観戦記 第13節 RB大宮アルディージャ VS ヴァンフォーレ甲府
概要
2026/4/29
大宮VS甲府 1-2
大宮得点: 55'健勇
甲府得点: 27’太田、29佐藤和
@NACK5スタジアム大宮
*現地観戦*
大宮布陣

Sub: 笠原、茂木、村上、木寺、石川、泉、山本、カプリーニ、日髙
GW連戦祭の第2戦。前節藤枝MYFC戦から、グローバー、関口、西尾以外の8人変更という大胆なターンオーバーを決行。
特に前線4人は総取っ替えとなり、トップがサンデーで、2列目は左から神田、健勇、松井の並びとなった。神田は初スタメン♪
前節、短い時間ながら大宮デビューを果たした尾崎は右CBとして初スタメン。186 cmという高身長と、SBもできる足の速さも相まり、ひっくり返されて相手FWと駆けっこ勝負が多くなってる現状では、CB尾崎もハマるかもしれないなーとは、今日の試合見ながら思っていた。
左SBには聖が復帰。右SB関口との関係性はどうなるのかなって思ってたけど、2節前までやっていた3-4-2-1可変ではなく、両SBが均等に上がるビルドアップを行っていた。今日は中に、高さのあるサンデーと健勇も入っているため、聖のクロスを活かしてもいきたいところ。
甲府 印象

連戦ながら前節の福島ユナイテッド戦とは、選手の変更はなく、同じメンバーの3-1-4-2でのスタメンで来た。
2トップは前回対戦でスペシャルな2発を決められた太田と、大宮からレンタルの藤井。IHの安田は中盤で運動量多く動き、得意のドリブルでの攻撃貢献のみならず、中盤での強いプレスによる守備にも大きく貢献していた。
また、今日は出場がなかったが、エースFW内藤が怪我からベンチに復帰していた。同じ1トップタイプの太田の調子もいい中、甲府にとってはどちらをスタメンで使うか嬉しい悩みが増えた。
前節は福島相手に強烈なマンマークハイプレスを披露していた甲府だったが、この試合ではそこまで極端なハイプレスはしてこなく、程よくって感じであった(とはいえ、普通のチームよりは前から来る)。
甲府の3-1-4-2は、大宮の4-2-3-1とはミラーとなるため、守備ではマンマークぎみについていて、特に小島・中山の両ボランチには佐藤和と安田の2IHが、OMF杉本にはDMF武井がしっかりマークについていた。ボランチ2枚に入るとこを塞ぐやり方は、前回対戦でも徹底していた方法。
また大宮の1FW+2SHも3CBがしっかり監視していて、例えば神田がボール貰いに落ちていく時に、CB遠藤が最終ラインを捨てて前に出て迎撃に行くシーンなども散見された。
こんな感じであったため、適宜ハイプレスで規制をかけつつ、ミドルブロックの網で奪い取ってショートカウンター発動って狙いが1つあったかと思う。
前回対戦でもそうだったんだけど、ミドルブロック組む時はDFがハイラインを敷いてくるため、縦が非常に圧縮されたブロックをとなっていた。大宮としてはそこを突きたいがためのサンデー先発だったと思われる (前回対戦時も同じ狙いでサンデーが抜擢されていた)。
前回対戦時はほとんどボール保持の意図を見せなかった甲府だったけど、ボールを握った攻めも見せる。
そしてこの試合では、中央からの攻めはほとんど見せず、サイド攻撃を徹底してきていた。前回対戦時もボールサイドとは逆のサイドのスペースを何度も突いてきていたんだけど、今日も同じように早めにサイドに送ってからクロスでの得点を狙いに行っていた。
試合後の渋谷監督が「攻撃では大宮の穴を突けた」とコメントを出していた通り、IHとWBを絡めたサイド攻撃がうまく行っていた事を言っていたのではないかな?
試合展開 前半
前半の序盤、まずペースを握ったのは大宮。試合後の健勇のコメントの通り、「サイドのポケットを取りに行く狙い」を見せる。
ハイラインの甲府の裏は大宮としても狙いどこであり、サンデーと健勇のどちらかが相手CB間に斜めに走って裏でボールを受ける動きを試みていた。

例えば上図のように、甲府(白)がハイラインで縦を密集し、更に大宮の選手にほぼマンマークでついている状況下で、後方からのフィードでサンデーがCB間を斜めに走って受ける感じ。この時中央CB井上がサンデーにくっついてくので、空いたスペースに健勇が入っていく。
前半はこの狙いを健勇を使っても多くやっていて、ここ最近と比較してもロングボールが多くなっていた。
勿論狙った全てで裏取りが成功したわけじゃあなかったけど、この狙いで何回か前線での起点となれていたため、ロングボールによる甲府のハイプレス回避も併せて、前線にサンデーと健勇を入れてきた意図を強く感じた。*個人的にはどちらか1枚はスタメンに入っていてほしいと思ってる
大宮の攻撃に関しては、右の松井と関口がサイドに張って縦突破を狙っていたのに対し、「前半は、サイドから内側に入ったり、流動的にサイドでボールを動かしていくことが狙いだった」と述べていた通り、左SH神田は下がったり内に入ってったり、ボールを受けて起点となるような動きが目立っていた。その時に一緒についてきていた右CB遠藤が空けたスペースを、他の選手でもっと突ければだったんだけど。
17分にはスローインから左サイドで受けたサンデーが相手2人を引き寄せ、神田がフリーで抜け出して中央にクロス。受けた関口が落ち着いてコントロールショットを撃ったが、逆足だった事もあり、枠外へ。得点は取れなかったけど、得意の速い攻撃でゴールに迫る。
25分は中盤で小島がボールを奪われ、シュートまで持っていかれるも、グローバーがキャッチで難を逃れた。
大宮はサンデーと健勇のポケットを取る動きを、甲府は徹底したサイド攻撃を互いに見せつつ、中盤で潰し合うような展開で、どちらかというと大宮ペースで入った試合であったが、27分に甲府が先制する。
4/29 #大宮甲府
— ヴァンフォーレ甲府 (@vfk_official) April 29, 2026
◥◣ GOALシーン◢◤
━━━━━━━━━━━━#ヴァンフォーレ甲府#太田龍之介 選手
━━━━━━━━━━━━#vfk pic.twitter.com/bEQkLeIkzN
甲府の中盤の底からFW藤井への縦パスに対し、西尾が前に出て迎撃にあたるが、簡単に入れ替わられてしまい、藤井に前を向かれる。これで一気に数的同数でのピンチになり、最後は距離はありながら、太田がストライカーらしく強引に左足を振り抜き、強烈なシュートがゴールネットに突き刺さった。
うーん、またしても太田のスペシャルに沈んだ形だったけど、その前の西尾のプレスミスが…。
4/29 #大宮甲府
— ヴァンフォーレ甲府 (@vfk_official) April 29, 2026
◥◣ GOALシーン◢◤
━━━━━━━━━━━━#ヴァンフォーレ甲府#佐藤和弘 選手
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ある程度ペースを握りつつあった中での失点での気落ちだったが、続く29分には甲府のサイド攻撃からゴール前に押し込まれる。中途半端なクリアが2度甲府に拾われてしまい、左サイドの荒木からの速いグラウンダークロスを、逆サイドの佐藤和にスライディングで押し込まれて、あっという間に追加点を取られてしまった。
試合展開的にも嫌~な感じの追加点に。
41分には中盤で奪った安田が一人かわし、左から右へ大きなサイドチェンジ。右WB佐藤からのクロスに中央で藤井が合わせるも、シュートはグローバーの正面で事なきを得た。
ということで前半は0-2のビハインドで終了。
序盤はロングボールを使ってポケット取り狙いを見せた大宮のペースだったが、徐々に甲府のサイド攻撃に押され始め、危ない場面を何度も作られていった展開だった前半。
1点目は西尾のミスはあれど、またしてもスペシャルな太田の一撃にやられてしまったってのもあったんで、仕方のない部分はあったけど、すぐさま2点目を取られてしまったとこはいただけなかったなぁ。
シュート数は「大宮: 4 VS 甲府: 8」という事で、サイド攻撃を徹底した甲府に軍配。
また平均ボール奪取位置は「大宮: 26.7 m VS 甲府: 38.5 m」と、これも甲府に惨敗。マンマークによるハイプレス&ミドルプレスによって、甲府が高い位置で奪取できていた感じ。
一方の大宮のハイプレスやゲーゲンは中々にハマっていなかった。これらがうまく行っていた試合(Aジュビロ磐田戦やH福島戦など)と比較しても、やっぱりボールホルダーまでプレスに行く距離が遠くて、次から次へのプレスを連動できていたって感じじゃあないんだよね。
試合展開 後半
後半からの交代は無し。
開始早々、GKのロングキックから安田にコントロールシュートを撃たれるが、これはなんとかグローバーがかき出す。
一方の大宮も48分にサンデーが右サイドを抜け出してシュートを放つも、角度がなくサイドネットへ。
そして52分、最後尾の西尾の対角フィード(素晴らしい!)を受けた関口が、神トラップから得意のドリブルでペナ侵入。これをWB荒木が阻止するが、笛が吹かれPK獲得。おまけに前半イエローを1枚貰っていた荒木には2枚目のイエローが提示され、これで退場処分に。
PKは健勇が落ち着いて流し込んで、1-2と1点差に詰めることに成功した。
んで、この退場で試合展開は全く異なる様相へ。
だたまぁいつもそうなんだけど、10人になってからの試合内容についてはあまり語りたい事がなくなるので、残りは簡単に。
1人少ない甲府はIH佐藤和とFW藤井を下げて、左WBに小林、右IHに大島を入れる。1トップに太田を残した5-3-1にシフトチェンジ。中盤はやられても、最終ラインの5レーンは保持してサイドはやらせない形。
荒木退場後はひたすら大宮の攻撃の時間に。中盤が3人になった甲府相手に自由にボールを握り続け、中央への縦パスやサイドからのクロス等々、何度も甲府のゴール前に迫る。
・・・が、ゴールが決まらない。
甲府相手では去年からそうなんだけど、シュートを撃てども撃てども、どうしてもゴールを割れないんだよね…。
65分には神田・サンデー→カプ・山本、74分には松井→泉、87分には中山→日髙と、温存していた前線4人を投入して、一気呵成にゴールに迫る。
日髙交代後は小島1アンカー、健勇・日髙の2トップの4-1-3-2みたいにして得点を狙う。
カプリーニが下がってボール受けて運び屋になったり、関口と聖がサイドに張ってクロスを放ったり、山本や健勇が大きく動いてパスのハブ役になったりし、ゴールに迫っていく。
関口のクロスにヘッドで合わす山本、ゴール前の混戦からシュートを放つ泉、右に流れてシュートを放つ健勇など惜しいシーンを作るも、今日は何故かボールがGK正面に飛んでしまう。
最後は西尾を前線に上げてパワープレーを仕掛けるも、甲府の守備時の集中力は切れず、そのまま1-2でタイムアップ。EAST-B上位を争う甲府に対し、敗北を喫してしまった。
シュート数は「大宮: 16 VS 甲府: 12」、支配率は57%と、退場者を出した後は大宮が一方的にボールを握って攻めていた結果に。
ゴール期待値も「大宮: 2.23 VS 甲府: 1.01」と大宮が上回った結果で、2.23で1点しか取れなくて、1.01で2点も取られちゃったかーって感想でもある。
この試合もまた、ゴール期待値以上に得点を上振れさせた、太田のスペシャルにやられちゃったような結果になってしまった。。。
大宮の平均ボール奪取位置はは32.9 mと、流石に前半(26.7 m)から上げられはしたが、それでもまだまだ低い値で、上手いこと奪取ができていない事がわかる。
雑感
退場者が出た後は大宮が攻め続ける予想通りの展開にはなって、逆転の期待も高まったが、シュートを放てども最後までゴールを割れずに終わってしまった負け試合。
繰り返しになるけど、あっという間に2失点目を喫したのが本当にいただけなかった。
ただ、久しぶりに見た健勇・サンデーの斜め裏抜けの狙いであったり、神田のボールを引き出す動きであったり、終盤のカプや山本の奮闘ぶりであったりは見ていて面白くはあった。
この試合が終わり、6勝2分5敗、27得点19失点というここまでの大宮。
開幕4連勝で波に乗ったが、その後は勝ちと負けを繰り返すようになり、更に最近は明らかに負けがこんできて(ここ5試合で1勝1分3敗)、結果は下降線を描いている。
また結果のみならずここ5試合の内容の勝敗 (個人的主観)でも、FC岐阜戦: ◯、松本山雅戦: ×、ジュビロ磐田戦: △、藤枝MYFC戦: ×、そして今日の甲府戦: × (退場者が出る前まで)…といった具合いに相手に負けてて、実際によくないんだよね。それ以前に内容悪かったのは長野パルセイロ戦ぐらいだったので、結果だけでなく内容も下降線って感じ。
しかも同系統のチーム(例えばハイプレスチーム)にやられたってわけじゃあなく、それぞれが違った系統のチームに内容を上回れたって感じなのも、うーんって感じ。
*岐阜・磐田はカウンターに、藤枝・甲府は逆サイドを主としたサイド攻撃にやられた
前にも書いたけど、今大宮がやってるのは、前からプレスに行ってポジトラカウンターに繋げる、好守表裏一体のやり方のため、得点も増えるけど失点も増えるサッカーではあるんだけど、今は失点の多さが目についてしまってる感じ。松本戦の4失点はあれども、ここ5試合で9失点はちょっと取られ過ぎで、得点が取れるメリットよりデメリットの方が前に出ちゃってる状況でもある。
平均奪取位置が低かった今日もだけど、前からの狩りがうまく行かないと、前がかりをひっくり返されたり、密集抜けられて大外使われたりっていう、失点に直結するような悪い部分だけが表層化しちゃってる感じ。
更に悪いことに、狩りがうまく行ってないので、前半戦より得点ペースも落ちてしまっている。
修正のベクトルとしては、前からの狩りの最適化を図って、より強く前から行くのが一つ。もしくは狩りを緩めて、後ろに比重を置いて待ち受けるやり方に変えるのがもう一つ。
ただRB的には前者で行くだろうし、自分もそのサッカーの伸びしろに期待してるんで、個人的には前者を突き詰めていってほしいところ。
ただその中でも現実的な修正はできるはずで、例えば前節の藤枝戦なんかでしてたような守備のテコ入れ(詳細は藤枝戦の観戦記で)なんかのを、今後どうしてくるのかは気になるところ。今日はメンバー的なところだけでなく、その修正が元に戻ってたような気がする。
ただ迷っていても連戦は続いているわけで、週末には福島戦が待っているし、このリーグも残り5試合というところまで来ている。
微調整はかけて、色々試してほしいっすね。
*他の試合の観戦記などは下記から!
