【簡単あらすじ】聖女の毒杯/その可能性はすでに考えた(微ネタバレ)【井上真偽/講談社文庫】
『 疑わしきは拷ずーー 』
ある目的を果たすため、姚扶琳が向かった寂れた山里。
その里には、「カズミ様伝説」と呼ばれる見かたによっては大量毒殺事件と呼ばれる伝説が広まり、他にも結婚式の際の「嫁親詰り」「追い出し土下座」など不思議な風習がいまだに続いている。
成り行きでその結婚式に参加することになった姚扶琳と八ツ星は、式の途中で親族らが毒殺された現場に居合わせることになる。
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『はじめに』
季節が春へと移り変わりつつあり、冬の寒さを感じる日は少なくなってきましたが、それと入れ替わるように、花粉の季節が到来してきました。そうなると、当然のように休日は部屋で過ごすことが多くなり、それに比例して読書量が増えていますので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、作品や作者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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以前レビューしました、その可能性はすでに考えたの続編です。
本作は、主人公である探偵・上苙丞(うえおろじょう)が前面に出てくるのではなく、上苙に億単位でお金を貸しているビジネスパートナー?である、姚扶琳(ヤオフーリン)と、そして前作では敵側として登場した元助手・八ツ星聯(やつほしれん)を中心に話が進みます。
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姚扶琳の裏の事業についての描写から始まることで、出だしから物語に引き込まれ、その後は小康状態で淡々と進んできた物語が、突然シフトチェンジするのが第8章です。
第一部(前半)と第二部(後半)を分ける重要部分である第8章の最後の一文を読んだ時は、電車での移動中にも関わらず(周りの目を気にする余裕なく)、思わず息を大きく吸い込んでしまうほどの衝撃を受けました。
まさか、あの人のあのような独白で前半を締め、後半への引きにするとは…
そしてそこからは、シリーズ特有のジェットコースター的展開に姚扶琳と八ツ星が大きく絡むスピード感に引き込まれ、そのまま後半も一気に読んでしまいました。
(作者の思惑通りに・手のひらで転がされていますね…笑)
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全体で約400ページ・章の数は約14と、どちらを見ても中々のボリュームなのですが、一度物語に没入すると章数の多さが逆に良いテンポを作り出していることが分かると思います。
裏の世界の大物が登場したり、舞台は生きるか死ぬかの瀬戸際の状況という、とても物騒な物語のはずなのですが、話の進行や人物の描写によって、どこか間の抜けた・愛嬌のある話になっています。
地方の特殊な風習が問題の中心になったり、どこか浮世離れした世界観もあり、内容は深い・ドス黒いことも記述されているのですが、拒否反応を起こす方は少ないのではないでしょうか。
一気読み間違い無しの本作、皆さんも是非ご一読ください。
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