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異星人アリサと閻魔さまのトリセツ第38話「奪衣婆の繁忙期」【連載小説】

はじめに

奪衣婆《だつえば》は、三途の川で死者の衣服を剥ぎ取り、その重さで罪の重さを測る役割を持つ存在です。諸説ありますが、この物語では閻魔大王の妹という設定で、女神の一柱として描かれています。


奪衣婆の繁忙期

その日のレクチャーの最後のトピックは奪衣婆だった。

それは入院中、真由美とアリサが盛り上がった話題の一つであり、真由美は前もってドクター・ミネルバにリクエストを出していた。

「先生、奪衣婆についてのレクチャーをお願いします。戦時中は死者が多くて彼女も忙しかったと思いますが、それ以外の時代はどうだったのでしょう?」

「では、戦時中を除いて奪衣婆が最もその名を轟かせた時代についてお話ししましょう。それは、世界中で疫病が猛威を振るい、自然災害が相次いだ時代です。真由美さん、こちらをご覧ください。」

そう言って、ドクター・ミネルバが真由美に渡したシートには、次のような内容が記されていた。


―疫病
黒死病 (1347–1351): ヨーロッパで約2,500万人、全世界で約6,000万から7,000万人が死亡
スペイン風邪 (1918–1919): 約500万人から1,000万人が死亡
ユスティニアヌスのペスト (541–542年): 毎日約5,000人から1万人が死亡
―自然災害:
中国の黄河洪水(1931年): 約100万人が死亡
中国の大地震(1956年): 約100万人が死亡
ヨーロッパ熱波(2003年): 約5,000万人が死亡


真由美は記録を一通り確認し、その内容に驚きを隠せなかった。そして、ドクター・ミネルバに感想を述べた。

「疫病や災害で、こんなにも多くの人々が亡くなっていたんですね。奪衣婆が一人で死者の服を剥ぎ、罪を量り続けていたなんて……本当に辛かっただろうと思います」


「ええ、まるで死にそうになるまで働き続けていたと聞いています。それに、日本だけでも、2011年の東日本大震災では15,900人が、1995年の阪神・淡路大震災では6,434人が、1985年のJAL123便墜落事故では520人が命を落としました。さらに、過去数十年間でガンや心筋梗塞による死者は数えきれないほどです。そして、極め付けは2020年に始まった(日本では2021年から)“打って安心計画”による薬害です。国やメディアは明確な情報を公表していませんが、死亡者数が大幅に増加しています。我々宇宙人の試算では、今後は……。これでは奪衣婆は引退したくなるかもしれません。ただし宇宙最先端の医療機器で治療を受ければ、事態は変わるかもしれません。もし現在、接種者が元気な状態なら、まだまだ間に合うでしょう。奪衣婆も踏みとどまってくれるかもしれませんよ」

「そうですね……今、大丈夫なら、最先端の治療を受けて寿命を全うできる人々が増えるかもしれませんよね。と言っても、流石に180歳までは無理かもしれませんが」

第39話へ続く


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