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「つくりたい期」にどんどん挑戦して食べることを楽しむ/編乃肌先生

3月6日(金)に新刊『台所には薬箱とスパイスがあるといい』を発売しました。こちらを記念して、さまざまなライフスタイルやお仕事の10名に、ごはんしたくについてインタビューする連載企画【十人十色の薬箱とスパイス】をはじめました。

これまでの連載はこちら

第1回 買わない。迷わない。マイルールのあるごはんしたく/紫吹はるさん
第2回 日々のごはんしたくは笑顔を引き出す給食の「試作」時間/松丸奨先生
第3回 忙しい日々でも30分でつくる"家族ファースト”なごはん/髙塚しいもさん

第4弾となる今回は、さまざまなジャンルの小説を書かれている小説家の編乃肌先生にお話をうかがいました。



編乃肌先生プロフィール


兼業作家。
学生時代から活動しており今年でデビュー、ちょうど十年目。小説や漫画原作などを担当。

凛花:

肌先生とは、数年前からX(旧・Twitter)で仲良くしていただいています。

そして先生の小説が大好き!
何冊も買っています。


図書室の肌先生コーナー(凛花撮影)


今回、どうして小説家の肌先生にお話を聞いたのかというと幅広いジャンルを執筆するなかで、「おいしい小説」もたくさん書かれているイメージがあったからなんです。

中でも以前サイン本でご恵贈くださった『緑の箱庭レストラン』がストーリーも、おいしいものが出てくるところも、観葉植物が出てくるのも。
なにもかもが私の好みど真ん中で……。

いろいろとお話をお聴きたいと思ったというのが今回のインタビューの背景でした。



自炊は"高低差”がある


凛花:
まずは、肌先生の暮らしや食生活についてお聞きしたいです。


肌先生:

スケジュールが定まらないかなり不規則な生活をしているため、一人用ご飯を作る時が多いです。食べる時間もバラバラです。
お料理は時間があって凝る時と、時間がなくて雑な時とで物凄い差があります。
美味しいものは大好きです!


凛花:

料理の高低差がある感じ、私もすごく同じなので個人的にめちゃくちゃ参考になりそうです。楽しみ!
自炊をはじめられたのはいつごろですか?


肌先生:

物心ついた時から母子家庭でした。弟が二人いる長女なので、自炊は本当に子供の頃から自然と覚えました。

お料理は好きでも嫌いでも……といった感じでした。

でもハマる時が定期的に来ます。
その時はいろんなメニューに挑戦したくなります!


凛花:

家族を支えるなかで、自然と料理を身につけられていったのですね。

ちなみにハマるときは、なにかきっかけがあったりしますか?

肌先生:

料理にハマる時のきっかけは、それこそお料理本が目についたり、お料理の写真を見たりすると……自分も急にやりたくなります。

外からの刺激で、いつもやる気をもらっている気がしますね!


凛花:

私はそれこそ、肌先生の『緑の箱庭レストラン』を読んだあとにスイッチが入りました! 作中に出てくる「春キャベツのペペロンチーノ」がおいしそうでおいしそうで。
時期的に春キャベツは見当たらなかったけど、キャベツで作りました(笑)

私も料理の意欲に高低差があるとお話ししたんですが、元気だし忙しいわけでもない。なのにやる気だけがないみたいな時期があって。

そういうとき、よく、肌先生の作品を読み返してるんです。
物語のちからってすごいなあと思っていて。ただ読んで楽しんでいるだけなのに動きたくなります。だから「おいしい小説」って大好きなんです。

そういえば、『腹ペコ神さまがつまみ食い』という作品では、お夜食がテーマだから、すこし手軽な料理が多いのもうれしいです。
「バター醤油汁なしうどん」もおいしかったなあ。


肌先生:

作品の感想、たくさんありがとうございます!
腹ペコ神さまは、私の夜食事情が出過ぎていてちょっと恥ずかしかったりも……笑




お気に入りメニューは、サルティンボッカ


凛花:

その日つくるものは、どんなふうに決めることが多いですか?


肌先生:

本当に不規則な生活なので、スーパーに行ける日に買い込んだらその食材で3日、4日持たせます。

どうしても長く行けない日が続くと、日持ちする食材と冷凍を組み合わせたりなど……。

時間がある時は、XやYouTubeのお料理紹介で流れて来たメニューで気になるのをよく試しています!笑 それで作った中でも、特にサルティンボッカという料理が定番になるくらいお気に入りでよく作ります。


凛花:

サルティンボッカ!? 調べてみました。イタリアを中心としたヨーロッパの料理なんですね。
あ、思っていたよりも手軽につくれそう。

でも見た目がすごく凝っているから、これを作れたら、食卓に並んでいるのを見ただけでもわくわくしそうだなあ。



同じメニューも「なにか一つだけ」変えてつくる


凛花:

肌先生の料理の「薬箱」について教えてください。「薬箱」は料理を「ラク」にする工夫のことです。


肌先生:

創作者ならではかもですが……毎回、同じメニューでも、なにかひとつだけ変えて作ったりしています。


©肌先生

私はパスタ大好きで、時間ない時でも作れるパスタ率が高いのですが、例えば同じペペロンチーノでも、具材をキャベツからルッコラにしたり、オイルを燻製のものにしてみたり……。
なにが一番合うか選手権を一人で開催してます笑



凛花:

すごく興味深いです! そうか、ちょっとしたアレンジを加えるだけなら、考える手間も作業の負担も少ないですね。
「なにが一番合うか選手権」はすっごくたのしそうなので、次にお聞きしたい「スパイス」の要素もあると感じました。

ちなみに私は、レトルトを使うのに以前罪悪感があって、「ひとりレトルトミシュラン」を開催してました(笑)

これに「なにが一番合うか選手権」をかけ合わせて、レトルトカレー×トッピングのセルフ大会をやってみたいなって思いました。




料理へのスタンスは、基本的に挑戦!失敗してもそれはそれ!


凛花:

先生にとって、料理の「スパイス」は何ですか? ここでいう「スパイス」は料理を「楽しく」する工夫のことです。


肌先生:

前の項目でお話したのですが、パスタ好きです!

自作品の『緑の箱庭レストラン』という物語にも、春キャベツのパスタが出て来ます。他にも鶏肉の苺ソース掛けなど、この作品はちょっと凝ったメニューに挑戦したものが、物語にも反映されています。


©肌先生

凛花:

作中に「鶏肉の苺ソースがけ」が出てきたときはわっと驚かされました。意外な組み合わせというか。
お肉×苺って、まったく想像したこともなかったんです。

©肌先生

どんな味なのかすごく気になりました。

肌先生がお料理に夢中になる時期に、新しいものをたくさん試すことで、作中の料理にも反映されているのかなあと感じました。外食などもされますか?


肌先生:


仕事柄、外食率も高いです。
美味しかったものをお家で再現に挑戦したりもして……家でお気に入りの洋食屋さんのパスタ再現に成功したことはあります!


凛花:

すごい……!

先生の場合、味や食材を分析する力と、調理スキルといった、自炊の基礎がすでに高いのだろうなあと感じます。

私も再現大好きなんですが、簡単仕様で「ああこの味だ!」まではたどり着けません(笑)

肌先生は「新しいもの」を試すのが好きで得意なのかなあとここまでお話を聞いていて思いました。


肌先生:

私の料理へのスタンスは、基本的に挑戦!失敗してもそれはそれ!って感じです! それがスパイスなのかな?と!



食べることも好きだし、小説にも生かしたい


凛花:

料理について、今あらためて思うことがあれば、なんでもお教えください。


肌先生:

面倒臭がり屋のくせに、スイッチ入ると凝り性なせいで、日々の自炊生活にはムラがありまくりだなあと……改めて振り返って思いました。
手抜きの日はパックご飯にレトルトカレーや、サラダとフリーズの味噌汁だけなんてことも……。


凛花:

わ、わかります……。うちは家族が偏食ばかりで、レトルトですら同じものを出せないんですが、その分自分がたべるものは卵かけごはんだけの日とか、納豆ごはんだけとかよくあります……。食べるのは好きなんですけど。


肌先生:

でも食べることは大好きですし、作りたいメニューと出会ったらすぐ挑戦しちゃいます!
またお料理ものの作品も書きたいなと思っているので、常にアンテナは張って料理も続けていきたいですね。


凛花:

肌先生、ありがとうございました! 最後にひとつだけお聞きしたいです。創作と料理、似ていると感じることはありますか?


肌先生:

創作と料理、自分の中で自由に組み立てられて、それがカタチになる……というところは過程が似ている気がします。

どちらも、最後は自分との戦いなのかも?笑

でもだからこそ、カタチになったものを誰かに読んでもらう、人に食べてもらうのは、格別に嬉しいのかもしれませんね!


▼3月6日(金)に発売した私の新刊『台所には薬箱とスパイスがあるといい』についてはこちらから。1食のごはんしたくはなんと30アクションも必要だった。そんな気づきをベースに「ラク」と「楽しい」を調合する実用エッセイです。


編乃肌先生の薬箱とスパイス



お話の中で紹介した作品はこちら!


肌先生の作品、何冊も読んでいますが、どれを読んでもおもしろいです。

4月に2冊の発売があるそうなので、合わせてご紹介します。詳細はリンク先の肌先生のXへ。

世界で一番「可愛い」雨宮さん、二番目は俺。

愛されてる場合じゃないの』 ↓


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三條 凛花 最後までお読みいただき、ありがとうございます♡