そこは、あくまでも食堂です。
『居室(きょしつ)』とは、
入居されている方の個人部屋のことです。
目が離せないとき、一時的に目が届く場所に
寝かせることはあるかもしれない。
でも、常時そこで寝かされ、自分の部屋には
新しい入居者が入ってしまったという話。
え、ここって…「部屋」なんですか?
ある日。
食堂ホールの一角にベッドが設置された。
パーテーションを1枚置いて
「はい、居室の出来上がり」。
体調が不安定なおじいちゃん。
「いつもスタッフの目が届く場所がいいよね」と
よくみんなで話してはいたけれど。
誰がどう見ても「食堂ホールの一角」、
施設内では「○○さんの居室」って扱いになってしまった。
プライバシーって、なんだっけ
パーテーション1枚の向こうで、着替え、
オムツ交換。
角度によっては隠れていない。
人が行き来するホール。
誰の目にもさらされる空間で寝起きする生活。
「見守りが必要」と言う名目で
このホールの一角がこれから「居室」として
扱われることになる。
おじいちゃんは認知症であまり喋らない。
暴力行為などもなく、介護拒否もない。
だから、この状況を理解できているのかさえ、
分からなかった。
おじいちゃんの居室は「空室扱い」
ある日、新しい入居の相談が来ました。
責任者に「部屋、空いてませんよね?」って
聞いたら、
「ホールにいる〇〇さんの部屋、空けるから」と。
は?空ける?おじいちゃんの部屋だよね?
心の中で叫びました。
でも、現場が口を出せる話ではありませんでした。
定員、ごまかしてる?
居室数と定員が合ってない。
パンフレットには書かれない
「裏の部屋」が、実際には存在していた。
「この施設の定員って何人?」と聞かれて
はっきり答えられる人、いたかな。
定員オーバーで職員の負担は増すばかりです。
赤字だから新しく入居もさせる?
施設にも事情があるのはわかる。
でも、大切な人をパーテーション個室で
過ごさせたい家族なんて、いるはずがない。
人手不足も経営も、理解したい気持ちはある。
だけど、それが理由で「当たり前の人間らしさ」が
削られていいわけじゃない。
でも、こんな感じで「ちょっとおかしい」は
日常になっていきます。
そして、私たち職員もその状況に慣れてしまい、
違和感すら無くしていってしまいます。
だからおかしいと思うことは、最初から阻止しないと
いけないと書きながら感じ、反省。
部屋の数と定員、必ずチェック
✅ パンフレット通りの部屋数か?
✅ 見学で「ベッドのある不自然な場所」は
なかったか?
✅「体調が悪い人は、どこか別の部屋で
みるんですか?」と聞いてみる。
大切な人が、ホールの一角で寝起きしないために。
見学では、空間の使われ方にも注目してみて
ください。
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