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もし教師が「教員免許がなくてもできる仕事は致しません」と言ったら|休み時間#19

#休み時間シリーズ (第19話)
学校の先生や教育全体に関する
あるあるな話題を取り上げていきます。

※このシリーズは、どの回からでも読めます。

人気ドラマ『ドクターX』に登場する、米倉涼子さん演じる大門未知子の有名な決め台詞を知っていますか。

一つは、
「私、失敗しないので。」

そして、もう一つは、物語の序盤、スーパードクターの大門未知子と病院が契約する際に必ず出て来るこのセリフ。

  • 教授の研究の手伝い…致しません

  • 論文の下書き…致しません

  • 院長回診のお供…致しません

  • ゴルフの送り迎え…致しません

  • 愛人の隠ぺい工作…致しません

「医師免許がなくてもできる仕事は致しません」
そういった雑用は一切やらず、医師として本質的な仕事だけをする。そんな潔いスタンスを表した言葉です。



1.「致しません」と言えない教師たち

では、もし教師が同じことを言ったらどうなるでしょうか。
「教員免許がなくてもできる仕事は致しません」
例えば、以下のような仕事が「教師版・致しませんリスト」に並ぶはずです。

  • 行事のしおりや学年通信の大量印刷

  • 入学式や卒業式に使う体育館の椅子並べ

  • 掲示板のポスターの貼り替え

  • 校庭のライン引き

  • 専門外の部活動の顧問や、休日返上の引率

  • なぜか毎回教師が担当する行事の写真撮影

  • 掃除用具の補充や整理

  • 端末の初期設定、ログイン補助

  • 集金や未納者への声掛け

などなど、言い出したら、きりなく出てきます。
でも、もしこれらを一切やらないと決めた瞬間、学校はどうなるでしょう。

印刷機は止まり、掲示板は空っぽのまま。体育館には椅子が並ばず、校庭にラインが引かれることもありません。行事当日になっても、「先生、準備ができていません!」という困惑の声が、あちこちから聞こえてくるはずです。


2.学校を支える「名もなき仕事」の正体と「やりがい搾取」

学校という場所は、実にたくさんの「名もなき仕事」で成り立っています。その中には、教員免許がなくてもできる仕事がたくさんあります。それでも現場の教師がそれらを引き受けているのは、理由はシンプルで「誰かがやらないと学校が回らないから」です。

私自身、これまで部活動には人一倍熱心に取り組んできた自負があります。生徒の成長を間近で見られる時間は、教師としての大きな喜びでもありました。

けれど、その「やりがい」に甘えて、本来は分担できるはずの事務作業や準備まで、すべて教師が背負い込んでしまうのが今の学校の姿なのかもしれません。これが、いわゆる「やりがい搾取」といわれるものです。「やりがい搾取」に関する私の思いは、また別記事に書こうと思っていますが、ただ最近は、少しずつ変化の兆しも見えています。

例えば東京都など、いくつかの自治体では、教員の負担を減らすために「スクール・サポート・スタッフ」や「エデュケーション・アシスタント」といった職種の方々が配置されるようになりました。

つまり、少しずつではありますが、印刷や教材準備、掲示物づくりなど、教員免許がなくてもできる仕事を分担する仕組みが整いつつあるのです。

それでも現場では今日も、印刷機が回り、掲示物が貼られ、行事の準備が進んでいきます。そして教師は、「教員免許がなくてもできる仕事」を、結局今日もやってしまうのです。それが学校という場所の、良くも悪くも「献身的な」性質なのだと思います。

ただ、一つ気になることがあります。

教師を目指す人が年々減っているという現実です。
理由は一つではないでしょう。けれど、授業の準備だけでなく、印刷や掲示、行事の設営、ときには校庭のライン引きまでこなす姿を見て、「先生って大変そうだな」と若い世代が感じてしまうのは、決して無関係ではない気がします。

だからこそ、以前、下記の記事でも書きましたが、まずは教師の人数を増やすことが必要なのです。


これに加えて、教師以外にも、学校を支える専門スタッフの方々が増えていくことは、これからの学校にとって非常に大切なことだと言えます。学校は、教師だけで動かす場所ではありません。たくさんの人の手があって、初めて一つの学校が動いていくのです。


3.印刷室で天井を見上げながら

……と、もっともらしいことを書いていますが、私自身、林間学校のしおりを印刷していて「ぎっくり腰」になった経験があります。(詳しくはこちらの記事をお読みください)


印刷した重い紙の束を抱えた瞬間、「バキッ」という音とともに、その場から動けなくなったのです。

でも、あの時、
「教員免許がなくてもできる仕事は致しません」
ろ、もしそう言えていたら、私の腰も少しは楽だったのかもしれません(笑)


この記事を読んで「あるある」「腰、お大事に……」と少しでも思っていただけたら、「スキ」や「フォロー」をいただけると、私の腰の不安もなくなるかもしれませんので、よろしくお願いします。



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