【プレビュー】第14節 福島ユナイテッドFC VS RB大宮アルディージャ
前回対戦
第3節
2026/2/21
大宮VS福島 6-0
大宮得点: 11'小島、32'山本、64’泉、70’ 76’ 88’カプリーニ
福島得点: なし
@NACK5スタジアム大宮
*現地観戦*
ショートパスで、全体の幅を狭めて中央突破を図る福島に対し、4-3-3密集ハイプレスの大宮の守備の相性がハマり、ボール奪取からのショートカウンター発動が成功しまくり、6-0の完勝となった試合。大宮の平均ボール奪取位置が48.1 mという、ちょっとおかしな数値からも、前線から奪えていた事がよく表れている。
小島の先制点を皮切りに、山本、泉、カプリーニの得点量産トリオがそれぞれ得点。特にカプリーニは途中出場ながらハットトリックを決めた。
・4-3-3ハイプレスによって福島のビルドアップを封鎖
・密集構築
・高い位置で奪ってのショートカウンター
・同じく高い位置でのゲーゲンプレス!
・後ろからのビルドアップでの福島のプレス剥がし
とにかくこれら大宮のやりたい事が尽く体現できた、Aジュビロ磐田戦と並び、今季のベストマッチとも言える内容だった。
福島の主なデータ
9位 3勝2分8敗
19得点 30失点
得点数:14位
ゴール期待値:22位
チャンスクリエイト数:14位
シュート数:29位
パス数:6位
パス成功率:4位
スルーパス数:11位
スルーパス成功率:1位
クロス数:40位
ドリブル数:16位
ボール支配率:12位
失点数:40位
被ゴール期待値:39位
被シュート数:40位
被枠内シュート数:40位
クリア数:12位
ファウル数:37位
インターセプト数:30位
空中戦勝利数:30位
*第12節終了時点の各種データ
*順位はいい方から J2J3の40チーム中
EAST-B 9位と浮上のきっかけを掴みたい福島。
御存知の通り、寺田監督の下、ショートパスによる中央突破に特化した、Jの中でも中々に特殊なサッカーを志向している。
パスやスルーパスの多さと、その両者共に高い成功率であることが、福島のやり方を如実に表している。また中央突破が多いためか、クロス数も少ない。
ポゼッションスタイルのためもっと支配率は上げたいところであるが、J2も相手にする百年構想リーグでは、そこまでボールを持てていないのかも?
13試合で19得点と、順位と比して得点は取れているのに対し、やはり目を引くのは守備面の脆さ。
30失点は全40チームで最も多い。被ゴール期待値と被シュート数も非常に悪く、失点数の多さに直結してしまっている。チョン・ソンリョンがゴールを守っているが、彼一人のセービングだけでは失点を防ぎきれていない感じ…。
前節の福島 布陣 (AC長野パルセイロ戦)

陣形はいつもの4-1-2-3だが、GW連戦を睨んで前々節のヴァンフォーレ甲府戦から7人交代させ、ターンオーバーを行ってきた。FW芦部、FW樋口、IH狩野、GKチョン・ソンリョンら、レギュラー級の選手は休息を取らせる。
福島のパスサッカーの要の針谷はどちらの試合もベンチだったけど、怪我明けで大事を見たためと思われる。
この試合でまず何よりなのが、元大宮のGK上田が今季3試合目の出場を果たしたこと!
182 cmとGKとしては小柄な部類だが、足下のうまさに長けており、ポゼッションスタイルのチームに合うGK。
2021年、当時JFLだった奈良クラブから、ポゼッションを志向する岩瀬新監督指揮の大宮に加入し、笠原やクリャイッチら実力あるGKから開幕スタメンを勝ち取る。だが岩瀬監督のスタイルで勝ちを重ねられず、チームの低迷と共にスタメンから外れるようになってしまい、2年で大宮を退団 (*13試合出場)。
その後、藤枝、岐阜に在籍し、昨年から福島に加入している。昨季は25試合出場を果たし、今季はソンリョンとスタメンを争っている状況。頑張れ智輝!
CBの一角には、川崎フロンターレからレンタル中で、19歳ながらU-23代表にも今年選出されている、ポテンシャル抜群の土屋が入る。足下の技術も高く、この試合でもパスや体のフェイントなどで、落ち着いて長野のプレスをかわしていた。早くも福島のビルドアップを後方で支える、欠かせない選手になっている。
IHには我らが泉柊椰の弟の大卒ルーキー泉彩稀が今季初スタメン。兄と違い左利きだが、細かいドリブルは兄と同じく得意技。この試合ではCKのキッカーも任されており、またプロ初得点も挙げた。兄弟対決を見たいけど、長野戦でフル出場しちゃったから大宮戦の出場は難しいかな…?
前線はここまで5得点の清水を頂点に、1.5列目の左に岡田、右に永長の配置。
福島の特徴として、岡田と永長はWGのように外に張るというか、シャドーのように中に位置する事が多い (特に岡田)。岡田は去年の奈良クラブでの活躍(11得点)に引き続き、今季の福島の攻撃を支え、ここまで4得点。
永長は土屋と同じく川崎からレンタル中の左利きのアタッカー。ドリブルとスピードに秀でている。
前回対戦では3トップの頂点の樋口が落ちてボールを受けたりなんてのもしてたけど、この試合では基本的に清水は一番前に鎮座する事が多く、STとして岡田と永長が1.5列目で頻繁にポジションチェンジ等行っていた。

ちなみにターンオーバー前の、前々節の甲府戦のスタメンはこんな感じ。大宮戦ではこっちの方で来る可能性が高そう。
前節の福島 やり方 (AC長野パルセイロ戦)
細かいショートパスで、とことん中央突破を狙う特徴的なサッカーをする福島。
攻撃時の大体がペナルティエリア幅で収まる横幅に選手を狭めて、縦パスを入れていくスタイル。そのため試合中は、ピッチ上の一ヶ所だけに20人の選手が集まるような、極端な人口密集地域が生まれる。
福島の試合見てると、この密集内で味方選手同士で重なる事も多いんだけど、よく混乱せずに前進できるなーっていつも感心させられる。
この試合ではアンカーを吉田を介し、最後は永長へのスルーパスで長野DFのラインブレイクをするってなシーンが何回も見られた。永長はドリブルだけでなく、飛び出しのタイミングも上手い。
中央密集で攻撃するメリットの一つにあるのがネガトラ時の守備で、一旦奪われても密集内ですぐ多人数でゲーゲンに移れるってのがある。確かに距離感狭めてのパス交換は相手のブロックの網にもかかりやすいんだけど、奪われてもすぐ奪い返しやすいってのがあり、現にこの試合のボール奪取回数は「長野: 73 VS 福島: 71」と、互いに滅茶苦茶多くなっていた。
前回対戦時もそうだったけど、守備では結構ハイプレスしていた。
4-4-2の長野相手に、ハイプレス時は清水と岡田が2トップの4-4-2気味で長野の4バックに規制をかけに行っていて、特に前半は長野のビルドアップを封じて前進を許していなかった。
一方でやはり幅を使った攻撃には弱くなりがちで、後半開始直後は長野のサイドチェンジなどに苦戦していた。
前節の福島 試合展開 (AC長野パルセイロ戦)
7人ターンオーバーした福島に対し、長野は11人全員を前の試合から交代した、ターンオーバー合戦になったこの試合。
序盤は長野がボールを握って攻めていたが、7分、永長が得意の左足のロングシュートを放つ。これがドライブがかかった難しいシュートになり、GKがなんとかブロックしてCKに逃げる。
#0429長野 𝙋𝙡𝙖𝙮𝙗𝙖𝙘𝙠
— 福島ユナイテッドFC (@fufc_staff) April 29, 2026
コーナーキックのこぼれ球から #藤田仁朗 選手がクロスを上げる✨#永長鷹虎 選手が折り返し、#當麻颯 選手がヘディングで押し込む💪#福島ユナイテッド
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そしてそのCK崩れから、左からのクロスを逆サイドで永長が頑張って折り返し、最後は中央でCB當麻が頭で押し込んで、福島が幸先よく先制。
先制後は福島がボールを握り、得意のショートパスからの中央突破で長野を押し込む展開に。
長野のビルドアップに対してもハイプレスで潰しに行き、長野のパスミスを何度も誘う。スタメン全取っ替えの影響もあったか、長野は精度を欠いたパスが多かった印象。
#0429長野 𝙋𝙡𝙖𝙮𝙗𝙖𝙘𝙠#岡田優希 選手のシュートのこぼれ球を #清水一雅 選手、#安在達弥 選手と繋ぎ、 #泉彩稀 選手がゴール🙌
— 福島ユナイテッドFC (@fufc_staff) April 29, 2026
うれしいプロ初ゴール㊗️✨#福島ユナイテッド
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すると21分、お得意の中央突破からスルーパスで右サイドを抜け出した岡田がシュート。これはGKにブロックされるが、拾い直してゴール前で細かいパスを2本繋ぎ、最後は泉が押し込んで追加点。
ショートパスで繋ぐ実に福島らしい攻撃で、泉は嬉しいプロ初得点♪
その後も福島ペースで進み、2点リードで前半終了。長野はパスミスが多く、中々チャンスを作れていなかった。
後半開始から長野は前線に高さのあるFW大崎を入れ、またDMFに吉田を入れる。
また中央に寄りがちな福島に対し、サイドチェンジなどを積極的に使い幅のある攻撃を長野が披露。他にもCB間を広げて福島の守備を広げたり、守備時にSHを中に絞って福島の中央攻撃に対応したりし、後半序盤は長野がペースを握る。
🟠Look back🎥4/29(水祝)vs.福島
— AC長野パルセイロ_official (@NAGANO_PARCEIRO) April 29, 2026
GOAL!!!!⚡|55' MF22 #吉田桂介#acnp #パルセイロ pic.twitter.com/0tdOIxyVpj
53分には吉田のスルーパスで大崎が裏抜けし、最後はパスを出した吉田がペナ外からミドルを決めて長野が1点差に追いつく。後半から入った2人で決めた、小林監督の交代策が当たった得点に。
#0429長野 𝙋𝙡𝙖𝙮𝙗𝙖𝙘𝙠
— 福島ユナイテッドFC (@fufc_staff) April 29, 2026
コーナーキックの混戦のこぼれ球に反応した、#上畑佑平士 選手が相手を交わし、見事なミドルシュートを決めた☺️#福島ユナイテッド
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このまま長野は押し返したいところだったが、62分、CKでのゴール前のごちゃごちゃから、最後はペナ外から上畑が一人かわして放ったミドルが決まって、福島が再度2点差に広げる。
その後は長野の幅を使った攻撃にも対応しきった福島のペースに戻り、樋口や芦部、針谷など温存していたメンバーも入れて福島が1-3で逃げ切り勝利を果たし、長野と入れ替わって最下位を脱出した
最終的なシュート数「長野: 9 VS 福島: 18」、ゴール期待値「長野: 0.70 VS 福島: 1.55」と、より福島がチャンスを得ていた結果に。福島は枠内シュート13、支配率55%で、更にパス成功率も79%と、自らの長所を出し切れたような試合だった。
大宮 展望
ここ5試合で1勝1分3敗と、内容・結果共に調子が上がらない大宮。
甲府戦の観戦記で書いた通り、前線のゲーゲンカウンターがハマらなくて攻撃力がダウンし、更に前がかりをひっくり返されるという、今の戦術におけるデメリットが表層化してしまっている感は否めない。
ただ福島は、後ろからのショートパスで中央を密集して突破しに来る、大宮のやり方とは相性のいい相手。現に前回対戦時は大宮のやり方がハマり、大勝を飾っている。
今やっているサッカーへの自信を取り返す意味でも、もう一度ハイプレス&ゲーゲンで福島をハメにいって、勝利という結果をもぎ取ってもらいたい。
福島の2CB+アンカーに対し、前線4枚の数的有利さで勝負!
ただ前から行くと、どうしても中央に集まってくる福島の3トップに対し、2CBで対応せざるをえない状況にもなってしまうため、カウンターケアやスルーパスでの裏抜けには注意が必要。その辺りの守備修正にも着目したい。
大宮・福島共に前節は大きくターンオーバーしていたため、この試合では前々節のメンバーが主力になってきそう。
福島は恐らく前線に樋口と芦部、アンカーに針谷を使ってくるんじゃあないかな?永長と同じく、芦部も縦への推進力があるので、裏抜けには注意が必要。攻撃の中心の岡田は2試合連続で出てるので温存かな?
大宮も、前節ベンチだった泉・山本・カプの2列目トリオがスタメン復帰?福島相手に山本のプレス強度は必ず必要になってくるので、攻守ともに爆発してほしいっすね。
