『リベンジ・キッチン3』──妻への敬意と感謝を込めて
もともと凝り性でもある私が、
【肉じゃが】は、
煮るんじゃなく炊くもの
…などと悟りを開いた頃には、
すでに相当な回数を重ねていました。
その頃には、どんなにクオリティの高い
肉じゃがを出そうとも──
すでに、それを毎日のように食べさせられてきた子どもたちは、
もはや積極的に箸を付けることもなく。
しまいには、長女から、
『もう私たちのために、
ご飯作らなくていいから』
と言われる始末──
それでも、めげずに作り続けたおかげで、大半の料理をレシピを見ずに作れるようになりました。
例のモヤシの"ナムル"は、
いまでは定番の料理にまで成長しています。
青臭さが残らない程度に火を通し、
そのシャキシャキ感は、
モヤシを極めた一皿に。
王道のカレーにいたっては、
熟成を柱とし、寝かすと火を通すを何度も繰り返すため、
その日には食べることができないほどに、こだわっていました。
食材の買い出しも、
何を作るかを決めてスーパーに向かっていましたが、
今では、並んだ食材を見ながら、
家にあるものでアレンジすることもできるように。
また味醂や酒の調味料だけでなく、
バジルやローズマリーなどのハーブ類も、自在に使いこなせるまでになっていました。
ただ、それでも私は、
【料理を作ることが、
好きではありません】
…そして実は、
【スーパーに買い出しに行くのも、
好きではありません】
理由はシンプルに、「面倒だから」。
何を作るか考えるのも、
買いに行くのも、調理も、片付けも
──すべてが面倒。
外食は好きですが、
そもそも料理への関心は薄く、
「わざわざ作ってまで食べたい」
と思ったことは、正直ありません。
ただ、これまでの介護生活を経て、
今では料理に限らず、
家事のほとんどすべてを、
妻が望むクオリティにまでこなせるようになりました。
倒れるまでの20年間──
妻は、
こんな【大変なこと】を
本当によくやってきたと。
今さらながらに、そう思います。
あらためて妻には、
心から──
敬意と感謝を込めて、
この話を贈りたいと思います。

『リベンジ・キッチン3』
──妻への敬意と感謝を込めて【完】
▼前回の話『リベンジ・キッチン2』
▼この話のシリーズが、収録されたマガジンはこちらからご覧になれます。
▼その他の話やシリーズは、全体構成【目次】からご覧になれます。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援とフォローをお願いします。
チップはクリエイターとしての活動費にいたします!