【簡単あらすじ】ぎんなみ商店街の事件簿 BROTHER(微ネタバレ)【井上真偽/小学館文庫】
『 これからあなたが目にするのは
ある事件のひとつの側面にしかすぎません 』
SISTER編で解決した事件でも
小暮四兄弟が辿り着いたのは、
もう一つの真相と
もう一つの解決方法。
今までの井上真偽さんの作風とは
また違ったイメージの本作、是非ご一読ください。
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『はじめに』
日本各地で雪の便りが届くようになり、東北南部も外出には厚手のコートが必要な季節になりました。そうすると、必然的に家や自室で過ごす時間が増えることになり、読書も捗る季節とも言えます。
このように、読書をするための絶好のシチュエーションを得られる時期ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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『拝啓、お袋。みんな、まあまあよろしくやっています。』
ぎんなみ商店街のそばに住む小暮家の四兄弟が、商店街に関係する問題に首を突っ込み、問題を解決するまでのお話しです。
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第一話 桜幽霊とシェパーズ・パイ
「あの坂歩いていると、母ちゃんの幽霊に会える気がする」
次男・福太と三男・学太が学校から帰宅すると、玄関先で、長男・元太に好意を寄せている女性からシェパーズ・パイの差し入れをいただく。
家にいた元太とその差し入れを食べていると、
銀波警察署の警官から
「末っ子・良太が交通事故の現場に居合わせたので引き取りに来て欲しい」という電話がかかってきた。
事故から時間が立っての電話のため不審に思っていると、良太は警察官から逃げ回っていたという。
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第二話 宝石泥棒と幸福の王子
「いや‥‥‥俺も、お前の不幸の一部を背負ってやろうと思って」
「それより、幸福をくれよ」
中学校では書道部に所属する学太。
書道部は産休中の先生に代わり、特別非常勤講師であるマイカ先生が顧問を代理している。
中学校では秀才で通っている学太は、マイカ先生から、部活中に生徒のコンクール出品予定作品が壊された犯人が、書道部にいるのではないかという相談を受けていた。
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第三話 親子喧嘩と注文の多い料理店
「人間って、罪深いよな」
夏休みの真っ最中、部活の仲間と川釣りをしている福太。
なかなか魚は釣れない中、福太の釣り針に引っ掛かったのは、近くの食肉卸会社のものと思われるクーラーボックス。
蓋を開けてみると、中には、「ところどころ虫食いみたいな四角い穴が開いている」焼き鳥の特集本が入っていた。
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以前レビューしています、探偵が早すぎる
や、その可能性はすでに考えた
が、私にかなり刺さっていたので、元々気になっていた作品&井上真偽さんは気になっていたのですが、ほんタメMCの、ヨビノリたくみさん・あかりんの二人が帯になるということで、早速購入した作品です。
こちらのBROTHER編は、料理人の長男・元太、高校二年生の次男・福太、中学二年生の三男・良太、小学生二年生の良太、の小暮四兄弟がメインキャラです。
先日レビューしたSISTER編もお時間ありましたらご覧ください。
今の時代では少し古風に聞こえる名前は、亡くなってしまった絵本作家の母親がスキだった「ガンバの冒険」に出てくるネズミのキャラクター、
「主人公のガンバ、親友のマンプク、知恵袋のガクシャ、強くて情に厚いヨイショ」が基になっています。
SISTER編、BROTHER編ともに、自分の名前がテーマとなっている、書き出しの「小学生時代の作文」がとても良かったです。
SISTER編では、「自分の名前が嫌いで、もし子供が出来たら絶対にこの名前は付けない」
BROTHER編では、「自分の名前に誇りを持ち、名前負けしないような人間になりたい」
どちらも、良い意味でも悪い意味でも、自分の名前を無視することが出来ない学生の本音が描かれています。
そして本作で発生した事件では、そのことが足枷になったり・違う視点を見つけるヒントになったり。
私の名前も、かなりすったもんだがあった後に決定したものであり、一人一人に様々な名前の付け方・両親の想いが入っていると考えると、ちょっとしみじみしました。
第三話については、人と幸せを比較するということが、ある人物の人生の足枷になってしまったのかなと。
人と比較して、もっと頑張ろう・このくらいでも幸せという、ある程度の前向きな結論になるならまだしも、嫉妬してしまうと「自分の足枷になる」だけでなく「嫉妬の対象となった人にも悪影響を及ぼす」という、誰も得しない状況になることが多いです。
個人的には、私の今までの人生で「自分が幸せ・平和に暮らすためには、ある程度自分の周りの人たちも幸せ・平和でないといけない」ということが分かっているので、人と幸せを比較して「嫉妬する」というのが一番プラスにならないと思っています。
せっかくの自分の人生を、他人に大きく左右されるようなものにはしたくないですし。
また、あかりん・齋藤明里さんの解説も、いつもの「ほんタメ」でのやりとりの雰囲気で書いてありますので、ほんタメハードカバー勢からすると、それも楽しめると思います。
井上真偽さんの新しい作風が感じられる本作品、
是非ご一読ください。
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