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【プレビュー】第8節 ヴァンフォーレ甲府 VS RB大宮アルディージャ



甲府の現状

昨季の主カメンバーの多くが抜けた甲府であったが、大宮でJ2優勝を成し遂げた渋谷さんを新監督に迎え、ここまでの百年構想リーグで4勝1分2敗と好調を維持している。
個人的に試合を見るのは今季初めて。

元大宮の佐久間社長の下、渋谷監督、横谷コーチ、山岸コーチらのスタッフをはじめ、黒川、藤井、福井ら大宮ゆかりの選手も多く在籍。
*佐久間社長はこの3月で退任とのこと

今年の甲府で特に目を引くのが、7試合で4失点というJ2・J3でトップタイの硬い守備。マンシャや孫など主力 CBが抜けた中、大宮からレンタル中の福井を中心に硬い3-4-2-1を披露している。

一方で攻撃面ではゴール期待値5.5で、39位 (40チーム中)に甘んじている (ちなみに大宮は1位!)。
しかし実際は9点取っているので、期待値からは上振れしている感じ。その上振れを引き起こしているのが、1トップに入る甲府ユース出身で21歳の内藤大和。昨季攻撃の違いを作っていた鳥海とマテウス・レイリアが抜けた穴を補い、ここまで5得点を挙げて甲府の攻撃の中心となっていた。
しかしそんな内藤は、怪我のため離脱という残念な発表が…。
*甲府は他にもミケーレ、林田、野澤あたりが怪我してるのかな?


前節の甲府 (VS北海道コンサドーレ札幌)


この札幌戦で、そんな怪我離脱の内藤に代わってトップに入ったのは、昨季栃木SCで10得点の太田(ファジアーノ岡山からレンタル)。185 cmの長身でクロスに合わせるのがうまく、ポストプレーでも前線で起点になれる選手。
そしてその太田をSTで支えるのが、大島と大宮からレンタル中の藤井。大宮時代の藤井は右サイドで出ることが多かったが、甲府では左STでスタメンを続けているみたい♪
左WBの小林、右WBの荒木、ボランチの平塚と、左利きのプレスキッカーも多く存在。そんな中でも、今年は主に平塚がセットプレーを担当しているみたい。この試合でも多くのFKを蹴っていた。


そんな甲府に対するは札幌。なんの巡り合わせか、今年の7試合の内5試合(いわきFC戦大宮戦長野パルセイロ戦ジュビロ磐田戦)も試合を見ている感じで、結構な札幌フリークになってきた♪
いいところがなかった開幕いわき戦から、前線からのプレスやビルドアップ、サイド攻撃などが改善されてきていて、試合内容は傍目からも確実に上向き傾向。
基本陣形は4-2-3-1。磐田戦を見た時にもやってたDMF川原をアンカー気味に落とすやり方が、この甲府戦では顕著になっていた。GK田川もCB間に入って、GK+2CB+1アンカーの4枚で後方からビルドアップしていく感じ。
この時、両SBをワイドに上げて SHを前に押し出して、サイド攻撃を狙わせる。マリオとバカヨコ不在中の1トップに入った青木や OMF荒野は前線に構えるのではなく、ボールを受けに落ちてくるゼロトップ的なやり方。青木で得点するというか、強力なSHに点を取らせたり、ドリブル突破させたりする意図の方が強いかな。
ちなみにこの試合のSHは、左にスパチョーク、右には白井ではなく19歳のティラパットのタイ王国コンビで挑んだ。



甲府の守備は前からのプレス5-4-1ブロックの混合。後ろから繋ぐ札幌に対し、前線の3人のプレスで規制をかけに行く。今日はアンカー化する川原をFW太田が捕まえつつ、2CBに2STが当たりに行くことが多かった印象。
しかし札幌はそこにGKを加えた4人でビルドアップしてくるため、甲府としては数的不利となり、前からはそこまで規制をかけられていなかった。そのため途中からハイプレスを控え、後ろで構えることを多くしていってた


甲府の攻撃は基本、プレスで奪ってのショートカウンターを狙っているんだとは思うんだけど、ある程度後ろから繋いでのビルドアップも行っていた。
この試合では常にではないけど、右CB井上がやや高い位置に上がる右肩上がりのビルドアップをすることが多かった。また。2DMFは武井が下がって、平塚が上がる縦関係になることが多く、2CB+1DMFの3人が中心となって後ろで組み立てていた。


FW太田の頭を目掛けたロングボールは少ないながらも、対札幌で狙っていたのは両SBの裏。ここに結構放り込んでいて、流れた太田やSTなどで裏抜けを狙わすことが多かった。ポジション的にマッチアップする、太田と札幌CB西野の体のぶつけ合いの勝負は見ていて面白かった。


前半は甲府がペースを掴む
札幌のビルドアップを中盤で絡め取ってゴールに近づけさせず、攻撃ではサイドを起点に攻撃を仕掛ける。藤井のペナ外からのバー直撃シュートなど、序盤から決定的な場面を作り出す。
セットプレーでは荒木と平塚の左足からのクロスでゴールに迫る。特に平塚のキックは正確で、距離のある所からのFKではプレ球シュートも撃っていた。その時は、その変化具合いにGK田川は正面ながらキャッチができず、ギリギリ体で弾き返すのがやっとであった。
去年の左足でのセットプレーでは、小林がいいポールを蹴っていた記憶があるんだけど、平塚はそんな小林以上の精度って事なんだろうね。


押され気味の札幌であったが、24分、CB西野から1人飛ばした縦パスが、落ちてきた荒野に入ったのをスイッチに、チャンス到来。そこから右のティラパットにペナ内でドリブル勝負させた後、最後はペナ外からDMF木戸が美しいコントロールショットを決めて、先制に成功。これが札幌のファーストシュートであったことからも、まさにワンチャンスを物にした得点だった。
ペナ内に甲府の選手は揃っていたが、ペナ外を見ている選手が誰もいなかった。
1点を取った後は札幌も勢いづき、得点シーンのような各駅停車ではない一人飛ばしたバスで甲府の守備網を混乱させてゴールに迫るも追加点は奪えず、1-0の札幌リードで前半は終了。

前半のシュート数は「札幌: 4 VS 甲府: 6」、ボール支配率は互いに50%に。リードを奪い、終盤盛り返した札幌だったが、全体的には甲府のペースだった前半


後半は逆に札幌がペースを掴む

前半の途中から前からのプレスを抑えていた甲府だが、後半も構えて守る感じで、札幌がボールを回す時間が多くなる。
守備時に札幌のDFラインから縦パスがボランチや2列目の選手に入ると、多くのケースで甲府のボランチやCBが自分の守備ゾーンを捨てて迎撃に行ってたんだけど、後半はこの迎撃をいなされて、元いた守備ゾーンに空いたスペースを札幌に利用されてピンチを迎えるパターンが何度も見られた。

61分は木戸を潰しに行ったCB井上の空けたスペースを使われて、荒野に決定的なシーンを作られるも、GKがファインセーブ。
64分にもCB井上が前に釣り出されて、同じように空けたスペースを使われ、青木にゴールを決められるが、これはオフサイドで胸を撫で下ろす。
75分には前線に人数が多くいる中、DMF武井(←多分)が強引に前に潰しに行って空けたスペースに縦パスを入れられて、シュートまで持っていかれてた。

こんなふうに、似たような感じで再現性高く札幌にチャンスを作られていたんだよね。甲府の試合はこの試合しか見てないんだけど、他の試合でもこんな感じで迎撃守備をしているのかな?失点数が少ない甲府だけど、ちょっとこの辺りはウィークだと見受けられた。

押され気味で且つビハインドの甲府は、三平さんを入れて太田と前線を高い2枚にし、ロングボールで活路を見出す。終盤には元大宮の黒川をトップ下にした3-4-1-2にし、札幌ゴールに迫る。
両サイドからいいクロスが上がり、三平さんと太田でフィニッシュしたいところだったが、GK田川が何度も素晴らしいハイボール処理を見せて、甲府にシュートを撃たせない。一昨年カターレ富山時代と戦った時も、田川のハイボール処理で大宮のチャンスを何度も潰された嫌な記憶が…。

そして試合は札幌が1点差を守り試合終了。
前半は甲府、後半は札幌がペースを握った試合で、シュート数は「札幌: 7 VS 甲府: 10」。ゴール期待値は「札幌: 0.59 VS 甲府: 0.75」と、互いに中々守備が固い試合であった。


甲府の注目選手


96 FW 黒川 淳史
大宮ユース卒で、大宮では背番号10をつけるなど攻撃の中心として活躍。大宮退団後は、恩師・伊藤監督のジュビロ磐田や町田ゼルビア、水戸ホーリーホックなどを経て、昨季はラトビアなど海外でプレーしていた。
今季の開幕後、渋谷さんや佐久間社長との繋がりもあり甲府に急遽入団した。背番号が96(クロ)なのもお茶目。
高さはないながら、パスやドリプル、シュートなどが多彩な万能型FWで、1列目も2列目もできる感じ。得点力不足に悩んでいた 2020年や2021年の大宮のゴール集を見ても、そのほとんどのシーンで黒川が関わっていたってくらい、攻撃に違いを作り出せる選手。
甲府ではSTでの出場になると思うけど、久しぶりにプレーを見られるのが楽しみ。

14 FW 藤井 一志
大宮からレンタル中の大卒3年目のFW。
昨季は開幕3試合で4得点と、大宮の序盤の快進撃を支えた。しかしワントップのスタメンの座を掴みきれず、右STや右WBでの起用が多くなるなどFWでの出番が徐々に減り、最終的には5得点にとどまった。
H札幌戦のボレーや、Aロアッソ熊本戦のループなど、秀でたシュート技術を 持っているため、新天地の左STでの躍動に期待。同じくレンタル中の福井と共に、契約上、大宮戦の出場は可能

25 DMF 平塚 悠知
正確な左足を持つ攻撃的なボランチ。
札幌戦でもFKやCKのキッカーとして、正確なクロスによるチャンスメイクに貢献。遠い位置からのプレ球シュートにも要警戒。
ビルドアップ時は前目に位置することが多く、縦関係になるもう一人のボランチと合わせ、大宮の2ボラで潰していきたい。



大宮 展望


前節ジュビロ磐田戦で、素晴らしいゲーゲンプレスによる狩りを見せてくれた大宮。
対する甲府も、今の大宮と同じように、前からのプレスや中盤で潰しにくる、堅守速攻型のチーム (陣形は違えど、2016年の渋谷アルディージャみたい)。甲府のタックル数はJ2・J3で1位とのことなので、この試合でも中盤の熱いバトルが見られそう。

甲府の前線3枚によるハイプレスに対し、4-2-3-1ビルドでは数的不利になってしまうとこに対しては、左CB落としの3バックビルドにするのか?DMFの片方をアンカーに落としてビルドするのか?
また、3バックの甲府の攻撃に対しては、4-3-1-2プレスで枚数を合わしてくるのか?等々、宮さんはどんな選択をしてくるのかな?
とにかく硬い守備を誇る甲府の壁をこじ開けてほしいっすね。

前節の札幌は1枚飛ばしのパスや、サイドでの数的同数、マークを食いつかせて空けさせたスペース等を有効に使っていい攻撃まで繋げていたけど、大宮としても参考にしてほしいですね。特にマーク食いつかせて、そこさえ剥がせれば大体がビッグチャンスに繋げられていたので、大宮のパス&ゴーで狙っていきたいところ。


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