「社長のじぶん探し」と実存合理性
実存合理性 第5回
タイトル絵:じぶん探偵(社長の実存合理性と小話)
こんにちは。
Secondoプロデューサーの内本です。
前回の記事では、
#04「意思決定を外注する社長」と実存合理性の中で
軸が明確になると、経営判断が2.8倍※に跳ね上がる。
※参照:Secondoプロジェクト診断(2022〜2025年)
というデータを紹介しました。
するとよく聞かれます。
「でも、なぜ 自分を知るだけで経営スピードが上がるんですか?」
この質問はクライアントの質問No.1です。
今日はその話を書いてみます。
あなたも実存合理性をビジネスに活かしませんか?
詳しくは、Secondoまでお問い合わせください。
社長の1日の「意思決定」200以上
社長の仕事とは何でしょうか。
営業でしょうか。
戦略でしょうか。
マネジメントでしょうか。
もちろんそれもあります。
しかし本質はもっとシンプルです。
社長の仕事は「意思決定」です。
人は、1日約3.5万回意思決定を行なっているそうです。
心理学研究では、人間全体の意思決定数は、
約33,000〜35,000回/日※と言われています。
※By Jacob Kupietzky, Forbes Councils Member.
ただし大半は、どの服を着るか、何を見るか、
どの言葉を選ぶかなどの無意識な判断と言われています。
中小企業の社長の場合はどうでしょう?
・経営
・営業
・人事
・お金まわりのこと
・自社サービスのこと
・トラブル対応
会社のほぼすべてを判断します。
一般的に社長が最終判断には、100〜200以上の
意思決定が必要と言われます。
例えば
・この戦略で行くか
・この人を採用するか
・この商品を出すか
・この投資をするか、といった意思決定の連続です。
社長の判断が止まる瞬間
ところが多くの社長は、ある瞬間に止まります。
それは「どれが正しいか」を探し始めたときです。
例えば、SNSを強化するべきか
広告を出すべきか
コミュニティを作るべきか
調べれば調べるほど、成功事例が出てきます。
つまり、全部正しい。
すると人はこうなります。
・もう少し情報を集める
・もう少し意見を聞く
・もう少し考える
結果、経営が止まる。
ここ、思い当たる社長は多いと思います。
判断は、「情報」ではなく「軸」で決まる
意思決定は、情報量で決まるのではありません。
判断基準(軸)で決まります。
例えば、A案、B案、C案があったとき、判断基準がないと人はこうなります。
そうすると、
・もっと情報を集める
・もっと意見を聞く
・もう少し考える…
つまり、経営が止まる。
「自分を知る」とは「判断基準を知る」こと
ここで出てくる自分を知るという話ですが、
多くの人は自分を知る = 自己理解と思っています。
しかし、経営で重要なのは判断基準としての自分です。
つまり
・何に価値を感じるのか
・何に怒りを感じるのか
・何を守りたいのか
・人生を何に使うのか
これが明確になると、判断が一瞬で終わります。
ここで、大きな問題が起こります。
自分を知りたいけど、どうやって?
実は、自分のことは、自分が一番よくわからない。
自分の価値は、たくさんの他人と比較することで
はじめて、自分の価値に気づきます。
この比較する項目と進め方が、大切でとてもセンシティブな内容です。
私たちは8つの比較価値というものさしを使います。
もう一つ、大事なこと
一番身近な人に相談してはいけない。
ここで、もう一つ大事なことがあります。
自分に一番近い人に相談してはいけない。
正確に言うと利害関係のある人です。
本人に悪意がなくても、人は無意識に相手をコントロールしようとします。
だから私たちは、関係性が一番遠い人から相談することをおすすめしています。
Secondoのプロジェクトでも最初に確認することは、
社長の利害関係者との関係性です。
そのリスクについて、くわしく知りたい方は こちらからご相談ください。
うちの社長の実話
ここでうちの社長の話をします。
社内で、社長はこう呼ばれています。
「探偵社長」
なぜかというと、何かを決めるとき、必ずこう言うからです。
「ちょっと現場を見てきます。」
ある日、あるクライアントの看板広告の相談を受けました。
クライアントは、A自動車教習所、地域では有名な自動車教習所です。
そのときの会議テーマが、看板広告の設置場所でした。
広告会社から媒体資料が届き、会議室で検討していました。
資料を見る限り、一見とても良い場所に見えます。
・交通量も多い
・視認性も良い
・交差点付近
いわゆる「良い看板の条件」が揃っていました。
広告会社の説明も、とても理論的でした。
「この場所は1日○万台通行します」
「ドライバーの視認時間は○秒です」
なるほど。確かに良さそうです。
そのときでした。
うちの社長が、突然こう言いました。
「ちょっと現場を見てきます。」
探偵社長、出動
資料の話は一旦止まり、社長は本当に車に乗って出かけました。
私は思いました。「いや、資料で分かるのでは…?」
でも社長はよく言うんです。
「現場を見ないと分からない。」
30分後。社長から連絡がありました。「戻ります。」
そして会議室に戻ってきて、第一声がこれでした。
「この看板、やめましょう。」
一同「え〜」。
理由を聞くと
「この看板の先に、A西自動車教習所があるんですよ。」
実はその地域には
A自動車教習所
A西自動車教習所
という、紛らわしい競合がありました。
つまりこうなります。
ドライバーが看板を見る→そのまま車で進む→すぐに競合のA西自動車教習所が現れる
結果、競合の案内看板になる。
媒体資料には、そんなことは書いてありません。
でも車で走れば、一瞬で分かることでした。
顧客の視点で走る
社長はさらにこう言いました。「教習所を探している人の気持ちで、実際に車を走らせてみたんです。」
すると、看板の先にすぐ競合の教習所が見える。
もし自分がドライバーだったらどうなるか。
ほとんどの人は、「ここでいいか」と思う。
つまり、広告費を払って、競合を宣伝する可能性があったということ。
・顧客の視点
・現場の状況
・実際の体験
そこを見ないと、本当の判断はできない。
媒体資料は合理的です。
データも合理的です。
でも、現場のリアリティには勝てません。
実は経営も同じだと思います。
会議室ではどんな戦略も正しく見える。
でも現場に行くと、「これは違うな」と分かることがよくあります。
だからSecondoは、論じるよりも、現場へ
探偵社長が今日も現場へ行くのでした!
経営スピードが上がる本当の理由
ここが面白いところです。
経営スピードが上がる理由は
判断が速くなるからではありません。
迷いが消えるからです。
迷いがあると、
・決断が遅れる
・実行が遅れる
・修正も遅れる
迷いがないと、
・決断が速い
・実行が速い
・修正も速い
つまり、経営の回転数が上がる。
最後に質問です。
あなたが今迷っている判断は、情報が足りないのでしょうか。
それとも、判断基準がないのでしょうか。
もし後者だとしたら、それは戦略の問題ではなく
自分を知る問題かもしれません。
次回予告
「判断渋滞にハマる社長」と実存合理性
次回は「社長の軸が定まると行動が加速する」というテーマです。
Secondoでの実施効果データを元に
事実を書いています。
もしかすると、この記事を読み終わるころには、
明日の行動力が、少しだけ早くなるかもしれません。
「社長と実存合理性」シリーズは、日付順から読むと
思考がつながり、社長の頭の整理にオススメです。
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