、ラッソを目掛けたロングボールぐらいでしか攻撃の手がなくなってしまい、後半の攻撃はいいところがほとんどなかった。藤井のフェイントからのシュートぐらいだったなー。
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2025明治安田J2リーグ 第22節
vs RB大宮アルディージャ
Goal 83'
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いわきの圧力に、なんとかCBを中心に後半を我慢していた大宮であったが、試合終盤の83分に遂に決壊。
いわきの右サイド(大宮の左)で一枚剥がされて、がら空きのスペースを石渡が中央突破。ペナ外から放ったミドルがガブ様の足に当たってしまい、軌道が変わってゴールに吸い込まれた。
ディフレクションで笠原的にはノーチャンスだったのは運がなかったが、この右サイドでマークかわされて中央突破ってパターンは、後半何度もやられていた形なので、やられるべくしてやられたって失点でもある。
現地で見てて、そりゃやられちゃうよねーってのが第一感想だった。
似たように、右サイドでマークを剥がされて、がら空きの中央を突破されるってのは、セカンド回収であったり、ワンタッチのはたきだったり、熊田の鬼キープだったりでバリエーションは違えど、後半だけでも46分、60分、74分と再現性高くやられていたんだよね。
勿論、剥がされる前のサイドで潰せていれば一番よかったんだけど、全部迎撃するのは中々に難しいのも事実。
素人目にはこれらのケースの多くで、右シャドーの立ち位置が悪くて中盤にスペースができちゃってたと思うんだけど、どうなのかなー?これだけ再現性高くやられていたので、シャドーとボランチの立ち位置を修正してほしかった感じ。
見当違いだったらすみません。
ということで試合は最後までいわきのペースで進み、1-2で敗戦。
シュート数9 VS 23、ゴール期待値0.85 VS 2.71といういわきの圧勝であった。
*PKの値の上振れを引いても、ゴール期待値(2ぐらい?)はいわきの圧勝
感想
またもいわきに完敗!
・・・という残念な結果に。
前半はある程度互角に戦って、自分達のやりたかったこともできていて、更にいわき相手にやりたくないことも回避できていた中、後半から何故かいわきの土俵に自ら上がっていったしまった形に。
まぁ、実際はいわきが上がらせたのかな?
とにかく催眠術かのごとく、後半はいわきにいいように操られてしまったような試合に。
大宮の強みの一つである中盤のデュエルでことごとく上回られてしまうと、こんな結果になってしまうよね。とにかく後半は、攻撃の打つ手が殆どなかったのは非常に残念だった。
中盤のデュエルを担っていた石川が、早い段階でいなくなってしまったのも運がなかったなー。後半の中盤の強度がなくなってしまった点や、交代枠を一回使ってしまったのは本当に痛手であった。今日のいわきのような相手の場合、やっぱりシルバがいてほしかったなぁとは、どうしても思ってしまう。
1失点目はともかく、2失点目は後半何度もやられていた形だったんで、結果論ということでなく、事前対策でなんとか防げなかったのかなーとは思う次第。
一枚剥がして空いたスペースを前進するという、本来は大宮がやりたかった形を、綺麗にやられてしまった。
狙いどこだったサイド攻撃も回数を重ねられず、こちらもいわきにいいようにやられてしまったなぁ。
ただセットプレー崩れやパワープレイなどじゃあない、純粋な崩しからの失点は千葉戦以来なんで、それはそれで守備はそこまで悪くはないのかなぁとも、一方で思ってもいる。今日の2失点目もペナ外から撃たしてたのに加え、ディフレクションというアンラッキーもあったしね、うん。
ということで、2試合続いていわきに完敗を屈してしまった大宮。
だけど運がいい事に、なんと今年は今後いわきと戦うことがないらしい!
まぁ半分冗談ではあるんだけど、前回対戦の時に「いわきのやり方を真似してくるチームがあるはず」って書いたんだけど、そんなチームは実際いなかったんだよね (あえて挙げればブラウブリッツ秋田くらい?)。
いわき並の中盤の強度は一朝一夕でできる物でもないために、いわきの真似をしようにも真似できるチームは中々にいないのかな、と。
だので、勿論しっかりした試合の分析は必要ではあるけれど、観戦者目線では、相性が恐ろしく悪かった特異的なチームにやられてしまったって、ポジティブに考えた方がいいのかなぁと思う。
6試合勝ち無しということではあるけど、まだまだ3位だって事実は間違いないし、早めに切り替えて次戦に備えてほしいですね☆
