「社長の人生」と実存合理性
実存合理性 第2回
タイトル絵:じぶんハードル(社長の実存合理性と小話)
こんにちは。
Secondoプロデューサーの内本です。
前回の記事で経営には、「市場合理性」と「実存合理性」という
二つの意思決定の軸がある、というお話をしました。
今日は、その続きとして。
私が30年以上、広告やブランディングの現場で見てきた中で、ある共通点があります。
ブランディングとはつくることではない。
誰かが用意することでもない。
ブランドとは時間を積み重ねて、出てきた結果です。
では、どこに在るのか?
それは、社長の実存合理性に基づく行動の結果から見えてきます。
あなたも「社長の実存合理性」をビジネスに活かしませんか?
詳しくは、Secondoまでお問い合わせください。
ブランドは会議室からは生まれない
ブランディングというと、
・ブランドコンセプト
・ブランドストーリー
・ブランドカラー
・タグライン
そんな言葉が並びます。
もちろん、それらは大切です。
ですが、広告の現場で何百というブランド開発に関わってきて、私たちはあることに気づきました。
会議室の中だけで作ったブランド戦略は、長続きしない。
理由はシンプルです。
それは、社長の人生とつながっていないから...
強いブランドの裏には「人生のエピソード」がある
例えば、
なぜ、この仕事をしているのか。
なぜ、この商品を作っているのか。
なぜ、この業界を変えたいのか。
そこを深く掘っていくと、多くの場合
社長の人生の原体験にたどり着きます。
・子どもの頃の体験
・悔しかった出来事
・誰かに救われた瞬間
・社会への怒り
そうしたものが
「自分はこの人生で、何を変えたいのか」
というエピソードから事業になることが多いです。そんなことないよ!と言う方にも、私たちのワークを経験すると、必ず出てきます。
つまり、ブランドとは、社長の人生の延長線上にあるもの。
市場合理性だけでは弱い
もちろん、経営には市場の視点も必要です。
・市場が伸びているか
・競合との差別化はあるか
・利益が出るか
こうした市場合理性は、とても大事です。
しかし、それだけで作られたブランドは、
どうしてもどこかで見たことのあるブランドになりがちです。
なぜなら
市場分析から作られるブランドは、
どうしても平均点の答えに近づいてしまうからです。
実存合理性がブランドを強くする理由
なぜ、実存合理性がブランドを強くするのでしょうか。
それは、実存合理性を探ることが経営の軸を明確にする行為だからです。
簡単に言えば「私は何のためにこの人生を使うのか」という
問いに基づく意思決定の軸のことです。
経営の現場では、売上や競争環境などの「市場合理性」によって意思決定が行われる場面が多くあります。しかし、それだけでは企業の方向性が短期的な判断に左右されやすくなり、ブランドの一貫性を保つことが難しくなります。
一方で、経営者自身の実存合理性、
つまり「なぜこの事業をやるのか」という根本の軸が明確になると、
企業の中で次のような変化が起こり始めます。
・商品に、その企業ならではの思想が宿る
・発信に、一貫したストーリーが生まれる
・社員が、仕事の意味を理解できるようになる
・顧客が、その価値観に共感するようになる
こうした変化が積み重なることで、企業の活動は単なる商品販売ではなく、一つの世界観を持ったブランドへと育っていきます。
つまり、実存合理性とは、企業活動のすべてを貫く
「意味の軸」をつくることです。
そして、その軸が明確になるとき、
ブランドには単なる機能やデザインを超える。
ブランドに“魂”が入るということです。
ある社長の実話
以前、こんな相談を受けたことがあります。
その方は、介護事業向けのアプリを企画販売する会社の社長でした。
スタッフはアルバイトや外注。
いわゆる“ひとり社長”です。
相談内容は、とてもシンプルでした。
「サービスがここ1年くらい、あまり売れていないんです。
どういう売り方をしたらいいでしょうか?」
よくあるマーケティング相談のように聞こえるかもしれません。
ですが、まずはワークをやっていただきました。
この時に実施したワークは、社長の価値観や行動パターン、思考の癖を深く見ていくワークでした。
何度かセッションを重ねるうちに、あることが見えてきました。
この社長は、俗に言う社長タイプではなかった。
もっと正確に言うと
前に立つリーダーではなく、裏方の参謀タイプでした。
社長っぽくない社長
その方は、決して営業が得意ではありませんでした。
むしろ逆です。
声は小さい。
話し方もゆっくり。
正直、聞き取りづらい。
営業系の経営コンサルの方なら、「もっとハキハキ話しましょう」
「営業トークの型を作りましょう」と言うかもしれません。
ですが、私たちは違う提案をしました。
まず、本人にこう伝えました。
「あなたは社長っぽくありません。」
もちろん、失礼な意味ではありません。
むしろ、それが強みです。と...
営業をやめてください
私たちが最後に伝えたアドバイスは、少し変わったものでした。
「営業はしないでください。」
「商品の説明は、一切しないでください。」
そして、もう一つ。
見た目を変えましょう、と。
デザイナーのようなメガネ。
AI専門家のような服装に。
そして、ここが大事。
・無理に笑わない
・聞かれたこと以外は話さない
・すぐに答えない
つまり、その人のままでいること。
営業マンになろうとしないこと。
参謀タイプの地を、そのまま出すこと。
その人の地を出してもいいんだ、
という環境を作るのが大切です。
こうすることで営業先の経営者から
・この人、ものを売らないから「営業マンじゃない認定」
・AIの話は熱く語るから「AI専門家認定」
・無口だけど、聞きたいことには答えてくれるから「悩みに応えてくれる人認定」
このように相手から認定されたら勝率6割に引き上がります。
これで営業しない営業マンが完成です。
あとは、良いサービスを見せるだけです。
誰にでも簡単に出来そうだけど、実は一番難しい。
理由は、「ねばならない。」に縛られているから…
売上が変わった理由
すると、面白いことが起きました。
サービスの問い合わせが、少しずつ増え始めたのです。
そして、なんと
それまで2年やってきた契約数と同じ契約数を、わずか1ヶ月で達成できました。
サービスは何も変えていません。
価格も同じ。
機能も同じ。
変わったのは、ただ一つ。
売る人の在り方です。
つまり
その社長の実存合理性に合った売り方になった。
ということです。
社長自身がブランドになる
会社のブランドは
ロゴでもなく
キャッチコピーでもなく
実は、社長そのものだったりします。
社長が無理をして、別の誰かのように振る舞うと
ブランドは弱くなる。
でも
社長の人生テーマや
本来の強みと一致すると
ブランドは急に力を持ち始めます。
Secondoがやっていること
私たちSecondoは、マーケティング経営支援の会社でありながら、
社長の実存合理性を言語化する、お手伝いをしています。
社長の人生テーマに気づきや自覚を促し、それを市場価値に翻訳する。
そうすると
・ブランド
・商品
・マーケティング
・発信
すべてが、同じ方向を向き始めます。
あなたの人生テーマは何ですか?
最後に、一つだけ質問させてください。
あなたの会社は、何を売る会社でしょうか?
それとも、どんな世界をつくろうとしている会社でしょうか?
その答えの中に、あなたが求めている
ブランドの姿があるのかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回予告
「恋する社長」と実存合理性
経営が上手くいっている社長は、自分に恋をしてる!
なぜ?次回は、ブランドのお話です。
「社長と実存合理性」シリーズは、日付順から読むと
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