【プレビュー】第33節 RB大宮アルディージャ VS 藤枝MYFC
藤枝の主なデータ
15位 9勝9分14敗
37得点 42失点
得点数:14位
ゴール期待値:13位
チャンスクリエイト数:5位
シュート数:6位
枠内シュート数:14位
シュート決定率:15位
ボール支配率:4位
パス数:11位
ドリブル数:8位
ドリブル成功率:20位
スルーパス数:3位
スルーパス成功率:20位
クロス数:6位
失点数:13位
被ゴール期待値:15位
被シュート数:12位
被枠内シュート数:3位
ファウル数:4位
インターセプト数:15位
空中戦勝利数:14位
こぼれ球奪取数:8位
*順位はいい方から
現在15位の藤枝。
PO圏とは17ポイント下、降格圏とは9ポイント上という立ち位置。
攻撃面では、チャンスクリエイトとシュートは多いが、ゴール期待値に繋がっておらず、得点もそこまで伸びていない。シュート決定率と枠内シュート数も悪く、無理にシュートを撃っている感じなのかな?
また、ドリブルとスルーパスは数は多いが、両方とも成功確率が非常に低い。
超攻撃的サッカーを打ち出し、ポゼッション思考のサッカーが持ち味の藤枝だが、パス数はそこまで多くない感じ(←意外)。
一方の守備面だが、得点以上に失点をしている状況で、被ゴール期待値もよくない。
密集を作って相手を絡め取る感じの守備をしてくるサッカーのため、印象通りファール数が多い。
ここまで何試合か見た藤枝の印象では、カウンターに弱い印象が強く、そのためか、いざ攻められると枠内シュートを打たれまくっている。
ただ最後に立ち塞がるのが、セーブ数リーグ1位のGK北村。彼の攻守で失点を許していない部分も大きい。北村は、積極的にビルドアップに参加したり、好セーブ連発したり、キック力があったり、今シーズン見た試合ではいつも活躍していた。
前回の対戦
2025/5/17
第16節
藤枝VS大宮 0-1
得点: 75’:ラッソ
@藤枝総合運動公園サッカー場
*DAZN観戦*
強い雨が降りしきる中での対決。
司令塔の浅倉をベンチスタートにし、ディアマンカら肉体系のメンバーをスタメンに揃えてきた藤枝。ピッチに水たまりが浮いていたことから、いつものパスサッカーでなく、強度重視のインテンシティサッカーで挑んできた。
GK北村を積極的にビルドアップに加わらせ、2CB+GKの3枚で最終ラインを形成し、右CBの久冨を上がらせる右肩上がりで攻める藤枝。
中盤での体のぶつけ合い上等で向かってきた藤枝だったが、アフター気味のファールが増えてしまい、右WB松木が2枚目のイエローで退場。10人となった藤枝に対し、大宮が4バック可変で押し込み、攻撃参加した下口のクロスをラッソがヘッドで押し込んだ一点を守りきって勝利した。
前節の藤枝のやりかた (VS カターレ富山)

基本陣形は3-4-2-1。
左サイドには縦への推進力があるシマブクが陣取り、シャドーにはパスもドリブルもシュートも何でもできる、藤枝の攻撃の中心である浅倉が構える。
そして1トップにはアルビレックス新潟から今夏復帰した矢村。近々で見たジュビロ磐田戦でもストライカーらしいプレーを連発しており、まさに王の帰還といった存在感であった。今夏、清水エスパルスにレンタルバックされたFW千葉の穴を補って余りある、相手にとっては本当に厄介な選手。

さて、J2で他に類のない特殊なビルドアップをしてくる藤枝。何より、GKが普通にビルドアップに参加しまくるってとこが、他に類を見ないやり方。
*他にGKがビルドアップに参加するチームもあるが、藤枝ほど顕著ではない
相手のハイプレスを受ける最後方からのビルドアップの場合は、CB中川とCB森が大きく開いて、その間にGK北村が入ることで、後ろ3枚でビルドアップ。相手のハイプレスに対して数的優位を作る。
この時、右CB久冨が積極的に高い位置を取り、右WB川上を押し出す右肩上がりの陣形にもなる。
ボランチの岡澤と世瀬は、どちらかというと岡澤が下がった位置を取ることが多かった。岡澤は最終ラインと三角形を作って、ビルドアップを補佐する役割。

そして自陣中盤ぐらいまで運べて、相手がミドルブロックを組むと、左CB中川も上がっていって、最終ラインはGK北村とCB森の2人に。結果、2-4-5のような超攻撃的布陣に。
SB化したCB久冨とCB中川は、相手ゴールラインぎわまで積極的にオーバーラップしていって、最終ラインからのロングパスのターゲットにもなっていた。
また、この図では両WBが外に張った形だけど、サイドレーンはSB化した久冨と中川に任せて、WBがセンターレーンまで絞って中央でプレーするシーンも多かった。
169 cmと小柄なFW矢村は、1トップで体を張ってポストプレーをするというか、動き回ってパスを引き出す役割が多く、サイドに流れて基点になったり、裏抜け狙ったり、落ちてボールを受けてSTやWBをFW化させる働きをしたりと、相手からしたら捕まえるのが難しい動きをしてくる。
また、いざゴール前でボールを受けた時に見せる、反転からのシュートなど、ストライカーらしい動きも卓越しているだけでなく、藤枝のハイプレスにおける、ファーストプレスマンとしての役割も非常に大きい。

一方の守備はハイプレスとサイド圧縮。
例えば右サイドに相手を追い詰めた際は、右CB久富が上がるのと共に、逆サイドの左WBシマブクがセンターラインぐらいまで寄っていって、殆どの選手を右サイドに集めて超密集を作り出す。密集を作って奪いやすくするのと共に、万が一相手にボールを奪われた際のゲーゲンプレスにも移りやすい構造。
この辺りは大宮の狩りの狙いとも似ているため、互いが作り出した密集の中での、激しい肉弾戦が起こる事が予想される。
ただ、この密集守備を一枚でも突破された場合には、そこに広大なスペースがあることになる。今年の藤枝の試合を何回か見たんだけど、やはりそのスペースを突かれたカウンターに弱点がある印象が非常に強い。
前節の藤枝 試合展開 (VS カターレ富山)
基本陣形3-4-2-1の藤枝に対し、カターレも3-4-2-1布陣。
っていうか、富山はいつの間に3バックにしてたんだ!?
藤枝は3トップで前からガンガンハイプレスを敢行する。
第30節の磐田戦でもハイプレスで試合を優位に進めていたことからも、ハイプレスは今の藤枝の生命線の一つになっていると思われる。
対する富山も、左CBと中央CBを広く開いて、右CB深澤を上げた形でビルドアップしたり、2CBの間にGKを入れたり、ボランチの河井を最終ラインに落として右CB深澤を上げさせたり、あの手この手でハイプレス回避を図る。
あと富山のシャドーの佐々木が、幾度も最終ライン前まで落ちてパスを受けたりもしていたのも印象的だった。
GKを加えた特殊なビルドアップをする藤枝に対し、富山はどちらかというとブロック守備を優先。5-4-1ミドルブロックを早めに構築し、藤枝にスペースを与えないやり方。特に藤枝の両WBシマブクと川上に対しては、対面するWBで早めに潰しに行っていた。
前半は、シュート数「藤枝3 VS 富山1」、ゴール期待値「0.10 VS 0.03」という、互いが攻めあぐねて中盤を行き来する展開で、どちらもペナ侵入まで行けない展開で終了。
先制点は51分、富山に。ゴール前に走り込んだ吉平がぽっかり空いたスペースに走り込んでヘディングシュート。試合を振り返っても、富山がワンチャンスをモノにしたような得点であった。
失点後はやや藤枝ペースになり、浅倉がサイドを抜け出したクロスをシマブクがシュートまで持っていったり、右サイドを川上と久冨で崩して、矢村の反転シュートまで持っていけたり何回か決定機があったが、得点には繋げられず。
終盤は守りに入る富山に対し藤枝が押し込むも、富山の5-4-1を崩せない。アディショナルタイムにシュートが富山のゴールネットを揺らしたが、一つ前のところでキーパーチャージがあり、得点は取り消された(←妥当な判定)。
そしてそのまま試合終了。0-1で富山が逃げ切った。
失点後と最終盤に藤枝の時間があったが、全体を見れば両チームとも攻め手を欠いて、得点の匂いがしてこないロースコアゲームであった。
*ゴール期待値も「藤枝0.81 VS 富山 0.34」と低値
試合後、藤枝の須藤監督が「前半と後半、最低の入りだった!」とおかんむりだったけど、試合全体としては藤枝ペースの試合で、富山の決定機は得点のシーンぐらいだったかな、と。
大宮 展望
監督交代後、ジュビロ磐田・ベガルタ仙台と、上位陣相手に連勝を飾った大宮。
宮さん就任後、中々戦術を落とし込む時間がなかった中、2周間空いたことで、プレスなど戦術浸透度も上がったことと思われる。
また、怪我人が続出していたCB陣に、U-20 W杯から吏音が復帰してくるはずで、これはチームにとって非常に大きい!
*ただ攻撃の推進剤となっているカプリーニは累積で出場停止…
4バックの磐田と仙台に対しては、新しいやり方の4-3-1-2プレスがある程度ハマっていたが、3バックの相手にどうハメていくかは未知数。
4-3-1-2プレスは、3-4-2-1相手には相性があまりよくないって事に教科書的にはなってるんで、大宮が3バックの藤枝に対してどのようにプレスをしていくかが何よりの着目ポイント!
・・・なんだけど、藤枝は先述の通りGKを加えた特殊なビルドアップをしてくるチーム。
だので、あまり3バックを相手にするって感じではないんだよねー。
2CB+GKでの最終ラインのビルドアップに対して、2FWのプレスでは一枚足りなく、ハイプレスでハメていくことが中々に難しいし、藤枝のSTが一列落ちることで、中盤でも数的優位を作られてしまう。
文章で表すのが中々に難しいんだけど、端的に言うと藤枝の後方からのビルドアップに対し、4-3-1-2ハイプレスでハメていくのは中々に難しい感じなんだよね。
だのでこの藤枝相手に、宮さんがどんなプレス原理で狩りに行くのかが非常に興味深く、1番の楽しみであったりする。
4バック可変せずに、3-4-2-1でプレスに行くってこともあるかも。
一方の藤枝もハイプレスで来ることが予想される。
大宮攻撃時の3-4-2-1でも3-4-1-2でも、噛み合わせ的にある程度藤枝は3-4-2-1でハメていくことができるため、勇んでハイプレスに来ると思われる。
藤枝のハイプレスに対しては、復帰した吏音をCBに加えて、最終ラインのビルドアップを安定させ、また、ロングフィードなどで一気にひっくり返してチャンスに繋げてほしい感じ。
3-4-1-2で攻撃に行く場合、トップ下の豊川が噛み合わせ的にフリーになれるため、いつものようにフリーに動き回って、ボールを引き出しまくってくれるるはず!
また大宮も藤枝も中盤で密集を作る守り方のため、その密集内で互いが体をバチバチに当てたトランジッション合戦にもなりそう。
藤枝はやはりカウンターに脆い部分があるので、この中盤の奪い合いに勝って、密集を抜け出してからの空いたスペースを前進してショートカウンター!!ってシーンを沢山作っていきたいところ。
ただ、逆に藤枝も大宮の密集守備に対して、同じ事を狙っているんだろうけど…。
