業務改善は、何かを増やすことだと思っていた|大切なのは「何を加えたか」より「現場がどう変わったか」
こんにちは!
元ITエンジニアで現役介護福祉士のやなぎです🌱
最近は、noteで新人教育についての記事を書くのが楽しくて、気づけばブログの更新が少しゆっくりになっていました…
そんな中、先日ブログで、介護現場の業務改善についての記事を一本公開しました。
今回は、ブログでは書ききれなかった僕自身の気づきを中心に、業務改善における「足し算」と「引き算」について綴っていきたいと思います。
以前の僕は、業務改善と聞くと、何か新しいものを取り入れることを思い浮かべていました。
新しいシステムを導入する。
便利な機器を取り入れる。
Excelで一覧表を作る。
新しい記録方法やルールを考える。
現場に困りごとがあれば、それを解決するために、
「何を加えればよいだろう」
と考える。
元ITエンジニアということもあり、僕にとっては、それが自然な発想だったのだと思います。
実際に、何かを作ったり導入したりすることで、現場の負担が軽くなった経験もありました。
だから、新しいものを取り入れること自体が悪いとは思っていません。
ただ、介護現場で働き続ける中で、業務改善は何かを加えることだけではないのだと感じるようになりました。
新しいものは、改善したことが分かりやすい
新しいものを取り入れると、変化が目に見えますよね。
新しい機器を導入した。
新しい表を作った。
新しい仕組みを始めた。
何をしたのか説明しやすく、取り組んだことも形に残ります。
現場で何か問題が起きた時にも、新しい確認方法やルールを加えれば、
「今後は、このように対応します」
と示すことができます。
何かを増やす方が、改善したことを実感しやすいのかもしれません。
僕自身も、現場で困っていることを聞くと、
「Excelで作れないかな」
「新しい方法に変えられないかな」
「何か便利なものを導入できないかな」
と考えることがよくありました。
現場を少しでも良くしたいという気持ちから考えていたことなので、その発想が間違っていたとは思いません。
新しい仕組みを加えることで、これまで時間がかかっていた仕事が楽になることもあります。
ただ、何かを加える時には、その後も現場で使い続ける人がいることを忘れてはいけないのだと思います。

今ある業務を置き換えられるなら、それでいい
新しいものを取り入れる時、今ある業務を新しい方法へ置き換えることもあります。
紙で行っていた記録を介護ソフトにまとめる。
手作業で行っていた集計をExcelで自動化する。
口頭だけだった共有を、誰でも確認できる形に変える。
新しい方法へ置き換えることで、それまでの手間が軽くなるのであれば、それは良い業務改善だと思います。
新しいものを導入することが問題なのではありません。
便利な機器やシステムを取り入れることで、現場の流れが分かりやすくなることもあります。
ただ、実際の介護現場では、今ある業務を新しい方法へ置き換えるのではなく、これまでの業務にプラスして、新しい何かを始めることも多いと思うんですよね。
介護ソフトへ入力するようになったけれど、同じ内容を紙にも書く。
新しい一覧表を作ったけれど、もともと使っていた用紙も「念のため」に残しておく。
新しい確認方法を始めたけれど、それまで行っていた申し送りやチェックも、そのまま続ける。
本来は便利にするために始めたものが、以前の方法に上乗せされてしまうことがあります。
そうなると、新しいものを取り入れたはずなのに、現場では仕事が一つ増えただけになってしまいます。

作ったものは、誰かの新しい仕事になる
新しい表を作れば、誰かが記入します。
新しいシステムを導入すれば、使い方を覚え、入力し、確認する人が必要になります。
新しいルールを決めれば、今いる職員だけではなく、これから入る職員にも説明しなければなりません。
作る側から見ると、小さな追加に感じるかもしれません。
けれど、現場で毎日行う人にとっては、新しい仕事が一つ増えることになります。
また、作った後のことも考えなければなりません。
修正や変更が必要になった時、誰でも対応できるものであればよいのですが、作った本人にしか分からない部分が残ってしまうこともあります。
僕自身、できるだけ分かりやすく作り、説明を残してきたつもりでした。
それでも、作った時の意図や細かな使い方まで、すべてを引き継ぐことは簡単ではありませんでした。
作るところまでではなく、その後の修正や管理、引き継ぎまで含めて、現場で続けられる形にする必要があるのだと思います。
特に、転職して新しい職場に入り、もう一度仕事を教わる側になったことで、そのことを以前よりも強く感じるようになりました。
一つの記録。
一つの確認。
一つの独自ルール。
長く働いている職員にとっては当たり前でも、新しく入った職員にとっては、すべて覚えなければならない仕事です。
もちろん、その中には必要なものがたくさんあります。
安全を守るために欠かせない確認もありますし、利用者さんの状態を共有するために必要な記録もあります。
ただ、理由がよく分からないまま残っているものや、似た内容がいくつも重なっているものまで増えていくと、仕事の全体像は少しずつ分かりにくくなります。
何かを作ったり導入したりする時には、その場の困りごとを解決できるかだけでなく、その後も無理なく続けられるかまで考える必要があるのだと思います。

導入しただけでは、現場が良くなったとは限らない
新しい機器やシステムを導入したことは、業務改善の始まりにはなると思います。
でも、導入したこと自体が、そのまま成果になるわけではありません。
本当に記録時間は短くなったのか。
必要な情報を見つけやすくなったのか。
以前の業務はきちんと見直されたのか。
職員が戸惑わずに使えているのか。
新人さんにも説明しやすくなったのか。
そして、利用者さんを見る時間や、話を聞く余裕につながったのか。
そこまで見なければ、導入すること自体が目的になってしまうこともあると思います。
「システムを入れました」
「新しい表を作りました」
という事実は分かりやすいです。
けれど、本当に大切なのは、その後の現場にどのような変化があったかです。
新しいものを取り入れることが問題なのではなく、今ある業務を見直さないまま、さらに仕事を加えてしまうことに問題があるのだと思います。

増やす前に、今ある仕事を見る
最近は、現場の困りごとを見つけた時に、すぐ何かを加えるのではなく、まず今ある仕事を見ることも大切だと思うようになりました。
すでに似たものがないか。
同じ内容を別の場所にも残していないか。
以前は必要だったけれど、今は役割が変わっていないか。
新しいものを増やさなくても、今ある流れを組み直すことで対応できないか。
業務改善というと、新しいことを始めるイメージがあります。
でも、二つある記録を一つにすることや、使われていない項目を見直すことも、業務改善なのだと思います。
複雑になった手順を分かりやすくする。
必要な情報を一か所で確認できるようにする。
今の現場に合わなくなったルールを見直す。
新しいものを導入するのであれば、以前の方法をそのまま残さず、きちんと置き換える。
何かを加えなくても、現場が動きやすくなることがあります。
僕は以前、改善するためには、新しい答えを用意しなければいけないと思っていたのかもしれません。
けれど、新しい答えを作る前に、すでにあるものを見直すだけで変わることもある。
そのことに、少しずつ気づくようになりました。

何を加えたかより、現場がどう変わったか
Excelを作った。
新しい機器を入れた。
新しい仕組みを始めた。
それだけでは、まだ業務改善の途中なのだと思います。
そのあと、現場の職員が使いやすくなったのか。
同じ作業を何度も繰り返さなくてよくなったのか。
新しく入った職員にも、理由を含めて説明しやすくなったのか。
今までよりも落ち着いて仕事ができるようになったのか。
そして、利用者さんの様子を見る時間や、話を聞く余裕につながったのか。
そこまで見て、初めて「改善できた」と言えるのかもしれません。
もちろん、新しいものを導入した方がよい場面もあります。
便利なものを作ることで、大きく負担が変わることもあります。
僕自身、これからもExcelやITを使って、現場の困りごとを少し楽にする方法を考えていきたいと思っています。
ただ、これからは「何を加えるか」だけではなく、
「今あるものを見直せないか」
「新しい方法へ、きちんと置き換えられているか」
「加えた結果、現場は本当に変わったのか」
というところまで考えていきたいと思っています。

ブログでは、業務を見直す具体的な流れをまとめました
今回書いた「何かを加えるだけではなく、今ある仕事も見直す」という考え方について、ブログでは、介護現場で実際に業務を見直すための流れをもう少し具体的にまとめています。
安全に必要な部分は守りながら、重なっている記録や確認、今の現場に合わなくなっている業務を見直すためのExcelシートも無料で配布しています。
現場の中に少し気になっている業務がありましたら、こちらも参考にしていただけると嬉しいです。
▶︎ 介護現場の業務改善は「足し算」より「引き算」から|現場の負担を軽くする業務見直しシート付き
最後に|業務改善の先にあるものを見ていきたい
業務改善は、何か新しいものを増やすことだけではありません。
本当に必要な仕事が見えやすくなり、職員が少し落ち着いて働けるようになること。
そして、その変化が利用者さんへのケアにつながっていくこと。
新しいものを作ったり導入したりすることは、改善のきっかけになります。
ただ、そこで終わるのではなく、実際に使う職員の負担はどう変わったのか、利用者さんと関わる時間につながったのかまで見ていくことが大切なのだと思います。
何を加えたかより、現場がどう変わったか。
すぐに大きな変化を生み出すことは難しくても、今ある業務を一つずつ見直すことで、現場は少しずつ変わっていくのかもしれません。
僕自身も、これから何かを作ったり導入したりする時には、その先にある現場の変化まで考えていきたいと思います。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました🍀

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