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ノカナのジャック【ダンジョン・第4話】 − 159

 夜明け前に目が覚めた。
 背嚢をつかみあげて、すぐに部屋を出てダンジョンに向かった。

 夜明け前のダンジョンには人影も、獲物の気配もなかった。
 でも、知っている。
 水の中には魚がいる。
 石をめくれば、小さなカナトコがいる。
 旧市街のどこかに、カナクイドリや野犬が群れている。

 野犬の群れに襲われたら死ぬ。 
 デカいカナクイドリだってそうだ。
 アイツらの攻撃は速い。

 でも、それでも…
 何か狩りたい。
 成り上がりたい。
 理屈じゃない。

 本能?
 いや、誰だってそうだろう。
 手が届くかはわからない。
 こんな俺でも、何か獲物を仕留めたい──そう思う。
 魚もカナトコも速い。
 野犬は、エサだと分かるとしつこくて、バテない。

 今日はバカルがいない。
 旧市街でソロはヤバい。
 分かっている。
 それを承知で、旧市街入り口側の水路に入る。

 まだ日が昇ってないからだろう。
 メッチャ水が冷たい。
 足首の感覚が、少しずつ無くなっていく。

 狙いは、水路に落ちている石。
 石をめくる。
 めくる前に必ず辺りを見回す。
 旧市街で生命を落とす奴らは、たいてい野犬にヤられている。
 狙われたら、こっちが狩られる。

 石をめくると、たいていザリガニかヒラガニがいる。
 小さいし、仲買も買ってくれない。
 でも、そんなの関係ない。
 茹でるだけで美味いし、麦と炊いてもイイ!

 武具屋の女将さんが褒めてくれるんだ。
 ノカナでゴミを喰ってた俺には、最高に美味い朝飯サ♬

 バカルが仕留めたカナクイドリを仲買に持って行った時、
「オマエら、鯉は捕れねえか?」って言われた。
 旧市街の水は澄んでキレイだから、魚を生で仲買に卸したら高値がつく。
 大物の鯉を城に献上したいって言ってた。

 タダで献上!?
 理由を聞いたら、
「ウチも王族御用達とか名乗りたいのよ。
 知ってるかい?
 王族はデカい鯉が大好きなんだよ。」

 心臓がバクバクした。
 アルス姫も食べるのかも、って想像した。

「この鯉は、誰が献上してくれたの?」
 ―そんなふうに言われてえ。

 アルス姫も飯を食うんだよな? 
 信じられねえよな!?

 だけど、俺はまだまだダンジョンのことを知らなきゃならない。
 大物の鯉が、どこにいるかも分からないし、野犬にビクビクしているガキだ。

 獲物を背嚢に入れて、帰る時だった。
 水路をすうっと、2フィートくらいの鯉が泳いできた。
 いや、黙って見てたさ。
 初めて、フィート超えの鯉を見た。
 なんていうかさ、キレイな生き物だっておもったよ。

 不思議だな。
 明け方だからか?
 ちょっと楽しみが増えた。

 あ、急いで帰って女将さんにザリガニを渡さなきゃ。
 これも献上になるのかな?
 ハハッ♪

 今日はヒラガニも獲った。
 女将さんがきっと喜ぶ。
     
         
              続きます

 ******************(
 (イラストは、優音先生作画のレドゥビア国 第3王女 アルス姫 )
 
 成り上がれジャック!
 ノカナのゴミ捨て場から。

 最後に、紹介させて下さい。
 優音先生のフェバリット✨️
 ドラギャルちゃん
 道産子として、魔法少女×スズランは好きです↗️
 だけれど、銀のキャミソのドラギャルちゃんの爽やかな破壊力を見てほしい!


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