【装備録】古びた革を蘇らせる。半世紀前の仏軍レザーポーチをサバゲー装備へ組み込む
「シンプルで洗練された黒を基調としたPMC(民間軍事会社)スタイル」を目指し、自分のアイデンティティをどう盛り込むかを模索していた私にとって、フランス軍「M47フィールドジャケット」との出会いはまさに僥倖だった。
『実用性一辺倒だった服選び』
私の普段着は、シャツにスラックスを合わせるようなTrad(トラッド)なスタイル、いわゆる「キレイめ」な服ばかりだ。オフィスカジュアルとプライベートのどちらにも使えて便利という、身も蓋もない理由からきている。
もちろんダウンジャケットやカーゴパンツ、Tシャツなども持っているが、それらはキャンプや公園遊びといったアウトドアでの機能性・耐久性を求めた結果に過ぎず、選ぶ際も「シャツに合わせられるシンプルで細身のデザイン」を基準にしてきた。
そうした実用性一辺倒で服を選んできた私にとって、サバゲーの時にしか着られないゴリゴリの迷彩服を、他の支出を差し置いてまで購入することにはかなりの抵抗感があったのだ。
(勝手なイメージかもしれないが、独身時代に買った服を大切に着続けるなど、子育て世代には私と似たような価値観の方が多いのではないだろうか)
そうした背景があったからこそ、ミリタリー要素を前面に出しながらも、キレイめなTradスタイルと両立し得るM47ジャケットに出会えた衝撃は大きかったのだ。
『ユーロミリタリーに見出した、装備の核』
私は「ユーロミリタリーにこそ活路があるのではないか」と考え、再び実店舗やECサイトを巡った。
結果、ファストファッションと変わらない価格帯で見つかること、サバゲーのハードユースに耐えうる耐久性があること、そしてシティユースにも使えるデザインの美しさ。
自分の中で「服を買う合理的な理由」を見出し、ユーロミリタリーを自身のサバゲー装備の核に据えることを決心した。
方向性が定まれば、あとは必要なアイテムの選定だ。
まず、サバゲーのベースウェアとして、また春秋の羽織物として「M47チノシャツ」をWaiperで購入(約8,000円)。次に、首周りの保護を兼ねてチェコ軍のチューブマフラーをS&Grafで購入(約1,000円)。もちろん、これらもM47ジャケットと同様、丁寧に洗濯しケアを施した。
『MAS49/56用レザーアモポーチとの出会い』
さらに、PMCスタイルの説得力を増すようなベルト周りの小物がないかとレプマートで見繕っていたところ、あるアイテムに目を奪われた。
フランス軍の主力小銃「MAS49-56」の弾薬を携帯するための、2ポケットのレザーアモポーチだ。

(購入直後の画像が見つからなかった)
元々の状態が気になる方は、レプマート等で
『MAS49 レザーポーチ』と検索して欲しい。
半世紀前の軍放出品だけあって、革はゴム板のように硬くて細かい傷がつき、金属製リベットは青黒く錆び、長年のホコリのせいかカビ臭さも強かった。ミリタリーヴィンテージでありながら約1,500円という価格設定も頷ける状態だ。
しかし、よく観察すると、革は現代ではそうそう見かけないほどの肉厚さで、それを縫いとめる糸もしっかりと生きている。M47に通じる確かな技術と、丸みのある可愛らしいデザインに惹かれ、購入を決めた。
『革製品を自分でメンテナンスする悦び』
自宅に帰り、早速このレザーポーチのメンテナンスに取り掛かる。
私の手持ちの服は、財布とスーツ、肌着を除けばほぼ古着だ。コストを抑えたいという理由もあるが、古着屋で自分に合った服を破格で見つけた時の「してやったり( ≖ᴗ≖)」という感覚がたまらなく好きなのだ。
そして何より、古い靴や鞄などの革製品を手に入れてはメンテナンスすることが好きで、ちょっとした趣味である。
個人的な感覚になるが、80年代後半から00年代初頭にかけて作られた革製品には、現代ではなかなか手に入らない品質の革が使われているにもかかわらず、価格は現行品の10分の1にも満たないようなアイテムが数多くある。
もちろん、当時のトレンドを反映し現代にそぐわないデザインのアイテムの方が多いが、トレンドに左右されないクラシカルなデザインのアイテムもたしかにある。
そうした自分だけの名品を掘り起こし、メンテナンスして蘇らせ、身につける。
それは、単に良い古着を見つけることよりもずっと大きな悦びになるのだ。
前置きが長くなったが、古い革のメンテナンスに関しては、少しばかりの自信とこだわりがある。
まずは馬毛ブラシで大まかにホコリを落とし、クロスでリベットのサビを拭き取る。次に、オゾン水生成器を使って20分ほど浸け置き。その後、サフィールのサドルソープで優しく擦り、半世紀分の染み付いたホコリと匂いを根こそぎ落としていく。
洗い終わったら、ポーチのなかに丸めた新聞紙を詰めて形を整え、ネットに入れて陰干しする。
翌朝。革が半乾きの状態で、Collonilの1909シュプリームクリームを指に取り、直接塗り込んで保湿していく。新聞紙を新しいものに交換し、室内の風通しの良い場所でさらに陰干し。
仕事から帰宅後、また新聞紙を交換し、水分と油分で柔らかくなったポーチのフラップをリベットに留めてクセをつけ、さらに陰干し。
作業開始から3日目の夜。ようやく表面が完全に乾いたので、仕上げに少しだけクリームを足し、豚毛ブラシでしっかりと塗り込み、クロスで磨き上げる。
そこまで手をかけると、購入時はどこか灰色にくすんでいたレザーポーチが、最終的には頬擦りしたくなるほど艶やかで、深い光沢を放つようになった。

革のツヤ感とクリームの香りがたまらない

『手間暇をかけ自分だけの「愛用品」に』
こうして文章にすると大変な作業のように見えるかもしれないが、実際は家事や育児の隙間時間に少しずつ作業しているだけで、ほとんどは「陰干しの待ち時間」だ。手間としてはロングコートにブラシをかける程度と大差ない。
しかし、たったこれだけの手間暇をかけることで、本来なら出会うはずもなかった古びた道具が、オンリーワンの「愛用品」へと変わるのだ。だから私は、特に革製品を愛するのかもしれない。
一向にサバゲーのプレイに関する内容にならずヤキモキする読者もいるかもしれない。
だが、私は、フィールドで銃を構える時間だけがサバゲーではないと考えている。
今こうして記事を書いたり、装備品を自らの手でメンテナンスしたりする静かな時間もまた、次のプレイに向けた熱を高めるための、サバゲーという趣味の醍醐味だと考えている。
次回は、回想録から少し離れ、「実戦録」として直近に参加したサバゲーのアフターレポートをお届けしたい。
私がどのようにプレイを振り返っているかを共有することで、誰かの参考になれば幸いである。
『幸せな気分に浸れる愛用品たち』
