『破壊される家計』──生きるための希望 【第4章・第二部】
【反撃編 プロローグ】
【はじめに】
妻の脳出血。息子の自殺騒ぎ。
そして──
経済的な困窮が待っていました。
すべてが予期せずに──
立て続けに起こった異常事態に混乱し、私は押し潰されかけていました。
その時はまだ、介護に至るまでの、
ほんの入り口でしたが──
最大にして、
最悪だった問題
"お金"
本編では、その経済的な困窮を、
その時どうやって乗り越えたのか、
出来る限り、ありのまま綴っていけたらと思います。
※本作品は、筆者の実際の経験に
基づいて構成されています。
およそ10年前──
その時は、
『もうダメかな』が、私の口癖でした。
それは妻が倒れてから、
まだ間もなかった頃──
私の口からは、毎日のように、
それが自然にこぼれていました。
妻が倒れ、息子が自殺騒ぎを起こし、
経済的な困窮に追い込まれるという。
まさに未曾有の
『三重苦』
それが、ほぼ同時多発的に起こり。
どう対処すれば良いのか分からず、
私はまさに途方に暮れ続けていました。
自発呼吸もできず、
意識のない妻がいるICUの空気が、
やたらと重く感じていました。
例えようのない苦痛と悲しみ、
絶望に襲われ続けて──
【死んだら楽になるのかな】
と考えた時でもありました。
それから、しばらくの間──
何も抗うこともできず、
ただ泣き喚くだけの日々は、
続いていました。
声にならない怒りや悲しみは、
少しも変わらず──
人知れず、
病院の駐車場に停めた車に行っては、
何度もハンドルに頭を打ちつけたり、
訳の分からない叫び声上げたり、
泣き喚き散らしたりしていたことも多々でした。
けれど、何よりも、
私の心の底にあった一番の感情──
それは、【悔しさ】でした。
なぜ、自分がこんな目に合わせられなきゃいけないんだ?
いったい妻が、
何をしたって言うんだ?
──という。
どうしても納得できない思いと、
いきなり突き落とされた、
あまりに理不尽な厳しい現実に対する
それは、
【怒りにも似た悔しさ】でした。
それから、しばらくして──
ようやく冷静になれた時、
ふと、私は、
『自分が何とかできるもの』
に気付きました。
それは、私が収入さえ増やせれば、
解決できる単純明解な問題。
つまり、『お金』──
気付けばすぐに、
妻のベッドのすぐ横で、ネットバンクと証券口座の画面を開く自分がいました。
「どうせ終わるなら、
やれるだけやって、終わってやる」
「このまま終わってたまるか」
目の前の厳しい現実に、
必死に抗おうとする思いだけが、
そのとき、唯一の
“生きるための希望”でした。

『破壊される家計』
──生きるための希望【完】
▼この話は続きます。
『破壊される家計』──
『人として生きるために必要なもの』
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