『リベンジ・キッチン2』──その段取りと謎の調味料
【はじめに】
『私は料理を作ることが、
好きではありません』
それは10年近く、妻を介護してきた今も変わりません。
脳出血で倒れるまでの20年間。
妻は、この料理という【大変なこと】を主婦として、よくやり続けてきたと感じています。
心から妻には、敬意と感謝を込めて、
この話を贈りたいと思います。
まだ妻が倒れたばかりの頃──。
それまで台所に立ったことのない私にとって、料理は至難の業でした。
先に書いた【味噌汁】や【ナムル】に、
とどまらず、次々に食べ物を食べられない物へと変えていきました。
いざ、料理をする!とは、
決意したものの、
子ども達からは、
『人間の食べる物じゃない』だの、
『食べもので遊んじゃいけない』だのと、さんざんでした……。
それでもめげずに私は、
『このままじゃ終われない』
という闘志に火をつけ、
台所に立つ時間を少しずつ増やしていきました。
当初は、
台所に立つ1回で1品作るのが精一杯でしたが、徐々に2品、3品と、
同時進行で作れるようにもなりました。
【なるほど、料理は段取りと手際か】
そう気付いたのは、
かなり料理が上達してからでした。
作りながら洗い物や片付けを済ませ、
食べる頃には、
キッチンを元どおりにすることも自然に出来るようになりました。
そのためには、
洗い物が増えるのを恐れずに、
切るものは先に切っておいたり、
分量を測った調味料を小皿や別の容器に移しておく。
さながら料理番組のように、
調理前のキッチンには、
ボウルや小皿がずらりと並ぶようになりました。
またその頃にはよく、
ネットなどで料理動画やレシピを見ながら、研鑽を重ねるようにもなっていました。
けれど、
料理初心者の私にとって最大の謎は、
【みりんや酒の調味料】
日持ちもするので、
特に煮物は作ることが多かったのですが、
「なぜ、それを入れるのか」は、
甚だ分かりませんでした。
みりんって、何目的?
え、なに味になるの?
そもそも、
酒とみりんって何が違うの?
……ってか、いるの?
レシピに書いてあるから入れる。
私には、ずっとそんな感覚でした。
また、似たような食材ばかりを買うせいか、同じような食事がいつも食卓に並びました。
いつしか長女からは、
【えっ?、また?】
と聞こえるようになり……。
その中でも【肉じゃが】は、
私が一番多く作った料理の一つです。

『リベンジ・キッチン2』
──その段取りと謎の調味料【完】
▼『リベンジ・キッチン3』へ続きます。
▼前回の話──不機嫌なナムル
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